そろそろ戦闘シーンも増える頃です。
文章力が欲しくなってきますね…。
下から本編です。
ゆっくりと適当に読んでやってください。
※サブタイトルを分りやすくしてみました。
――
小さめな店だけど、小物類などを売っている場所まで来た。
いつもは通りすがるだけだったけど、今回はリーシャもいる。
俺もペアでなら気にすることなく、この店に入れるだろう。
元から男性でも入れるらしいけど。
なんて店の入口から離れた場所から真顔で見つめていたら察したらしいリーシャが俺の顔を横から少し覗くように見てきた。
「…やっぱり女の子が多いから入りづらい?なんだったら私が1人で入るよ?」
困ったようにも見える笑みを小さく浮かべながら、なのは気にしているからなのかもしれない。
「大丈夫だよ、俺も入るから。…あとリーシャはまだここの土地を知らないんじゃなかったかな?」
俺がそこをつくと困ったように笑った。
「それを言われたらなんとも言えないんだよなー…。って、連れてきたの悠希じゃないの!」
ノリツッコミ、ありがとう。
ツッコミといえるかはノーコメントだけど。
「それもそうだね。でもたまにはいいんじゃないかな?」
そういって、俺は中へ入ろうとした。
その時に
「村からあまり外に出なかったし、たまにはいいかな」
なんてリーシャは呟くと先に中へ。
「だからいいんじゃないかっていったのにね」
俺も誰へとでもなく呟いてから店内へ向かった。
店の中はどこか女子向けな感じがしたけど、落ち着いた雰囲気があってそこまで入りづらいようなものではなかった。
アクセサリーもシンプルなものから少し
…今日はたまに見るときより客が少ない。
お昼の時間帯だからかな?
別にいいけど。
「結構可愛いのがあるね。髪飾りとかそういうのがいっぱいあるのは初めて見た」
そういうリーシャの顔は嬉しそうに緩んでいる。
「そっかそっか、なら好きなのを2つ選んでみたらどうかな」
「それもそっか。んじゃ、ついでに2つ余分に買っておこうかな?」
「ん?その2つは誰かにあげるの?」
と俺が聞くとリーシャは首を横に振った。
「1つはノーラちゃんにあげるから間違ってはないよ。でも、1つはその予定、かな。まだいないし」
そういうと商品を見始めた。
いない…ってどういうことだろう。
からかいながら聞いてみるかな?
「ねぇ、いないってことは兄弟でもこれから出来るの?それともまた違うもの?」
「あなたに兄弟ができたら面白そうだよね。まぁ、普通に教えるけど、これから契約する精霊とのペアルックだよ。悠希とは前みたいに仲良くなれたら、ペアルックとかそういうのを買おうかなって思ってる」
まさかのツッコミがなかった。
それどころかスルーされた上にそっくりそのまま返された。
「そ、そうだね…。ってそういうことか。まだ早い気もするけど…考えておくのもよさそうだね。俺とのペアルックは仕方ないよ。それこそまだ時間的にも早すぎるだろうからさ」
「というわけで、選ぶの手伝ってよ。私のだけでいいからさ」
俺は肩を一度すくめてから頷いた。
「分かったよ。簡単な感想になるけどね」
そういうと『分かってる』というようにリーシャは頷いた。
――数十分後
リーシャは薄紅色の少し大きな花付きのの髪をまとめて留めれる髪飾り1つ、紐などを通せる所がついている薄紅色の小さな花1つ、鈴付きのヘアゴムを買っていた。
ヘアゴムだけ送ってもらってたけど。
小さい紙袋にそれぞれ分けてもらい中ぐらいの袋に入れてもらったのを見て俺は店先に出た。
リーシャも支払いなどが終わり、買った物を受け取ったらしく後ろから出てきた。
「おー、悠希じゃないか。その女の子は知り合いか?」
左側からそんな声がかけられた。
その方を向くと
片手でやや小さめの袋を持っているのが離れているおかげで見える。
