艦隊これくしょん ‐NextArea‐   作:セルラ

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二十六話目です!

今回は色々飛ぶかもしれませんのでご了承ください!

海防艦が来ない…()


第二十六話  (狂人)

離島棲鬼「カズ・・・オオイ・・・!!」

 

離島棲鬼達の深海棲艦は連合艦隊4つ分の数の深海棲艦の相手をしていた。

既に夜になっており、こちらの戦力は半分以下にまでなっていた。

増援である戦艦水鬼のおかげで相手の戦力も削ったはずだが…

 

戦艦水鬼「ナギサデシズメェ!」

 

何度目かの水鬼の攻撃だ。

その攻撃は強力で、周囲の駆逐級が風圧で吹っ飛ばされていた

だがその砲撃が敵の本陣に到達することなどなかった。

 

戦艦水鬼「ジャマヲスルナ!」

 

そこには彼女の元部下であった戦艦棲姫が何隻も集まっていた。

 

戦艦棲姫「ジャマナノハアナタヨ・・・シズミナサイ!」

 

戦艦棲姫が水鬼に向かって砲撃を開始する。

だが水鬼の方が圧倒的に強い。

軽々全ての砲撃を回避しながらその距離を縮めた。

だが水鬼は別部隊の接近に気付いていなかった。

 

離島棲鬼「スイキ!ヨコダ!」

 

離島棲鬼が気付き声を荒げてそう言ったが遅かった。

PT小鬼達6隻の同時魚雷だ。

気付くのが完全に遅れその魚雷が全て被弾。

さらには近距離まで詰めてしまった戦艦棲姫達の砲撃も全て被弾してしまった。

 

離島棲鬼「スイキ!」

 

離島棲鬼が慌てて護衛要塞を全て水鬼のバックアップへと向かわせた。

あの威力だ。沈んでいなくても確実に大破しているだろう。

 

戦艦棲姫が再び装填、そしてその砲塔を黒煙に包まれている戦艦水鬼へと向けた。

その時だ、

 

駆逐棲姫「ヤラセハシナイ!」

 

突如暗闇から現れた駆逐棲姫の砲撃により、砲塔を向けた戦艦棲姫を大破させることに成功した。

 

戦艦棲姫「コノガキガ!」

 

駆逐棲姫に注意が向いている間に無事に護衛要塞が水鬼の元へ到着した。

護衛要塞たちは瞬間的に水鬼を囲み、彼女が被弾しないようにした。

 

戦艦水鬼「スマンナ・・・タスカル」

 

案の定水鬼は大破していた

離島の判断は正しかったのだろう。

 

何体かの戦艦棲姫が撤退していることに気付き、追跡を開始していた。

砲撃可能な距離にまで詰めた時だった。

真横から砲撃され、4隻のうちの一隻が沈んだ。

 

北方水姫「ショウシ!コノワタシガアイテダ!」

 

護衛要塞を守るかのように仁王立ちした北方水姫は砲撃を開始。

流石に戦艦棲姫達も無視する事が出来ないのか標的を水姫に変えて砲撃を開始した。

 

北方水姫「ソウダ!ソレデイイ!カカッテコイヨォ!」

 

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北方水姫が戦艦棲姫達と対立して早くも数時間が経とうとしていた。

水姫の燃料、弾薬共にほぼなくなっていた。

 

北方水姫「ヒキサガルワケニハ・・・イカナイ!」

 

沈むかもしれない。それでもいい。それが彼女の下した判断だった。

 

戦艦棲姫の砲撃が水姫を掠る。どうやら相手も私と同じみたいだ。

それならまだ勝ち目はあるかも知れない。

相手の数は3隻だ。

 

北方水姫「イクゾ!シズンエイケェ!」

 

北方水姫の砲撃が戦艦棲姫に直撃、だがそれでも相手は小破だ。

その時だ、戦艦棲姫達の後ろからワ級が近づいてきているのが見えた

どうやら戦艦棲姫達はしっかり補給が出来るみたいだ。もう勝ち目はなくなった。

 

北方水姫「ドウヤラ・・・ココマデカ」

 

北方水姫は戦艦棲姫達を見ながらそう呟いた。

だがその時だ。

見えていた全てのワ級が突然いなくなったのだ。

この事態に戦艦棲姫達も動揺を隠せないようだった。

 

戦艦棲姫「ドウシタ!?」

 

3隻のうちの一体が突如ワ級たちの消えた場所に向かった。

戦艦棲姫が着いた瞬間、紅い一閃と同時にその巨大な艤装と体が真っ二つに切り裂かれた。

2隻が驚愕している間にそれは0距離まで寄ってきていた。

刹那、その2隻は艤装のみを残しバラバラに切り裂かれた。

大量の鮮血が戦艦棲姫の亡骸から噴水のように溢れている。

北方水姫は本能的に恐怖を感じた。

『この化物には絶対に勝てない』と…

 

