そのうち、ちょっとした戦闘シーンとかいれたいですね。
きっと戦闘とすら言えないシーンになりそうですが。
自分の身を守るのは自分、ですよね?
※サブタイトルを分りやすくしてみました。
――悠希?視点
ある意味何度も遊びにきていて正解だったらしい。
自分1人では行く気も起きなかっただろうけど、そこはいつも誘ってくれる愁斗には感謝かな。
「それで、リーシャさん。どうして僕にあんなことを言ったんですか?」
とひとまず気になったことを聞いた。
「よく知っている名前に似ていたものだから、だね。あなたのことを知りたいって言うのは本当だよ」
「そうなんですか。その俺の名前に似ている名前ってなんですか?」
それを聞くとリーシャは答えづらかったのか、困ったような笑みを浮かべた。
「それは…私達が友達になって親しくなってからが、いいかな」
「そう、ですか。あとなにかありますか?」
「今じゃ話せないことを抜けばもうないよ。もっとも、話せないのが多いけどね」
歩きながらそういう話をした。
全てを話してくれないのは初対面だからなのだろうか。
仕方ない、か…。
少し歩き、あとちょっとで店に入るってところで少女が呟いた。
「……
「えっ?今なんだって?」
思わず足を止めてリーシャの方へ振り返る。
「なんでもないよ。探すの手伝ってくれてるんだから私も入るよ」
ニコッと微笑みながらなんでもないように言う。
……なんだろうか。
物凄く聞き覚えのある名前だった気がするんだけど。
――
思わず前の名前を小さく呟いてしまった。
独り言のように言ったのが幸いして聞こえてなかったみたいだけど…聞こえていたら、どうしようかな。
なんて思いながら店の中へ先に入ると後から少し早足で悠希が入ってきた。
周りを見渡し、
少しも探さないうちにさっきの男――
「案外見つけやすかったぞ。ただまさか店内で迷子になっているなんて思わなかったが」
「どうにか近くまでは行けてたのよ?だと言うのにリーちゃんから名前を聞いたってその男がわたくしを探しているって言うんですもの」
「ああ…そうなの。ごめんね、今度からは私も一緒に買いに行くから」
と言いながら私はノーラへ憐れみの目を向ける。
「だっ、大丈夫よ!次はなんとかなるわ!」
「絶対フラグだな」
「そうだね、迷子フラグたったね」
「あなた達まで!?と言うかフラグってなによ、フラグって」
「ノーラちゃんは知らなくていいと思うの。純情のままで、いよ?」
「そ、そういうものなのかしら…」
なんて会話をしていたら思わず笑ってしまった。
「もー!笑い事じゃないのよー?」
「あはは、ごめんね?」
と言った所で思い出した。
「あっ。悠希さん、愁斗さん。ノーラちゃんを探すのを手伝ってくれてありがとう」
そう言うと愁斗が得意げに
「構わないさ。レディーのためだからね」
と言った。
「お前、寒いから。まぁ、これぐらい構わないよ。もし、気にするんだったら…そうだね…俺達、これから遊びに行くんだけど来ないか?ノーラさんが酷い方向音痴だってのは分かったし、俺達も帰りまで一緒に見てあげるからさ」
その提案ははっきり言って嬉しかった。
多分あの話も気になっているのもあるんだろうけど、今は素直に受け取ろう。
「おっ。ついに悠希もナンパかー?」
「違うよ、どうしてそうなる。お前だって酷い方向音痴の子を1人で見るのは大変だと思うけど?」
「それもそうか…」
「それで、どうする?無理なら無理で強制はしないから」
「問題ないよ。ノーラちゃんも大丈夫かな?」
「ええ、大丈夫よ。むしろ大丈夫かどうかって聞き直したいほどだわ」
そう言ったノーラは愁斗と悠希の方を向いた。
「俺は大丈夫だぜ」
「別に問題はないかな」
愁斗、悠希の順に返事をしてきた。
「あっ、なら俺さ、いいところを知ってるからそこで遊ばないか?」
と言う愁斗に
「そう言ってる
そう悠希が言うとオーバーリアクションで愁斗が反応した。
「まさかの俺か!確かに言い出しっぺは俺だけどさー!」
それに悠希は「なら任せたよ」と言っていた。
――数時間後、場所を遊園地に変え遊び始めた頃
「都市にはこんな施設もあるんだね」
なんて言いながら、私はさっき買ったチョコチュロスを食べる。
「そうなんだよ。都市って色々遊べる場所が多いんだよ。だからほら周りなんか昼前だって言うのにこんなんだぜ?」
そう言われ周りを見ると、多種多様の種族の人達から別々の種族でグループを作り歩いてたりする。
家族で来ている人達もそれなりにいるようだ。
「だから俺はあんまり来ないんだよね。
「ま、まあ…そればっかりは仕方ないんじゃないかな?楽しいから皆来るんだろうし、それに…私が楽しい!」
そう言うと2人に呆れた表情をされた。
前の世界と違って、村は森の中。
こういう施設はないんだよ?
「そ、そうか…。んじゃあ、まだ少し乗って遊んだだけだし、他にも乗るかい?」
「おー、それは賛成。ノーラちゃんもいいよね?」
と聞こうとした。
その近くに、ノーラはいなかった。
―――悠希?視点
……。
何故だろうか。
また迷子になったのか、と言う思考より妙におかしいと言う思考が優先される。
――もしかして、ノーラさんが、やけに俺達の側にいたから?
いや、違うだろう。
「とりあえず探そう。リーシャは俺と。
「俺も一緒に探す。万が一があるだろう?1人より2人。2人より3人だろ?」
と愁斗が遮るように言うと渋々といった表情なものの、首を縦にふった。
「なら私は魔法でいる方向ぐらいは見てあげるね」
「魔法?そんなんでいる場所が分かるのか?」
と不思議そうに愁斗が言った。
「うん。正確には魔法じゃないんだけど、ノーラちゃんが持っているアクセサリーにノーラちゃんの親がかけたのがあって、それの合言葉のようなものを教えてもらってるだけだよ」
「なるほど。でも今は使える。ならリーシャさんにそれを使ってもらって俺達は万が一に備えて自己防衛の言い訳を考えておこうか」
「ああ、そうだな。あんな方向音痴の子がこんな場所で迷子になったものなら格好の餌だからな」
物騒な…。
と言うかあなた達は何と戦うつもりなのかな?
自己防衛云々は全然関係ないと思うんだけど。
一応、そのつけられている合言葉のようなものを唱える。
すると――
――悠希?視点
リーシャがなにかを唱えると、ノーラがいる方角が分かったらしい。
この人ごみの中では一番使える代物だけど…合言葉、と言う辺り本人は使えなさそうだな…。
それは別にどうでも良いとして
(なんで
と考えた。
だけど、後から多分わかるだろう。
そう思ってその思考をやめリーシャの行く方向へと行くことにした。
「…ところで、悠希。お前どうした?いきなり難しい顔をしたと思えばなんともないような顔して。なんかあったのか?」
歩きながら聞いてくる
いつもは出ないようにしてたんだけどやらかしたか。
「ああ、いや。別になんでもないよ。多分俺の気のせいだと思うからさ」
「そうか?ならいいんだけどさ。なんかあったら俺に相談しろよ?なんとかしてやるから」
「うん、ありがとう」
そう愁斗と会話をしているとリーシャが止まった。
「……まさか、あそこ?」
そう言って指を指した先は何故か『都市一最恐』と名の高いお化け屋敷だった。