復讐者-Avenger- 正義を憎み、人間を恨んだ男   作:ゔりこんどりふぁ

2 / 6
感想が貰えて凄く嬉しい私です(≧∇≦)


糾弾と憎悪と閉幕と

あぁ、これだから、これだから正義の味方なんてもんは、ヒーローなんてもんは…………!!

 

「ふざけるのも大概にしろ。ヒーローなら救う相手くらい選べよ。犯罪者を救ってどうする?犠牲者が増えるぞ?貴様の偽善で!!」

 

人を助けるのに理由がいるのか、だと?答えはどちらでもない。そもそも人を助けるという前提が間違っている。嬉嬉として他者の命を奪い、当然かのようにその命を喰らい、時に気に入らないと言い廃棄する。この方法でしか食事が出来ない種族など他にいるのか?

 

いるはずないだろう?他の種族がいなければ必要な要素すら得られないのだ人間は。そのどうしようもない人間達の中で罪を犯した者。救う価値すらない人間の最底辺の人間。ソレを救ってどうする?

 

「言ったはずだアヴェンジャー。殺していい人など居ないと、同じように救われない人など居てはいけないんだよ」

 

「寝言は寝て言えよ。だが、その言葉を真実とし、その信念が本物だとするなら俺は貴様に1つ、問いたいことがある」

 

なぁ、オールマイト。

 

「貴様は今何をやってるんだ?」

 

「なんだと?」

 

「何をやってるんだ、と問うたのだが?今現在この世界では争いが絶えない。遠い辺境の地で苦しむ人間も多いだろう。飢えに苦しみ、己が不運を嘆き、運命を呪う。持ちたくもない武器を持たされ、殺したくない相手を殺し、罪の意識に苛まれる。そんなヤツらがこの世界には溢れている。さてオールマイト、もう一度問う。貴様は今何をやっている?」

 

「それは…………」

 

「答えられないのか?答えられないよな?何故なら貴様は自分の信念より職務を優先した。私情を優先した。全ての人を救うという信念を捨て、俺という存在を消そうとした。その過程であまつさえ犯罪者さえ救った。平和の象徴?随分と都合のいい肩書き(お飾り)だな?やる事成す事全てが人間共の正義の名の元に正当化されるんだからなぁ!!!」

 

邪魔が入ったせいで遅れたが、今宵のこの一撃をもって訣別の儀としよう。

 

「満たせ憎悪、猛れ復讐の炎、この世の全てを恨む我が一撃!!!」

 

我はこの世全てに復讐する者(アヴェンジャー)!!!

 

俺の個性『憎悪』によって最大まで強化された一撃。相手への憎しみ、恨み、その他のマイナスの感情を糧として身体強化が施されるこの個性はまさに、復讐者としての俺に丁度良い。

 

憎悪の、復讐の、怨嗟の、世界の叫びに身を焼かれながら死ね!!!オールマイト!!!

 

「あぁ、そうさ。私の一挙手一投足に、人々の願いがかけられている。だから私はアヴェンジャー、貴様に負けはしない!!!」

 

我はこの世全ての平和を願う者(ワン・フォー・オール)!!!

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

『無差別連続殺人事件』その犯人アヴェンジャーの掃討作戦から1ヶ月。事件の犠牲者は既に1000に届こうとしていた。

 

アヴェンジャーとオールマイトの究極の一撃はほぼ互角。しかし、オールマイトの制限時間により撤退を余儀なくされた。

 

以後ヒーロー協会はヴィラン名『アヴェンジャー』を特別指名手配。全ヒーローが日夜、捜索を続けているが発見報告の1つも上がらなかった。

 

発見は出来ずしかし、犠牲者は増えていく一方。これについてヒーロー協会は記者会見を行う事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒーロー協会 記者会見会場

 

ヒーロー協会前代未聞の記者会見。一世一代の大スクープに多くの記者が会場を訪れていた。200用意していた椅子はあっという間に埋まり、追加の100でようやく収まった。

 

予定時刻の19時となり、会長の根津とNo.1ヒーローオールマイト、その他協会の重役たちが現れた。

 

パシャパシャ!カシャカシャ!次々と記者達の手でシャッターが押され、フラッシュが焚かれる。

 

「今回の記者会見についてですが、まず会長の根津から発表があります」

 

重役の1人がそう切り出し、根津に繋げる。

 

「ヒーロー協会の取り決めにより、我々日本のヒーローだけでは、アヴェンジャーの対処は困難と決定されました。よって、海外から選抜した5名を戦力として新たに加えます。紹介しましょう」

 

根津が自分達の入ってきた扉に視線を送る。そして、入ってきたのは男性3名、女性2名、背丈はもちろん、肌の色、目の色、全てがバラバラの海外から来たヒーロー達。

 

「では右から。ロシアから来た雪の女王の異名を持つヒーロー、ソフィア・コロリヴァ」

 

白銀の髪に、蒼色の美しい瞳。まるで雪が人の姿になったような、儚げな女性。

 

「次はフランス。現代のジャンヌ・ダルクとされるヒーロー、ジャネット・サイン」

 

金色の髪、ソフィアと同じ蒼色の瞳。ジャンヌ・ダルクが生きていたのならば、このような姿だったのだろうかと思わせる。

 

「3番目はイギリス。ヨーロッパヒーロー連合の長、リダ・スタークス」

 

白い肌に、短く切り揃えられた黒髪。細身だが引き締まった身体から放たれるオーラは、彼が連合の頂点である証だろう。

 

「4番目は中国。中国最大のヒーロー事務所の創設者、翁 云翔(ウォン ユンシャン)

 

前の3人に比べて幾らか歳を食っているが、それでも鍛え抜かれた身体が衰えていないとわかる。

 

「最後、アメリカ。世界No.1ヒーローと名高いこの方、グレイブ・G・ゴトー。以上5名がアヴェンジャー討伐作戦に加わることとなりました」

 

海外からの助っ人参戦。翌日の朝刊はどの新聞も1面その記事で埋め尽くされていた。

 

 




付けた名前は女2人以外あんまり意味無いです。

中国人にいたってはGoogleのランダム名前生成で、それっぽいの引っ張っただけですし笑

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。