せっかく転生したので最強の悪役を目指します。   作:Z-ONE

32 / 51
今回、次回予告詐欺をしてしまいました……

なんてこった!『次回予告詐欺はしません』がモットーなのに……

許してください!(土下座)

だって、だって! 本当はもっと進むはずだったんだよ!

だけど……

―――謝罪終了。

はい、今回は仮面ライダーエボルが出た興奮で一気に書き上げました。

エボル超絶カッコよかったぜ!

あの変身ポーズいいなぁ……

エボルドライバーも待機音含めていい感じでした。

ダークライダー好きの私としては今回も大満足な出来栄えでした。

ローグ……いままでホテルおじさんとかいってゴメン。

ローグもやっぱり『仮面ライダー』だった……

さて、そろそろ本編どうぞ。


process28 はやてに明かされる真実。闇の書編、最終決戦開始!

 クリスマスイヴ、それはリリカルなのはの世界において特別な日を表す。

 

 今日が最後の戦いの日。

 

 そして、俺の野望の始まりの日……

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 夜の帳が落ち切り、夜の闇に包まれた海鳴の町。

 

 そんな海鳴の病院の屋上で俺はとある人物を待っていた。

 

「あいつらに真実など教えてたまるか」

 

 俺はそんな事を呟きながら地べたに座りながら空を眺めていた。

 

 すると、背後の扉が開き、一人の少女が入ってきた。

 

「政宗、どうしたん? 急にこんなとこ呼び出して」

 

「はやて、ちゃんと一人で抜け出し来たか?」

 

「うん、もちろんや」

 

 俺は夕刻、見舞いに来たなのは達が去った後に守護騎士たちにばれないようにはやてだけを呼び出した。

 

 内容は今日の六時半に病院の屋上に来てほしいというものだ。

 

「それで、なんの為に呼んだか、説明してくれんの?」

 

「あぁ、とても重要な話があるんだ」

 

「重要な話?」

 

 俺は立ち上がり、ゆっくりとはやての方に歩みよっていく。

 

 俺ははやての後ろに回り、車椅子の押し手を掴む。

 

「その前にもうちょっと奥に行こう。疲れただろうし、久し振りに俺が押してやるよ」

 

「ありがと、お願いな」

 

 そのまま車椅子を押して、先ほどまで座っていた場所まで移動させる。

 

「さぁ、話をしようか」

 

 俺ははやての前にやや距離を置いて、後ろ向きに立つ。

 

 そして、ゆっくりと口を開いた。

 

「君には本当に感謝しているよ、八神はやて(・・・・・)

 

「感謝? なんの話?」

 

 はやての方に振り返り、俺は抑揚のない口調で告げた。

 

「君が闇の書の主となっていたおかげで『私』は苦労なく、闇の書の力を開放できるからさ」

 

「……え?」

 

 はやての顔が一気に青ざめていく。

 

 そんな事は気にも留めず、俺は話を続ける。

 

「解らないかな? 君は私の手の平で踊る人形に過ぎないという事だ」

 

「………」

 

「今までの友情も、信頼の全てが私の演技に過ぎない」

 

「……待っ」

 

「私は君に一切の友情も信頼も感じていない」

 

「待ってよ」

 

「当然だろう? 自分の『お人形さん』に友情や信頼を感じる者などいない」

 

「ちょっと待ってよ……」

 

「そこにあり得る感情はただの『自分のモノに対する愛着』だけ」

 

「嘘や……」

 

「嘘などないさ、君は私の本当の顔を知らなかった。それだけの事だよ」

 

「じゃあ、今までの笑顔は?」

 

「嘘だ」

 

「私にかけてくれた言葉は?」

 

「モノに対する愛着故の言葉だ」

 

「今までやってきたことは?」

 

「……この日の為に仕方なく、付き合っていた。それだけだ」

 

 俺の話を聞いたはやては車椅子から降りようとして転倒してしまう。

 

「なんでや……なんで、皆、私を置いていくの?」

 

 顔を伏せ、震える声ではやては言った。

 

 その顔の下を見るとしたたる水滴がアスファルトの地面を濡らしていた。

 

「政宗だけは、うちのとこに残ってくれたって、思ってたのに……」

 

 はやての方にゆっくりと手を置き、俺は言った。

 

「ありがとう、『闇の書の主』さん」

 

 俺はその一言ではやてはもう、何も言わなくなった……

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 一方、シグナム達となのはとフェイトは病院近くのビルの屋上で向かい合っていた。

