このような小説を一度でも見てくださる皆様に感謝感激です。
ある意味名無しとしては励みになります。
グダグダ回?…の本編は下からです。
※少し内容を変更しました。大体の流れに変更はありません。誤字も修正しました
※サブタイトルを分りやすくしてみました。
――
その次の朝。
起きてすぐ目に移ったのはまるで洞窟を掘って作ったという感じが凄くする
昨日のことは夢じゃないんだな…。
そう思うともう父さんは…と思い少し暗くなってしまった。
そんな複雑な思いで起き、そんな思いを忘れるためも含めて部屋から出る。
因みに寝かせてもらったのは奥の方の部屋。
手前にある部屋より少し高い位置にあるのか短い階段がある。
ただドワーフ向けなだけあってその階段の段差が俺にとって低い。
昨晩は上るのがある意味大変だったけど、今朝は下りるのがある意味大変だった。
そのまま広間に行くと先に起きていたらしいリーシャがいた。
「おはよう。リーシャは朝早いんだね」
そういって俺が椅子に座っていたリーシャの方へ近寄ると、リリーシャは椅子から立って俺の方を向いた。
「あ、おはよう。…まあね。寝ていた
その言葉を聞いて疑問に思ったことが一つあった。
「契約できる…ってなにか年齢とこ時期があるようなものなの?」
「ああ、それに近いのならあるよ。でも、それが教えてもらった内容は『生まれてからある程度たったら』だし、前提はもちろん精霊語が話せること、だよ」
俺はある意味驚いた。
それと同時に『それに近いのがある』、という言葉に納得した。
「な、なるほどね。んまあ、そりゃそうか…。ってん?契約できる精霊って選べるの?」
そう聞くとリーシャは頷いた。
「うん、選べるよ。ただ相性さえよければ、ね。……性格的な意味で」
「そっちかよ!」
思わずそうつっこむように言ってしまった。
「半分冗談だよ。あながち間違いじゃないんだけどね」
「そ、そうか…」
なんて俺が曖昧な返事をした、その時に俺が通ってきた方から
「おはよう。もう起きてたんだな」
と声がした。
俺達はその方へ向くと
「「おはよう」」
といったところで今度はその通路の左にある通路から
「んー…よく寝れた…」
そういう紗耶香は心なしか朝から生き生きしているように見えたけど、会って1日や2日じゃ全然分からない。
俺の母さんも起きてきたようで俺達が寝させてもらった部屋から姿を見せた。
濃い茶色の肩に触れる程度の長髪が少しはねている。
あとでこっそり、教えておこうかな。
少し時間をあけたあと、誠也を除いた3人で朝食を作って食べた(その時に母さんの耳元で髪のことを
「さて、今日は昨日言った人のところに案内しますね。
「ついていくわ、私も。それから悪いんだけども、そのあとでいいから一緒に町へ行ってくれないかしら。今どうなってるか分からない以上、皆で行った方が安全だと思うから。いいかしら?」
そう聞かれた紗耶香は首を縦に振った。
「はい、いいですよ」
「もう向かっても大丈夫なもんなのかな?」
「そうですね…歩きながら話したりなどすればちょうどいいかと」
それを聞いて一体なんの話をするのか、と思った。
けど、紗耶香の家を出て話した内容は
話をしながら、とはいえそんなに遠くない場所に知り合いの店があったようだ。
「お兄さん、いますか?」
と言いながら店先に近付いていく
どうでもいいだろうけど、俺達は紗耶香の少し後ろにいる。
すると店の奥の方から茶髪を濃くしたような短髪の少年が出てきた。
一見すると紗耶香よりは少し高く見える。
「ああ…いるよ。どうかしたのかい?」
「はい。私の作った剣と短剣を見てもらいたいです」
そういうと俺と
「ん?…ああ。なるほど、渡したのか。初めまして。僕は
そういってくれたので、俺は誠也と一度顔を見合わせて頷いた。
「分かった。俺の名前は
そういって俺は右腰の
裕太って人は「うん、なるほど」といって
「んで、俺は
というと誠也は左腰の
誠也のもシンプルな見た目だったけど、俺のと同じで両刃になっていた。
「なるほどね。……なんだ、
というと紗耶香の頭を二~三回なで、リーシャと母さんの方を見た。
