復讐者-Avenger- 正義を憎み、人間を恨んだ男   作:ゔりこんどりふぁ

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そういえば、この物語のエンドまだ決めてないんです

ノーマル

ハッピー

バッド

の三種類でそれぞれ思いついてはいるんですけどイマイチ決めれない。
なんなら分岐で三つ書くのも手なのですが……どうしよう。


一蹴と再戦と覚醒と

世界No.1ヒーロー グレイブ・G・ゴトーの死亡。連日各国で各メディアがそれを取り上げ報道していた。

 

『正義の味方 復讐者に敗れる』

 

『復讐者を止められるものは居ないのか』

 

そんな見出しばかりが目に付いた。

 

「まさかグレイブが……」

 

「No.1が叶わなかった相手に私達の力が通用するのか?」

 

「弱音を吐いていても仕方ありません。今は対策を練らなければ」

 

「ソフィア嬢の言う通り。弱気になれば出来るものも出来なくなるぞ?」

 

海外ヒーロー死亡したグレイブを除く4人がヒーロー大使館に集まっていた。

 

「しかし対策と言ってもどうすれば?グレイブの個性『光』は正しく最強。それが敗れたとなれば……」

 

「1人がダメなら2人で、2人がダメなら3人そうやって人類は進歩してきたのです。私達4人が集まればアヴェンジャーだって倒せます」

 

リダ・スタークスの意見にソフィア・コロリヴァが応じる。

 

「そうです。リダの『騎士道』、ソフィアの『ダイアモンドダスト』、翁老師の『明鏡止水』、そして私の『セイント』があればアヴェンジャーも打ち倒すことが出来ます」

 

ソフィアの意見にジャネット・サインが同意する。我々ならば負けない。必ず勝てると。

 

「そうか、ならば試してみるといい」

 

ソレは突如として目の前に現れた。形容し難い禍々しさを身に纏い、憎悪と怨念をその目に宿す復讐の体現、アヴェンジャー。

 

「貴様ぁぁぁ!!!!」

 

リダが激昴する。彼にとってグレイブ・G・ゴトーは憧れであり目標だった。それを殺したやつが……今自分の目の前にいる!!

 

「いけませんリダ!!連携を取らなければ!!!」

 

ソフィアが止めるがリダはその静止を振り払う。

 

「うるさい!!私はやつを!!」

 

「私情に駆られてあまつさえ連携を崩す。最悪の味方だなぁ?リダ・スタークス。ヨーロッパを代表するヒーローがそれでいいのか?」

 

「黙れぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

リダは自身の個性を発動する。

 

個性『騎士道』

 

かつて存在したという円卓の騎士。彼らの武器を現代に近い形にして呼び出せる。武器によって権能は様々であり、強力なものほど消耗が激しい。1日に呼び出せるのは5本、最上位のものならば2本が限界。だが、その日呼び出したものは、その日のみ消耗なしで何回でも呼び出せる。

 

「音の刃で肉片となれ!!フェイルノート!!!」

 

一見すればハープのようなそれは音の刃を形成する凶器。見えない刃がアヴェンジャーの首元に迫る。

 

「耳障りだ」

 

しかしそれはアヴェンジャーの黒い炎で灼き尽くされる。

 

「貴様はヒーロー失格だ。冷静さを保たず、相手との実力差も計らない。仲間の連携を捨てて1人で飛び込む。まるで自信過剰の新米兵士だ。誰の言葉かはもう覚えていないが、こんな言葉がある。『真に脅威なのは有能な敵ではなく、無能な味方である』とな。まさに貴様のことだよリダ・スタークス」

 

「くそ……!!」

 

リダは歯を食いしばる。己が不甲斐なさに、己が浅はかさに。

 

「さて、他の3人はどうだ?俺という圧倒的巨悪に対しどうする?」

 

「決まっています。仲間と手を取りあなたを倒す!!」

 

ジャネットが決意を言葉にする。

 

「クハハハハ!!そうか、そうか。実にヒーローらしく実に正しい。そして……俺が最も嫌悪する方法だ」

 

愉しそうに笑ったあと底冷えする声でアヴェンジャーは言う。

 

