鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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おはこんばんちは!
水樹奈々さんのニューシングルを聴きながら
ハイテンションのにいやん黒須賀部でございます。

昨日は横須賀大雨だったみたいですね?
私の地元も2時間ほど集中豪雨なかんじでした。

皆さん急な天候の悪化などには気を付けてくださいね?




ソレはソレとして、あっという間に14話です。
今回で夕張回は終了となります。

さて楽しいキャンプの晩餐の様子から見ていきましょう。


14:旗艦夕張、出撃します!その8

ここは兵庫県の南東部にある、とある無料のキャンプ場。

夜のとばりがお降りる頃、二人の艦娘が楽しい食事の時間を過ごしていた。

 

 

 

 

 

「赤城さん、このお肉とっても美味しいです!」

 

 

やや興奮気味に話すのは軽巡艦娘の夕張。

それを笑顔で聞いているのは航空母艦娘の赤城。

 

 

「ちょっと奮発してみました。ろーちゃんが居ればもっと美味しく焼けたんですが」

 

「いやいやいや、コレ充分美味しいです、赤城さん、私なんだかすごくしあわせですよ」

 

「ふふふ、良かったです」

 

 

そこで思い出したかのように赤城は「あー、乾杯まだでしたね」

テヘ☆といったかわいらしい仕草をする。

 

 

「そうでした」

 

「それじゃ、夕張さん、ハイ」

 

 

缶チューハイを手渡してくれる赤城。

自分はちょっと贅沢なビールを手に持ちプルタブを開ける。

プシュっと良い音が響き渡り、夕張もつづいて開ける。

 

 

「えー皆さま、お飲み物を手にしてください」

 

「私しか居ませんよ(笑)」

 

「では、明日からの私たちの新しい生活を祝して、乾杯!」

 

「かんぱーい」

 

 

 

ゴキュゴキュ…。

 

 

「あ~~~生きててよかった~」プハー!

 

 

某第三新東京市の某三佐のような呑みっぷりの夕張。

それに合わせて赤城も

 

 

「まったくです、沈んだらこんなの味わえないでしょうし」

 

「うんうん」

 

 

早速酔いが回りだしたのか、赤城は顔をやや赤らめ超同意といった風にうなずいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暖かいごはんと美味しいお肉を一通り堪能し終わった二人は

チロチロとゆらめく焚火の炎を眺めながら、2本目のお酒を手に、やや小声で話していた。

 

 

 

 

 

夕張はやや聞きづらい事だが、気になっていたことを赤城に尋ねることにした。

 

 

 

「そういえば赤城さん、本当に今回のお引越し、良かったんですか?」

 

「どうして?」

 

 

小首をかしげ不思議そうに聞き返す。

 

 

「だって…にいやんの所に居候ですよ?」

 

「んー」

 

「…あまり気分の良い話じゃないと思いますけど、先代の赤城さんは告白を断ったって…」

 

「んー」

 

 

人差し指をアゴにあて、やや視線を上にあげ、どう答えたらいいのか?

といった風に悩んでる赤城。

 

ちょっとぶしつけだったかなぁ、と後悔する夕張。

でもやっぱ気になるもん、聞いちゃったしお酒の席だしいいよね。

と、覚悟を決める。

 

ビールを一口飲んでから、赤城はそっと話し出す。

 

 

「えっと、あくまで告白されたのは前の私です」

 

「先代、先々代の記憶はぼんやり残ってますが、私は私、先代は先代です」

 

「自然に振舞えばお互い問題ないハズですよ」

 

 

と、特に気分を害した風でもなく、柔らかく答えてくれた。

 

 

 

「そっか、私も先代夕張の記憶は朧気ながら残ってますね」

 

「ですよね、でも、アナタはアナタでしょう?」

 

「はい」

 

「先代とは見た目と記憶が似通ってる別人なのよ、私達は」

 

「そうですね」

 

 

 

「先代の赤城は当時の上司、提督と結婚して廃艦処分となりました」

「今は横須賀で専業主婦をやっているとか聞いています」

「あの人の愛した赤城は彼女であって、わたしじゃありませんから」

 

「…はい」

 

 

 

 

理屈は理解出来ても、こころではイマイチ納得いかない。

私はそんなロマンス的な話はいままで一度もなかった。

これからは判らないが、今後の参考のためのデータ取りではないが、色々知っておきたかった。

 

 

「それじゃあ、もしあの人からまた告白されたらどうするんです?」

 

「んー、今はバイクが恋人ですから、振っちゃうと思います(笑)」

 

「ヒドイ(笑)」

 

 

二人でクスクスと笑う。

にいやんご愁傷様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういう夕張さんは、気になる人とか好きな人いないんですか?」

 

 

ブフォ!

なんてこと聞くの赤城さん、吹いちゃったじゃないですか!

 

 

「いませんいません」

 

 

首をブンブン振る。

 

 

「貴女こそあの人とは仲が良かったじゃないですか、その辺どうなの?」

 

「ぇー、私たちは共通の趣味があるからだけですよぅ」

 

 

うん、ナイナイ。

そもそも異性を好きになる、という感覚がイマイチわからない。

異性の友人としてならにいやんだけでなく、おやっさんも好きだ。

同性の友人としてなら青葉も好きだ。

 

 

 

 

「実は私、そういった感情がイマイチ理解できてないんです」

 

「そう?」

 

「はい、フィクションで目にする機会は多いんですけどね。いざ自分に当てはめるとよくわかんないです」

 

「そっか」

 

 

ビールを一気に飲み干すと、赤城は立ち上がって「そろそろ寝ましょうか」と問いかけてきた。

 

 

 

「そうですね」

 

 

 

明日は午前中におやっさんのトコへ行って、新バイクの購入手続きしなくちゃいけないし

はやめに休んでおいたほうがいいかな、とテントに潜り込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

好きな異性か…わたしにもそんな人が現れるのかなぁ。

 

 

 

横になった夕張は、酔いもあってか、数分後にはすぅすぅと寝息をたてて眠っていた。

その日見た夢は、島風に言い寄られて逃げ惑う内容でうなされた。

ある意味悪夢だった。

 




はい、夕張回の最終回無事終了です。
ガールズトーク?は難しいですね。
何を話させればいいのか皆目見当つきませんYO





さて、次回はちょっと休憩回ってことで
時間をさかのぼって終戦直後のお話しでも、と考え中です。

それでは、次回もご期待ください。

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