またまた稚拙なものですが、平気な方は適当に読んでもらえるだけでも飛んで喜びます。私が。
下から本編です。
※サブタイトルを分りやすくしてみました。
※少し内容を変更しました。大体の流れに変更はありません
――
あれからどれだけたったか。
「そうですね…リーシャさんもなかなかのスタイルじゃないですか」
そう言いながら紗耶香は手の届く範囲でリーシャの体を触っている。
因みに紗耶香の容姿はリーシャより身長が低く、髪の毛は明るい茶色の肩甲骨に触れるほどの長髪。
触覚みたいに生えた毛がなんだか気になる。
「…そ、そういう問題じゃあ…」
と困ったような笑みを浮かべ、たまにこっちを見るリーシャ。
因みに俺の母さんもあのセクハラの被害を受けました。
意味が分からん。
「ああしてるのを見てるとうらやま……じゃなかった。けしからんな」
「お前はなにを言ってるのかな、
ジト目で横にいる誠也を見る。
「なんでもないさ。ただの若さゆえの
「口にしただけで過ちというのかどうかさっぱりだけど、否定しておくね」
「つれないなぁ~…お前。んで、あれはなにをしてるのか悠希か沙恵さんのどっちか知らないか?」
そう聞かれて、なんだったか忘れた俺は肩をすくめて見せた。
「ああ、そうね。本人
そういった母さんは片手で文字通り頭を抱えている。
「剣の話はどこへいったんだろうね…全然分からないや」
「なら話を戻さないとずっとあのままになるんじゃないのか……?」
あ、それもそうか。
っていうか挨拶が体に触れるってまるでセクハラみたいだな。
…触りたがり?
でもいい加減に本題へ移らないと、と思った俺は声をかけることにした。
「ところで紗耶香さん。俺が持ってる剣と誠也が持ってる短剣を作ったって本当?」
そう言われ、紗耶香も本題を思い出したらしくリーシャから手を離した。
「あ、あー…。はい、私ですよ。本当は一つの武器で二種類の機能があるものとかを作りたかったのですが、性質上難しいみたいで。市販のより耐久力が高くなっただけになってしまいました」
「耐久力も大事だと思うんだけどな。というよりこれはドワーフなら作れるのかい?」
「そうだと思います。作ってる人は作ってるみたいなので。ただやっぱり武器を作る人、防具を作る人で分かれてるようですよ」
そう答えてもらって俺は頷く。
「紗耶香さんはどうなのか教えてもらってもいいか?凄く気になるんだけど」
「ああ、私は剣とか作るのなんておまけのようなものですよ。主にしているのは既存のものをいじくること、ですね。…ただあんまりそういういじくれるものがないので少々残念に思ってます」
言葉より残念そうに見える表情を浮かべている。
そういえば確かにこの異世界にきてからというもの、いじくれる可能性がありそうなものを見ていない。
「そっか…。というか今更過ぎるんだけど、よく俺達と普通に話ができるね。さっき会った女の子なんかリーシャとしか話せなかったのに」
と俺がいうと誠也が同意するように頷いた。
「自然に話してて忘れてたが、そうだな。リーシャともそうだし」
そういえば誠也はあの時いなかったしね…。
分からないのも当たり前か。
「私は覚えておくと得なので覚えました。他に覚えている人も大体話せると便利だったり、得をするからって理由だと思いますよ。ですが、基本はイフリートと話すために精霊語を覚えてるぐらいですね」
「へぇ、そうなのね。…ところで変なことを聞くけども、この洞窟で知らない人とかいなかったりするのかしら?」
と曖昧な笑みを浮かべながら俺の母さんがそう紗耶香にいった。
「そうですね、ここの中の皆さんとは友人です。一応ここ以外にも私達が住んでる場所はあるんですけどね」
「な、なるほどね。ならあなた以上に剣を作れる人とか教えてもらえたりするのかしら?」
「教えてもいいですが、私も一緒に行きたいです。なにせ白磁のような肌の持ち主と隠れ巨乳の持ち主が……っとこれじゃ失礼ですね。悠希さんとは話とか気があいそうでしたので」
そういってニコッと笑った。
…これって…まさか…
「類は友を呼ぶ、なのか…」
と思わず呟いてしまった。
「おう、どうした悠希」
「いや、なんでもないよ。それと紗耶香さんの件は皆平気?」
リーシャや母さん、誠也の顔を一通り見てからそういった。
「まあ、一応連れてて困るような子じゃないし…」
「お前の母さんもずっとはついてこれないし、仲良くなったら楽しくなるかもしれんからいいんじゃないか?」
「性格がちょっとあれだけども、心配はなさそうだものね」
とそれぞれ肯定的な返事をくれた。
「そうですか。なら、改めて自己紹介しますね。私の名前は
といって口元を笑みの形に緩めた。
「……へ?お前、20歳はもう過ぎてたの?」
そう俺が聞くと「はい」といってためらいもなく首を縦に振った。
「た、確かに大人になっても人間の子供サイズしかならないって聞いてたけど…実物を見ると驚きしかないね」
「教えてもらってたリーシャさんですら驚くのか…。凄いな、お前。あ、俺も改めて…
と誠也が再度しっかりと自己紹介をしたのをきっかけに俺達も自己紹介とここにきた理由を話し始めた。
――???視点
久しぶりに魔物を引き連れた魔王を見た気がするわね…。
そりゃ昔にある人間が封印したのだから当たり前なんだけども。