「私はリーシャ・フェルマーって名前だよ。一応知り合い」
「私は幸野
とそれぞれリーシャは口元を緩めながら、母さんは
「そうなんだ。こんな僕だけど、宜しくね」
「あ、それとお兄ちゃん…いいですか?」
聞かれた裕太は不思議そうに首をかしげるものの、肩をすくめ
「だからお兄ちゃんじゃなくて裕太でいいんだよ?呼び捨てでいいと前にいったじゃないか。…それで、どうしたんだい?」
といった。
「嫌です。この方が面白いので。私にも武器、いいですか?出来ればハンマーにしてほしいんですが…」
そう言われた裕太は首を横に振った。
「多分君の性格的に力押しのハンマーより剣か短剣の二刀流の方が向いていると思うんだけど…気のせいかい?なにせ魔力はイフリート姉さん曰く『魔力が低かろうが平均だろうが使いこなしたもん勝ちだよ』だって」
「なんかどこか大ざっぱ気味だね…。なんか姉御、とかとも呼ばれてそうなんだけど」
そういうと
「はい、そう呼ぶ人もいますよ」
といってきた。
「……えっ?」
「姉御って呼ぶ人はいますよ」
「…そ、そうなのか」
「まじか…」
最初に俺、次に聞いていた誠也が驚きながらいった。
「僕の知り合いもたまに姉御って呼んでいる人がいるね」
「聞いた限りだとイフリートは姉御肌、なのかもしれないわね…」
「そうだね…」
なんて会話もした。
「そ、それはいいとして…本題に戻らない?」
そういったのは困ったような微笑を浮かべるリーシャだった。
「そうですね。因みに何故私は双剣なんですか?」
「ああ、それはだけどね。君は普段は君と同性に挨拶と言う名のボディータッチが多いけど、
そう言われた紗耶香は「間違ってはいないですが…」と呟いていた。
やっぱり…この人、背後から這い寄るセクハラ魔なのか。
「でも紗耶香。どうしたんだい?急にそんなことを頼むなんて…。武器の作り方を教わってきた時はなにか作ったり自分なりにオリジナルの物でも作るのかな、ってなんとなく分かったんだけどね」
「この人達と一緒に洞窟の外へ出るので必要になったんです。魔王も出てきて色々と危ないようですし…」
そう、真面目な顔をしていった。
でも何故か裕太さんは呆れたような表情でため息をついた。
「なるほどね…。でも、外に出るのもいいんじゃないか?今まで以上に友達とかを増やして帰ってきそうだけど、むしろその方が面白そうだね」
というとさっきまで呆れてため息をついたとは思えないぐらい、楽しそうに笑った。
「とりあえず今から僕の友達とかをある程度呼んで、剣の改善とか剣を作ったりとか色々する。今日中に渡せるようにはなると思うけど…遅くなったらごめんよ」
といって奥へ消えていった。
「時間を潰してた方がよさそうですね。一度解散しますか?」
そう聞いてきたので、俺は首を横に振った。
「いや、出来ればここを案内してほしい。いいかな」
「はい、案内とかいいですよ。他の皆さんはどうしますか?」
「私はこの近くで時間を潰すわ。だから悪いけども、離れるわね」
そういって俺の母さんは1人で離れていった。
まだよく知ってもいないところを平然と歩けるのは凄いと思う反面、どこか心配になってしまった俺がいた。
だけど、止めなかったのはきっとこの洞窟に住んでいる人達なら大丈夫だろうと言う本能に近い勘の影響だろうか。
俺にはまだ分からなかった。
「私はついていくね。色々と面白そうだから」
リーシャはそういうと結託のない笑みを浮かべた。
面白そう、というのは本気なのか…。
まあ、いいとして。
「俺はそうだな…行くか。サモンゲームのカード情報とか知っておきたいしな」
「よく昨日のことがあったのに知ろうと思えるな…」
と俺が呆れたようにいうと不思議そうな顔をした。
「そりゃそうだろ。昨日、町で起きたことは悲しいことだ。でも、辛くても前を向かなきゃ死んだ奴らが報われないだろ?」
……こいつ、何歳だよ。
俺と大差ないはずなんだけどな。
「そ、そうだけどお前…昨日のことよりパックの新情報が頭にあるんじゃないのか?」
そう聞くと首を横に振った。
「ならもしかしたら、禁止制限カードのことだったりして。店先に出たりするの?」
リーシャが