「1人で力が足りなければ2人で、ダメなら3人、4人とその数を増やす。人間が発展してきた原因のひとつだ。だが、貴様らは今リダ・スタークスが攻撃を仕掛けた時何をしていた?見ていただけだろう?やつが勝手な行動をしたからか?咄嗟のことに反応出来なかったか?違うだろう?貴様らは見限ったのだ。あの瞬間にリダ・スタークスという男を。自分達のやり方にそぐわなかったという理由だけで!!!」

 

アヴェンジャーは続ける。

 

「そうだ。人間はそうやって都合の悪いものを駆除し排除してきた。多数派は少数派を間違いと切り捨てる。1人の権力者の言うことを鵜呑みにし、疑うこと無く信じそれを他者に強要する。全く以て反吐が出る。真に仲間だと、共に命を預けあう戦友だと言うのならば、最後まで共に戦って見せろ!!!」

 

アヴェンジャーの黒い炎が猛り狂う。

 

「貴様らにはうんざりだ。だが喜べ。貴様らの援軍が来た」

 

「ついに見つけたぞ、アヴェンジャー!!!」

 

平和の象徴、オールマイト。あの日の決着を着けるために彼がやってきた。

 

「醜悪な正義の体現者が!!今更何をしに来た!!」

 

「決まっているだろう!彼らを助けに、そして君救いに来た!!」

 

オールマイトは告げる。アヴェンジャーを救うと、どうしようもないこの復讐鬼を。

 

「ふざけるな……ふざけるな…ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

アヴェンジャーの猛り狂っていた炎が更に勢いを増し、彼の周囲を灰と化した。

 

「救うだと?寝ぼけているのか?」

 

「いいや、本気さ。私は君を救うと心に決めた」

 

「そうか……ククククク…ハハハハハ……クハハハハ!!!その言葉実現出来るものならしてみるがいい!!!俺の全てをもって貴様の全てを否定する!!!」

 

「私も今この瞬間、全てを懸けて君を救う!!!!!」

 

「黙れぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

オールマイト放つ黄金のオーラとアヴェンジャーの黒い炎がせめぎ合う。

 

「そうやって見境も無く人間を救おうとするから、悪はなくならない!!!!正義という名に溺れて自己の欲望を満たす奴らがいる限りこの世は腐っていく!!!前にも言ったはずだオールマイト!!救う人間を選べと!!」

 

「私こそ前にも言ったはずだ、救われない人などいてはいけないと!!!」

 

「いいだろう、そこまで言うのなら貴様に教えてやる。貴様の師匠『志村 菜奈』を殺したのは俺だ」

 

アヴェンジャーは言う。オールマイトの彼の恩師を殺したのは自分だと。その仇が今目の前にいるのだと。

 

「…………!!!!」

 

「どうしたオールマイト?怒りが滲み出てるぞ?その目はこれから救う相手に向けるものじゃないなぁ。俺を助けてくれるんだろ?救ってくれるんだろ?ほら、早く助けてよヒーロー!!!」

 

「貴様…………!!!!」

 

「ほらな。救われない人なんていて当然だ。人類全員に当てはまる共通点なんて、時が経てば死ぬ事ぐらいだ。それ以外は全て差があり、同じなんてことはない。これで分かっただろ?正義、平等、こんな言葉はただの飾りだと、正義の味方なんてものは存在しない。全てのものを救うことは出来ない。さあ、仇は目の前だ。殺しに来いよオールマイト!!!!!」

 

黒い炎がアヴェンジャーの身を包みそして、火柱が立った。

 

 

 

数秒の後、アヴェンジャーの姿は激しく変化していた。全身が黒い炎を纏いーーーーいや、アヴェンジャー自身が炎となっているのだ。爪は獣のように長く伸び、地面についた2足は爪と同様獣のソレであった。

 

『ガアアアアアアア!!!!!!』

 

復讐の獣が今咆哮した。




1話にひとつは人間の醜い部分を入れようと努力してます。

あとアヴェンジャーがお師匠殺したの時系列おかしくね?と思うがいらっしゃるでしょうが、殺したのは事実で、その経緯、設定は後々書きますのでお楽しみに!

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