青春memory   作:N"our"vice

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どもども。バンドリやラブライブに度々出没するうぉいどという者です。
今回はこの小説に参加させてもらうことになりました。
私が担当したのは、ある幼馴染みの男女2人組です。私自身恋愛話などはあまり書かないので自信はありませんが、どうか宜しくお願いします。

ではでは。楽しんでいただけたら幸いです。




海斗と彩は幼馴染み

 

 

高校2年生。それは高校生活が最も充実していたと言われる年齢である。俺はなるほどなと思った。今だけの青春を味わいたい。でも勉強もしっかりやって大学に進学したい。それが今の俺の気持ち。そして、そんな思いで入学した俺はある友人達と出会うことになった。

 

☆☆☆

 

高校生の朝は早い。無駄に早い。早すぎるから10時始業にした方がいいってどこかの専門家も言ってたよね?

そんな屁理屈はやめておこう、虚しくなるだけだ。

まだ重い頭を抱えながら俺は家の階段をくだって下のリビングへと向かう。するとそこには幼馴染みが既にいた。

 

「……いたの」

 

「んっ……おはよっ、海斗」

 

俺と彩の紹介は1話でやってるからいいでしょ。眠いんだからあんまり頭を動かさないでほしいですはい。

えっと……どこからだったか……。そうだ、朝起きたら彩がいた所からだったな。(寝起きは機嫌が悪いのでメタ発言も大目に見てくだされ)

 

「顔洗ってきたの?目つき悪いわよ?」

 

「別に、顔は洗ってきたし、目つきもいつも通りだろ? それより、なんで彩がここにいるんだ?」

 

彩と家は隣同士だが、こうして朝に俺の家にいるのは珍しい。登校は大体一緒だけどね。ほらそこ、リア充とか言わない。俺と彩はそんな関係じゃないから。てか、彩は俺の事ウザがってるしね。ツンツンしてるだもん、そんな空気ないって。そういや、この間は彩が日直だったから先に行っていたな。

 

「もし、あの時彩も一緒だったら彩も遅刻だったなぁ」

 

「そうなった場合でも詠斗置いてから行くわよ。」

 

「えげつないなお前……」

 

待ち合わせ場所でアワアワする詠斗の姿が目に浮かぶな。ぷかぷかーともしてそうだけど。ぷかぷかーであわあわでー。ん、眠気もだんだん覚めてきた。あれ?話ズレてね?

 

「で?私がなんでここにいるかはどうでもいいの?」

 

何故かムスッとしながら聞いてくる彩。こいつ、黙ってれば可愛いのに。スラッとのびた長い髪に、守りたくなるような小柄な体に、胸は……これからだとしても、贔屓目なしの美少女なのだが、何故モテないのだろう……。彩と俺が一緒にいるとみんなニヤニヤしだすし……、詠斗は殺意がこもった目で俺を見てくるけど……。

 

「な、なによ……人の体をジロジロと見て……」

 

「ん、いや何でもない。何でお前がここにいるかだろ? どうせ、母さんと父さんが早く家出ちゃって、家の前で待ってたお前に中にいろとでも言われたんだろ?」

 

「当たり。ほんとこういうは鋭いのに……」

 

「最後なんて?」

 

「な、何でもない! ほら、早く準備しなさい!」

 

「あいあいさー」

 

これが俺の騒がしい朝の日常だ。朝くらいは静かに過ごしたいものだが……。

 

☆☆☆

 

場所はところ変わって通学路。隣では彩がてくてくと歩いてる。ふむ、てくてく彩。何考えてんだか。

そんな事を考えているといつもの集合場所に着いた。もうそこにはいつもの2人が揃っていた。

 

「よう、海斗、彩。遅かったな」

 

「おはよう、海斗、彩。」

 

「おっす、詠斗、創」

 

「おはよ」

 

詠斗と創の説明も1話でやったから説明は要らないよね! そんな朝の挨拶を済ましたあと雑談でもしながら学校へと歩みを進める俺たち。

俺は詠斗と、彩は創と喋りながら歩いていた。

 

「なぁなぁ! 俺が勧めたアニメ見てくれたか!?」

 

「まぁ、暇だったし一応全話見てみた。」

 

