時系列的にはブラック鎮守府に乗り込む前です。
それと今回はちょっと長めなのでそこらへんご理解をお願いします。
後実はというと7/26で1周年なのでちょっとフライングです。
「テイトクー!テイトクー!bigなnewsネー!」
廊下を大声で走りながら金剛が執務室の扉をぶち破ってきた。
後でする修理のことを考えながらロボットと化していた手元を止める。
「どうしたんだ?金剛?今日はやけに張り切っているな?」
「ハイ!実はさっきブッキーからlistenしたんデスが!そろそろテイトクがここに来てからonce yearが経つソウデスネー?」
そう金剛に言われて考える。そういえば、去年俺が中将に拉致られてこの鎮守府に連れてこられたのが去年の7月...確か20日を少し過ぎたくらいだったか。
「そういえばもうそんな時期になるかな。ところで、金剛はどうして急にそれを?」
「それはデスネー!ワタシたちでテイトクの1周年記念のpartyをシタいと思ってマース!ダカラぁ...、今日の夜、開けておいて下さいネー?」
なんと、今日はうちの艦娘総出で俺の1周年歓迎会を開いてくれるというのだ。
これは何とも上司冥利に尽きる。
「ありがとう。じゃあ、今日の夜は必ず開けておくよ。」
「では、私も提督の歓迎会の用意をしなければなりませんので、この辺で執務を終えさせていただきます。提督は引き続き執務を頑張ってください。」
「おう...おう?」
あ、あれ?大淀さんも執務外れる感じですか?
となるとこの毎日毎日あほみたいに貯まりまくり、俺が何とか毎日目をそらし続けていた書類を今度は俺が全部片づけなきゃいけないってことか?
「そ、そうかあ...まあ、俺の為の歓迎会なんだし仕方ねぇか。今日はもう自由にしてもらって構わないぞ。大淀。」
そういうと大淀は、失礼します。と言って執務室を出ていく。
「テイトクー!期待しててネー!」
そういって金剛は俺に手を振りながら出ていく。
そうして、執務室には俺以外誰もいなくなり、俺が必死にひいひい言いながら書類を減らしていると食堂から大きな音が聞こえた。
そう、まるで何かが爆発したような音だ。
明石や夕張あたりが何かしでかしたとしても結構気になるし、見に行ってみようか。
執務室を出て工廠の方へ行ってみると、妖精さんたちが通路にバリケードを張っていた。
「すまない、妖精さん。この近くで爆発が起きたような音が聞こえたんだが、何か知らないか?」
すると、妖精さんたちは必至に首を振る。
この顔は何か知っていそうな顔だが、まあ、妖精さんが何もなかったというなら何もなかったんだろう。
心配する必要はない。
「そうか、ありがとう。じゃあ執務に戻るよ。ところで、今日は歓迎会を開いてくれるらしいんだが、もしかしてそれはこの先の食堂であるのかい?」
俺が妖精さんに何となくで聞くと、妖精さんの何人かはこくんと頷く。
「そうか、じゃあまた後で。」
そういうと、妖精さんたちは腕が引きちぎれんばかりの速度で手を振る。何とも愛らしい動作だ。
そうして、結局執務室で今日中に片付けなければいけない書類がちょうど処理し終わったころに鎮守府全体に放送が入る。
「えー、テステス。提督さん!聞こえてますかー!聞こえてたら直ちに食堂に来てくださーい!」
明石の元気な声だ。先程の爆発でけがなどしていなくてよかったとほっとする。それに裏でみんなの声も聞こえていたし、本当に部下から慕われていると知ってまだ食堂についてすらいないのに涙が出そうになる。
年を取ると、涙腺がもろくなるな...なんてことを考えながら食堂まで歩く、すると先程爆発が聞こえてきていた廊下からには妖精さんたちが円錐形の帽子を被って出迎えてくれた。
そのまま妖精を引き連れて食堂の扉を開けると、
「提督(司令官)(テイトク)!着任1周年おめでとうございます!これからも、よろしくお願いします!」
元気なみんなの声が聞こえてきた。
「司令官さん1周年おめでとうございます!私は、一番司令官さんと暮らしてきたんです!これからも私を頼ってくださいね!これからもよろしくお願いします!」