半袖Tシャツのすそを出し、
日焼けしたその肌は去年の夏にでもやけたんだろうか。
「ああ、そんな感じかな。お前こそどうしたんだ?見た感じ、欲しいものでも買った?」
そう聞くと
「ああ、買ったよ。サモンゲームってトレーティングカードゲームの新パックだけどな。5箱買ったよ。あ、もちろん
「あー、もう出てたんだね。確か今回はカードとカードを重ねて出す奴の新しいのとか強化パーツが出たんだよね?」
「そうだな、新しいのもようやくカード化したって感じだな。まだ売ってるところが多いだろうから間に合うと思うぞ?」
「そうか。なら今日明日にでも買うよ。…それで、この子についてなんだけど」
ようやく話題を変えれそうになったので、振ってみたらリーシャは俺達の事を半目で見ていた。
「……なんで
「分からないな。ま、でも触れぬ神に
そう話していると
「…秘密。ところで、そこにいる悪友もどきは悠希の知り合いなのかな?」
とリーシャが誠也に顔を向けていった。
その時に誠也が「悪友もどき!?悪友じゃなくて同類だから!」とかいってるけど、いいのか、それで。
「ああ、うん。前に仲良くなってね。名前は
「そうなんだ。私はリーシャ・フェルマーだよ、宜しくね」
「そうなのか。宜しくな、リーシャさん」
そういって誠也は袋を持ってない右手を差し出した。
一瞬首をかしげるリーシャだったけど、分かったのか差し出された右手に右手を出して握手をした。
「手を繋ぐ必要は…あった?」
半目で呆れたように相手の顔を見つめながらいった。
「そ、それはいいだろ。雰囲気って奴だよ。必要とか不必要とか関係ないっての」
なんて会話をしているうちに自然に手を離したらしい。
それから何故か顔を下斜めに向け、誠也側から表情が見えづらいようにしている。
…笑いそうなのか肩が少し揺れている。
「な、なんでだよー。別にいいだろー?
なんていっている
「仕方ないね。そういう後先考えずにやる時もあるのはお前のことだしな。フレンドリーなお前ゆえだしな」
とフォロー(笑)をした。
「いや、悠希。それはどういう意味なんだい?」
「話してるとこ悪いけど、この後はどうするの?私はもうほとんどないけど…」
曖昧な笑みを浮かべ、そう言ってきた。
「ああ、そっか。そうだね…誠也、今日はどうするのかな?前みたいにこっち来る?」
「ああ、隣なんだから飯食ってから行くわ。大丈夫だよな?」
俺は頷いて
「それなら大丈夫だな。あと俺も夕食までそっちの家にお邪魔してもいいかな。この子もいるけど、平気かな?」
そういい、右手の
その時、俺をジト目で可愛らしく睨んでくる顔が視界の隅に見えた気がするけど、気にしないことにした。
「大丈夫だ。…まあ、珍しい客に母さんとか父さんが驚きそうだけどな」
なんて笑いながら誠也がいった。
仕方ないか、町に来る他の種族の人達は観光目当てとかお土産目当てだし。
でも、大丈夫だろうな、きっと。
あの店からそれなりに歩いて、
俺の家と同じ二階建てのもの。
屋根は明るい朱色。
誠也が先頭でその後ろに俺とリーシャが立っている。
「あっ、そうだ。忘れる前に言っておくけど、開けるのだけでもいいからパックの開封、手伝ってくれたりしないか?」
半身だけ振り返ってそう聞いてきた。
「俺は構わないが、探してるものとかは言ってくれないと探さないからね」
「手伝いはするけど、多分見ながらになっちゃうかもだけど」
とそれぞれが答える。
俺も明日辺り5箱買うからね。
リーシャにも聞いてみようかな。
明日の朝にでも。
「いつも悪いな、悠希。んで、見るのは構わないが、見方が分からなかったら俺か悠希に聞くんだぞ?できるだけ分かりやすく教えるからさ」
といって口元を笑みの形に緩めた。
「ん、なら分からないものだけ聞くことにするね」