アニメとは詠斗がBlu-rayまで用意して俺たちに一個づつ貸し出したものだ。まさか、全員分あるとは思ってもみなかったけど。あれ一個一個は高いはずなんだけどなぁ。

 

「でさ!でさ! 推しは誰だ!?」

 

「推し……あぁ、好きなキャラね。あのオレンジ髪の主人公の子かな」

 

「ばっかお前。絶対桜色の髪の子だろうがよ! あの控えめな胸が(ry」

 

「まーた胸の話してるよ」

 

全く……女の子の良さは胸の大きさじゃないのに……

 

「そうだ!そうだ!」

 

「「「!?」」」

 

ナチュラルに俺の心を読むなよ彩ぁぁ!!! 詠斗も創も驚いてるじゃん。

はぁ……俺の周りにはまともな奴は居ないのか?

あ、創がいたや。創ならまともな判断を下せるからね! ……多分。

 

そんな事を話してる間にもう学校へと着いていた。玄関へと差し掛かった所で彩とは別れる。あいつは1年生で俺は2年生だからな! そのまま3人で教室へと向かうため廊下を歩く。

廊下には仲睦まじく話す3年生の男女3人組に、友達と話しながらシャドーボクシングをする1年生。てかあれ健誠じゃん。朝練終わったのか。

そんな人々を眺めながら俺らは教室の前に立つ。さて、今日も頑張っていくとしましょうか。まずは朝の挨拶から!

 

「おはよう!」

 

『氏ね!リア充!』

 

朝っぱらからクラスメイトの男子ほぼ全員から罵倒されたのだが。てか、詠斗も何やってんだよ! 創も苦笑いじゃねぇか!

 

「やっぱまともな奴はいないのか……」

 

『お前がな!』

 

誠に遺憾であります! しれぇ!

 

☆☆☆

 

長ったらしい授業を終え、俺らは帰り道につこうとしていた。俺も詠斗達も彩も部活はやってないからな。やっているのはボクシング部の健誠くらいか。そんな事だから帰ろうとした時、ふと教室の外に彩がいるのに気づいた。

 

「……なんで、海斗にはいて、俺にはいないんだ……」

 

「実音も何言ってんの。彩とはそんな関係じゃないって。おーけー?」

 

「のーおーけーだ」

 

そこはのーおーけーと言っても良いのだろうか。実音の説明も(ry

 

「そんじゃ、また明日な」

 

俺は別れを告げるべくクラスメイトに挨拶をした。帰ってきた答えは……

 

『じゃあな!リア充!』

 

またもや、男子ほぼ全員がいい笑顔で中指を立てていた。いい顔してやがる。

なぁ、見ろよあの顔。いい笑顔だろ? 虐めてんだぜ?あれ。

 

「なにあれ?」

 

「嫉妬だって創が言ってた」

 

「そ、そう……」

 

何故か顔を赤くする彩。どこにそんな要素があったのやら。そういや、今日は春らしくなく暑いからそのせいなのかもしれない。熱中症ってどんな季節でもなる可能性はあるからな。

 

「熱中症ってどんな時期にもなるから気をつけとけよ」

 

「いきなり何……。てか、心配してくれるのね……」

 

そう言ってまた顔を赤くする彩。やっぱ熱でもあるんじゃないかとも思ったが、至って元気そうなのでそれはないと思う。

 

さて、そろそろ帰るとするかね。

 

☆☆☆

 

「そう言えば……」

 

「どうした?」

 

帰り道の途中に彩が何かを思い出したかのように立ち止まる。一体全体どうしたというのだろうか。すると彩はカバンをゴソゴソとしだした。一体何があるのかと思っていると彩は何かを取り出した。

 

「今日のお弁当にみかんが入っていたのだけど……いる?」

 

「マジで!? いるいる!!!」

 

そう言って俺は彩の手からみかんをぶん捕る。いやー、やっぱみかんは最高ですわー! この為に生きていると言ってもあながち間違いじゃないな!

 

「はぁ……アンタの恋人はみかんなの?」

 

「そうなんじゃないかな」

 

みかんに恋してると言っても過言じゃないくらいにはみかん大好きを自称している俺だ。多分そうなんだと思う。

 

「そうですか!」

 

そう言って彩は早足で歩いていく。……っておい!?