多分、勘なのかもしれないけど。
でも何故か、
「ああ、それのことだ。新パックの情報は多分後になると思っている。魔王のことがあるしな」
「なるほどね…。なら、禁止制限も遅くなりそうだけど。あ、俺はいくよ。こういう場所になにがあるのか興味あるしね」
「お、遅れたら遅れたでどうにかなる!」
そう話していたら紗耶香が曖昧な微笑を浮かべていた(横目でうっすらと見た程度だけど多分そう)。
「なら、
「あぁ~…。道理でやけに落ち着いてると思った。母さんにとって知ってる場所だったのか。そりゃ1人で動けてもおかしくないね」
そう俺が納得したようにいうと紗耶香が『そうでしょう?』と言わんばかりに頷いた。
「では、私を含めた4人で行きましょうか。さっくりと案内しますので興味があれば言ってください」
ということで母さんを除いた4人で歩き回ることにした。
道中、俺達がカード類などの雑貨店の前に出されているサモンゲームの新パックの情報を見て予約するなりなんなりして手にいれようとはりきったり、リーシャが水晶か宝石を売り買いしている店を見つけ、アクセサリーにもできることを知るなり魔力を込めて溜めておくのもよさそうと言って買おうかどうかと悩んだりした場所もあったけど、話が長くなりそうだから割愛。
……でも、誰に割愛って言ったんだろうか、俺は。
別にいいけど。
それなりに時間がたった頃。
俺達は最初に
母さんもちょうど戻ってきていたらしく、俺達の存在に気づくと
「あら、戻ってくるタイミングがいいわね。今、出来たらしい武器を取りに裕太さんともう1人が鍛冶場に戻っていってるところよ」
俺達の方に半身だけ振り返っていってくれた。
「え?でもこの短時間でそういうのは全部出来ないのが普通じゃないのか?」
「私も最初はそう思ったのだけれども、そのもう1人は…」
とまで母さんが言うと狙ったかのように奥から裕太と炎と形容してもいいぐらいの赤い短髪を後ろで一つに
その女性は明るい朱色の目で、肌はそんなに日焼けをしてなさそうな感じがしたけど、服装が半袖にハーフパンツだから、この人は元気な性格なんだろうなと思った。
というか顔がまたどこか中性的だなぁ…。
「今日中にどうにかしたけど、大丈夫だったかい?」
とその人が言ってきた。
俺が頷くとほぼ同時だったか。
「あ、イフリート姉さんじゃないですか」
あれ、上位精霊って言わなかったっけ…。
そう思った俺はジーッと怪しいものを見るように睨む。
「ん?ああ、そりゃそうか。あたしみたいなイフリート、普通はいないからね」
視線に気づいている様子だけど、表情を緩めた。
「普通は…と、いうよりあなたみたいな人、初めてだよ…」
「へぇ、さすが精霊のことを知ってるなだけあるね、あんた」
何故かリーシャの方から驚きの声が小さいものの、聞こえた。
「あはは、まあそこの子がそういうくらいだけど、長く付き合えば大丈夫になるって」
と笑いながらいった。
そ、そういうものなのだろうか?
とりあえず様子見にしておくかな。
「話してるとこ、悪いんだが持ってるそれが俺達のか?」
誠也が聞くと裕太が頷いた。
「うん、そうだよ。同時進行とか一番きつかったけど、イフリート姉さんのおかげでどうにかなった。あ、名前はもう教えてあるから大丈夫だよ」
「そうか…。ありがとうな」
「いいってものだよ。あまり洞窟から外に出なかったんだし、むしろ喜ばしいこと。…紗耶香のこと、頼むよ?」
そう、いってきた。
紗耶香の方をチラッと見てみたが、視線があうなり肩をすくめてきた。
「分かった。頑張ってみるよ、俺達で。……じゃあ、そろそろ町に戻るんで」
いい終えると俺は振り返って背中を向ける。
「また会おうね、皆。そのときはもっと皆のこと知りたいな」
「じゃあな。また来るか分からんけど」
「さようなら。お元気でね」
「……いってきます」
リーシャ、誠也、母さん、紗耶香の順番に挨拶をした。
俺は挨拶の代わりとして左手をあげて左右に振った。
今後、どうなるんだろうな…。
そんな思いと共に洞窟を出た。
――因みに武器はしっかりと受け取っている。
ただ、洞窟を出たあとが問題だった。