それを聞くと誠也が頷いた。
「それなら平気そうだな。なら、立ち話もあれだから入ってしないか?」
「そうだね、そうしようか」
リーシャも頷いてくれたので中へ入らせてもらうことに。
上がってリビングを通ろうとしたら、誠也の母親が俺達を見かけたらしい。
こっちへ近寄りながら声をかけてきた。
「あら、貴方は。お隣の悠希君ね。お久しぶりね。…それでそこの耳のとんがったお嬢さんは貴方たちの知り合いかしら?」
「あ、その子は俺の知り合いです。名前は」
「リーシャ・フェルマーって言います。自由に呼んでもらっても構いませんよ?」
と俺の言葉を引き継ぐようにしていった。
しかも、笑顔で。
「あら、そうなのね。そうなると引き止めてちゃ貴方たちに悪いかしら」
「あ、いえ。俺は構わないので」
リーシャは俺の隣でクスッと優しく微笑んでから「私も、なので」といった。
「あー、なら水かお茶用意してあげたらいいんじゃないか?母さん。茶菓子は適当に俺が
「それがいいわね。なら先に部屋へあがっててちょうだい。貴方たち3人分の飲み物を用意してからあがるわ」
誠也の母親はそういうと今度はリビングへ向かっていった。
「あっ、そうだ。リーシャさん、あとで耳とか触ってもいいか?よく人の耳と感触が同じって聞くから俺も確認してみたいんだが」
と
聞かれた当の本人は困った、というにしか見えない曖昧な笑みを浮かべている。
「その噂が本当かどうかはともかくして、触るのはやめてほしいな」
「少し触るとかならいいか?ちょびっとだけだからさ」
「どれだけ触りたいの?っていうか普通の耳だから。触っても同じだってことが分かるだけだから」
なんてジト目で誠也を見ていた。
「つ、冷たいな…。そう思わないか?悠希」
いや、俺に振っても同じだけどね。
でも、言ってあげるかな。
「エルフも人間と違うところがあるだけでさすがに同じところもあるだろうね。種族が分かれてるだけでしょ」
と俺は呆れたような表情を浮かべて思っていたことを伝えた。
「悠希もか……」
そういって曖昧な笑みを浮かべたのを見た。
階段を上がって少し通路を歩いた所に誠也の部屋がある。
そこに俺達が入っていく。
下側では誠也の両親がなにか話し合っていたけど、多分リーシャみたいな子が初めてだから驚いているのだろう。
俺も違う意味で驚いたし。
誠也の部屋は入口から見えるところにデッキケースが半分まで置いてある中ぐらいの棚とか机と椅子とか棚より気持ち大きい本棚とか。
奥の隅にはベッドが置いてあって、ちょうど足元かお腹辺りに朝日が当たるようなところに窓がある。
もう1つはその反対側の、棚と本棚の間にある。
いつも通りの散らかってない部屋だった。
「そうだ。ハサミは普通のが2本、ちょい小さいのが1本だけど大丈夫か?」
入るなり、先に奥に入った誠也が振り返って聞いてきた。
「あー、ならリーシャには悪いけど小さい方使ってもらえるかな?平気?」
「平気だよ、少し小さいなら。任せてよ」
リーシャはそういうと自信ありげにニコッと笑った。
「じゃあ、悪いけどそれを使ってもらえると助かる」
と誠也がいうと持っていた袋を部屋の真ん中辺りにパッと投げるようにして適当に置き、それから机の長細い引き出しからハサミを2本、小さめのハサミを1本取り出した。
「じゃあ、やろうか。悠希、リーシャさん」
それから箱を開け、パックの上側をそれぞれがハサミで切る。
5枚出てくるのでそれを分ける。
「可愛いのから格好いいのまで…色々あるんだね」
そう言いながらカードをゆっくり見ては次のカードを見ている。
「そうだね。その分テーマも色々あるからリーシャも平気かな?」
「んー…どうしたものかな…」
カードを見ながらのせいなのか反応がかなり薄い。
聞き流してたりする?
