一部敬語の子がいるのですが、文章力がまだそこまで上がっていない、不甲斐ない私のせいでため口いりです。
すみません。
※多少読みやすくするために文章に付け加えを行いましたが、内容に変化はありません
※サブタイトルを分りやすくしてみました。
――
「させないっ!」
そういってリーシャとリーシャに迫る人物の間に入り込み、剣で相手の攻撃を防ぐ。
この時に見えた武器は俺の使う剣より短かった。
これが、短剣というものなんだ…。
そう思う余裕すらなかったけど。
「へぇ、素人だから不意打ちへの対処なんて無理だと思ったけど…あんたは対処できるんだね」
と感心したような声でいった。
それでリーシャは我に返ることができたらしい。
「ああ、何故か剣を扱えるようにって父さんから言われててね。焼き付け刃みたいなものだけど、ないよりはマシなんだよね」
というと相手の方が距離をとった。
「確かに素人のそれだね。
とか言いながら2人の方を見ている。
「しょうがないな、アタシ達はそういうのだし」
「そうだな。惜しんでいる暇などない」
そう会話しているのを見ながらどうしたものか、と思案する。
どうやら向こうも動きがあったらしく、
でも、挟み込めるとかどうとかいってたし1人で大丈夫だったのだろうか。
しかし、こっちもこっちで素人同然の俺と分からないリーシャとじゃ大丈夫かどうか…。
そう思いながら3人への警戒心をより一層強めた。
「それで?護衛も頼まない無防備なあんた達は一体どうやって私達に抵抗するつもりなのかな?」
「そうだよね。どう考えたって荷物とか全部渡した方がいいというのに。あがく理由があたしにはさっぱり分からない」
俺から左側にいる人物は武器となる短剣を取り出しながら
「そうだな。渡さないなら強引に奪うだけだしな。例えどうなろうと。不利だったから負けたとか言い訳するなよ?素人」
というと不敵にふんっと笑ったのが聞こえた。
だが、その後突然目の前にいる人物がリーシャを見ているように感じた。
少し左を見ると2人もリーシャをジッと見ている、ような気がした。
3人共、口が少し開いていたような…?
俺も半身だけ振り返ってリーシャを見てみる。
下ろしたままだったらしく、肩甲骨まで伸びた長い金髪が
しかも、普通の魔法を使うのではないらしい。
足元が
視界の隅に映ったのは、魔法陣。
そこにかざすようにして少し前に出されているのは左手。
目は伏し目がちに見えた。
(一体、
「―――なら、あがいて、あがいて、あがくまで。次なんて作らせない。″力を貸して!ウンディーネ!″」
そう叫ぶとリーシャの体を水の泡がまとうようにして現れた。
「なにを…しているの?リーシャ…?」
そう思わず呟くも、
「はっ、こけおどしか。ならなにも怖くはないぜ」
といってフードを直した人物がリーシャに襲いかかろうとする。
今度は俺がリーシャを見すぎて守れそうにない。
でも、大丈夫そうだと知ることになった。
俺が動く前に強かな音と共に水の音がしたから。
その音を作り出した主は背中まである長い髪型の人物だった。
その髪の色は水色で、輪郭はどこか中性的に見えた。
髪から顔を覗かしている耳は明らかに長くとんがっていた。
「なっ、あれは…水の精…!なるほど、純粋なエルフか…!どうりでハーフより耳が長いと…!」
俺の右横にいる人物が
「ありえないだろ!あたし達は町へ続く道でしか実行してないからエルフなんているはずがない!」
「今はいる!そう考えるしかないだろ!?」
といきなりそんなことを
俺にとってはちょうどいい。
剣を急いで鞘にしまうと右横にいる人物の短剣をもった手へ上からチョップをするように右手の親指と手首の間に当てた。
リーシャに気をとられていたので、対処が遅れたらしい。
そのまま、小さな音をたてて短剣が落ちた。
簡単にはやられてくれないらしく、俺を右手で殴ろうとしてきた。
それを
背後に回ると俺は自分の身長より頭一つから二つ分大きな相手の