さて、どう追い払ったものかしら。
なんて考えていると背後から
「ルーちゃーん。いくらなんでも1人じゃ周りまで気にしてられないでしょー?」
と声がした。
ルーちゃん、なんて私をそう呼ぶのは1人しかいない。
「そうね。あんたもいた方が楽になることもあったものね」
そういって振り返ると緑色の長い髪を一つに結った私より少し小さい少女…と私より少し大きい銀髪の波打った肩につきそうでつかない微妙な髪型の男が見えた。
「俺に関してはそうでもないか?」
と肩を大げさにすくめてみせてきた。
「え?あんたは私がカバーしてるんじゃなかった?たまに不意討ちされかけてるから本当参っちゃう」
「本人にばれる不意討ちは不意討ちって言わねえよ!?」
「ナイスツッコミだよ、サタン」
と私は右手の親指を立てていった。
「ああ、まあうん。もういいさ。とりあえず…この町が滅びる前に俺らで退けておこうぜ。さすがにそこのガブリエルが放っておかないだろうからな」
というと男が横に立つ少女の頭に手を乗せる。
「放っておかないじゃなくて見捨てない、なの。とりあえずそろそろやるよ。このままじゃ、犠牲者が増えるだけだしね。私は怪我人とか住民を避難させるから魔物とかはルーちゃんとサッくんに任せたよ!あと出来ればルーちゃんも避難誘導宜しくね!」
そうガブリエルがいうと1人で行ってしまった。
「仕方ないね。サタン、私はとにかく見かけた奴から順に助けつつ魔物とかを倒す。魔王の足止め頼んだよ。あんたなら余裕で出来るでしょ?」
「そりゃな。んじゃ、お前も頑張れよ。足止めとかするのも楽じゃないし、面倒なんだ」
そういうのを聞いて頷くと私達もそれぞれお互いやることをしに町の中に駆け出していった。
――
「なるほど、そうだったんですか。それでここへ…。分かりました。それはいいんですが、今晩はどこに泊まるつもりですか?もう遅いですし、観光客用の宿屋探すとかしないと駄目ですよ」
と言ってきた。
「でも、俺達そんなにお金持ってきてないし…。皆も持ってきてないよね?」
そういった悠希は私達の顔を見る。
「…の、飲み物とかは買えると思うぜ」
「最低限のことはできるわよ、きっと」
「飲食代で飛びそうだなぁ」
最初に震え声で
「そうなるとこの人数分は厳しいか…」
「なら、一つ…いいですか?泊まる場所を提供する代わりにリーシャさんと私を同室にさせてください。一応布団とかしけば貴方達の分は足りると思いますので」
笑顔でそういってきた。
「リーシャ…で、いいのかい?」
「はい。むしろリーシャさんじゃなきゃ駄目です。代わりに沙恵さんでいいか、と聞かれても嫌ですので」
と何故か勝手に話が進んでいる。
「まさかだけど…触るため、とかいわないよね?」
なんとなくそうかもしれない、と思ったものを試しに聞いたら
「そ、そんなことないですよ。いやですねぇ」
「思ってたんだね。凄く分かりやすい…。まあ、なんだ。俺達はまだ初対面なんだからほどほどにしてくれるとリーシャが泣いて喜ぶんじゃないか?」
なんて適当なっ……!
いや、あながち間違いではないんだけど。
「そうですね。少しやり過ぎるところでした」
「すみません。あと少しでいいので体を触らしてもらっても――」
そう言いかけた紗耶香さんの額を片手の人差し指と中指でつつく悠希。
「遠慮してもらえないかな。多分俺達もそうだけど、リーシャも色々あって大変だったんだ。そういえば分かってくれるかな?」
その言葉を聞くと複雑そうな表情を浮かべた。
だけど、なにかを思い付いたらしく明るい顔になった。
「それもそうでしたね。分かりました。同室にしてもらえるだけでもいいです。その代わり…添い寝はいいですか?その柔らかい体を一度でもいいので抱き枕にしてみたかったんですよ」
私は呆れたような顔を浮かべ、ため息をつく。
「分かった。ただ添い寝以上のことをしたら…名前で呼ばず、変態さんと呼ばせてもらうことにします」
そういったら
――
「な、なんか本当…誰かをちらつかせる性格だね」
見てて思ったことをそのまま呟いてしまった。
俺の横にいた誠也が不思議そうな顔をした。
「ん?その誰かって悠希の知り合いか?お前の口から聞いたことなんてないんだが…」
「ん?ああ…。別に気にしなくていいよ、誠也」
「そ、そうか…。ところでリーシャ達はなにをしてるんだろうな」
あっさり
その代わり、リーシャと紗耶香の方を見る。
そっちを見ると紗耶香が嬉しそうな顔をしてリーシャに抱きついている。
リーシャは
「…抱かれてるね、あれは」
「…しかも本人はなんか知らんがなんの動きも見せないな」
「そうだね…」
といって俺は頷いた。
「ま、まあ…泊めてもらえることにこしたことはないわ。ああしてる間に色々と終わらしておきましょ。そうすればあなた達はあのサモンゲーム?とやらが出来るようになるわよ」
俺は母さんの方を向くと半目で見つめた。
なんで知ってるんだよ、と言わんばかりに。
「さ、
「だと思ったわ…。まあ、いいわ。ほら、これ。私がなんとかして持ってきたはいいけども、どうせ使わないからあなた達に渡すわね」
そういって母さんが俺達に渡してきたのは可愛い女の子がイラストされた俺の元いた世界でいうプレイマット(この世界じゃもどきだけど)だった。