艦隊これくしょん ‐NextArea‐   作:セルラ

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お久しぶりです!

二十五話目です!

秋刀魚はどうでしたか?

自分は途中から海防艦掘ってましたが…全く来ませんでした()


第二十五話 (対立する姫級)

中間棲姫「・・・ソノテイドカ?ワラエルモノダナ」

 

軽巡棲鬼「フ、フザケルナ!」

 

軽巡棲鬼が5発ほどの魚雷を中間棲姫に向かって放った。中間棲姫はその魚雷を避けることなく

正面から受けた。だが、どうやら中間棲姫に目立った外傷はないようだった

 

軽巡棲鬼「バ、バカナ・・・ギョライデシズマナイダト!?」

 

軽巡棲鬼の魚雷の威力は艦娘のそれとは次元が違う。

威力こそ雷巡に劣ってしまうが恐るべきはその命中精度だ。

棲鬼はありとあらゆる予測から狙った位置にほぼ100%魚雷を命中させる事が出来る

今回も弱点を狙ったはずだった。

 

だが、そこはあくまで『艦娘』の弱点であって、『中間棲姫』の弱点ではなかった。

 

中間棲姫「トラエテ・・・イルワ」

 

中間棲姫と目が合った気がした。その直後だ。

いきなり上から大量の艦載機が攻撃してきたのだ。

 

中間棲姫の奇襲を受けて、軽巡棲鬼は中破してしまった。

 

軽巡棲鬼「クッ…ナマイキナ!」

 

軽巡棲鬼の速力は目に見えて遅くなっていた。

それでも戦意は失っていないようだった。

 

中間棲姫「サア・・・トドメトイコウカ」

 

中間棲姫が軽巡棲鬼に近づいていく。

速力の落ちている棲鬼に追いつくのに時間はかからなかった。

軽巡棲鬼は追いつかれるとその口角をニヤリと上げた。

 

軽巡棲鬼「ココマデカンタンニヒッカッカッテクレルトハネ」

 

駆逐古姫「アキラメナ・・・ヨ!」

 

死角から駆逐古姫の魚雷が命中した。しかも、ほぼ0距離でだ。

さらには正面にいる軽巡棲鬼も砲撃した。

駆逐古姫は砲撃の威力は他の姫級より低いものの一撃一撃の魚雷の威力が高い。

そして0距離で当てることに成功した。流石の中間棲姫でも致命傷だろう。

そう古姫と棲鬼は確信していた。

 

中間棲姫「・・・ジョウダンモホドホドニシロヨ?」

 

そこには小破だが中間棲姫が確かに立っていた。

ゼロ距離で受けたにも関わらず、だ。

 

駆逐古姫「ナンデ・・・ナンデシズマナインダヨォ!」

 

駆逐古姫は瞬間的に距離を取る事が出来たが、軽巡棲鬼は速力が低下していたため距離を取れなかった。

中間棲姫は軽巡棲鬼を狙い砲撃した。

軽巡棲鬼はその砲撃に耐えきることは出来ず、沈んでいった。

 

駆逐古姫「シズメヨォ!」

 

再び駆逐古姫が砲撃してきた。

その砲撃と共に彼女の後方から多くの艦載機が飛んできた。

きっと増援なんだろう。そう中間棲姫は思った。

 

中間棲姫「オモシロイワ・・・カカッテキナサイ!」

 

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ヲ級「ヲッ!」

 

加賀「ここは譲れません」

 

赤城「第一次攻撃隊、発艦してください!」

 

3人の空母が同時に艦載機を発艦した。

幸運なことに相手に空母はいなかった。

 

加賀(この艦載機の数なら開幕で沈められる…!?)

 

だが加賀の想像と同じようにはならなかった。

突如多くの艦載機が落とされたのだ。

幸い発艦させたのは艦爆が多めだったので艦攻の数は減らなかった。

だが空母もいないのにここまで減るのはおかしい。どういうことだ?

 

加賀「赤城さん、あなたの艦載機はどうですか?」

 

赤城「ダメです。ほとんど落とされました。」

 

加賀「えっと、ヲ級さんはどうですか?」

 

ヲ級「ヲッ……」

 

ヲ級は首を横に振りながら気を落としているようだ。

この様子だとどうやら私達と同じらしい。

 

赤城「でもなぜこんなに落とされているのでしょうか?」

 

ヲ級「ヲッ!ヲッ!」

 

ヲ級が何かを伝えようと必死にジェスチャーをしている。

 

何か…こう…よくわからない。

 

加古「敵が接近してる!交戦するぜ!」

 