北方水姫「ク、クルナ!」

 

その化物は北方水姫には目もくれず、戦艦棲姫の艤装を喰らった。

その光景には水姫も驚くことしかできなかった。

二つの艤装を喰らった化物はそのままどこかへ行ってしまった。

 

北方水姫「アノホウコウハ・・・リトウタチガイル!」

 

だが燃料のない北方水姫は動くことすら困難だった。

水姫は惨殺されたワ級が流れてこっちによって来たのが分かった。

どうやら頭だけをキレイに切り取られているみたいで、重要な資源たちは奇跡的に無事のようだった。

 

北方水姫「コレナラ・・・マダイケル」

 

ワ級の資源を取り込んだ水姫は化物が去っていった方向

つまりは離島棲鬼たちのいる方向へと移動していった。

 

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離島棲鬼「ヨクモ・・・!!」

 

離島棲鬼は戦艦水鬼がこちらへ撤退してきたのと同時に大量の深海棲艦と対峙していた。

離島達が連れてきていた戦艦級以下の深海棲艦は全てが沈んでいた。一体も残らず、だ。

 

最後に残っていたル級flagShip改は離島を庇って沈んだ。

さらには水鬼が大破している。相手の深海棲艦はどれもflagship級だ。

圧倒的に戦力の差が出ある。どうやら増援が来たみたいだった。

 

離島棲鬼「イヤチガウ!アレハワタシタチナンカジャ・・・!?」

 

その増援のような者には艤装などなかった。

ただ持っていたのは右手に握っている蒼い鮮血に染まった日本刀だけだった。

 

数体の姫級がその者に気付き砲撃をした。

いや、『してしまった』のだ。

 

その者は砲撃に直撃した。その結果左腕がありえない方向へと曲がっていた。

だがその者…いや、化物と言った方が正しいだろう。

化物は笑いながらその左腕を自ら切り落としたのだ。

 

化物「イヒヒヒ!イイネェ!タノシマセロヨォ!」

 

化物の雄叫びに近い声が聞こえた。

流石の姫級たちもその行動には気が狂ったのかと思ったのか

一瞬だけ固まってしまった。

 

固まってしまったのがいけなかったのだろう。

化物は日本刀を腰にあった鞘に一度直し、居合切りの姿勢を取った。

 

ハ級はそれが好機だと思ったのか、接近して砲撃をしようとした。

瞬間、化物の近くにいた8隻の深海棲艦は腹部を貫かれた。

 

何が起こっているのかが理解できていない状況下で、

さらにその腹部から爆発。深海棲艦達は悲鳴を上げながら沈んでいく。

この一瞬だけで姫級以外は沈んだだろう。

 

化物「ヨワァイ!ホォラ!モットタノシマセロヨォ!」

 

化物は嬉々とした表情でそう言った。

さらに化物の日本刀の形状が変わった。今度はスナイパーライフルのような形状だ。

 

化物「ウゴクナヨォ…オモチャノブンザイデヨォ!」

 

化物はこちらとは全くの別方向へと一発放った。何が目的なのかがよく分からないが。

 

駆逐棲姫「ナンナノ・・・アレハ?」

 

駆逐棲姫は驚いた表情でつぶやいた。彼女は少しだけ化物を見過ぎたのだろう。

駆逐古姫が駆逐棲姫を狙っていることに気が付かなかった。

 

化物は鮮血に染まっているはずなのに突如その場から消えた。

さらに混乱が深まったところに

 

駆逐古姫「シズメ!」

 

駆逐古姫は砲撃を駆逐棲姫に向かって放った。

駆逐棲姫は未だ気づいていない。

 

もう当たる、と言ったところで先ほどの化物が駆逐棲姫の目の前に現れた。

その化物に砲撃が命中するも、びくともしない。

駆逐棲姫は突如現れたことに驚いたがそれよりも驚いたことを言われたのだ。

 

化物「・・・」

 

駆逐棲姫「エッ・・・!?」

 

そのまま化物は敵陣に突っ込んだ。

 

化物「ワスレラレナイヨルニシヨウゼェ!」

 

化物はスナイパーライフルで敵の頭を見事に狙っていく。

そして敵陣に入る直前でスナイパーライフルを今度は艤装ほどの大きさの大剣へと変化させた。

その大剣には複数の砲塔が、そして魚雷発射管までもが装着されていた。

 

戦艦棲姫「ナンナノ・・・アレハ!?」

 

重巡棲姫「トニカクコウゲキダ!イソゲ!」

 

敵本陣旗艦の重巡棲姫がそう言った。

その号令と共に重巡棲姫の連合艦隊が化物と対峙した。

 

あの化物のおかげで離島棲鬼達の周りには敵が一体もいない。

慌てて駆逐棲姫が寄ってきた。どうかしたのだろうか?

