せっかく転生したので最強の悪役を目指します。 作:Z-ONE
アリシア「今回は一話丸々私とフェイトの回なんだって! 嬉しー♪」
アリシア「それにしてあの長期間投稿しないことに定評のある作者さんが最近は頑張ってるねー♪ ゴールデンウィークだからかな?」
アリシア「んじゃま、本編どうぞ―♪」
「えい!」
立ち上がったアリシアがフェイトに向かって拳を放つ。
だが、フェイトはそれを軽く躱して見せる。
「はっ!」
「おっと!」
フェイトは攻撃を躱した勢いをそのままにバルディッシュを振るう。
それをアリシアは後ろに大きく飛ぶことで回避する。
「やっぱり、フェイトを相手にするには速さが足りないかな」
そう言ってエナジーアイテムの操作を開始する。
《高速化》《高速化》《マッスル化》《鋼鉄化》
高速化の効果でアリシアの速度が上昇する。
それを見たフェイトも速度を上げる。
二つの黄色の残像が接触する度に甲高い音を上げる。
「はっ!」
「グハァ!」
黄色の残像の一つが空中で数回、回転しながら地面に叩きつけられる。
「嘘だ……こんな短期間でこんなに強く……」
地面に背を預けた状態でアリシアはそう呟いた。
「言ったでしょ? 『もう迷わない』って」
「成程ねぇ……もう、私を倒す事に躊躇はしないんだ」
「うん、もう私は姉さんを倒す事を迷わない」
「あっそ……」
アリシアは再び立ち上がり、アイテムを操作する。
《回復》《回復》《回復》
エナジーアイテムで無理矢理自身の体を回復させる。
「だったら、私も本気の本気で相手したげるよ」
そう言って三度エナジーアイテムを操作し始める。
《高速化》《高速化》《高速化》《マッスル化》《マッスル化》《マッスル化》《透明化》
エナジーアイテム透明化によりアリシアの姿が空気に溶け込む様に透明になる。
「………」
フェイトはゆっくりと瞳を閉じる。
(音が聞こえる……)
足音が此方に物凄い速度で近づいてくる。
「ハーケンセイバーッ!」
フェイトはバルディッシュを大きく振るい、三日月形の光の刃を放つ。
光の刃は高速回転しながら進んでいく。
すると刃が空中で何かに命中し、消滅する。
「ギャン!?」
空間が歪み、そこからアリシアが姿を見せる。
超高速の勢いを殺しきれずにアリシアは前方に大きく飛ぶ。
フェイトの真上を超え、後ろの約二メートルの地点で地面に着地する。
「なんで……透明化は有効だったはずなのに……」
「いくら透明化でも音は消せないでしょ」
「流石だなぁ……私の自慢の妹」
アリシアはフェンスを掴みながらフラフラと立ち上がる。
「作戦変更、真っ向から叩き潰す!」
そう言ってアリシアはギアデュアルを取り出し、ダイアルを操作する。
《KNOCK OUT FIGHTER!》
《The strongest fist! "Round 1" Rock & Fire!》
「大変身」
《デュアルアップ!》
《Explosion Hit! KNOCK OUT FIGHTER!》
「いっくよー♪」
右手をぐるぐると回しながらフェイトに向かって歩いていく。
フェイトもそれに合わせて構えを変える。
「ほれ! ほれ、ほれ、ほれ!」
アリシアは続けて右左と拳を放つ。
アリシアの猛攻にフェイトは防戦を強いられる。
バルディッシュの柄を駆使して何とか攻撃を防いでいる。
「さっきまでの勢いはどうしたのかなァ!?」
「きゃあ!」
ラッシュの最後に放たれた炎を纏った渾身のアッパーに耐え切れずにフェイトは空中に投げ出される。
そのまま地面に落下し、数回地面を転がる。
アリシアは倒れるフェイトに近づき、マウントポジションを取ろうとする。
「ふっ!」
そのまま地面を転がり、勢いを殺さずに立ち上がり、体勢を立て直す。
一方、アリシアは小ジャンプが不発となり、地面を転がるがフェイトと同じく体勢を直す。
「そう簡単にはいかないか」
「負けられないからね」
再び両者の距離が詰まり、アリシアのラッシュが始まる。
「私だって! 負けたくないんだよ!」
「絶対に譲れない! なのはや皆と約束したから!」
アリシアのラッシュに合わせ、フェイトも攻撃を繰り出す。
両者の攻撃はそのほとんどが相殺されていたが稀にダメージとなっていた。
「チッ!」
「クッ!」
数分間に及ぶ、一切勢いが切れない互いの猛攻にお互いに徐々にダメージが蓄積していく。
「オラァッ!」
「ハァッ!」
お互いの渾身の一撃がぶつかり合う。
お互いに相殺しきれずに大きく後退する。
後退した距離は両者ともにほとんど変わらなかった……
「はぁ…はぁ…はぁ……」
