青春memory 作:N"our"vice
自分はこの話を書くのに1月近くかかったというのに他の人たちは数日で、しかも文字数は私の約2倍という……
でも、少ない文字数なりに精一杯内容を濃密に出来るようにしましたので、ぜひともお楽しみください!
それではどうぞ。
あと1年
いや、正確にはもう1年もない。10ヶ月くらい。
時間が進むのは早すぎて私は振り回されてるみたいだ。
私は彼みたいに道を見つけられていないっていうのに。このままどこへ行くのか
まだ、わからない。
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ある日
「俺から今日は特に連絡はないけど係とかからの連絡はあるか?
……ないな、じゃあ最後の大会に向けて部活頑張れ。
HR終わります。日直、号令」
「起立 気を付け さようなら」
『さようなら』
担任の花浜匙 瞬 先生が喋り終わり帰りのSTが終わる。
そしてみんなが一斉に高校最後の夏に向けて部活に駆け出す。
いつもの光景だ。もう見慣れたものだ。
みんなは今、目標に向かって進んでる。
でもやっぱり、私はまだ道を見つけられない。
「虹村、部活いかないのか?」
いつのまにか教室には先生と自分しかもういなかった。
「行きますよ。ただ1組がST終わるのを待ってるだけで。」
「ああ、あいつら待ちか。それならいいんだが、また去年みたいになんか相談あればいつでもいってくれればいいからな。」
「はい、またそのうちに。」
先生は悩んでるんじゃないかと心配してくれるが今は本当に待っているだけだから
そう思ったとき隣の教室からさようならの声が聞こえてきたと思ったら2人はすぐに来た。
「朱音 悪い!STが長引いた!」
「朱音ちゃん待たせちゃってごめんね!」
谷坂 透閃 と、橡 白月
私の大切な友達。
「おう谷坂、お前ちょうどいいところに来たな」
「え?瞬先生 ぼ、僕は特に用事ないんですけど~……… 」
「お前この前の小テストの直し出してねえだろ?さっさと出せ。なんなら直しのプリント今渡すからここでやってから部活にいけ」
「ま、まじかよ……」
来たと同時にサボりを指摘される友達だけどまあ、そういうやつだから……
「透閃くんなにサボってんのよ…。
はぁ、こんなやつほっといて行きましょ、朱音ちゃん。」
「うん、行こっか。じゃあ透閃はちゃんと精算してきなさいよ。」
透閃は置いていく。慈悲はない。
「ちょっとそれはな……
「はい、これ直しプリントな。やったら行ってもいいからさっさとやれ」
ってくっそ~、やってやるってなにこれ!?いつもの直しプリントより埋めるところが多いんだけど!」
「サボったお前が悪い」
「ああ、もう!やってやるよ!10分で終わらせてやるよ!」
結局、透閃は20分かけてこのプリントを終わらせましたとさ。
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「くそ、絶対にこれは俺に対するいじめだろ。」
「まあまあ、やってなかった透閃くんがわるいんだから文句言わないの。」
「それで今日はなにやるの?」
「あ、今日?特に何もやんないよ。」
『………はい?』
「いや、元々宿題でもするつもりだったんだよ?でもさっきのでやりたくなくなっちゃったから今ここでおしゃべりしてるだけだよ?」
「……ねぇ、つっきー。帰ろっか。」
「そうだね。帰ろっか。」
「ちょっ!?俺だけ置いてかないで!」
やっぱり私はこの空気が好きだ。つっきーと透閃と私でたわいもない話をして、こうして時間を過ごしていく。
来年もこの3人で一緒に、なんていうのは難しいってわかってる。だからこの1年は大切にしよう。
そう思った。
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重たいカバンを背負って必死に二人を追いかける。
高校3年17歳男子 谷坂透閃、ただいま息を切らしながら全力で走ってます。
いや、あの2人のやろう!先に行くだけじゃなく開けた窓とかまでそのままにしていきやがって!
(駅までに追い付けるか?……いや、がんばるか)
考えてみればもう3年生。
高校生でいられるのも今年で終わり。もちろん、この1年が過ぎていってもあの2人とはずっと友達でいる。
それは変わらない。変えたくない。
それに俺は、中学のときからずっと朱音のことが……
「……あ、透閃くんやっと来た!遅いよ!」
「はあはあ 全部俺に押し付けといて、はあ それあるか?」
「とりあえず呼吸整えようよ。」
ようやく追い付いた。といってももう駅の目の前だったけど。
というか白月がやたら辛辣なんだけひどくねえか?
まあいいか。
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「お、電車来たな。」
なんだかんだしているうちに電車がホームに入ってくる。
方向の違う白月とはここでお別れだ。
「じゃあね、つっきー!また明日!」
「じゃあね、朱音ちゃん。透閃くんも。」
「おう、またな。」
『ドアが閉まりま~す ご注意下さいっ』
ドアが閉まり電車が動き始める
「ねえ、透閃
今日ね、キョウくんがね!……」
「…うん。」
朱音のいうキョウくんというのは朱音と同じクラスでイケメンといわれている洲玉 京介(すぎょくきょうすけ)くんのことだ。
そう、朱音は彼に恋をしている。
俺の想いは届くことはない。
一度同じクラスの女子に
『二人っていつも一緒にいてなんだかカップルみたいだね』
と言われたことがある。
俺はそのときから朱音のことが好きだったから「ないない」なんて言いながらも内心そうなったりはしないかな、なんて思っていた。
でも朱音は
「う~ん、ないね。
透閃はなんていうんだろう…そういうのじゃなくて……大切な友達…親友、かな?
あなたも同じでしょ?透閃。」
俺はそこで、言ってしまった。
「お、おう、そうだな。」
朱音にとって俺は特別大切な親友であってもそれ以上はない。
それでも、俺はこの想いを抱き続けてる。
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透閃くん、彼はきっと朱音ちゃんのことが好きなんだろう。
朱音ちゃんは……わからないけれど好きだってことは十分あるだろう。
でもこの2人は付き合ってない。それはわかる。
それにあの2人のことだ、付き合ったりすればすぐ私には言ってくれる。
だったら、私が希望を持ったって良いんだよね。
私が、透閃くんを好きであっても。
『ドアが閉まります ご注意下さい』
閉まるドアの内側で燃える恋心は……小さくも、強いものだった。
次回の投稿はうぉいどさんです!
次回もよろしくお願いします!