毎日鎮守府   作:馬鹿とオタク

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これを書き始めたのはクリスマス前なんですが、たぶん投稿は2月くらいになるだろうと思って書いています。

4月くらいになってしまったらすいません。

とりあえず、年越しあたりの話を書こうかなと思いまして、書いてみた次第でございます。



艦娘と年越しと。~?日目~

ここは柱島のはずれに位置するとある鎮守府。

 

今、ここの執務室にはもうすぐ年を越すというのに、執務に没頭している2人組の姿がある。

 

残念ながら彼らには年を越すギリギリまで執務が溜まっているので、今日が12月30日だというのに、一向に執務を切り上げようという姿勢は見えず、せめて今年の分の仕事は終わらせなければならないという義務感が彼らの背中からひしひしと感じられる。

 

そんな中、片方の男が溜息交じりにつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

「おかしい、これは何かがおかしい。そう思わないか?大淀。」

 

 

「よく見て発言をしてください、これらはほとんどが提督がクリスマス前後に手を付けなかった仕事ですよ?」

 

 

「すまない、なんていった?ちょっと突発性難聴になったかもしれん。」

 

 

「え?今ここに置いてある電気スタンドで殺害して欲しいっていいました?」

 

 

待ってそれはヤバい。名探偵コ〇ンぐらいでしか見たことないような殺害方法やめてくれない?

 

しかも割と目が座ってるんだけど、この子本気で上官に手を出したりしないだろうな...。

 

 

「まあ、そんなことはどうでもいいんです、結果がすべてですからたとえ提督の頭蓋を粉砕したところでこの書類の山は消えませんし。口を動かすより手を動かす方が重要ですからね。」

 

 

その大淀の言葉を最後に俺たちは黙々と作業を始める。現在時刻は二二〇〇、すでに駆逐艦寮のほとんどは電気が消え、軽、重巡寮と戦艦寮、空母寮はまだ電気が点いているだろう。

 

そんなことを考えていたら、さっきまで手を動かせだなんだの言っていた大淀が口を開いた。

 

 

「そういえばですね、提督。」

 

 

「どうしたんだ?さっきまで仕事中に口を動かす奴絶対許さないみたいなこと言ってたのに。」

 

 

「そこまで言ってません!ところで、ふと思いついたんですけど」

 

 

「どうしたんだ?もったいぶらずに教えてくれよ。」

 

 

「いいですか?はっきり言いますよ!私たち!このままじゃやばいんじゃないですか!?」

 

 

「だから何がなんだ?」

 

 

「年越しですよ!年越し!私たちこんな状態で年を越せるんですか!?あと今日含めて2日ですよ!この状態で行くと仕事が終わるまで後3日はかかりそうなんですけど!」

 

 

「たしかに、このまま行くとヤバいかもしれんな...そうだ!」

 

 

そこで大淀にいたずらを思いついた子供のように耳打ちをする。

 

 

「それ...本当にうまくいくんですか...?」

 

 

「多分上手くいくって!」

 

 

大淀の不安そうな顔を横目に、執務室から出る。

 

執務室を出て、艦娘たちが居るであろう寮へ向かう、途中強いアルコールの匂いが強い金剛とすれ違ったが、どうやら気分が優れていないようで「ヘーイ提督ぅー、提督もアルコール入り紅茶は飲みすぎちゃダメデスヨー」と声を掛けられただけだったので、いつもの元気溌剌とした彼女の姿とのギャップを感じ少し可愛いと感じてしまったのは内緒だ。

 

そうして目的の艦娘の部屋の前に着き、ノックをする、彼女が起きていなければ俺と大淀の年越しが終わる。

いや、いざとなったら大淀は無理やり休暇を取らせると本人に言っているが、直前までは手伝うと言ってくれている。

 

ノックをすると、はーいという声とともに彼女が出てくる。

 

 

「どちらさまで...って提督。どうしたんですかこんな時間に。」

 

 

「夜分遅くにすまない、どうか、俺と大淀を救ってはくれないだろうか、どうしても高雄じゃないとダメなんだ。」

 

 

「なんだか...そういう言い方をされると手助けせざるを得なくなりますね。とりあえず、用件をお話になって下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、つまり提督のせいで執務が遅れてると。そういうことなんですね?」

 

 

「うっ...そうです。でもだからと言ってこれ以上大淀に頑張ってもらうのも申し訳ないし、どうか高雄の力を借りれないかなーって。残念ながらうちの艦娘は執務の手伝いなんてしたことないし、中将は秘書艦を日替わりで交代してたらしいからもしかしたら高雄も執務の経験があるんじゃないかと思って高雄の所に来たわけだけど...手伝ってくれるか?」

 

 

「まあ、構いませんが。じゃあ、今寝間着ですのでちょっと着替えてきます。」

 

 

「ああ、準備ができたら執務室まで来てくれ、本当にありがとう。」

 

 

 

 

 

俺が執務室に戻り、執務を続けている大淀に高雄が協力してくれることを言うと大淀は心の底から嬉しそうな顔をしてた、本当にごめん。

 

高雄が来てからはそれはそれはすごいスピードで執務が終わった、後3日かかると大淀が言っていた執務も4時間ほどで終わり、大淀の幸せそうな顔は言葉では言い表せないほどで、見ているこっちも幸せな気分になるものだた。

 

そうして、俺と大淀は高雄の力を借りることで今年最後の山場は乗り越えたのだった。

 

 




何とか30日までに書き終えました...。

実際に執筆を始めたのが22日くらいで、そこからちょこちょこ書き続けてきてました。

これで今年の毎日鎮守府は終わりです。次は時間があればお正月ネタかと思われます。

実は執筆を始める2日前から家族全員風邪をひきまして、もう私は完治したのですが大変でした。

では、また来年もよろしくお願いします。

それでは、また。

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