ファンタジーライフ ~転生先は異世界でした~   作:篠崎零花

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まさかのファンタジーライフが幻想郷生活に抜かれるとは思いませんでした。

ですが、ああやって書いた小説が少なくても皆様に読んでいただけるのは凄くありがたいです。

これからも幻想郷生活ともどもこのファンタジーライフも宜しくお願いします。



下から本編になります。


第33話 新たな依頼はまた調査

――優季視点

 

次の朝、俺は朝日なんかではなく別のもので起きた。

違和感、といえばいいのかな。

そう、添い寝する形で誰かが入っているようなそんないわかn……

 

「―――!?」

 

ベッドの布団を少しめくったら金髪の少女もといリーシャが横向きで寝ていた。

しかも若干丸まってるし、服は白色のネグリジェ。あんまりはだけてないのが唯一の救いかな。勘違いされにくくなるし。

 

にしてもなんで添い寝状態なんだろうな。

いつもなら添い寝してこないのに……。

…あ。そういえば、そばにいつもいるあのソルって名前の精霊は?

 

そう思って見渡してみたら……小さな布団がテーブルランプの置いてあるタンスの上に置いてあってそこで寝ている。

確かあれはリーシャがリビングのテーブルに置いてたはずなんだけど。

誰が動かしたんだろう…。

 

「……んぅ………あっ」

 

「……えっ?」

 

声に反応してそっちを見たらリーシャと顔があった。

 

「…お、おはよう…悠希」

 

「おはよう。昨晩はなにをしていたのかな?俺、気になるんだけど」

 

と笑顔で聞いたら苦笑いを浮かべた。「…いや、まぁ、その」とか言ってるし、気まずいんだと思うけどさ、前世では添い寝なんていつものようにやってたよね。

もしかして今の関係でも気にしてるのか?

 

 

 

そう考えながらリーシャの答えを待っていると部屋の扉が開けられた。

「…なにやってるんだ?お前達」

 

「……俺の方が聞きたい」

 

「……」

と俺からして背後から聞かれたので冷静にそう答えたらリーシャが恥ずかしそうに布団に顔を埋めていた。

うっすら見えた頬は結構赤かったような気がした。

 

「はぁ…そんなことしてないで朝飯食べに行くぞ。誠也って奴なんかは案外すぐに起きたからな?」

 

「いやいや、俺はなにもしてないんだけど…」

 

「ほう?その証拠は「……私が寝ぼけて入ったって言えば信じてくれる?」」

 

 

いつの間にか上半身を起こしていたリーシャが遮って言った。

寝ぼけてって…。昨夜、本当になにをしていたんだろう。

俺、凄く気になるんだけど。

 

 

「そ、そうか。とりあえず待ってるからな」

 

と言って扉が閉められた。

 

「じゃ、じゃあ着替えようか」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しした後、着替えた俺達は誠也達と合流してその宿屋の朝食をいただいた。

ソルは俺達にとって一口サイズのパンを二個ぐらい食べてたけど、あれで足りるのかな。

 

その後、宿屋を出て冒険者ギルドへ向かった。

もちろん依頼を受けるために。

 

「そういえば鈴奈さんって昔のこと知ってるけど、いくつなの?」

 

向かって歩いている最中、リーシャが俺も気になっていたことを聞いていた。

というかストレートに聞きすぎてるような…。大丈夫かな?

 

「ま、まあなんだ。そういうのは噂とか伝説になってるんだから私も知ってておかしくないだろ?」

 

「……そ、それもそうだね」

 

「リーシャ、それ以上はあんまりよくなさそうだよ?」

 

「そうだね、ソル」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

町支店の冒険者ギルドについた俺達は依頼掲示板の前にたった。

他にもそれなりにそういう人達がいて同じように依頼を見ている。

 

「これとかどうだ?」

と鈴奈さんが依頼書を掲示板からとって俺達に見せてきた。

そこには『ダンジョン調査』と書かれていた。

 

「いいとは思うけど…それ、全体に向けての依頼なんだね。危険なのかな?」

 

「…あー、そこまでは見てなかったな。大丈夫か?」

 

「危険だとしてもゆっくり攻略していけば平気だろ。悠希もいるし、魔法の使える2人がいるんだ」

 

それもそうか。

リーシャとソルが精霊魔法をそれなりに使えるみたいだからね。っていうか使ってたしね。

俺も属性魔法でもいいから覚えてみたいよ。

 

「そうだよ。なんだったらリーシャに弓を持たせてもいいだろうし。使えるだろう?」

 

「うん、普通に使えるよ。魔法だけで不安なら今から買ってきて持つよ」

 

そういってニコッと微笑むリーシャ。

体術に弓か……。両親にでも教えてもらったのかな?

