色々とやらかして見ようと思います。
下から本編です。
※サブタイトルを分りやすくしてみました。
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飛行船の乗り場などはどうやら無事だったらしく、俺達3人はそれに乗って都市に向かった。
そして、ついてから驚いたことは…
「な、なんかある場所に向かっていく人達が多いような気がするんだけど…」
「…そうだね。なにかあるのかな」
「んじゃ、行こうぜ。こうやってあーだこーだと推測してる暇があったら見に行った方がはやいと思うしな」
そう言われてリーシャはハッと顔をわずかに上げ、頷く。
「それもそうだね。リーシャ、行こうか」
と俺がいうとリーシャが歩き出し、俺達もならって歩き出す。
「うん。でも、それにしたっては…色々と期間が短すぎない?」
「きっと都市だから腕のたつ人とかいたんだよ。あとはなんか使ったり、かな?」
「なんかって。魔法以外で使えるのは人脈ぐらいだぞ?」
と誠也が笑いながらいう。
わ、笑うんじゃない。
これでも
「でも、悠希がそういうのも無理はないか。前から計画されてなきゃ期間的に無理だろうしな」
ん…?
前から計画…となると噂が出始めた時期とずれるな。
元々作る予定だったーとか、そんなのだったら笑うぞ?
その人の流れにあわせて歩けば歩くほど、そっちに向かう人が増えてきた。
「…あ、あれって…」
と俺の右横を歩いていたリーシャが突然そう呟いた。
「あれって言われても分から………え?」
俺もそこまで言ってからそれを見て思わず驚きの声を出してしまった。
「たて…もの…?あんなの、いつの間にたったんだ…?」
「ああ、そうだな。しかも、大きさから見て本店みたいなものなんだろうな」
誠也は冷静にいうものの、驚きを隠しきれないらしい。
まぁ、その人の群れが向かっている先がなにせ大きな建物だからね。
開きっぱなしの扉から見て内部はある意味2階建て。
1階と2階で見える限りでもそれなりの人数が座れる椅子やテーブルがある。
ここからは奥のカウンターと受付をしているだろう人が数人見えるのけど、様々な種族の人達が並んでいるのを見て間に合ってないんだろうなー…と思っているとリーシャが先に入ろうとしていた。
「ちょっ、リーシャ。中に入るのか?」
そう聞くと半身だけ振り返ってきた。
「多分さ、ここ…冒険者ギルドだと思うんだ。出来てまもないとしても、ギルドなら最新の情報とか依頼とか出てる掲示板とかあってもおかしくないかなって思って…」
そりゃそうだろうけどさ。
だからといって、こういうのに対して『テンプレだからある』とか言えたとしても、出来てすぐなのにそういうのがあるものなのか。
そう考えていると誠也もリーシャの方へ。
「よく分からないが…それは良い考えだな。もしかしたら俺達の知らん情報とかあったりするかもしれんし、その掲示板とやらがあったらわざわざ聞きに行かなくても平気になりそうだしな」
「でしょ?もしかしたら、依頼とかでお金を稼げるかもなーって」
頷いてそう答えるリーシャは前見たときより真面目な気がする。
猫っぽさが消えてるからあんまりいじれないな…。
「分かったよ、とりあえず入ろう。そろそろ邪魔になりかねないしね」
俺がそういうとリーシャと誠也が頷いた。
「先にそれを探さないか?板みたいなのがあればそっちを見た方がはやそうだしね。ないものは聞けばいいし。ついでに依頼も簡単そうなの受けてみようよ」
と提案してみた。
「ん、分かった。依頼の件についても分かったよ。なるべく後ろから支援するね」
「はいよ。元からしようと思ったのが二つに増えるだけだし、問題はない。強いていうんなら男としてのロマンは欲しいってところだな」
誠也はそういうと唯一の女子になってしまったリーシャへ目を向けた。
「なにを考えてるのかな…?」
「な、なんも考えてはいないぞ!?やましいことなんて考えるわけ、ないじゃないか!」
「いや、その段階で考えてるってバラしているようなものだぞ?誠也よ」
「……あっ」
言われて気づいたか。
俺と誠也がリーシャの表情をほぼ同時に見ると、半目にはしているものの、さっきより誠也への視線が冷たいものになっているような気がする。
「そ、そろそろ入ろうぜ。こんなところで話しててもらちがあかないしな」
という誠也の言葉で皆、出来てまもないだろう冒険者ギルドの中へと入った。
中に入って思ったことはやっぱり広い、ということか。
カウンターの方は長蛇の列だけど、なにをしているのだろうか。
並んでいる人達について考えていたら
「あったよ、掲示板もどき。情報とか依頼が半分ずつ張られてて凄く見やすいよ」
とリーシャの声がその思考を遮るかのように聞こえた。
「おっ、そうだな。悠希も見ようぜー。なんか朗報とかもあるかもしれないしさー」
「うん、そうだね。…まぁ、その朗報があればいいんだけどね」
そう返してから俺も2人と同じように掲示板を見る。
リーシャが俺の右前、誠也が俺の左前にいるが、この中で一番高いのが俺なので全然見るのに問題がない。
『魔王復活』とか俺達の住む町以外にも被害を受けた場所とか色々のっている。
一番目立つところにある情報は『各地にて魔物が出没中。有望な冒険者求む』だった。
支店もこれから作るよ、なんて近くに手書きされているのを見ると最近のものらしい。
よくこの短期間で作れたなあ。
「依頼もまだ残ってるけど、簡単そうなのって…どういうのだと思う?」
そういってリーシャが依頼の方を指差す。
なんとなく内容を見てみた。
ゴブリン退治、薬草調達、ダンジョン探索、料理代行……うん、誰だ、これを依頼したのは。
俺がそう思うと、誠也も同じ考えだったらしく
「なんで料理代行まで依頼に入ってるんだ?」
といった。
「誠也さん、そういうのはいいけど…こっちには家事代行があるよ。もう何でも屋だね。まぁ、どうしてあるのかなんて大体分かるけど」
と1枚の紙(家事代行って書いてある)を指差しながら俺達を見てきた。
大体分かる、というわりには不安そうだけど。
「ま、まぁ…それ、よく内容を見ると代行は名ばかりでただの手伝い募集って書かれてるから大丈夫なんじゃないかな」
「そうだろ、多分。…でも、依頼なのにそう書かないっていうのも変わってるな。とりあえず、これがいいんじゃないか?」
そういうと巨大蜘蛛退治を誠也がとった。
「封印されていた魔王がまた現れたってだけでこんなのも現れるんだな…」
そういってからリーシャを見ると真面目な顔をしていた。