せっかく転生したので最強の悪役を目指します。   作:Z-ONE

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process29 それぞれの敵に立ち向かえ! 闇の書の目覚め!

《鋼鉄化》

 

 アリシアは鋼鉄の強度に変化した右手でフェイトの一撃を防ぐ。

 

「はぁ!」

 

 フェイトは勢いをそのままにアリシアのわき腹に向け、横一直線にバルディッシュを振るう。

 

「グハッ!」

 

 雷のようなその一撃にアリシアは対応できずにフェンスに叩きつけられる。

 

 ふらふらになりながらアリシアは四つん這いの状態になる。

 

「まさか……ここまでなんてね…♪ お姉ちゃん……嬉しいよ」

 

 途切れ途切れながらも何とか声を紡ぐアリシアにフェイトは油断することはない。

 

 一切構えを崩さずにアリシアにバルディッシュを向けている。

 

「フェイトちゃん……」

 

 その様子をなのはは上空で心配そうに見守っていた……

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

「……掛かっておいで」

 

 アリシアがそう言うとフェイトが口を開く。

 

「なのは、姉さんとは私だけで戦うから」

 

「えっ!? そんなの……」

 

「お願い」

 

 フェイトは視線はアリシアから一切動かさずになのはにそう告げた。

 

「……いいよ、でも、危なくなったら」

 

「わかってるよ、なのは。友達だから」

 

 なのはが見ることは無かったが、フェイトはその瞬間、笑みを浮かべていた。

 

「信じてるよ」

 

「うん」

 

 なのははそれだけ言うと空に飛んでその場を離れた。

 

「おーい! ねぇフェイト、なのはちゃん行っちゃったよ?」

 

「私がお願いしたの、姉さんとは私一人で戦う」

 

「へえ……」

 

 一瞬、アリシアは顔を伏せるがすぐに再び顔を上げてこう言った。

 

「やってみなよ」

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

「これはどういう事だ、十六夜」

 

「お前! はやてに何をした!」

 

 俺は悪びれることなく話し始めた。

 

「なにって、優しい俺が真実を話しただけだよ」

 

「真実だと?」

 

 こういうのは真っ先にヴィータが話し出すが今回は珍しくザフィーラが問うてきた。

 

「そうそう、真実。貴様らは……」

 

 そう言って俺はゲーマドライバーとガシャットを取り出しながら話しを続けた。

 

「私の操り人形に過ぎないという事をな」

 

《Kamen Rider Chronicle》

 

「それは!?」

 

《ガシャット!》

 

「変身」

 

《ガッチャーン! レベルアップ! 天を掴めライダー! 刻めクロニクル! 今こそ時は極まれり!》

 

「お前が奴らのボスか」

 

「そうだとも、私の名はクロノス。仮面ライダークロノスだ」

 

 俺を話を聞いても一切構えを崩さないシグナム達に対してヴィータはアイゼンを握る力を強めていた。

 

「なんでだよ……まさ! お前は敵じゃないんじゃなかったのかよ!」

 

「口に出す言葉の全てが真実だとでも思っているのか? だとしたら愚かだな」

 

 俺が突き放すようにそう告げるとヴィータは唇を強く噛みしめる。

 

「わかった、もうお前を家族だとは思わねえ!」

 

 ヴィータはそう言うと俺に向かって一直線に向かってくる。

 

「愚かだな」

 

《Pause》

 

 この瞬間、世界の時が停止する。

 

 俺はゆっくりとヴィータに歩み寄るとかかと落としでヴィータを地面に叩きつける。

 

《Restart》

 

「グァ!」

 

「いきなりヴィータちゃんが地面に叩きつけられてクロノスが真横に……」

 

「瞬間移動の類ではないな……」

 

「どうした? 来ないのか?」

 

 俺がそう言うとシグナムとザフィーラがこちらに向かって来る。

 

「一閃!」

 

「はァ!」

 

 シグナムの紫電の一閃とザフィーラの渾身の一撃が俺に向かって放たれる。

 

「無駄な事を……」

 

《Pause》

 

 再び時間が停止し、俺のみが動くことを許させる時が始まる。

 

「シッ……審判の時は厳粛でなけれならない」

 

 俺はドライバーからホルダーにガシャットを移す。

 

