同時期での出来事って大変ですね。
読みやすいようにはなっているはずですが、そういうの苦手な方はブラウザバックという選択肢を考えた方がいいかと。
そして、こんな稚拙な小説を読んでくださった皆様へ。
本当に、本当にありがとうございます。
少しでも読んでいただけてるだけでありがたいです。
※サブタイトルを分りやすくしてみました。
――
都市の輸送所から馬車に乗った俺達3人は俺と
「そういえば名前、なんていうのか聞いてなかった気がする」
そう呟くと前に座っている愁斗が頷いた。
「そういえばそうだな。聞くことできたっけか?」
そんな感じで話しているとリーシャがため息をついた。
「出来るらしいよ。っていうか書いてあったよ?ちゃんと。あとは馬車専用窓口の思いっきり見えやすいところとかにもあったし。その、悪いんですけど紹介がてらフルネームで一度、名前を言ってもいいですか?」
と俺の左側に座らせたリーシャがいうと
「ええ、構いませんよ。その代わり、貴方のお名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「代わりもなにも…全然構いませんよ。私はリーシャ・フェルマーと云います。そして、悠希と愁斗さんが今まで繰り返し頼んできた相手の名前は
とリーシャが言っていると常に頼んでいた
「まあ、顔だけ見て使う人もいるので仕方のないことですよ。むしろそれでリピーターが現れてくれる、それだけでいいんですよ」
そう言われて俺は大丈夫だっだろ、と顔をリーシャに向けた。
「フォローされたね、悠希。しかも思いっきり」
半目で俺達のことを見つめながらそういってきた。
「……うっ。別に結果オーライだからいいと思うんだけどな。
「ま、まあ…俺もそう思う、ぞ?」
曖昧な笑みを浮かべながら視線をそらされた。
俺と同じように見ていなかったのもあるのか、それとも何度か使っている最中に気づいたのかな。
前者か後者かは別にいいとして、視線をそらすほどとかそんなに気まずいのか。
まあ、先に気づいてたみたいだからなぁ。
なんて思っていると
「私としては嬉しい限りですよ。こういう一期一会を楽しめるのは皆様のおかげですので」
笑いながらそういってくれた。
そうやっていつもより賑やかに進み、町までの道のりがおおよそ半分にきたとき。
突如としてリーシャの顔つきが険しい顔になった。
前にいた愁斗が先に気づいたのか
「なんかリーシャさんの
と俺に近づいて
仕方ないので俺が聞くことにした。
「リ、リーシャ?いきなりどうした?」
「……別になにも」
といって顔をそらしてリーシャ自身の左斜め後ろへ向ける。
半身ごと。
俺はなんだか嫌な予感がした。
今まで馬車を使っていてもなにも感じず、普通に町までついたんだけどな。
「どうしたっていうんだよ、リーシャさん。急に警戒心丸出しになんかして…」
といった後に
「お客様方、こんなときに失礼を承知で言います。母と父にずっといってもらっていたことなんですが、エルフは物心ついた時から精霊と交流するらしくその影響かなにかはまだ明らかになってはいませんが自身に向けられた感情が分かりやすなるそうです。ただ問題はハッキリとその感情を持たれないと分からないことですかね。最終的にエルフも耳がとんがっただけの人間ってわけですよ」
と説明するようにいってきた。
その間にも嫌な予感が強くなっていく。
「そ、そうなんですか。って悠希もどうした?」
「説明はあとでする。
と俺は真顔でほぼ決めつけたようにいった。
「わ、分かった。俺に分からないもんが分かるならそうしておく。安心しろ、俺も素人なりにやってやる」
「悪いね、愁斗。リーシャは…大丈夫か。でも一応気をつけてね。俺も気をつけるから」
というとリーシャは少しだけこっちを見て頷いてみせた。
それから数分たっただろうか。
2頭の馬のそれぞれが突然現れた人影に驚きいなないたかと思うと小さくブルブルと鳴きながら顔を横にふった。
「ほう…前回の獲物はハーフの
と出てきた人物が声をかけると左右の林や草むらに隠れていたであろう人影が複数人でてきたのを
「い、いきなり現れてなにをするつもりですか?やめてください」
と
それとほぼ同時に俺達から見て右側に人影が見えてきて―――
――
御者の
不意打ちされるとは想定していなかったのだろう。
軽い誰かの呻き声と共に悠希が外へ。
冷静になられて囲まれる前に素早く同じ場所から降りた。
そこには黒いローブのフードを目深にかぶった人が二人いた。
正確にはいきなり蹴られて驚きながらも立ち上がっていく者と突然現れた私達に警戒心を持ったらしい者。
そして、馬車よりに悠希と私。
「い、いきなりなにをするんだ!どうなるのか分かっているのか!?」
そう叫んだのはさっき悠希に蹴られた人。
だが、蹴られた
……どうやら、エルフやドワーフ以外の女性らしい。
「いきなり?その言葉は俺達が言いたいね。せっかく今までより楽しく住む町へ戻れると思ってたのにな」
「んなら素直に持ってる奴全部渡すんだな。さもなくばお前らなぞ―――」
「―――!」
長そうな口上には氷系魔法と土系魔法による(外見は氷の中の石みたいな感じ)先制を。
「ぐぅっ……キサマァ!」
と叫ぶもう1人に
「本来ならありえることだろう?リーシャがしたことはむしろ普通。そうやって
と悠希はいいながら左腰にある
「それで捕まえられると思う?」
と言って現れたのは同じくローブのフードを目深にかぶった3人目。
「思ってはいないよ。でも、もう1人こっちに来るなんてどうしたのかな?」
視線だけ向けてそう返す悠希。
でもあれは…。
「前と後ろとで挟み込みができるからね。ただまさかそっちから出てきてくれるとは思わなかったよ。――――抵抗するのはいいけど、出てきたことを後悔しないことね」
そういうと近くにいた私に向け、襲いかかろうとしてきたのが見えた。
――
「
真叶が困惑した様子で何度も首を縦にふったのが視界の隅でうっすらと見えた。
でもそれは
「……!?」
3人。
皆一様にローブを着込んでいて、顔は目深にかぶったフードのせいで見えない。
「なるほどね。今回は元気な獲物か…。でも、俺が手を出すほどでもないな。お前ら、自由にやれ。だが、ほどほどにな」
そういったのは俺よりも身長のある人物だった。
かなりの威圧感がある。
「分かってるよ、リーダー」
「足がついて身元が割れたらまずいもんな」
そういって2人だけこちらにじりじりとゆっくり詰め寄ってくる。
「な、なにが目的だ!俺達はただの一般市民なんだぞ!金目になるようなものは持ってなんかいない!」
構えをとり、そう叫ぶけど俺の足は正直で恐怖で震えている。
さっきの時は3人で1人だった。
だから、素人だけでも先手などをとればどうにかできたし、タイミングよくノーラさんが目覚めて声を発して気を引いたのもある。
俺達も例外じゃなかったけど。
でも今はどうだ。
強そうな奴とその仲間2人。
「ほう…。その
「……っく」
そりゃそうだ。
簡単に話してくる奴なんていたらそれこそ数が今より減っているはずだ。
でも、俺は怖いからこそ構えるのをやめない。
「だろう?甘い奴だ。だが、それこそ面白い」
「そっすね。今もいたけど、アタシが見てきた中で一番名残惜しい奴だ」
「だけど、そうもいってられないんだよね。残念だけど、黙らせなきゃいけないし」
などと物騒な話をし始める。
俺……どうにかできるかな。