吹雪、何かと俺の無茶ぶりに最初からついて来てくれた優しい子だ。きっとこれからも無茶ぶりをしていくことになるかもしれない。
「あんた、去年からまったく落ち着きがないのは変わってないわね...。もっと人数も増えるんだし、私たちを正確に指揮できるようにしっかりしなさい!.......おめでと。」
叢雲はこの鎮守府のみんなをしっかり見ていてくれるし、俺に対して上司だからとかそういうものなく意見をしてくれている。彼女はきっとこれからもこの鎮守府での要となってくれるだろう。
「提督、これ1周年のお祝いのプレゼントです!」
「これは...?なんだ?」
もらったものはよくわからない小さなスマホのようなものだった。
「まあまあ、提督、ここはおとなしくもらってください!執務から逃げたいときとかに使えばいいですから!」
何ともまあ不思議なものを作ってくれた。が、便利なもののような感じがする上、夕張からのプレゼントなのでもらっておく。
「ありがとう、近いうちに使わせてもらうよ。」
「じゃあ、次は僕だね...提督、1周年おめでとう。僕からのプレゼントは...。」
そういうと時雨は俺に近づいて来て
「ぼ く だ よ !!!!!!」
大きく腕を広げて飛び込もうとしてきた。
しかし、その瞬間
「さぁ!提督!プレゼントの僕を受け入れてくれ!さぁ!さあ"っ!?」
後ろから現れた響に気絶させられた。
そして、時雨は叢雲や吹雪たちに奥の方へ連れていかれた。
「当て身だよ。大丈夫さ、司令官。」
「そ、そうか。それならいいんだが...。」
「ところで、私からの1周年のプレゼントはこれだよ。私と思って大事にしてくれるかい?」
響がくれたものは、まあ想像は出来ていたが、ウォッカだった。
「ありがとう、響。大事にするよ。」
そういうと、響は満足げにウォッカを片手に下がっていった。
「提督!次は私ですよ!明石です!1周年おめでとうございます!これは私からのプレゼントです、はい!どうぞ!」
今度は明石からのプレゼントだが...。またもやなんだこれ?紙?設計図?
「ふふん。提督!聞いて驚いてください!これは改装設計図と言って、私たち艦娘を強くするための設計図なのです!というか説明は面倒臭いので、中将さんとかに聞いてください!」
どうやらこの明石の自信っぷりから相当なものだろうが、まだ俺が浅学なものもあってこれが何かはまだ分からない。
そのうち使うときが来るだろうが、今はまだその時ではなさそうだし、大事に執務室の机の中に入れておこう。
「提督、着任1周年おめでとうございます。これは私からのささやかなお祝いの印しです。」
大淀からもらったものは、包装された少し大きめの箱だった。
ここで中を開けていいか聞くと大きく頷いてくれたので、遠慮なく包装を丁寧に開けていくと、まず手紙が入っていた。
手紙は後でゆっくり読ませてもらうとして、まず目にはいってきたのは大量のリ〇ビタンD。
俺の友達にアイドルをプロデュースしているちょっと頭のおかしなやつが特製らしい栄養ドリンクを馬鹿みたいに飲んでいたが、それと似たようなことをさせられるのだろうか。
よく見ると底が少し浮いていて二重底になっていた。
二重底の下には、何とも高級そうな小さな小箱が入っていて、中にはイヤリングが片耳分だけ入っていた。
「なぁ、大淀。これ、片耳分だけなんだが「それであってます。」...そ、そうか。」
なんだ?俺にはイヤリングは二つも要らないってか?中々ケチったな、大淀よ。
そんなことを思いながら大淀を見ると、大淀は俺の意思とは反対に呆れたような顔をして下がっていった。
「提督、私からはこちらを差し上げます。どうぞ。」
俺がもらったものは間宮のお食事券というものだった。
「お食事券?ですか?でも俺はいつも食堂でおいしいごはんをいただいてますけど...。」
すると間宮さんは得意げな顔で胸を張って、
「いえ!これは私に渡してくださることで、貴重な食材を使った羊羹をお出ししてあげられる券なんです!」
