せっかく転生したので最強の悪役を目指します。   作:Z-ONE

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今回はいつにもまして急展開です。

アリシア「うわぁ」

許してください! 何にもしないけど!


process26 恭也の離反。決戦! 恭也VS政宗!

 俺は拠点の開けた空間に立っていた。

 

 するとそこに恭也が歩いて向かって来る。

 

「約束だ、なのは達から魔力の蒐集を終えた」

 

 恭也は闇の書のページをめくり、こちらに見せてくる。

 

「ご苦労だった、それをこちらに」

 

「まずは忍の開放が先だ」

 

 恭也は闇の書を閉じ、脇に抱える。

 

「……良かろう」

 

 俺はバグヴァイザーを取り出し、銃口を地面に向ける。

 

 オレンジ色の粒子が銃口から放たれる。

 

 するとゆっくりと粒子が月村忍の形を成していく。

 

「……さようなら」

 

 俺は一言、そう告げて、バグヴァイザーに一本のガシャットを挿入した。

 

《ガシャット!》

 

 すると途端に粒子は黒く変化し、忍の体を蝕んでいく。

 

「アアアアッ」

 

「忍!」

 

 恭也は闇の書を投げ捨てて、忍に駆け寄っていく。

 

「おい、忍!」

 

「恭也」

 

 恭也は忍の肩を抱き、抱き上げる。

 

 忍の体にはノイズのようなものが走り、今にも消えてしまいそうだった。

 

 そして、忍は今にも消えそうな声でこう呟いた。

 

「嗚呼、やっと会えた……」

 

「喋るな! 今助けて……」

 

 忍は自分の肩を抱く、恭也の手をそっと握ると首を振った。

 

 そして、涙を流して一言、こう告げた。

 

「恭也、大好きだよ、ずっと……ね」

 

 そう言って忍はオレンジ色の粒子となって霧散した。

 

 消える間際のその顔は満足そうな笑みに満ちていた。

 

「うぅっ……あああああああああああああ!!!」

 

 恭也は喉が張り裂けんばかりの叫び声を上げた。

 

 そして、こちらを睨みつけ、ガシャットとゲーマドライバーを取り出す。

 

「貴様は……貴様だけはアアア!!」

 

「なんだ、せっかく辛い人生の苦しみから解放してやったのに」

 

《HURRICANE NINJA!》

 

 恭也は即座に仮面ライダー風魔に変身する。

 

「黙れ……もういい」

 

 恭也は刀を引き抜き、構える。

 

「貴様だけは……この手で倒す!」

 

 俺はため息をついてベルトとガシャットを取り出す。

 

「よかろう、自ら絶版を希望するとは殊勝な心掛けだ」

 

《KAMEN RIDER CHRONICLE》

 

「うおおおお!」

 

 変身した俺は恭也の突進を受け流す。

 

 恭也は地面を転がり、すぐにこちらに向き直る。

 

「はっ! ふっ!」

 

 黒いオーラを纏った恭也の蹴りを俺は拳で次々と受け流す。

 

「ふん!」

 

 刀の一閃が俺に直撃し、俺は後方に後退する。

 

「流石にやるな、ならばこちらも」

 

 俺は一本のガシャットを取り出し、起動する。

 

《ドレミファビート!》

 

「武装装着、レベル+3!」

 

《ガシャット! ガッチョーン……ガッチャーン! レベルアップ!》

 

 ゲームウィンドウからゲーマが登場する。

 

 そして変形し、俺の頭部から装着されていく。

 

《アガッチャ! ド・ド・ドレミファ・ソ・ラ・シ・ド! OK! ドレミファビート!》

 

 ビートクロニクルゲーマーとなった俺は早速腕のターンテーブルをスクラッチする。

 

 すると軽快な音楽が流れ始める。

 

「はっはっはッ!」

 

 俺はリズムに合わせて攻撃をヒットさせていく。

 

「ふん!」

 

 恭也が反撃の回し蹴りを放つが、俺もそれに対して回し蹴りを放つ。

 

「ぐあっ」

 

 スペックで勝る上にコンボの影響で上昇した俺の攻撃を受け切れるわけもなく、恭也は後方に吹き飛んでしまう。

 

「さて、今までの忠義に敬意を表して、一撃で決めてやろう」

 

《ガッシューン……》

 

 俺はドライバーからドレミファビートのガシャットを引き抜く。

 

「我がキメワザで絶版になるがいい!」

 

 スロットにガシャットを装填し、ボタンを押す。

 

《ガシャット! キメワザ!》

 

 俺の体に黄色のエネルギーが収束する。

 

 スロットのボタンをもう一度押す。

 

《DOREMIFA CRITICAL STRIKE》

 

 俺はその場で回転する。

 

 すると回転している状態であらゆる方向から音符弾が一気に放たれる。

 

「ちぃ!」

 

 恭也は懸命に弾を捌いていくが、限界がやって来る。

 

 やがて、捌ききれなくなり、もろに無数の音符弾を受ける。

 

「ぐああああ!」

 

 地面を転がり、恭也は地に付す。

 

「おっと、失礼。一撃では決まらなかったようだ」

 

 俺はビートゲーマーを解除して恭也にゆっくりと近づいていく。

 

「俺は諦めないぞ……絶対に貴様を……」

 

 今にも倒れそうになりながら恭也は俺の元に向かって来る。

 

「……下らない、嫌いだよ。そういうの」

 

《ガッシューン…… ガシャット! キメワザ!》

 

 クロニクルガシャットをスロットに装填し、ボタンを押す。

 

「消えろ」

 

《RIDER CRITICAL CREWS-AID》

 

 俺の足元に巨大な時計が投影される。

 

 俺の回し蹴りと同時に時計の針が回転する。

 

「グァああああああ!!」

 

《終焉の一撃》

 

 必殺の一撃を受けた恭也は空中に吹き飛ばされ、変身は解除される。

 

 生身の状態で地面を転がり、苦悶の表情を浮かべる。

 

「高町恭也は本日この瞬間を持って、絶版だ」

 

 俺がそう言い放つと恭也の体からオレンジ色の粒子が上がり、透明になっていく。

 

「ああ……忍……俺も逝くよ……今、そっちに……」

 

 恭也は天に手を掲げ、握るように拳を握り込んだ。

 

 その動作と同時に恭也の体はオレンジ色の粒子となって霧散し、天に昇って行った。

 

「愚かな男だ、この私に挑むとは」

 

 俺は恭也が投げ捨てた闇の書を拾い、表紙を軽くはたいた。

 

「さて、ついに明日はクリスマスイヴか……」

 

 俺は闇の書を脇に抱え、いつもの部屋に移動した。

 

 部屋には恭也が使っていたゲーマドライバーが大きく破損し、地面に落ちていた……




突然の死

次回予告

闇の書を巡る戦いの最後の戦いの日を迎える。

聖夜の前夜に争いは激化する。

政宗は夜を前にとある人物に協力を持ちかける。

次回 訪れる戦いの日。政宗の策略。

この作品の結末について自分の中ではいくつか候補があるのですが、どれが見たいですか? ぜひご協力ください。

  • 政宗消滅END(一応正史)
  • 政宗完全勝利END(現在構想とは真逆)
  • 政宗改心END(自分的にはなし)
  • 作者にお任せ(高確率で消滅END)
  • 消滅と完全勝利
  • 消滅と改心
  • 完全勝利と改心
  • 全部見たい

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