それと後書きもありますので、よければ一目通してください。
では、下から本編です。
――碧喜視点
………………。
…………。
……。
ここ、は?…ああ、もしかしてこの匂いからして治療所…かな?
いやぁ…そりゃさすがにあの数のスケルトンを相手にしながらのサイクロプスへの攻撃は無謀だったな。
そのおかげであの時、三途の川が見えて本気で焦った…。
花畑で綺麗だったけど、うん。二度目は遠慮願うかな。
……いや、うん。本音を言えば凄く怖かったかな。
こっちは5人に対し、あっちはサイクロプス三体にスケルトンが数十体。
数えてないからなんとも言えないけど、確かそれぐらいらいたはず。
それをソルと一緒にとは言え、対処していくのはもうとんでもなかった。
「……そうだ。ソルー?」
無理に体を起こすわけにもいかないから呼んでみた。
ハハッ、今このときに返事を聞いたら違う意味で発狂しそう。
一応私の中では癒しだからね。
「いるよー」
「…な、なんだってー!?」
バッと上半身を起こしてその聞こえた方(要するに左側)を向く私。
と同時に体からの痛みという名の悲鳴が。
「っ!?…お、起きて早々元気そうでなにより…」
「元気っていうか、単純にテンションがおかしくなっただけっていうか…。あ、うん。引かないで」
「大丈夫大丈夫、僕は精霊だから引くもなにもないよ」
「なら棒読みでそれを言うのはやめてね。ちょっと傷つくよ、私」
「わ、分かったよ…」
などと話していたら病室に人が入ってきた。
先頭の2、3人は服装が違うから治療してくれた人かな?薬草の匂いもするし。村でよく嗅ぐはめになったから間違いない。
「起きたんですね、フェルマーさん。…でも、上体を起こすのは…」
「アッ、ハイ。すみません」
そう言ってそそくさと痛みを我慢しながら横になる私。
っていうか思わず敬語になっちゃった。
「まあ、元気そうなのであとは痛みと包帯が取れれば退院できそうですね」
「そうだな。…因みに心配してた人もいるからそっちも気にしてやってほしい」
そう男の人が言うと背後から悠希達が出てきた。
どう見ても心配してるのひとr……いや、2人か。
鈴奈さんは呆れたように笑ってるからなんか言ってくるかな?
「…あんまりあんな無茶はしない方がいいんじゃないか?」
「そうだぞ。俺もそうだけど、俺以上に心配した奴がいるからな?最初なんて周りすら見えてない様子だったんだからな?」
「しょ、しょうがないだろ。あの時、どう見ても死に体のそれだったんだからさ」
「い、いやぁ…その…矢のストックは切れるわ、体術をしてる余裕はないわ、魔法だけだと範囲魔法以外でしないといけないわ、サイクロプス…という一つ目の巨人三体と戦ってる3人に魔法を使うのは…ねぇ?」
「……そうか。その、あれだ。大丈夫?」
一瞬なんのことかと思ったけど、負った怪我のことだろうね。
「大丈夫だよ。それに跡が残ったとしても見えないしね」
と言ってから場の空気をぶち壊すようなことを言ってみようと思った私はそのテンションのまま言いのけた。
「傷跡があったらあったで水着とかそういうときに分かりやすいんじゃないかな」
…特に治療師の人達が口を開けて目を丸くしてました。
いやぁ、ほら。そういうポジティブ思考も大事よ?
「あ、ああ…。まあ、その様子なら大丈夫そうですね。私達はもう席を離すのであとは皆さんで…。では、行きますよ」
「「はい」」
そう話して出ていった。
「っていうかその程度ですんでよかったな、リーシャ」
「うん、そうだね」
と言ってから悠希の方を小さく笑いながら向く。
多分愛想笑いとかになってそうだけど。見逃してほしい…な?
「まあ、治ったらまたダンジョンとか依頼とか受けようよ」
「…そうだね、悠希。皆もいいかな?」
「今度は身の丈にあった依頼だといいんだがな」
「鈴奈さんって案外毒舌なんだな…」
誠也さんが言ったその一言に私は笑った。
釣られて皆が笑い出す。
その後、しばらく他愛の無い会話をして皆は帰っていった。
はやく、怪我が治らないかな。
そう思いつつ私は夜空を窓から見上げた。
すみません、こちらの方は未完のまま打ち止めとさせていただきます。
何故かと言うとこの後々、悠希の祖父である人物のところに行かなくてはならなくなるのですが、伏線などが不足して会うことが出来なくなっているんですよ。
……はい、簡潔に言えば詰みました。
そういう理由で大変申し訳ありませんが、未完となります。すみませんでした。
そして、ご愛読ありがとうございました。