艦娘が平和な時代、艤装をおろし陸の上でハマった趣味(バイク)に
スポットをあてて、物語を描いていきたいと思います。
何分はじめてのことだらけで拙い部分が多々あると思いますが
楽しんで執筆できればなぁと思っています。
どうぞよろしくお願い致しますm(__)m
1:メロン大地に立つ
ある日突如としてこの世界に現れた、深海棲艦と艦娘。
前者は世界の海に混沌を招き、後者は秩序を守らんとお互いに激しく激突。
壮絶を極めた両者の戦いがおよそ5年つづき。
艦娘たちが一応の勝利を収めてから約1年。
戦中、海軍工廠で働いていた、
貯えがそれなりにある為、まだしばらくは自堕落に生きていけるハズだ。
だが、ある春先ののどかな昼下がり、海軍時代に世話になった工廠長、通称「おやっさん」からの呼び出しがあったのだ。
ガレージに停めてある我が愛機
「ふぅ…久しぶりの出撃だぜ…行こうかナナさん(愛用している大型バイクの名前)」
『おけおけマカセロー』
「…」
言っておくが、オレはバイクに話しかける変な人ではナイ決して。
いや、半分ウソだけど。
よく居るでしょう?バイクなり四輪なり愛するあまり擬人化妄想的なアレな人なのよ?
この妖精さんが乗ってて喋りかけてくる変なバイク。
実は海軍工廠時代に妖精さんが宿るようになったて言うか、なっちまってた。
冗談半分で夕張に頼んだら、翌日には妖精さんが住み着いてたってワケ。
それで、やたら面白がって夕張自身のバイクにも妖精さん宿してた。アホかアイツは。
せめてレイズナーのレイとか、なのはのレイジングハートみたいなのならカッコいいんだが。
『レディ!』とか『オーライ、マイマスター』とかさー。燃え燃えやん!
それが妖精さん相手だと漫才にしかならんわ、とほー。
でもまぁ助かる部分も大いにあるから、そう邪険にも出来んのよね。
問題は一般人には基本見えない事。オレには見えて会話も可能。
そのおかげで一般人でありながら、海軍工廠で働いてきたのだわコレが。
脳内でアホな言い訳してる間に、暖気も終えて走り出す。
さて、目指すはおやっさんのガレージ。
地元が同じって事で色々よくしてもらったんだが、夕張以上にクセのある人だからねぇ。
半年ぶりになるが…なんの呼び出しなんだか…。
走るとまだ肌寒いが、桜はもうすぐ咲き始めそうではある。
つぼみが開きかけている桜並木を抜け、国道に入り15分ほどでおやっさんのガレージに到着。
「おう、にいやんか、早速来よったな、関心関心」
頭にタオルを巻いた、白い髭のガタイの良い爺さんが声をかけてきた、おやっさんだ。
齢70近いハズだが、日焼けした肌といい、健康そのもの。ひえー。
愛機をガレージの隅に停めつつ聞いてみる。
「お久しぶりです工廠長!いったい何の呼び出しなんですか???」
「元な? そう慌てなさんな…とりあえず茶でも飲みながら話そうや」
おやっさんの実家はバイクショップで、田舎にしては店構えが大きい。いや田舎だからか?
ガレージの横には展示スペース兼事務所がある。
お客さん用の椅子に腰かけて、話が始まるのを待つ。
お店の事務員さんだろうか?
グルグル眼鏡で黒髪ロングの見た目20代くらいのおねぇさんが、どうぞ、とお茶をだしてくれた。
んー?おやっさんに孫居たっけか?まあいいわ、話待ちましょうか。
しかし茶を飲み干す段になっても、一向に話が始まらない!なんじゃこりゃ
耐えかねてちと嫌味っぽく話をふってみる。
「おやっさーん、オレ確かにヒマしてますけど、茶飲み友達募集かなんかですか?」
「あー、あのな…ちょっと頼みたい事があるんや」
「頼み事?電話かメールでも出来ますやん」
「ワシそーゆーの苦手やからな!」
自慢げに言うなよなー。
「お前ん家、結構デカかったよなぁ?」
「はい」
「一人で住んでるんやろ?勿体ないなぁ…嫁も居らんし?」
よけーなお世話です!
「いくさ終わって約1年、いろいろやることがあったワケやが…」
おやっさんは疲れたようなため息をついてから続ける。
トンデモ発言を…。
「艦娘の一般社会への適応プログラムの一環でな…。お前の所に数人置いたってくれへんやろか?」
「は???」
なんだソレは…オレは一人気ままに楽しく過ごしてたワケだが、これは危機襲来ってヤツ?
やっと戦争も終わり、平和な世の中に戻ったんだ。
オレの心の平穏も守らなきゃイカンのですよ。
一つ屋根の下に女性が居たら、心休まる間が無くなるというもの。
「いやいやいや、そんな事、おやっさんトコでも良いですやん?」
「家はアカンのや、これでも客の出入り激しいからな。その点お前んトコやったら大丈夫やろ」
「はぁ、まぁそれはそうですがね…」
「終戦間もないし、あんまり目立つのも良くないんや、頼むわ」
あーこのままやとアカン、ハッキリNOと言える日本人にならなアカン!
