すでにどんな風にするかを決めているのですが、過程を考えるのは大変ですね。
ですが、ギャグっぽくないギャグとかシリアスじゃないシリアルとかで読みやすくしていきたいです。
※誤字があったため、訂正しました。内容に変化はありません
今回も不定期更新でお送りしています。
※サブタイトルを分りやすくしてみました。
――
叫び声が聞こえたと思ったら、前にいる2人がいきなり両手をあげた。
「リーダーが逃げたんなら俺らは降参だ」
「さすがにこれ以上手出しはしないよ。あたしとしては
俺が押さえている女性も
「単独行動ほど危険なものはないしね。仕方ないさ。……もうなにもしないから離してくれやしないかい?」
となだめるような口調でいった。
本当かどうかを確かめるためにリーシャの方を無言で向き、見つめてみた。
初めはなに?というような顔で首をかしげたけど、すぐに分かったのか
「もう敵意とかは感じないよ。そんなに敵意を持ってない、か敵意すら持ってない…だね」
そう教えてくれた。
「そっか。なら離す。でも、変な真似をしたら証拠として写真をとるからね」
と言って離れる。
自由になった女性は言葉通りなにもせず2人と同じような場所まで移動し、下がった。
「わ、分かったよ…」
そう1人が言うと
「あ、アタシはもう帰るわ」
もう1人はそう言い、背中を向けるとそのまま逃げていった。
「じゃあな、お前ら」
残った2人のうち1人はそう告げて林の方へ姿を消した。
そして相手は女性だけになった。
「写真をどう撮るんだか知らないけど、勘弁してほしい」
「分かったよ。だけど、今回だけね」
と俺がいうと
「ありがとうね、ウンディーネ。もういいよ、帰っても」
それを最後まで見届けるなり、リーシャがそう言った。
「……分かった。……縁があったら、次も……多分、会える」
ウンディーネはそういい終えたなり、まるで水が蒸発していくような感じで消えていった。
「あっ、さっきのはハッタリだから。リーシャは気にしないでね」
それを聞くとリーシャは呆れたような、そんな感じの笑みを浮かべた。
「そ、そうなんだ。それはまた凄いね…」
「その薄い反応、酷くないかー?あとさっきのはなに?」
リーシャにさっき呼んでいたのを聞こうとした。
そうしたら
「それより前を見ない?
「そ、そうだね。うん、そうしようか」
そして、俺達が
「その程度の出血量でしたら、多分これで大丈夫だと思います。こういうのしか出来なくて申し訳ありませんが」
「むしろ自分で止血する手間がはぶけて助かりました。なにせまだ僕は成人の儀式を終わらせてないのでまだ十全な能力とかを持ってないんですよ」
そんな会話をしている。
「2人共、その様子なら大丈夫そうだね。ところでその人は?」
リーシャはそれに構うことなく、馬の前にいる
「偶然通りかかった人みたいですね。…あっ、すみません。私、馬をなだめてきますね」
教えようとした真叶はそういうと2頭の馬の方へ向かった。
「と、とにかく。助けてくれたのは間違いないぜ。ああいうのは初めてだったから焦ったよ」
「そうだったんだ。ありがとうございます。俺の悪友とかをさっきのからどうにかしてくれたみたいで」
俺がさり気なく″悪友″と言ったというのに愁斗が半目で見てきた。
冗談混じりだから許してほしいな?