背中に乗った後はまず左手首を
この一連の流れでついにフードがずれて顔が見えた。
どうやら人間の女性のようだ。
「油断した…。ハーフとは思わず、エルフだと思っていれば…」
そういうってことはどうやらこのやり方は力が入れにくくなる、ということが分かるようだ。
そうなんだ、リーシャの耳がノーラさんより短いんだ。
どうでもいいから見てなかった。
でもその違いがなければきっと、俺達の方がやられていたかもしれない。
「それで、どうするつもりなんだっけ?いくら精霊で召喚したてとはいえ、悠久の時を生きる者。油断すればあなた達が負けるよ」
ウンディーネと呼ばれたリーシャより身長の高い人物は
「……下手に動かないで。……手加減……まだ知らないから」
そういうと構えをとって、牽制している。
「くそ…あたしらもエルフの耳は長いもんしかないとばかり…」
と片方が悪態をつきながらそういった。
もう片方はリーシャといきなり現れた精霊というウンディーネを睨んでいた。
1人だし、相手が何人いるかもこっちからは把握ができない。
なにもなければいいんだけど。
――
もう無理だ。
そう思った時、空から翼が羽ばたく、というには大きい音がしてきた。
「あ、あれは!?」
と1人が指を指せば
「竜…!?ありえないぜ、あんなの!アタシが知るにはこっちとかに出てこないはず!」
ともう1人がそれがいるだろう方向を向きながら叫ぶ。
その2人より大きな人物は落ち着いているように俺には見えた。
「落ち着け、多分こっちには来ない。ただの竜ならな」
俺にはその後ろなんて見る余裕はない。
前で会話している内容も大半は耳を通りすぎている。
だけど、数分かそこら辺した後。
たんっ
そういう音が隣で聞こえた時。
視界の
「ええーと、なにをしているんでしょうか?あまりにも目立つのでつい来ちゃいましたけど」
と男とも女ともどっちとも言える声が横からした。
「……えっ?」
そんな間抜けな声が出てしまったけど、気にする暇もない。
なにせ横を向いたら、炎のような赤色のかなり短い髪をした人が立っていたから。
身長は俺と同じか少し高いらしく。
横顔は見えるけど、女性なんだか男性なんだか凄く曖昧なように見える。
「なるほど。目立つ、か。ならば、言われる前にお前も――」
その言葉を遮るように平然とした様子でニコリと微笑み
「あ、いいです。説明はいらないので。さっき、都市の方から来ましたけど…後ろの方達がやけにピリピリしてましたので」
と言ってのけた。
「ふん、ばれてるならお前も身につけている物全てを渡せ。俺にはこの2人もいるんだぞ」
そう呼ばれた2人は剣の長さと比べると半分の長さしかない刃物を取り出して
「渡してきたところで見逃さないけどね」
片割れがそう言った。
そりゃそうだよな。
危険だの、どうだのと言われながら対策が追加金を払っての護衛のみ。
そんなんでは馬車を利用する人は減るばかり。
後ろにいるはずの
真叶も俺みたいに恐怖を感じているようだけど、あの顔はまだ諦めてないように見える。
首だけ動かして前をもう一度見る。
真ん中の少し奥にでかいのが1人、その前に2人。
3人、共に黒いローブを身に
「それは当たり前ですよね。ですが…これを見ても、でしょうか?」
というのでちらりと横を見たら、その人の片腕と背中に生えた物が人の物ではなかった。
それこそ竜の、というのが正しいのだろうか。
変化したものらしい。
「だからなんだと言うんだ?所詮、にんげ―――」
それを見てもなお余裕だったのか、言い続けていた人物の声が突然途切れる。
当たり前だ。
さっきの人のサイズより大きな赤い竜がそこにいたから。
「そうですか。残念です。僕は穏やかに解決させてそのまま、町で欲しいものを買いに行きたかったのですが…仕方ないですね」
大きめなサイズの赤い竜はそうしゃべりながらも尻尾を馬車に当てないよう、気をつけている。
前足をあげて立っているのはさっきまで人の姿をとっていたからなのか…?