加古のその一言でハッとなり再び集中する。

こちらが目視できる距離まで接近していた。

どうやら艦載機の先制攻撃は効いていたらしく、4隻から2隻まで減っていた。

そのうち一体が重巡、もう一体が軽巡だ。

 

ヲ級「ヲッ!」

 

ヲ級が私達が攻撃を開始する前に艦載機を発艦させた。

その艦載機たちは重巡ネ級に向かって飛んでいき、攻撃を全て直撃させた。

 

ネ級はその威力に耐えることは出来ず、何もしないまま沈んでいった。

残っているのは軽巡だ。

その姿はツ級のようだったが…ツ級ではないみたいだ。

 

加賀「鎧袖一触よ、心配いらないわ」

 

加賀がそう言い、艦載機を発艦させた。

だがそこで驚くべきことが起こったのだ。

ツ級のような深海棲艦がいきなり跳躍、そして自身の砲塔からワイヤーのようなものを出した。、

そのワイヤーに発艦した艦載機は絡み取られてしまった。

 

加賀「!?艦載機が…動かない…!?」

 

捕まった艦載機を必死に動かそうとするが、全く動かない。

加古が必死にワイヤーに向かって砲撃している。

何発もワイヤーに直撃していたがワイヤーが千切れるようなことはなかった。

 

加古「何で離さねえんだよ!?」

 

ツ級のような深海棲艦は捕まえた艦載機を加賀達に向かってワイヤーで結ばれている艦載機を放った。

その艦載機たちは真っ直ぐ加賀達に飛んでいった。

 

加賀「ッ!?」

 

加賀はギリギリのところで回避できた

と思っていたのは最初だけだった。

回避出来ていたと思っていたはずの攻撃が追尾するかのように背後から加賀に襲い掛かったのだ。

さらに艦載機が爆発し、より加賀へとダメージを与えた。

 

赤城「加賀さん!?」

 

赤城の悲鳴に近い声が聞こえる。

爆発の黒煙が晴れた後、加賀の倒れている姿が見えた。

 

赤城「加賀さん!!」

 

赤城は慌てて加賀の元へと行った。

加賀からの返事はない。最悪の予想が赤城の頭の中を走った。

 

加賀の元へ着いた赤城は息があるかどうかを確認した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加賀「・・・・・・・・・・・・・・」

 

微かだが息遣いが聞こえた。どうやら気を失っているだけのようだ。

赤城はホッとした後すぐに深海棲艦へと向き直した。

 

赤城「加賀さんをよくも…!」

 

加古「これでどうだ!?」

 

加古は自身の主砲からの砲撃を行っている。

だがその砲撃をギリギリのところで深海棲艦は回避している。

 

深海棲艦は攻撃を行うため、再び跳躍した。

その瞬間、ヲ級は艦載機を発艦させた。

 

赤城「ヲ級さん!?」

 

ヲ級は加賀の攻撃を見たにもかかわらず艦載機を発艦した。

だがその編成はどうやら、偵察機、艦戦、艦戦のようだった。

 

ヲ級「ヲッ!オッ!ヲッ!」

 

偵察機を先頭に進んでいく艦載機たちにワイヤーが襲い掛かった。

だが、目を見張るようなことが起きた。

 

偵察機が進んでいるところには全くと言っていいほどワイヤーが飛んでこなかった。

そして偵察機の後ろを飛んでいる艦戦たちは当たらなかったワイヤーを撃っている。

重巡の主砲でも千切れなかったはずなのに艦戦はいとも容易く撃って千切っている。

 

加古「なっ!?」

 

これには加古も驚いていたようだった。赤城でも驚きを隠せなかったようだが。

ワイヤーを千切られた深海棲艦はそのまま墜落、水面でジタバタしている。

すかさず加古はジタバタしている深海棲艦に向かって砲撃。

どうやら装甲は全くと言っていいほどないみたいで、一発掠っただけで沈んでいった。

 

全てのワイヤーを千切った艦戦達はヲ級の元へと戻ってきた。

 

ヲ級「ヲッ。ヲッ♪」

 

どうやらご機嫌な様子だ。

 

赤城達は加賀を抱えて鎮守府へと向かった。

もう夜だ。あのまま支援に向かっても邪魔になるだけだろう。

 

赤城「でも…ヲ級さんの事はどうやって説明すればいいのでしょう…?」

 

そんなことを思いながらも、無事に鎮守府にたどり着く事が出来た。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

中間棲姫「ハァ・・・ハァ・・・」

 

中間棲姫はたった一人で30に近い艦載機を捌いていた。

だがそれでも大量の艦載機が飛んできている。

捌いている間に夜になり、駆逐古姫の姿も見えなくなってしまった。

 