「はぁ…八ッ、ハハハ」
アリシア、フェイト共に肩で息をするほどに体力を消費していた。
そんな中、アリシアが口を開く。
「やっぱ、やりよるなぁ……流石、我が自慢の妹だね♪ でもね……」
アリシアは腰のホルダーからギアデュアルを取り出す。
「私は絶対に負けられないんだよ」
「うん……私もだよ」
フェイトはアリシアのその一言で構えを戻す。
「次が最後だよ。どちらが強いのか、これではっきりする」
「分かった」
《キメワザ!》
「必殺一閃!」
《KNOCK OUT CRITICAL SMASH!》
「プラズマブレイドブレイカー!」
アリシアの炎を纏った必殺の一撃とフェイトの魔力のほとんどで形成した雷の刃が衝突する。
「姉さんは私が!」
「フェイトは私が!」
「止めるッ!」「倒すッ!」
激しい爆発と閃光が迸り、光と煙が周囲一帯を飲み込む。
「フェイトちゃん!」
なのはが閃光を両手で防ぎながら口を開く。
そして、少しの時が経った時、煙と光が晴れていく。
その時、なのはの目に映ったのは……
「こんなの酷いよー!」
「そんな……」
変身とバリアジャケットが解除され、地面に大の字で倒れるフェイトとアリシアの二人の姿だった。
「引き分けなんて白けるなぁ」
「でも、私は良かったよ?」
「なんで?」
アリシアがそう尋ねるとフェイトは嬉しそうな笑みを浮かべて言った。
「秘密♪」
「えー、まぁいいや。今日はおさらばするかな。んじゃ、チャオ♪」
そう言ってアリシアはその場から消滅した。
「フェイトちゃん!」
アリシアと入れ替わりでなのはがフェイトの元に駆け寄ってくる。
「なのは…ゴメン、引き分けだったよ」
「ううん、いいの。フェイトちゃんが無事なら」
なのははフェイトの手を握り、笑顔でそう言った。
「ありがとう。でも、いつまでもこうしてはいられないから」
フェイトはふらふらになりながら立ち上がる。
「フェイトちゃん! 無茶したらダメだよ!」
「大丈夫。私にも戦わせて」
「でも……」
「なのはと一緒なら大丈夫だから」
フェイトはそう言ってなのはの手を強く握る。
「ホントに仲いいわねぇ」
「うん、本当に」
なのはとフェイトが声のする方を向くと、そこにはバリアジャケット装着したアリサとすずかが居た。
「アリサちゃん! すずかちゃん! もう大丈夫なの?」
「モチロンよ! 十分に休んだからね!」
「私ももう大丈夫だよ」
「そうなんだ、良かった」
アリサとすずかが笑顔でそう言うとなのはも安心したように胸を撫で下ろした。
「なのは、時間がない。急ごう」
「うっ、うん! 皆、行こう!」
「「「うん!」」」
フェイトはバリアジャケットを装着し直し、四人は決戦の地へと赴いた。
オリジナル技解説
プラズマブレイドブレイカー
フェイトがアリシアと戦うために編み出した近接用のブレイカー。
イメージ的にはミウラの『抜剣』のバルディッシュ版。
次回予告
アリシアとフェイトの戦いから少しして、政宗は復活した闇の書の闇とにらみ合っていた。
「十六夜政宗、主を悲しませた罪は重いぞ」
ついに開戦! 原作最強VS本作最強!
勝者は一体……?
「この私が……『負ける』?」
次回 政宗敗戦!? 最強VS最強!
この作品の結末について自分の中ではいくつか候補があるのですが、どれが見たいですか? ぜひご協力ください。
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政宗消滅END(一応正史)
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政宗完全勝利END(現在構想とは真逆)
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政宗改心END(自分的にはなし)
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作者にお任せ(高確率で消滅END)
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消滅と完全勝利
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消滅と改心
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完全勝利と改心
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全部見たい