「いいんですよ、別に。それならお礼とかはいらないので途中まで一緒に行かせてもらえませんか?馬車とかに乗るの初めてなんで」
ニコッと笑みを浮かべながらいってきた。
「それはそれで大丈夫なのかな?ま、まあ…」
「大丈夫だよ、きっと。どうにかなるって」
とか話していたら、馬をなだめたらしい真叶が
「お客様、乗れるようになりましたので馬車へ来ていただけないでしょうか。ええと…」
といって赤髪の人の名前を呼ぼうとするが、名前を聞いていないから呼べないみたいだ。
「ああ、そうですよね。僕の名前は
「分かりました。町まで、というところまでになってしまいますが、由希様も乗ってはいきませんか?お代の方は上に話せば分かってくださるので」
さっきよりも表情を
「はい。むしろ少しでも馬車に乗れるなんて嬉しいところです」
そういったのを聞いて
「んじゃ、俺らも乗ろうぜ。
由希さんは…困ったような、呆れたような笑みを浮かべるとついていくように馬車の中へ。
「んじゃ、俺達も乗ろうか。ついでにリーシャと由希さんに質問タイム作るからね」
そういって俺はリーシャの顔を見ながらいった。
「そうだね。でも、質問ができるのは町につくまでだよ?」
そういうと馬車の中へ向かって歩き出した。
俺は「分かったよ」といって、リーシャと共に馬車に乗り込んだ。
――馬車の中
「まずは一つ。失礼なんだけど、聞かせてもらうね。
俺は走り出した馬車の中、
「やっぱり分かりませんよね。皆さんは僕の性別、なんだと思いますか?」
明らかに俺達の答えがどんなものかと期待している感じの
「え、えーと…男?でもあなたみたいに可愛い男は村の中でも見たことないなぁ…」
困ったように笑いながら答えるリーシャ。
確かに俺も見たことはないね。
顔だけ、を見るとだけどね。
だから俺は服も見てみた。
「服装とかいれると…男っぽいね。なんていうか、元気な性格の男、みたいな感じだね」
俺のように若い男がカジュアルにまとめようとしたらこうなるだろうなー、なんて格好だから余計に分かりづらかった。
「俺は…そうだな、男に見える。ついでに女服もあいそうだと思ったね」
「女の服も似合いそうな可愛い男、って言いたいんだね」
俺がそう言いながら
「わ、悪かったな!つい意識して言いづらかったんだよ!」
とやけっぱちな感じで言ってきた。
「それも仕方ないね。ちなみに答えは?」
俺とリーシャがほぼ同時に由希へと視線を向ける。
「答え、ですか?それはですね……」
そういうとためるように黙った。
口元が楽しげに
「女、なんですよ。よく男みたいな格好をしているんで、むしろ間違われた方が
「なるほど、普段から着ていると。ってことはたまには可愛い服も着るってことなんだよね?」
リーシャが好奇心でそう聞くと
「はい、着ますよ。僕もちゃんとした女だって覚えていてほしいので」
由希さんは気にした様子もなくニコニコしながら答えた。
「そりゃそっか。しかも、たまになら他の男もドッキリするみたいだしね」
「俺もそうだしな。…そうしてくれるような女友達はいないけどな」
「あー、その。楽しそうなところすみませんが、もう町に入りましたので、あと少しで到着
そう、言ってきてもらえた。
「はい、僕はそこで大丈夫です。用事も広場とかにある店でしたので」
なんて口元を緩めながら言っていた。
「なら、ここまでだね。ありがとう、今度お礼とは言わないけどオススメの土産屋でも紹介しようか?」
「それでいいですよ。会えたら、教えてもらいますね」
その後、広場で降りた由希さんを俺達は軽く手を振って見送った。
それから広場から離れた場所にある俺の家の近くまでつくと俺達を降ろしてくれた。
荷物はちゃんと家まで送ってくれるという。
「じゃあ、ここまでだな。リーシャさん、悠希。またな」
「うん、またね。会うか分からないけど」
「んじゃあね。昼、食べ過ぎるんじゃないぞー」
最後に俺がそういうとふっと笑った。
「ないよ、そんなん。家で食べんだからさ」
そういうと手を俺達に向けて振り、道をそのまま横切って反対側にある家へと入っていった。
「ああ、リーシャ。俺の家はこっちだよ」
そういって先に歩き出す。
「わ、分かったよ。それで、私にも聞きたいことがあったんじゃないの?」
といいながら俺の後をついてくるリーシャ。