しめたとばかりに、おやっさんが攻勢を強めてきた。
「なにもタダで引き受けてくれってんじゃないんや」
「家賃と合わせて給料も出る!お前今プータローやろ???」
「仰る通りで御座いますm(__)m」
嗚呼、NOと言える日本人像が一気に遠退いたわ、とほー。
しかし、収入ありとなると今後の生活にも潤いがね?
嗚呼、金に負けてもたわ、怖いよ資本主義社会、とほー。
ダメ元で一応おやっさんに釘指しておく。
「ただし、アレっすよ?オタクなおっさんの所へ誰が好き好んで来るってんですか?」
うん、自分で言っててアレだけど。
自慢じゃ無いがオレはハゲでチビでデブでヲタクなおっさんだ orz
自慢の愛機も脚が届かんからローダウンしてる始末、ってのは公然の秘密。
オレの顔をじっとみて溜めてからおやっさんトンデモ発言パート2
「赤城、大和、夕張、グラーフ、呂500、とりあえず5名。あー、後日あと5名ほど頼むわ」
「ぇ!?全部で10人も!!??」
落ち着けオレ。
いくらなんでも女が10人!?考えただけでゲロ吐きそう。
いやまぁ若くて美人or可愛い艦娘が10人も!?となると喜んで飛び上がりそうなモンだが。
海軍工廠時代に身近に見てきたけんども、ありゃヤバすぎる。
何が?ってそりゃ現実離れしすぎなんだわ。
5年一緒に居てなんとなくわかったのは、あの子ら年とらない、見た目変化なし。
なにそれ、ファイブスターのファティマかよ!とか言いたいわ。
そのくせやたらとパワフル&タフネスで…あれは中身ゴリr(自主規制)
それは置いとくとしても、女三人寄れば姦しいとか言うよな。
我がテリトリーは死守せねば、自宅に居場所が無くなる…。
独身一人暮らしで自宅帰りたくない~とか、どんな罰ゲームや!
ってアレ?まてよ、今さっき慣れ親しんだ名前があったような。
「おやっさん、今のもっかい頼んますわ」
「ん?赤城、大和、夕張、グラーf「そこ!!!」」
「何やねん、って、あー、お前、夕張とは仲良かったなぁ」
うひひ、と笑うおやっさん。
別におやっさんが思ってるようなことと違うんだからねっ。
夕張とはヲタク趣味が共通してることもあって接しやすいのよ、ありがてぇ事に。
「おーい、バリちゃん出番やで」
事務所の奥に向かって、おやっさんが声をあげる。
すると、さっきお茶を出してくれた事務員さんが、眼鏡を外し、ウィッグも外す。
は?ウィッグ???なぜに???
「えへー、可愛い事務員さんだと思った?ざんねーん夕張さんでしたー」
そこにはポニーテールではないものの、髪を下した見まごう事なきメロンちゃんこと夕張がいた。
ちなみに本人目の前にメロンちゃん呼びすると、思いっきり蹴られるので自粛。
夕張はイタズラっぽく笑いながら舌をペロっと出している。
相変わらず奇天烈な奴だ。
「夕張!?全然気が付かんかったわ、てかグルグル眼鏡で変装て、どこのエロゲーだ」
「エロゲ言うな」ゲシッ
結局蹴られた理不尽だ。
痛くはあるけど対一般人レベルに抑えているあたりプロの仕事だなぁと思う。
まぁ蹴らないでくれたら一番良いと思うわオジサンは。
【キャラ紹介】その1:にいやん:主人公(男)永遠の16歳とか抜かす40代
一般企業で働いていたが、妖精さんと相性が良い事が発覚。海軍工廠へ転職?することとなる。
終戦後、実家のある兵庫県某市に帰り、田畑の世話をしつつ貯えを浪費しながら暮らしていた。
趣味はアニメ鑑賞とゲーム、バイクツーリング&キャンプなど。
基本的にヘタレ、外見的特徴はハゲチビデブ短足…およそ物語の主人公たりえないが…。
まぁ作者の分身です。 ダメダメでも挫けない、で居たいなぁ…。
愛機:NC700X-typeLD 白黒(通称ナナさん)& CROSS-CUB 黄黒(通称フェイトたん)
【キャラ紹介】その2:兵装実験軽巡夕張(艦娘)書類上は20歳 2代目
初代夕張は開戦早々に深海棲艦(潜水艦)の攻撃で轟沈。
ここに出てるのは、その後深海棲艦泊地にて発見された2代目。
戦時中は工廠にて魔改造or対潜出撃メインで活躍。
アニヲタでその方面では主人公と意気投合している。
アニメ聖地巡礼したいが為、2台目のバイク購入。
メロン呼びを嫌う、胸はメロン程ではないにせよ、ある(着やせするタイプ)
愛機:NC750X-typeLD 橙黒 & CROSS-CUB 橙黒 KTMカラーが好み?
本文一部修正しました。