 

「ならいいか?ソルは精霊だから魔力に関しては大丈夫だろうけど、リーシャは魔力とか大変だろ?」

 

「いや、まあ。でもそうだね、言葉に甘えさせてもらうね?弓矢を持ってた方が多分素手の時より役に立てると思うから」

 

そういうリーシャは得意気に見えた。

あれはようやく体術以外を見せれるから、嬉しくてしてるのかな?

 

「なるほどな。じゃあ、私は中衛と前衛を移動することにするわ。一応、依頼受けてくるわ」

 

そういうと鈴奈さんは依頼書を持って受付まで向かった。

持っていくのはいいけど、俺と誠也だけ決めてないよね…。

 

 

 

「……悠希、俺達はとりあえず前衛でやるか。リーシャも準備するみたいだし、俺もいいか?」

 

「うん、そうだね。リーシャとソルもいいかい?」

 

そう聞くとリーシャは「うん、いいよ」と言って頷き、ソルも肯定してくれた。

あとは鈴奈さんが……と思おうとしたらこっちに来た。

 

 

 

「いやぁ、すまない。待たせたな。冒険者登録もやったから遅くなってしまった。んじゃ、準備とか平気か?」

 

「ああ、それは皆で話して必要なものを準備するって決めたんだけど…」

 

そういうとニッと口角をつり上げる鈴奈さん。

 

「全然構わないさ。むしろ行こう。なにかあると困るし」

 

「………そ、そうだね」

それに大してそう返したリーシャの顔は苦笑いしているように見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

準備するために冒険者ギルドを出た俺達は全員で武器屋へ行こうとしたんだけど…。

「ねぇ、皆のうち1人でもいいから武器とか売ってそうな店知らない?」

 

「わ、私はちょっと…」

「僕も無理だよ。って言うかこう見えて精霊の中ではまだ子供だよ?」

 

「そ、そっか…。鈴奈さんや誠也は?」

 

精霊に子供とか大人とかあるんだ…。年齢とかそういうのなんて関係なさそうに見えたんだけどな。

 

「俺も知らないな。っていうかあったか?」

 

「ダンジョンとかに入ったことがなかった2人は仕方ないだろうな。その武器屋は前からあるらしいが、私は知らないな」

 

 

いや、それを言った時点で知っててもおかしくない気がするんだけど。考えすぎかな?

 

 

「そういうってことは場所とか知ってるのかい?」

 

「ああ、広場から少し歩くと防具などを売ってる店があってそのすぐ隣にあるらしいぞ。私は知らんがな」

と俺達から顔をそらしながら答える鈴奈さん。

本当に知らないのかな、この人は。……怪しい。

 

「と、とにかく!準備をはやめに終わらせたいから行くぞ!」

 

話を切り上げるかの如くそう少し大きめな声で言うと俺達より先に行こうと歩き出した。

あの言い方だと図星みたいに感じられるだろうに…。

あ、リーシャとソルが頷きあってる。一応誠也は……ああ、一回頷いてきた。多分あれは知ってるなとか言いたいんだろう。

頷き返しておこうか。

 

 

 

「突っ立ってるとおいていくぞー?」

 

「今いくー」

「……あはは」

「お前な…」

「はいはい」

 

歩いていた鈴奈さんが半身だけ振り返って言ってきた。

それに対しての反応は上から素直に返したリーシャ、困ったように笑ったソル、なんか呆れ顔の誠也、適当に返した俺っていう順番。

 

まあ、危険といっても全員にあててならある程度攻略されててもおかしくないだろうな、と俺は思った。

確かにボスを倒されるとまた一から入れるんだとしても、それは前の話だろうし、そういう専用のダンジョンが存在するのかもしれないし。

魔王とやらが復活した今じゃ分からないしね。

だから大丈夫だろ。そこまで準備しなくても。きつくなったら皆で逃げればいいんだし。

あとで向かう最中にでも話し合っておこう。

 

そう考えながら俺はリーシャ達と一緒に鈴奈さんの後に続いた。

 

 

 

 

――その考えはどうやら甘かったらしいとあの時の俺は知らなかった。


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