「そのうちやってるところ見せようぜ。もしかしたら興味持ってくれたりするかもしれないしな。…っていうかルールブック、残してたっけか」
あっ、という顔になる俺。
同じく残してたか分からないと言ったら、今度は誠也が困惑するだろうからなぁ…。
こればっかりは仕方ないね。
「だ、大丈夫だよきっと。どうにかなるって。あ、これだよね?」
必要だと言われたカードは合計4枚ほどしかなかったけど、一応差し出した。
「仕方ないな、最近は思いっきり読まなくなったし。…よし、あとはパーツとかで買って完成させればいいところまできた」
「お?新しいの、作る気満々なんだね。そんなに俺の作ったあれを越えたい?」
誠也にそれを聞くといつもより強く頷いた。
「そりゃあな。特に白色の竜が出てくるデッキは強すぎだろ。少しは加減してくれよ」
「そうは言っても…俺達、サモンゲームをほぼ一緒に始めたじゃないか。それに…そうでなくとも、手を抜く必要はあるかな?」
それを聞くとあはは、と笑い出した。
「それもそうだな。悠希、お前はそういう奴だったのを忘れてたよ」
「……話が盛り上がってるところあれだけどさ。カード、もう分け終わったよ。んで、なにかするんじゃなかったっけ?」
そういって机の上に分けたカードを指差すリーシャ。
「あっ。いっけね、忘れてた。それはだな―――」
といってそのカードにも手を伸ばす誠也。
抜けてるんだか抜けてないんだか、いまいち掴めない奴だな。
――
それからしばらくして2人は机を挟んでカードゲームを始めようとしていた。
「「サモンスタート」」
そういってお互い電卓に8000と打ち込む。
太陽光とかの明かりって便利だね。
改めて知ったよ。
でも…なにを見てればいいのやら。
なんて考えているとそれぞれ5枚、カードを手にしている。
「んじゃ、俺からね。モンスターを召喚っと。あと罠カードねー」
「今日のために置いておいたようなもんになったな…。狙ってたな?」
「狙ってないよ、そこまでは。前に来て預けてたの忘れてたぐらいだし」
「お前なあ…。せめてそれは忘れないでくれ。無くさないようにとか、俺自身のと分りやすいようにするのとかって案外大変なんだぞー?」
なんて話し合っている。
場のカードとかデッキとかどう見てもあのトレーティングカードゲームです。
本当にありがとうございました。
「あー、うん。頑張ってね?」
といって窓から外を眺める。
ちょうど2人の間から棚とか本棚が少し見えてるしね。
「あっ、ちょ、リーシャ。ちょっとぐらい見てくれよー」
「…リーシャはマイペースだな。…まるで猫みたいだ…」
聞き捨てにならない単語が聞こえたけど、聞かなかったことにしよう。
猫じゃないからね。
――
それから30分後。
ようやく俺の勝ちで決着がついたところで、持ってきてもらった飲み物で休憩することになった。
リーシャはそれまで暇だったらしい。
声をかけるまで会話をしているかのような独り言を言っていた。
「…リーシャ、誰と話していたの?」
「ああ、対戦してる間に話してた相手のこと?ウィルちゃんとシェード君だよ。これから精霊と契約するからって相談してただけだよ」
「そ、そうなんだね。因みに対戦、もう終わったよ」
そういってから前の方にいる誠也に視線を向ける。
「俺の負けだったけどね。リーシャもやるか?」
「えっ?私?でも、サモンゲームをするための物、ないよ。違うのならあるけど」
そういって取り出したのは本。
表紙や背表紙を見る辺り、
「うん、
俺がそういうと誠也は肩をすくめた。
「なら、しょうがないな。あっ、そうそう。俺な、シールドブレイクの方にも興味があるから手を出してんだけど、悠希もどうだ?」
「今回はいいわ。
「そうか…。茶菓子出すついでにちょいと噂を越えない話でもしていいか?」
そういうと減った皆の紅茶を継ぎ足す誠也。
顔がたまに見る真面目な表情をしているのを見ると、どうも良い話ではなさそうだ。
「構わないよ。むしろ気になるから話してほしい」
「まずは聞いてみないと分からないからね。私も大丈夫だよ」
それぞれの返事を聞いた誠也は丸い缶に入ったクッキーを棚の左隣にある小さな箱から取り出すとこう切り出した。
「―――最近、やけにダンジョンの危険度が高くなっているらしい。そのせいで、前は安全から普通だった場所も入れなくなっている」