せっかく転生したので最強の悪役を目指します。   作:Z-ONE

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次回以降のお話。

次回以降の投稿前に八神家と政宗君の交友を記した外伝を投稿していきます。

それが終わるまではこの先は書けませんのでご了承を。

話数は大体三、四話を予定しています。

本当に申し訳ありませんがこの先を楽しんでもらうための措置ですので許してください。

それでは、本編。


process27 訪れる戦いの日。政宗の策略。

 完成を間近に控えた闇の書を前に俺は今日の事を考えていた。

 

 今日の戦いは過去のどの戦いよりも熾烈を極めることになるだろう。

 

 だが、夜の決戦を前に俺にはやることがある。

 

 俺はあの二人に交渉を持ちかけるべく、闇の書を持って拠点から移動した……

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 時は遡り、一方、政宗が恭也に審判を下している最中の出来事……

 

 アリシアは一人、何処かの廃ビルの最上階で眼下の景色をを眺めていた。

 

 町には今日、明日の夜に備える人々で賑わいを見せていた。

 

 そんな町の人々を眺めながら、アリシアは今日の夜の戦いに想いを馳せていた。

 

「………きっと、強くなってるだろうなぁ」

 

 自身の分身、生みの親が作ったもう一人の自分、フェイト・テスタロッサ。

 

 彼女とは今まで何度も戦った。

 

 そして、その全てにアリシアは圧勝し、フェイトを地に伏せさせてきた。

 

 その度にアリシアは心の中でずっと思っていた。

 

 フェイトはきっと強くなると。

 

 自分を超え、その先に進んでいくと。

 

 それがいつなのかは分からなかった。

 

 明日、明後日、一か月、一年、数年、数十年先かもしれない。

 

 だが、今は確信に近い何かを感じていた。

 

 偽物の私(フェイト・テスタロッサ)は、今日、本物の私(アリシア・テスタロッサ)を超える。

 

 それが、私には何故か本当に嬉しかった。

 

 これが目標ができるという事なんだろう。

 

 私の前には新たな超えるべき壁(ゲーム)が出来ることに私の心が歓喜に震えていた。

 

「何なんだろう、この心が躍る感覚は……」

 

 今までの戦いの前にはなかった感覚にアリシアは答えを見つけ、笑みを浮かべる。

 

 これが本当の喜びの感情なのだと……

 

「あぁ、心が躍るなぁ……最高に」

 

 アリシアは手を強く握り込む。

 

 アリシアの言葉は歓喜に震え、瞳は歓喜に歪む。

 

「夜が楽しみだなぁ、アハハハハハハハハ♪」

 

 アリシアの笑い声はアリシアしかいないビルの部屋中に響き渡った。

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 時は戻り、俺は目的の為に外を出歩いていた。

 

 その途中で俺は足を止める。

 

「……覗き見とは趣味が悪いぞ」

 

「それ、あんたが言う?」

 

 俺がそう言うと物陰からリーゼロッテが姿を現す。

 

「相方はどうした? それとも捨てられたか?」

 

「うっさい。アリアは別の場所だよ」

 

 ロッテはそう言って腕組をする。

 

「それにしてもちょうど良かったよ。私も君たちにもう一度会いたいと思っていた」

 

「なんだと?」

 

 ロッテの反応を聞いた俺は懐に隠していた闇の書をロッテに投げ渡す。

 

 ロッテはそれをキャッチしてこちらを睨む。

 

「この前は邪魔するなと言っておいて、何の風の吹きまわしだ」

 

「なに、利害は一致している。ひとまず協力しよう」

 

 俺は指を立てて話し始める。

 

「一つ、我らは双方共にまずは闇の書を復活させなくてはならない。二つ、そのためには守護騎士が邪魔だ」

 

「……いいぜ、協力してやろうじゃんか」

 

「それでいい」

 

 ロッテの答えに満足し、俺は笑みを浮かべる。

 

「それでは作戦を伝える。まずは……」

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 同時刻、ゲンムコーポレーション。

 

 ここの社長代理を務めるラヴリカこと天ヶ崎恋は研究室に赴いていた。

 

「諸君、ガシャットの方はどうかね」

 

「社長殿、ハードの方はもう終わっています。後はソフトです」

 

 研究員の一人が恋の方に向かってきて話す。

 

「うむ、あのお方のご命令だ。しくじるなよ」

 

「ええ、存じております」

 

 恋はそう言うと進み始める。

 

「ソフトはどのくらいできている?」

 

「現在回収できているデータはすべて入れました。おおよそ30パーセント程かと」

 

「そうか、もうじき40%は埋まると仰っておられたから、残りの30%か」

 

「そちらはあのお方に任せた方がいいかと」

 

「それもそうだな。引き続き頼むよ」

 

「はっ!」

 

 恋がそう言って研究室を立ち去ると研究員はお辞儀をした。

 

 部屋を出た恋は歩を進めていく。

 

「そろそろ政宗殿が言っておられた時間だ。とっておきの格好で行かなくては」

 

 恋はネクタイを整えながら、今日の服装について考えていた。

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 夕方の現在、拠点には政宗、アリシア、ラヴリカが集結していた。

 

「もうじき夜になる。準備はいいな」

 

「問題ないよ」

 

「此方もです」

 

「では、行くとしようか。今日が我らが世界を支配するための記念すべき聖夜となるのだ」

 

 アリシアとラヴリカが持ち場に向かうと俺も立ち上がる。

 

「さて、行こうか。今日は美しい聖夜ではない、惨劇の聖夜となるのだ」

 

 俺は今日の夜へ想いを馳せながら八神家へと向かった。




次回予告

聖夜の夜に始まる決戦。

はやてに明かされる政宗の真意と正体。

「貴様は私の手の平で踊る人形に過ぎない」

守護騎士たちは政宗に戦いを挑む。

「てめえはぜってえ許さねえ!」

闇の書編、最終決戦の火蓋が切って落とされる……

次回 はやてに明かされる真実。闇の書編、最終決戦開始!

この作品の結末について自分の中ではいくつか候補があるのですが、どれが見たいですか? ぜひご協力ください。

  • 政宗消滅END(一応正史)
  • 政宗完全勝利END(現在構想とは真逆)
  • 政宗改心END(自分的にはなし)
  • 作者にお任せ(高確率で消滅END)
  • 消滅と完全勝利
  • 消滅と改心
  • 完全勝利と改心
  • 全部見たい

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