 

駆逐棲姫「アノバケモノ・・・ワタシニコウイッタノ。

   『スイキハミナミノホウ、ソシテソノママススメバチンジュフダ』ッテ」

 

あの化物は何故こちらの考えを見切っているのか。

そこで突如連絡が入った。深海双子棲姫からだ。

 

双子棲姫-壊「そっちハ無事!?」

 

離島棲鬼「エエ・・・ナントカ。ヨクワカラナイバケモノガテキノアイテヲ」

 

離島棲鬼は今のこの現状を双子に報告、そして鎮守府に向かうことを告げた。

 

双子棲姫-壊「ソウ、ワカッタワ。ヲ級達モチンジュフに移動シテルって。安全みたいよ」

 

双子はそう言った。なら問題はないだろう。

後は鎮守府でまた会いましょうとだけ告げそのまま通信を切った。

 

離島棲鬼「ワタシタチモ・・・イクヨ・・・」

 

駆逐棲姫「ワカッタワ。スイキサンモツレテクルネ」

 

そう言って駆逐棲姫は戦艦水鬼を連れて離島棲鬼と共に移動を開始した。

道中、あの化物が言っていたように確かに北方水姫がいた。

どうやら水姫も中破しているだけで特には問題ないみたいだった。

 

あの化物が気になるが…今は仲間の安全が先だ。

そう思いながらもう4人しかいない深海棲艦達は鎮守府へと向かった。

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化物「アヒャヒャヒャヒャ!」

 

怪物『兄貴…いや、提督さんよぉ…だいぶぶっ壊れてんなぁ」

 

提督?「ニクイシンカイセンカンガシズメレルンダゼェ!シカモコノテデヨォ!

  コレニコウフンシナイホウガオカシイヨナァ!」

 

怪物もここまで提督との結合が進むとは思っていなかったのだろう。

それほど提督は化物に近い姿なのだ。

化物となった提督は近くにあった深海棲艦の死体をいくつか喰らった。

たったそれだけの行為で再び力が湧いてくるのを感じる。

 

重巡棲姫「ナンダ・・・ナンナンダヨ!コノバケモノガァァ!」

  

重巡棲姫が狂ったように砲撃する。その砲撃を避けることなく受け続ける。

そして重巡棲姫が撃ち終わったところで喉を掴んだ。

 

重巡棲姫「ア・・・ガハッ」

 

提督?「ヨォ…キキテェコトガアルンダヨナァ・・・」

 

提督?は嬉々とした表情でそう言った

勿論重巡は答える気などないだろう。

だからこそ先に重巡の両腕を切り落とした。

 

重巡棲姫「アアアアアアアアアアアアアアア!?」

 

重巡棲姫が悲鳴を上げる。そんな事はどうでもいい。

俺の質問にだけ答えればいいだけだから。

 

提督?「『Vernunft』 ッテシラネエカ?」

 

重巡棲姫「シ、シラナイ!ダカラ・・・タスケ・・・」

 

提督?「ソウカ、ワカッタ。タスケテヤロウ。」

 

瞬間的に提督は日本刀を重巡棲姫に刺し、勢いよく引き抜いた。

重巡棲姫が絶叫している間に頭から一刀両断。

重巡棲姫は即死した。

残っているのは彼女の艤装と死体だけだった。

 

提督?「チャント・・・ノコサズタベナキャネェ」

 

提督?は再びその艤装と死体を喰らった。まさに狂人だ。

 

怪物『オット・・・もう時間だ。近くの島に行かねえとオメエも死ぬぞ?」

 

提督?「モウソンナジカンカ・・・シカタナイナァ

  ソコノスマハマニデモイッテオクヨ」

 

提督は近くの砂浜に移動した後、突然倒れた。

どうやら怪物の言っていた通りタイムリミットのようだった。

提督は緑色の皮膚から普通の人間の皮膚の色へと戻っていく。

彼の使っていた日本刀はいつの間にかおもちゃのようになっていて彼の首に

首飾りとして掛けられていた。

彼が倒れたのは‥朝日が昇り始めたころだった。

 

      ~続く~




どうでしたか?

これにて鎮守府混乱編は一応終了となります。

提督がチート過ぎる気がするのはきっと気のせいです。ハイ。

次回から新エピソード突入でございます。

どうぞお楽しみに!

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