 

「あ、彩? 何かあったのか?」

 

「別に何も!」

 

アカン、これ完全にキレてるやつだ。何故だ? 彩がキレる所なんてどこにもないはずだが……。いきなりキレるってどういう事だ……。わっかんね。

 

俺はこのまま、彩と会話することなく家路につくこととなった。

 

☆☆☆

 

なによ!なによ! 海斗ったらみかんに恋してるだなんて! だったら私の気持ちはどうなるってのよ!

……確かに、いつも素直になれずにツンツンしてるのは確かなのだけど……、でも! 海斗を想ってるこの気持ちは本物だというのに!

 

そんなやり場のない気持ちを抱いていた私は怒りながらもケータイの連絡音をソワソワと待っていた。優しい海斗の事だ。とりあえず謝ってくるだろう。でも、私は謝って欲しい訳では無い。だからと言って何をして欲しいというのもない。我ながら面倒臭いわねとちょっとした自己嫌悪に陥っているとケータイが連絡が入ったことを知らせてくれた。

バッ!と自分でもビックリするぐらいの勢いでケータイを見てみる。そこに書かれてあったのはベランダに出てくれというものだった。

 

急いでベランダに出てみると、海斗が既に待っていた。

 

――土下座をして。

 

って何やってんのよ!?

 

「な、何してるの!?」

 

「スマン!」

 

「え?」

 

「彩が何に怒ってるのかは分からないけど、何とか機嫌を直してくれ!」

 

「な、なんで?」

 

「俺はお前の笑顔が好きだから!」

 

「!?!?!?!?」

 

い、いきなりの告白!? ちょ、ちょっと待って。落ち着くのよ英莉星 彩。相手は海斗。なにかきっと間違いがあるはずよ。勘違いしないようにしなきゃ。

つまりこれは海斗なりの謝り方なのだ。全く……これじゃ告白となんら変わりないっての。

 

「顔を上げて。海斗」

 

そう言って顔を上げた海斗の顔は少し涙目だった。私はそれを見てクスッと笑いがこみ上げてきた。

 

「あ、彩?」

 

「もう怒ってないわよ。それよりさっきのセリフとその土下座。女々しいわよ。やめときなさい。」

 

「え!? そうなの!? 実音の奴……覚えてろよ……」

 

それ入れ知恵だったのね……。海斗ったらかなり鈍いから、なにかと弄られるのよね……。

 

「ま、怒ってないなら俺も安心だ。そんじゃ、また明日な」

 

……伝えてしまおうかしら。この想いを。そう思うと胸がとてもドキドキしてくる。顔が熱くなっていくのが分かる。そうして、私は部屋に戻ろうとする海斗に声をかけた。

 

「か、海斗!」

 

「ん? なんだ?」

 

ここまで声をかけておいて二の句が続かない。告白してしまおうかとも思ったが……

 

「――やっぱり、何でもないわ。おやすみ」

 

「ん? そうか。おやすみ」

 

そう言って海斗は部屋の中へと戻っていった。

やっぱりこの想いを伝えるのはまだ先にしておこう。今はまだ海斗の将来の方を優先させたい。

 

でも、それらが全部終わったら……私はこの想いを伝えよう。それまでは私も頑張るとしますか!

そう決意を新たにし、私は眠るため布団の中に入った。

 

「もし、付き合えたら海斗とあんな事やこんな事を……えへへ♪」

 

付き合えた後の妄想をしながら私は眠りにつく。

 

……やっぱり告白するのもう少し早めようかしら。

 

☆☆☆

 

「よかったぁ~」

 

俺は部屋に戻ってきたあとほっと一息ついていた。ったく、実音に某SNSで仲直りの方法を聞いたのが間違ってた……。くそっ! 明日覚えてろよ……。さて、今日はもう遅い。さっさと布団に入る。そこで少し読みかけの本を読み進める。ふぅん、こいつの魔術回路ってこんなだったのか。

 

さて、もう寝なきゃな。俺は電気を消して目を閉じる。明日も楽しい日常が待ってると信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、宿題……」

 

その後、夜遅くまで宿題を片付けていてから寝たせいで寝坊してしまい、遅刻ギリギリで学校へ行ったのは言うまでもない。

 

 




次回の投稿は夏風 櫂さんです!
次回もよろしくお願いします!

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