《ガシャット! キメワザ!》

 

《Rider Critical Crusade!》

 

「ふん!」

 

 クロノスの必殺の回し蹴りを向かって来るシグナムとザフィーラに放つ。

 

「次は貴様だ」

 

《ガッチャーン……》

 

 チャーンソーモードのバグヴァイザードライの刃をシャマルに向ける。

 

 バグヴァイザーのボタンを二回押し、必殺技待機状態に移行させる。

 

《キメワザ……》

 

 俺がバグヴァイザーを持った腕を掲げると赤黒い光の刃が形成される。

 

《Critical Sacrifice!》

 

 腕を振るい、光の刃を放つ。

 

 すると刃はシャマルに命中したところで停止した。

 

「最後だ」

 

《ガッチャーン……》

 

 俺はバグヴァイザーをビームガンモードに変更し、ボタンを二回押す。

 

《キメワザ……》

 

《Critical Judgment!》

 

「ふん!」

 

 腕を大きく振るうと三発の赤黒い光弾がヴィータの近くで着弾する。

 

「さて、これで詰み(チェックメイト)だ」

 

《Restart》

 

「「「「グアアアアア!」」」」

 

 時間が再び動き出すと同時に周囲で数か所、爆発が発生する。

 

 四人ともバリアジャケットが解除され、地面を数回転がる。

 

「まぁ、所詮この程度か」

 

 吐き捨てるように冷淡にそう告げると俺は軽く右手を上げる。

 

 すると四人の体からリンカーコアが現れる。

 

「ご苦労さま、といっても一瞬だったけど」

 

 守護騎士達の魔力を蒐集しながら仮面の男状態でリーゼ姉妹が空から降りてくる。

 

「どうだ?」

 

「予定通り、あっちも始めたよ。それで闇の書は完成するよ」

 

 俺達の足元には四人が苦悶の表情を浮かべ、地面に倒れ伏している。

 

「皆! 政宗! 止めて!」

 

 先ほどの爆発音で正気に戻ったはやてが状況に気づき、俺に懇願してくる。

 

「さぁ! 仕上げだ!」

 

 俺がそう言うと闇の書から黒い触手のようなものが生えてくる。

 

「うわっ! なにこれ!?」

 

 驚いた仮面の男が闇の書から手を放してしまう。

 

 すると闇の書は浮遊し、はやての前に移動する。

 

「離れていろ、ついに目覚めるぞ」

 

「了解、別の場所で見とくね」

 

 そう言って仮面の男はその場から飛び去った。

 

自動防衛運用システム(ナハトヴァ―ル)起動》

 

 抑揚のない、機械的な音声と特徴でそう告げた闇の書は黒い触手で守護騎士達を拘束する。

 

「え? 何をする気や……」

 

《それに伴い……》

 

「待って、止めて……」

 

《守護騎士システムを……》

 

「止めてえええええええええ!!」

 

《消去》

 

 何の抵抗もしない守護騎士達を黒い触手が貫く。

 

「あっ……アアアアアアアアアア!!」

 

 はやての絶叫と共に地面に黒い光を放つ魔法陣が展開される。

 

《さぁ、目覚めの時です》

 

 闇の書のその一言と共にはやてが黒い閃光に包まれる。

 

 閃光が晴れるとそこにいたのは……

 

「また、全てが終わってしまった……」

 

 それを見た俺はガラにもなく叫んでいた。

 

「ついに目覚めたか!!」

 

 闇の書の闇と言われる存在を前に俺は興奮を隠しきれなかった……




次回予告

ついに闇の書が永き眠りから目覚める。

そんな中、違う場所でも己の信念を賭けた戦いが行われていた……

「姉さんは私が止める!」

「フェイトは私が倒す!」

偽りの姉妹の戦いはどちらが制すのか……

次回 姉妹の決戦! フェイトVSアリシア!

この作品の結末について自分の中ではいくつか候補があるのですが、どれが見たいですか? ぜひご協力ください。

  • 政宗消滅END(一応正史)
  • 政宗完全勝利END(現在構想とは真逆)
  • 政宗改心END(自分的にはなし)
  • 作者にお任せ(高確率で消滅END)
  • 消滅と完全勝利
  • 消滅と改心
  • 完全勝利と改心
  • 全部見たい

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