青春memory   作:N"our"vice

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今回の投稿は5代目の鍵人さんによる投稿です。
よろしくお願いします。


カラオケと友

 

 

今は5月、初夏と言ってもまだ春の夕方というのは少し肌寒い

だからと言って、部屋のなかは寒くはない。というより人がたくさんいるので暖かい

その部屋ではアニメ好きの男子高校生が某ロリアニメのオープニングソングをきっと素晴らしい歌声が響いている。

詩が終わった瞬間、「小学生は最高だぜ!」とマイクに向かって叫んだ。

周りはどよめき一人は、いったい何のことかわからないようでぽかんとしていて、一人は某ネコ型ロボットがしたことがあるような温かい目で彼を見守っている。

また、彼を想う後輩の女子高生ですら、彼を見る眼はもう光を消して、蔑んだ眼をしている。

 曲が終わった数秒後ついさっきの曲を歌っていた彼は、温かい目をしていたもう一人の男子高校生と俺に怒号を飛ばした

「図ったな!図ったな!!詠斗!!!」

 

ここまでくる経緯を簡単にはなすと、俺こと天下谷健誠は同じクラスで中のいい上杉真也を誘い、詠斗、海斗、彩と真也が連れてきた虹村朱音先輩、谷坂透閃先輩、橡白月先輩とともにカラオケに来ている。

それで来て、一番最初に歌ったのが、あれだったというわけだ。

もともと、あの曲は俺が入れたもので、先輩達と詠斗達は初対面のはずだから、(俺は一応朱音先輩は知っている)気まずかったので明るくするために、詠斗と海斗に歌わせて、明るくするつもりだったのだが、

 

「こいつら、俺は初対面の先輩の前でこんな恥晒しの歌を歌わせるんだよ」

 

逆に海斗の気分を害させてしまった。こんなはずじゃなかったのにな。

最初に海斗の好きなアニメのオープニング曲のチョイスが悪かったか?

 

「そもそも、詠斗!一緒に歌うって言ってなかったか」

「いや~そっちのほうがおもしろそうだからww」

海斗がそんなことを言うと詠斗はすぐに返した

 

「詠斗~!!」

と言って海斗は詠斗の首を腕に引き寄せヘッドロックをする

そんなこんなで採点が出る。

『98.6点  ランキング1位/15000人中』

うわぁ~www高ぇwwwww

「なんでこんないい点出るんだよwwwwww」

あ、つい心の声が漏れた

「凄いな、好きなものに対するその信念が」

と透閃先輩は感心するそれでも、それ遠回しで釘を指してますよー。

そして、彩に関しては「引くわね」

ばっさり、こいつさっきの大熱唱してたロリコンに惹かれていた女がいうか普通

「ぐっ………彩もっと優しい言い方があるだろ………」

 

「ごめん俺も見ててそう思ったかもしれない」

 

「そもそも、お前の責任じゃ〜!!!」

そう言って俺の首を絞めて、体を揺らす

あ〜脳が〜揺れる〜

詠斗「同署を求めても無駄無駄無駄ぁ!」

詠斗それ、今、某リズムゲームの挿入歌を歌おうとしてるやつが言うな

お前がカラオケマシーンにその曲を入れようとしてるの分かってんだぞ

あと、

「スタンド使いみたいに言うな

オラオラオラァって言いたくなるだろう!!

スタンド使いに謝れ!!」

「それ、お前弁解の糸になってねぇ」

 

「健誠くん」

「はい?」

「2年生ってみんなこうなの?」

「いやぁ、彼らだけですよ」

「面白いのね」

 

「はい、あ、先輩方も1曲どうぞ!いや、1曲じゃなくてもどんどんどうぞ!!」

「いいの?」

「えぇ」

「そうだな〜」

「ねぇ、彩ちゃん、一緒にこれ歌おう!! 」

「良いですね!!唄いましょう白月先輩!」

彩と白月先輩はもう既に仲良くなってた

海斗が歌ってる間に仲良くなったのかよ

凄いな女子のコミュ力

 

「その次、透閃先輩!俺と歌いませんか?」

「うーん!?ロリコンの歌以外かならいいぞ」

「2度と歌わないですよ」

「あ、僕も混ぜてください先輩方」

「いいねーじゃあ歌うか!」

「この曲なんて面白いですよ!」

そんなことを思っていると

詠斗が某リズムゲームの挿入歌であるなんたら女子道を熱唱する中、海斗も先輩と真也と打ち解けてきているようだ

あれつけなくても良かったのかな?

そう言って僕は『こんな村いやだぁ』を選択するのであった

 

 

 

 

 

俺上杉真也はふと疑問に思った

 

なぜケンチーは留年したのに同級生と仲がいいのかと

 

ふと疑問に思うのはちょっとした陰口だった

「健誠って人、本当は2年生を妬んでるだろう」

 

確かにケンチーは留年して、僕らの学年に留まった

普通の学年なら退学したり、転校してしまう事が多い

僕だったら、どうだろうと思うと2年生になった同級生が羨ましいと思うんだけど、

裏を返せば妬みにもなるだろう

それなのにあの人は平然と何にもなかったように彼らと遊んでいる

だからどうしても聞きたかった

 

「あの、ケンチー」

 

「ん?何だ?」

ケンチーは近くにあったお茶を呑みながら首を僕の方へと向ける

「一つだけ聞きたいことがあるんだ」

「なんだよ?、もしかして留年していることかい?」

バレてた

凄いな!!超能力者かよ!!

まぁいいや、丁度いいし

「まぁ、そうだよ」

「お前には言ってなかったね、俺はただ病院にいたら留年したそれだけだよ」

「は?どういう事?」

カンタンに訳し過ぎて何だか分からないんだけど………

「そのままだよ、病院で入院して留年したそれだけだよ、だから詠斗たちはそれでも妬みや羨ましいがったりするわけが無いさ

その声は実に優しかった

「本当にかよ」

「運命って言うのは人とは違うんだよただ僕の運命は留年する運命だっただけだもし、共に出来るなら高校の時だけは出来るだけ一緒にいたいと思ったんだ

次、俺の曲だからじゃあ、」

 

と言って無邪気に笑ってマイクとって歌った

 

 

 

 

 

「はぁ〜こんな村やだァー!!!」

 

おい、最後!!カッコイイ言葉言ったのにこの人一瞬でシリアスブレイクしたぞwww




次回の投稿はさとそんの予定です。
次回も宜しくお願いします

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