鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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11話まで来ました。アニメならおよそ1クール?
あまり物語が進んでませんね。
なんかレイズナーの前半部分っぽく感じますね。

なのは新劇場版、気になって仕方がありません orz
まぁどうにかして観に行くとして。



さて、琵琶湖までたどり着いた夕張ちゃんですが
このあとどうなるのでしょうか。

夕張編5回目はじまります。






11:旗艦夕張、出撃します!その5

雨雲が迫る琵琶湖の湖畔沿いを、北に向けてトコトコ走る夕張。

国道に入りしばらくすると、おおきなカーブを描いた上り坂にさしかかる。

そしてその右手には、目的地の道の駅マキノ追坂峠が見えてくる。

 

先ほどの熊川宿と比較すると、倍以上の駐車スペースを誇る大きな休憩スポットだ。

 

 

 

「ひゃー、降られずに済んで良かったぁ」

 

二輪用駐車スペースにバイクを停め、ひといきつく夕張。

もうすぐ雨が降り始めるらしいので、とりあえず建物の中の食堂へ向かう。

 

この際、なにか軽く食べておこうかなぁと、きつねうどんを頼むことにした。

券売機できつねうどんを選び、テーブルで待つこと約3分、うどんが運ばれてきた。

 

 

うん、なかなかにおいしそうな香り、と嬉し気に呟くと

ズルズルと勢いよく食べ始めた。

 

 

 

その時、まどの外を眺めると、ポツリポツリと雨が降り出していた。

抜錨後の海上でなら、艤装の能力で多少の雨は弾いてくれていたが

当然今は艤装は装備していない。

 

「ふふ」

 

なんか不便なのも新鮮に感じて、夕張は小さく笑った。

 

 

 

あ、そうだ、とツナギのポケットからスマホを取り出す。

雨雲レーダーでこの後の天気状況確認しておくようだ。

 

 

「ふむふむ、あと1時間くらいはダメっぽいなぁ」ズルズル

 

左手にスマホ、右手はお箸でうどんを器用にすすっていた。

なにか時間をつぶすものはーっと考えて

ふと休憩時間用にーって、秋雲からもらったラノベをツナギのポケットから出した。

 

 俺の夕張がこんなにお洒落なわけがない

 

 

 

 

何故か鎮守府の広報がGOサインを出した、艦娘夕張をヒロインにした作品だ。

内容は主人公である提督と、ヲタクな夕張のドタバタコメディだった。

 

今この日本では「艦隊これくしょん」というブラウザーゲームが流行っている。

そこに登場するのは、夕張たち艦娘で、デザイン&声ともに結構似ている。

ゆえにこのライトノベルは飛ぶように売り上げを伸ばしている。

 

「えへへ~なんか那珂ちゃんの気持ちが少しわかるような気がする」

 

ちょっとしたアイドル気分にひたる夕張。

本当は自分で買うべきだったんだろうが、その前に貰ってしまったし。

 

「て言うか広報が気を利かして一部くらい進呈してくれても良いのにねぇ」

 

とひとりごちる。

 

 

 

 

小雨が降る中、食堂でラノベを読み進める。

 

「うっわー、私、こんなおこりっぽくないよ~?w」

 

笑いながら、あとで広報に苦情入れておこうと誓う。

 

 

 

 

 

スパーっと読み終える頃には、窓の外から陽が差してきているのがみえた。

 

「よし、今日はもうはやく宿に入って鎮守府に抗議よw」

 

何故か嬉し気な夕張、鎮守府でなにかあったのだろうか?

 

 

駐車場にもどり、BOXからタオルを出して、濡れたバイクのシートなどを拭いてゆく。

車体は念入りにワックスがかかっているので、サッと拭けばピカピカだ。

 

 

キュルキュル ブーン トットトトトトト

 

小気味よい単気筒の排気音が響く。

夕張はここからほど近い、木ノ本あたりで宿をとることにした。

いざ出発!と元気よく走り出す。

 

ここから木ノ本まではほぼ下り坂の走りやすいルートで

低排気量のクロスカブでもスイスイと進んでいく。

 

 

 

割とこじんまりとしたビジネスホテルにチェックインし、荷物を部屋に運ぶ。

部屋で一息ついたのち、おもむろにスマホを操作、鎮守府に連絡を入れ

誓ったように、苦情を入れる夕張からは、ちょっと黒いオーラが出ていた。

 

 

 

 

 

大浴場でひとっぷろ浴び、また部屋でくつろぎつつ、明日の行動予定を考える。

 

「んー、このまま琵琶湖の東側を南下して、琵琶湖大橋経由、京都に出て…。」

 

「明日は篠山あたりで一泊してから、おやっさんのお店にむかおっか」

 

これで決まり!とスムーズに計画をたてると、横になってすぐ寝息を立て始めた。

慣れないことを一日やってたのだから疲れたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、まだ日が昇り始めたころ、夕張は支度を終えてクロスカブに跨っていた。

かなり肌寒いけど、グリップヒーターを点ければ問題ないレベルと判断し、さっそく走り始める。

 

薄い霧につつまれた琵琶湖は、どこか舞鶴の港を彷彿とさせる景色であった。

 

よく整備された湖州道路は、朝のこんな時間でもロードバイク(自転車)の人や

ライダーがそこそこ走っていて、夕張はちょっと驚く。

 

「へー、みんな元気ねー」

 

何故か嬉しくなって、すれ違う、もしくは追い越す際にてを振っていた。

 

ちょっと寄り道して、霧の彦根城をぐるっとまわり

噂のひこにゃん居なくてガッかりしつつ進んでいく。

 

 

 

この時間、トラックや車の交通量も少なく、9:00頃には琵琶湖大橋に到着。

料金所で支払いをする際、あまりの安さにちょっと笑う夕張。

 

「…10円ってw」

 

そう、ここは125CC未満だと10円で渡れてしまうのだ!

まるでチ□ルチョコじゃない、と吹き出しながら、トコトコ渡っていく。

琵琶湖大橋を渡りきると、右手に道の駅が見えてきた。

 

琵琶湖大橋米プラザ。

 

昔は目の前に観覧車(不動)があったのだが、今は撤去されている。

ここで休憩と決め駐車スペースにバイクを停める。

パジャマ姿の人がおおく歩いてるのを目にして、夕張はふしぎに思った。

 

「近所のひとかしら?」

 

だが、多くのパジャマ姿の人はそれぞれ車に入っていく。

ここ米プラザは車中泊のメッかなのだ。

 

「あー、そういうことね」

 

納得納得、とうんうん頷く。

缶コーヒーを片手に小休止。

 

「うわにがっ、やっぱカフェオレにしておけばよかったー」と愚痴をこぼす。

 

今日はちょっと嫌な予感がする夕張だった。

 




はい、無事11話目終了でございます。
なかなか話しの進め方が難しいですね。

あんまり飛ばしたくないし、でもただの観光説明だけってのも…。

まぁこれから精進していきますので
どうか暖かく見守ってやってくださいm(__)m




本文一部修正しました。
タグに「勘違い」と「コメディ」「艦これ」「艦隊これくしょん」「独自設定」追加いたしました。
各章設定を追加しました。
6話タイトルを変更しました。


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