「そうだね、あるよ。魔法に関して、と精霊に関してだね。いいかな」
「なら、精霊を先に。多分短いと思うから」
「なるほど、そうなのか。それで、精霊ってなにかな?」
「エルフなら誰でも見える精神体のようなものだよ。人型をしてて、ハーフヒューマンでも見える人は見えるみたいだよ」
「ふぅん…。それだとさっきのはどうしてあの子は人間と同じ姿で現れることができたのかな?不思議なんだけど」
そう言いながら、さり
「私はまだ精霊と契約してないからね。そういう私みたいな人には四大精霊と呼ばれる強い精霊がそれまで手助けしてくれるんだよ」
言い終えると指差した場所を見て「覚えて大丈夫なのかな」と苦笑いしながら呟いた。
覚えられて困るならそもそも連れてこないし、教えないっての。
「なるほどね。だから呼び出せたんだ。ってことは契約したら無理になるんだ?」
「うん、そうなるね。でも精霊の服は作ってくれるんだ。………冗談だよ?」
「わ、分かったよ。冗談なんだね」
思わず曖昧な笑みを浮かべながら頷く俺。
「んじゃ、入ろうか。リーシャも遠慮なく入っていいからね?」
「わ、分かった…」
そういうリーシャの声は戸惑いを感じさせるようなものだった。
家に入るなり、俺はいつものようにあがる。
「お、お邪魔します…」
少し大きめな声でそういうと慎重に入ってきた。
「だからいいのに。っと、荷物は受け取ってくれたみたいだな」
周りを見ても小さなタンスのような下駄箱とかそういうのしかない。
だから、と思っていたら俺達から少し離れた前側にある扉が開いた。
そこにいたのは俺より少しでかい身長、白髪混じりの黒髪。
肌は外によくいたからか、少し日焼けしている。
その人は―――
「父さん。荷物ありがと」
「いや、構わないさ。ただ…多かったのはそこの子の分かな?耳がそれなりに長くてとんがっているように見えるけど」
「ああ、そうだよ。俺とリーシャの買ったものだったからね。それと種族は」
「はい、エルフですよ。耳の通り、です」
リーシャが俺の言葉を遮るようにいった。
どうやら前ほどの人見知りではないらしい。
「そうかそうか。仲良くなるのがはやくていいもんだね。名前はなにかな?」
「リーシャ・フェルマーです。でもそこまでフレンドリーにはなってませんよ?」
なんてお互い笑顔で会話している。
「俺の名前は
「連れてくるよ、そりゃあ。あと父さん、俺だって男なんだからな?興味の一つや二つはあるよ」
と言って半目で睨み付けるように顔を見る。
分かったよ、といわんばかりに両手を頭の耳付近まであげて肩をすくめた。
「っと、立ち話もあれだな。あがってけ。悠希、リーシャが飲めそうなものあるかもしれん。自分の分の飲み物をとるついでに冷蔵庫見たらいいんじゃないか?俺はあのマイペースな
というとどこか早足でいってしまった。
「た、大変なんだね。どれだけおっとりした性格なんだか気になるよ…」
曖昧な笑みを浮かべながらいったその言葉に俺は
「
といって玄関から見て少し奥にある短い階段へ向かう。
「ま、まあそれでいいならいっか。そうなんだ。ならあがらせてもらうね」
そう礼儀正しくいってから俺の後をついてきた。
少し初対面のように接してしまっているのはきっとお互い様だろう。
喫茶店で飲み食いしたのは大分前だし、もうすぐでお昼だろうから、食事にでも誘おうかな。
なんて考えていたけど、先にやらないといけなさそうだ。
広めの部屋に入ってすぐ見える窓のところに荷物がおいてある。
「さり
「気のせいじゃないな。しかも短時間でよくできたと思う」
と、いいながら俺はその近くにおいてあるものを見る。
…タンス。チェスト。
どれも小さめな物っていうのと、俺の個室にしてもらえた部屋が元々広めだったのもあり、ちょうどいい。
「泊まらせる気満々…っていうかよく買えたね、これ」
「いや、もしかしたら偶然かもしれない。大体いきなり物があったら中に俺へのメッセージが入っているからね」
そういって、俺は五段のタンスに近づき、ちょうど上から三段目を開いてみた。
リーシャも俺の部屋の扉を閉じてからそばによってきた。
手紙にはこう記してあった。
『いつ届いてるかさっぱりだけども、使い勝手のいい家具を買ってみたわ。チェストも上二つ、下三段と使いやすそうだったからつい一緒にね。便利だから使ってみてね』
―――母さんかい