「羊羹...ですか?わかりました。今度使わせていただきますね。ありがとうございます。」
「喜んでもらえてなによりです!じゃあ、私はまだ歓迎会の料理の支度がありますので...。」
そういうと、間宮さんは少し嬉しそうに軽いスキップをしながら食堂の調理場の方へ戻っていった。
「次は私ですね。提督、私からの着任1周年のプレゼントです。大淀ちゃんや響ちゃんと少し被っているかもしれませんが...。」
「そんなの全く気にする必要ないですよ!俺はただ祝ってくれてるだけでもうれしいんですから!」
すると、鳳翔さんは小さな瓶とさっきの大淀のプレゼントみたいな小さな箱を取り出した。
瓶の方は酒だろうか...。するとこの箱の方が大淀と少し被っているプレゼントか...。
「まずこれは龍泉と呼ばれるお酒でして...。あの...やっぱり少しお値段はするのですが、提督へのプレゼントですので気にしないで飲んでください。それと...これは、その、イヤリングでは無いのですが、指輪を、と思いまして。」
その瞬間食堂全体の空気に亀裂が走る。
「そ、その。鳳翔さん?」
「はい?」
なぜにこの天使はこうも堂々としてられるのか。
「そ、その鳳翔さん。指輪...というものはデスネ...。あの...。」
ヤバい、口調が金剛みたいになってきた。
「大丈夫です。存じていますよ。ですが、これは結婚指輪とかではなく、その、ペアリングといったようなものであって...ですね、あの、そこまで深く考えなくていいといいますか。」
少しずつ食堂の雰囲気が和らいできた。
「ペアリング...ですか。まあ、それなら...。」
そういって周りを見渡す。
周りの子たちからの視線は、少しマシになった感じだ。
それに対して、少し安心感を抱いていると鳳翔さんが俺の耳元に寄ってきて
「結婚指輪は男性からもらうものですよ...///ね?提督...///?」
正直こりゃたまらんと思った。こんなことされたら児童性愛者以外パァだよパァ。
頭がおかしくなっちゃう。
「提督!聞いてますか?」
高雄に声を掛けられて気を取り直す。
「はっ!?た、高雄か。すまない、ぼーっとしていた。」
「提督、まったくあなたという人は...。まあ、いいですけど。はい、これ、私からのプレゼントです。一応私は今はこの鎮守府の配属になっていますし。」
そういって、少し乱暴に小包みを渡される。
「開けても...?」
「勝手にしてください!」
中を開けると、財布だった。そういえばこの前高雄と執務をしていた時にそんな話をしたかもしれない。
「この前、提督おっしゃってましたよね?最近財布がボロボロになってきたって。」
「そういえばそんな話もしたような...。ありがとうな、そんなことまで覚えていてくれて。」
「い、いえ!たまたま覚えていただけですけど!」
そういうと、恥ずかしそうに高雄は下がっていった。
他にも、ティーセットや扇子、新聞と艦娘の写真集、お子様ランチのごはんの上にささっている旗、香水、忍装束、特大ホットプレート(タコ焼き機と変えれるやつ)、スマホカバー、日本刀(真剣)、CDなどをもらった。
そしてその日の夜は、鎮守府から光が消えることはなかった。
酔った勢い(酔ってない)で俺と結婚しようとする鳳翔さん。
さらっと酔った勢い(紅茶)でここぞとばかりに張り付いてくる金剛。
何時間たっても自分のことをプレゼントと言い張る時雨。
「みんな、俺の為に今日はありがとう!これからもよろしく!」
「「「「「「「はい!」」」」」」」
今日も今日とてうちの鎮守府は騒がしくも、平和だった。
どうも投稿激早兄貴です。
今回は1周年ネタをやりました。
たぶん2周年ネタは要望無い限りしないと思います。
実はブラック鎮守府を投稿した瞬間にオリ主タグが無いって言われて一瞬この小説非公開にされてました。
今回はブラック鎮守府の話(前編を投稿した瞬間に)「あっもうすぐ1年たつじゃんと思い今回のネタを考えました。」
正直鳳翔さんとか時雨はやりすぎたと思っています。
タグにキャラ崩壊もいれとくかなぁ。