復讐者-Avenger- 正義を憎み、人間を恨んだ男   作:ゔりこんどりふぁ

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遅れて申し訳ない。
日間ルーキーランキング入っててその余韻に浸ってました。

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圧倒と激昴と乱入と

己が黒い炎に身を包み、咆哮する姿はまさに獣。この世に復讐を誓った悪の化身。

 

『さぁ、貴様の信念とやらを、突き通してみろ!!!』

 

その口から放たれる言葉は先程とは違いノイズが混じっているように聞こえる。そして、アヴェンジャーの黒き炎が更に猛り、大使館が吹っ飛んだ。

 

「ぐっ!なんて熱だ、これじゃあ近づけん!!!」

 

(ウォン)が思わずそう漏らす。

 

「熱ならば対処可能です!!」

 

ソフィアの個性『ダイアモンドダスト』が発動し、分厚い氷の壁を作り出す。盾の役割と同時に、一帯の気温を下げる役割もある。

 

個性『ダイアモンドダスト』

 

雪や氷を発生、操作することが出来る。しかし、自身も寒さの影響を受けるため、連発はできない。この個性の最も特異な部分として、爆発する雪、『ダイアモンドダスト』が使用可能という点がある。

 

『対応が追いつかない相手に、視界をふさぐのは悪手としか言えんぞ?』

 

ソフィアの背後にアヴェンジャーが周り込む。

 

「そんなっ!?」

 

ドスッと、鈍い音の後にソフィアから鮮血が散る。アヴェンジャーの獣のソレとなった爪がソフィアを背後から貫いたのだ。

 

「がっ……!」

 

「ソフィア嬢!!おのれ!!!」

 

翁は『明鏡止水』を発動。

 

個性『明鏡止水』

 

鏡の如く揺らがない水面のような心を持つことで、身体能力が底上げされる。集中すればするほどその底上げの倍率は増し、最大限まで引き出せばその力は全盛期のオールマイトを遥かに超える。しかし、自身に過大な負荷がかかるため現在では、もって10秒。それ以上使用すれば身体が動かなくなる危険性がある。

 

人間を越えたスピードで接近、拳を放つ。

 

『おい、それが本気か?』

 

常人ならば対処不可。それどころか身体に風穴を開けられ、絶命していてもおかしくない。その一撃をアヴェンジャーは、攻撃の主である翁を一瞥もせずに受け止めた。

 

「ありえん……!!!」

 

『自分の拳が受け止められたのが有り得ない。随分な自信だなぁ?一体その拳でどれだけ、不都合なものを排除してきたんだ?』

 

「黙れ!」

 

続く拳、蹴り、全てが捌かれる。

 

『黙れ、か。敵の言葉に耳は貸さない。流石はプロヒーロー、分かっている。だが、人としては大いに間違った行為だ。グレイブ・G・ゴトー(あのゴミ)は言っていたぞ?誰の声であろうと助けを求める声ならば助けると。そしてオールマイト(そこのゴミ)は言った、救われない人などいないと。だが貴様らがヴィランに言うのは、『黙れ』『喋るな』『詭弁を言うな』『戯言を抜かすな』どうだ?矛盾していないか?口では全てを救う、全てを救ける、正義の味方などと宣い、行動は都合の悪い声を無視して見栄えの良いようにしているだけじゃないか。それで英雄?ふざけるな!!!!』

 

アヴェンジャーは激昴する。見たいものしか見ない、聞きたいことしか聞かない貴様らに英雄を名乗る価値などない。ーーーーそもそもアヴェンジャーにとっては、英雄などは必要なく、軽々しく人間がなっていいものではないのだが。ーーーー

 

『やはり人間はどうしょうもなく愚かで、醜く、汚らわしい。お前らと言葉を交わすと一層それが感じられるよ。お前もそう思うだろ?』

 

虚空に言葉を投げかけるアヴェンジャー。そしてそこから降りてきたのは、アヴェンジャーとは似て非なる者、正義を否定した彼とは違い、正義を求めた者。

 

『ステイン。正義にも悪にも染まれない半端者』

 

「アヴェンジャー……」

 

「ステイン、何故ここに!?」

 

オールマイトが問いかける。そしてステインは答える。

 

「決まっている。正しき社会のために贋物を殺しに来た」

 

 

 

 

 




遅れたのにも関わらず短い……m(_ _)m

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