どういうことなんだ…。
――???視点
うーん、1人がちょっと混乱しきっているようですね。
目の前はやっぱり駄目でしたか。
「……なるほど、ドラゴニアか。だが、町へ行くのならお前は関係ないだろう?何故行かない」
ひきつった笑みを浮かべながらそう言ってきました。
確かにそうですね。
「だからと言って、同じ町へ行く人達が立ち往生しているんですよ。もしかしたら僕が知っている以上の良い物が買えるかもしれません。それに…理由なんていりますか?」
素直に僕は言ってあげました。
きっと、僕が向かっていた場所とこの人達の向かう場所は同じはずですから。
でなければわざわざ馬車を使う人なんて少ないはずですから。
「くっ……。こ、こいつ…!」
そういって短剣を僕へ向けて刺そうと向かってきました。
僕についた傷はかすり傷でした。
「…えっと、痛いですね。ですが、それだけですか?まあ、近くに可燃物さえなければ僕も色々と手段があったのですが…仕方ないですね」
相手が短剣でよかったです。
僕はまだ、ですしどうなっていたか…。
あれ、そういえばこの人動きませんね。
不思議に思った僕は顔を覗いてみました。
驚きで固まっていました。
あ、もしかして…ドラゴニアが竜化するのを見たのは初めてだったんでしょうか。
まあ、これで僕も気にせず町へ買い物しにいけますね。
ゆっくりと変化をといていく。
「…な、なんだよ」
僕を刺していた相手が自ら離れていく。
「どうかしました?」
2人も下がっていく。
そのままでかい人が背中を向けると逃げ出していった。
2人は「ま、待ってください!リーダー」や「リ、リーダー!!」と叫びながらついていくのが見えた。
それから刺された場所を見てみましたら、かすり傷はやっぱり体についていて、服もそこだけ裂けて血で汚れてしまってました。
(やっぱり、痛いですね…)
そう思っていると後ろから声をかけられました。
「大丈夫ですか?怪我をされたようですが…」
「痛いですが、この程度なら大丈夫です。皆さんは大丈夫ですか?」
「私は大丈夫です。おかげさまで助かりました」
もう1人の方も我に返ったのか、ようやく僕の方を見てくれました。
「その、なんだ。ありがとな。偶然見かけたとはいえ、こっちまできてくれて。助かった」
「全然構いませんよ。なにせこういう町や村への道は危険だと僕がよく知っていますから」
なるべく笑顔を浮かべながら言いました。
「そうなのか…。でも、最近までは平気だったんだけどな」
「多分移動してきたんですね。何故移動してきたか、までは分かりませんが…」
と話していると「とん」っていう人が降りてくる音がしました。
「すみません、差し支えがなければ服は無理ですが、怪我だけでも癒せるのでやらせてもらってもよろしいですか?」
そう言われた僕は首を縦に振り
「あ、出来ればお願いします」
といいました。
――少しだけ時間を
「……あれは」
いきなり空を見上げ、そう呟くリーシャ。
なんだと思い、俺もそのままの体勢で空を見たらドラゴンが町の方へ飛んでいこうとしているのが見えた。
「竜、か…?でもこの辺に竜を見かける人なんて聞いたことがないんだけどな」
俺も返事をするようにそう呟いた時。
「……驚くことじゃ、ない。……普通、目立たないように移動……しているだけ」
と、空を見ずにウンディーネと呼ばれた人物が答える。
「だからって竜がこっちにくるかよ」
もう片方がそういうとその横にいた人物が偶然にも空を見上げ、赤い竜が人の姿になり地上へ降り立つ様子が見えたのか驚いた顔をしていたのをウンディーネと呼ばれた人物は見たらしい。
「なっ、あれはドラゴニアじゃないか!」
そう叫んだ次のタイミングでもうあっちは大丈夫になっていたことを後々俺達が知ることになる。