中間棲姫「サスガニ・・・スコシキツイナ・・・」

 

中間棲姫は艦載機の攻撃を回避しながらそう呟いた。

ここまで耐久するとは思わなかったので、もう既に燃料、弾薬は尽きてかけていた。

 

中間棲姫「コノママオワルノモ・・・ワルクナイカモナ・・・」

 

迫りくる艦載機たちの前でそう言って中間棲姫は目を瞑った。

 

その時だ、突如前方から大量の爆発音が聞こえたのだ。

何かと思い中間棲姫は目を開けた。

 

????「ネェ‥コノテイドデアキラメナイデヨ」

 

中間棲姫「ボウクウ・・・!?」

 

中間棲姫が見たのは…防空棲姫だった。

防空棲姫の対空射撃により、敵艦載機のほとんどを撃墜させることに成功した。

 

駆逐古姫「オマエモ・・・シズメ!」

 

何処から現れたのか分からない駆逐古姫が防空棲姫に向かって砲撃をしようとした。

防空棲姫はその砲撃に気付いていない。

 

中間棲姫「ボウクウ!アブナ・・・」

 

だが、目を疑うようなことが起きた。

いきなり駆逐古姫が頭を貫かれ即死したのだ。

防空棲姫は水面に倒れる音で初めて気づいた

 

防空棲姫「ナッ!イツノマニ!?」

 

中間棲姫は慌てて周りの確認をしたが何処にも敵影は見えなかった。

ソナーにも反応はない。なぜ駆逐古姫がいきなり頭を撃ち抜かれたのか。

流れ弾か?いや、それにしては正確過ぎる。

 

防空棲姫「ドウヤラ・・・テキハセンメツデキタミタイネ」

 

彼女の言うとおりだ。もう敵はいない。

そう考えると急に力が抜けてしまった。

 

防空棲姫「オット・・・ダイジョウブカ?」

 

中間棲姫「スマナイ・・・モウネンリョウガナクテナ・・・」

 

これからどうしようかと思っていたが、遥か後方…鎮守府方向から何人かの艦娘が見えた。

この状態で見つかったらマズイ。だがこの辺りに遮蔽物はない。

身長からして…駆逐艦くらいだろうか?

 

艦娘「確か…この辺りよね?カ級さんが言っていたのは」

 

艦娘「この先あたりだと思うのです!」

 

防空棲姫「マズイネ・・・ドンドンチカヅイテクル・・・ドウスル?」

 

中間棲姫「トリアエズ、ケイカイハシタママデイヨウ。アノヘンセイテイドナラカテルハズダ。」

 

その駆逐艦たちは合計で4人。夜だが、そこまで危険ではないだろう。

 

艦娘「え!?姫級!?」

 

艦娘の一人がこちらに気付いた。とりあえずは相手の出方を見よう。

 

艦娘「あの深海棲艦じゃないですか?どうやら傷ついているみたいだし…

  何よりカ級さんの話だと軽巡棲鬼と駆逐古姫がいたみたいですけど‥‥姿が見えないですし」

 

少しずつ、ゆっくりだったが近づいてきた。さて、どうするか。

 

艦娘「・・・こんばんわ。貴方はカ級さんの言っていた中間棲姫さんでいいのかな?」

 

銀髪の少女がそう聞いてきた。カ級の事を知っていると言う事は‥‥無事に到着できたのだろう。

 

中間棲姫「・・・アア、ソウダ。ソレガドウカシタカ?」

 

防空棲姫に支えられながらも中間棲姫はそう答えた。

そうすると4人の少女は安堵したような表情で、

 

艦娘「わ、私達は貴方達に攻撃しないのです!

  出来れば私達の鎮守府に来てほしいのです!」

 

涙目になっていながらもそういった。

少し疑問に思うこともあるが、願ったり叶ったりだ。

 

中間棲姫「スマナイガ・・・ソウサセテモラッテモイイカ?」

 

艦娘達「「「「もちろん(だよ)(なのです)!」」」」」

 

4人の艦娘達が笑顔でそう言ってくれた。どうやら歓迎させているみたいだった。

 

防空棲姫の支えを受けながらも彼女達の後ろについていき、そして鎮守府に着く事が出来た。

 

 

 

 

鎮守府に着いたときは…もう朝日が昇り始めたころだった。

未だに見つからない提督を探しながら…

 

                              続く

 




深海棲艦を歓迎する艦娘。
そして未だいない提督。

次回は離島棲鬼たちの視点を書きたい思います!
そして次回で鎮守府混乱編は最終回かも知れません。

次回もお楽しみに!

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