青春memory   作:N"our"vice

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今回の投稿は鍵人さんによる執筆です。
よろしくお願いします。




 

 

『あなたの夢はなんですか?』

 

君はなんて答える?

 

俺には見つからない

なぜならそんなことを考えたことないからだ

今、楽しめればいいと思ったからあえて夢について考えてなかったんだ。

 

 

「将来の夢?」

その発端は一年前、それは俺が病気で入院してる頃の話だ

その頃たまたま詠斗、海斗、創がお見舞いにきて、少し話していると、いつの間にか詠人が俺の机で頭を抱え、作文用紙と格闘していた

それを見て、呆れた様子で俺は詠斗に尋ねた

そうすると作文用紙とにらめっこしてる詠人の変わりに海斗が答えてくれた

「あぁ、それが今日の宿題なんだと」

 

その時、進路についてLHRでかんがえるらしく、そのために事前予習の為にやっているらしい

だけど……詠斗の作文用紙はまだ綺麗な作文用紙だった

「1枚目書いてないじゃん」

 

「書けないじゃないんだよ!書きずらいんだよ!」

書きずらい?

そんな書きづらいことなんて………せいぜい

二次元転生くらいだろう

そんなの書く人間が………

「なんて書こうとしてるんだ?」

「えーと、二次元転生し………

「ごめん、聴くんじゃなかった」

おい!、海斗それはねぇよ!」

 

いたわそこの目の前に…………

海斗の質問に詠斗は堂々と答えた

 

その答えを海斗は全部いう前にスパッと切り上げた

 

確かにアニメオタクとっては二次元への転生は悲願の夢だけれど、それを書くというのはさすがにやばい

もっと、現実的なことを書こうか

 

「なんでダメなんだよ!

本当に行きてぇんだから」

「馬鹿か!俺も行きてぇけど、もっと真面目に考えろよ!」

「真面目だよ!!!」

その夢を真面目に考えるな!

やばいそろそろ話題を変えないと………

 

「そ、そうだ!創はなんて書いた?」

「人の話を……」

詠斗の話は無視だ

詠斗…頼むから懲りてくれ

 

「俺は両親の蕎麦屋を継ぐ」

創からは意外とシンプルな答えが出てきた

けれどシンプル過ぎて、捻りがないが、そこが創らしい

「やっぱりか海斗は?」

「俺か?俺は………保育士……か…な

 

そうかやっぱりあいつはロ……

 

「おい、詠斗!

俺がやっぱりロリコンだなって思ったろ…!」

 

マンがあるね……

 

「そうなんだなみんな夢があるんだな」

 

確かにみんなには夢がある

だけど

「健誠には夢があるのか?」

「ない」

「まじで?」

いや、正確は昔はあった

「あぁ」

けれども中学になって時は流れて、いつしかその夢が馬鹿らしくなって、

俺は夢を捨てた

「夢を叶えたやつなんていたのかって思ったら、馬鹿馬鹿しくてさ」

その時の俺ははっきりいって馬鹿だった

人の夢を馬鹿馬鹿思えるほどの馬鹿だった

今が楽しければいいと思ってたし、

普通は夢に逃げる人の方が多いが俺は夢が嫌いだ、夢なんて努力しないやつがいう言葉だともおもっていた

 

そんな言葉を言ったら

海斗と創は絶句した

けれども一人だけ口が開いた奴がいた

「なぁ、健誠、そんなに馬鹿馬鹿しく思えるのか?」

 

詠斗だった

 

「あぁ」

俺がきっぱりと詠斗の問いに答えるとさらに詠斗の口が開く

「健誠にはさ夢がないなら、作ればいいじゃん

無理でも何度でも努力すればきっと叶うって

それが夢って言うのは通過点じゃないかなって思う?」

 

そんなことを言った詠斗の作文用紙には

俺の夢は医療用機器の開発に携わり、いろんな人を助けることと

しっかりと筆圧が濃く、丁寧に書かれていた

彼にも意外としっかりとした夢があった

あいつにも、誰かを救うために夢がある

そして彼が言った言葉に俺の何かを吹き飛ばした

 

「なぁ、海斗!

いい名言じゃね?

何点だと思う」

「自分で名言という当たり-114514点だ!」

 

「よっしゃ!」

「褒めてねぇ!」

 

 

もしなれるとしたら俺は………

 

 

 

俺には昔、特撮のスーツアクターになるという夢がある

けれども、こんなことになったり、

現実を見過ぎたせいで

その夢は亡くなったと思ってた

けれど、違った

 

アクターになるという時点の夢を最初から諦めてたんだと

 

 

その夜、俺は詠人が、置いていった作文用紙に「将来の夢」の作文をかいた

 

 

『将来の夢はアクターになる

けれどまず最初に達成させる夢は

この大切な仲間と一緒に卒業すること』

今は、達成できない夢を描いた




次回の投稿はさとそんによる執筆の予定です。

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