 

「お話ってなんですか?」

 

「あぁ、それは……」

 

 なのはの問いにシグナムが答えようとした、その時。

 

「ダメでぇす♪ 真実を話すなんて許さない♪」

 

 突然、聞こえた声の方向にその場の全員が振り向く。

 

 そこにはフェンスの上に腰掛け、ぶらぶらと足をバタつかせるアリシアが居た。

 

「アリシア姉さん……」

 

「やあ、フェイト! 久し振り♪」

 

「お前はこの前の……」

 

 アリシアはフェンスの上から飛び降りて地面に着地すると両者の中心に位置する場所に移動する。

 

「うちのボスからの命令でさ、フェイト達に真実を知ってもらうと不都合なんだよね」

 

「なんだと?」

 

 シグナムがアリシアを睨みつけるが気にせず話を続ける。

 

「だーかーらー、私が全力で邪魔して来いってご命令なのです♪」

 

 アリシアはギアデュアルを取り出し構える。

 

「『うっかり』殺しちゃっても良いらしいから……」

 

 この一瞬でアリシアの顔からお調子者のような雰囲気が消え失せる。

 

「今日は手加減しないよ」

 

《PERFECT PUZZLE!》

 

《What's the next stage?》

 

 アリシアがダイアルを動かすとゲームエリアが展開される。

 

「変身」

 

《デュアルアップ! Get the glory in the chain! PERFECT PUZZLE!》

 

 仮面ライダーパラドクスに変身を遂げたアリシアはフェイトの方を向く。

 

「来なよフェイト。いや、フェイト・テスタロッサ(出来損ないの私)

 

 アリシアがそう言うとフェイトを含めた全員がバリアジャケットを展開する。

 

「あぁ、そうだ。うちのボスからの伝言」

 

 アリシアは突然、シグナム達の方を向いてそう言った。

 

「伝言だと?」

 

「うん、病院の屋上に君達の一番大切な人がいるってさ」

 

「ッ!? 主!」

 

 アリシアのその一言で守護騎士達全員が病院の方へと飛んで行ってしまう。

 

「うーん、ボスの予想通りだ。単純だなぁ……」

 

「アリシア姉さん」

 

 守護騎士達が飛んでいく様を眺めていたアリシアにフェイトが声をかける。

 

「なぁに? フェイト」

 

 口調こそ、いつも通りのお調子者口調だが、そこには確かな強者の威圧感があった。

 

「私、ずっとアリシア姉さんを助けたくって戦ってきた。クロノスに騙されてるって思ってた」

 

「うんうん、それで?」

 

「でも、もう……迷わないよ」

 

 フェイトは静かにそう告げると自分の愛機(バルディッシュ)をアリシアに向けて構えた。

 

 それを聞いたアリシアは少しの間、停止した後、顔を右手で覆った。

 

「ふっ、ふふっ、アハハハハハハ! やっと、本気で遊ぶ気になったんだね!」

 

 アリシアは右手を払う様に顔からどけ、フェイトの方に向き直った。

 

「いいよ、いいよォ! さいっこうだね!」

 

「行くよ、姉さん……」

 

「……掛かっておいで」

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

「主!」

 

「はやて!」

 

 病院の屋上に駆け付けた守護騎士達の前に映ったのは……

 

「待っていたよ」

 

 シグナム達が来ることを予知していたように此方を向いて立っている政宗と……

 

「あぁ……うぅ……」

 

 その足元で倒れる、今まで決して見せなかった涙で顔を濡らしたはやての姿だった。




次回予告

新たな覚悟と進化したバルディッシュと共にアリシアに戦いを挑むフェイト。

自らの忠義と信念と共にクロノスに挑む守護騎士達。

それぞれの敵に向かって両者は刃を振るう。

「君達では私には……」

「フェイトじゃ私には……」

「「勝てない」」

そしてついに『闇』が目覚める……

次回 それぞれの敵に立ち向かえ! 闇の書の目覚め!

この作品の結末について自分の中ではいくつか候補があるのですが、どれが見たいですか? ぜひご協力ください。

  • 政宗消滅END(一応正史)
  • 政宗完全勝利END(現在構想とは真逆)
  • 政宗改心END(自分的にはなし)
  • 作者にお任せ(高確率で消滅END)
  • 消滅と完全勝利
  • 消滅と改心
  • 完全勝利と改心
  • 全部見たい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。