艦隊これくしょん ‐NextArea‐   作:セルラ

23 / 28
二十三話目です!

今回はちょっとグロい表現がありますので注意を!

イベントお疲れさまでした。皆さんはどうでしたか?

新艦をゲットできた方はおめでとうございます!

次のイベントも頑張っていきましょう!

それでは本編どうぞ!


第二十三話 (Real)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古鷹「あの深海棲艦たちは一体なんだったのでしょうか‥?」

 

重巡の一人、古鷹がそう告げる。彼女達は戦線から撤退していた。

今撤退しているのは彼女を含めて10人ほどだ。あの場に残ったのは加賀さんと赤城さん

そして加古の3人だけだ。もちろん私だって残れるのなら残りたかった。

だけども鬼級の砲撃を食らって一発大破してしまった。大破してしまった状態で

あの場所に残っても邪魔になるだけだ。なら撤退するしかない。そう決心したのはいいが

やはり加古が心配だ。いつもいつも彼女は無理をしている。無事だといいが…

 

龍驤「アハハ…まあ、今のところは心配せんでいいちゅうことや」

 

軽空母の龍驤がそう言ってくれた。前代未聞の事態にもかかわらず彼女はいつも通りだ。 

 

 

足柄「そうね・・・今は心配しなくてもよさそうね。」

 

同じ重巡の足柄がそう言った。もちろん彼女はそう言いながらもいつでも艤装を展開できる

ように準備だけはしていた。

 

他の艦娘達も警戒はしているが攻撃する気はないようだ。

今撤退しているのは重巡4隻、軽空母2隻、正規空母2隻の計8隻だ。

そのうちの5隻は大破している。正直、彼女達…もとい、深海棲艦たちが助けてくれなかったら

まず間違いなく沈んでいただろう。そう考えただけでゾッとする。

 

瑞鳳「とりあえず良かった…でも、提督は何処に行ったのかしら…?」

 

それはこの場にいる誰もが思っている疑問だった。

何故こんなにも探しているのに何の痕跡も見つける事が出来ない?

 

彼女達は自身の艦載機を活用してもなお、手がかり一つ見つける事が出来なかった

手掛かりを探している最中に敵の深海棲艦に艦載機を発見され、そのまま戦闘となってしまった。さらにその艦隊に姫級がいるなど思ってもみなかった。

 

 

      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女達は今なお、夜の海を進んでいる。辺りに遮蔽物などは全くない。

もし今攻撃でもされてしまったら避ける事すら困難だろう

 

瑞鶴「…ねえ翔鶴姉、なんか寒くない?」

 

翔鶴「そうかしら?きっとただの気のせいよ」

 

五航戦の二人の会話が聞こえてくる。

確かに少し寒いような気がするけど本当に少しだけだ。特に支障はないだろう。

 

龍驤「しっかし、今夜は月が奇麗やなぁ!」

 

龍驤は呑気なことを言っている。まるで緊張感がない。

だがそれが彼女の取り柄だ。

彼女は彼女なりに私達を盛り上げてくれようとしているのが分かる。

 

筑摩「利根姉さん?大丈夫ですか?」

 

利根「うむ!吾輩は大丈夫じゃ!」

 

そんな会話も聞こえてくる。まるで遠足みたいだ。

それほど皆余裕があるという事だろう。

 

だが古鷹は何か気になることがあった。

 

古鷹「この辺りってこんなに流れが速かったかな‥‥?」

 

鎮守府近海は基本的に流れが緩やかなはずだ。

しかし今いる場所は何故か流れが速い。何か嫌な予感がする。

 

カ級「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

突然カ級との連絡が途絶えた。

彼女に何か異常が起きたのだろう

 

古鷹「皆さん!周囲を警戒し・・・て・・・?」

 

古鷹が彼女達に警告しようとしたその時、彼女はあり得ないものを目にした。

水中から大量の艦載機が飛び出してきたのだ。常識では考えられない。さらに今は夜。

また、何処にも空母の姿が無いはずなのに艦載機など飛ばせるわけ無いはずだ。

 

いきなりの水中からの艦載機の攻撃を回避できるわけもなく

そのまま全員艦載機の攻撃を受けてしまう…

と思われたが何があったのかその艦載機たちは攻撃をしてこなかったのだ。

 

利根「な、何事じゃ!?」

 

龍驤「マズいで…この状況で敵と遭遇…」

 

瑞鶴「翔鶴姉!皆!無事なの!?」

 

混乱している彼女達はそれぞれ互いの無事を確認している。これはマズイ…不利すぎる。

 

古鷹「皆さん!速度を上げてください!このまま撤退します!急いで!」

 

古鷹の指示は的確だった。全員が速度を上げたことを確認したら

比較的軽傷だった古鷹は最後尾についていた。

カ級との連絡も途絶えた。もう撤退するしかすべはなかった。

 

筑摩「後ろは振り向かないで!とにかく!安全圏へ!」

 

珍しく筑摩が声を荒げていた。それほど切羽詰まっていると言う事だろう。

このまま無事に撤退出来たらよかったが…現実はそう優しくはなかった。

この辺り一帯の早い流れのせいで思う以上のスピードを出す事が出来ない。

 

古鷹「やっぱり流れがおかしい…それに敵影も確認できない…」

 

古鷹が流れに疑問を感じた時、何かが水面に飛び出してきた。

それは人のような…それでいて両腕に何かを装備している。

その眼らしきものは青と黄色が混ざったような色をしていて、何よりフードを被っていた。

 

翔鶴「嘘…れ、レ級・・・?」

 

翔鶴が絶望したような表情でその化物の名称を呼んだ。

 

古鷹「レ、レ級?でも…資料と姿が違い過ぎる…」

 

姿はレ級に酷似していたがその大きさと装備している艤装、そして何よりも

彼女が海から飛び出してきたにも関わらずその肩に砲台のような深海棲艦がいるのだ。

さらに護衛艦に小さな深海棲艦がいる。こんなものは今までに見たことはない。

 

足柄「何なの…?この艦隊は!?」

 

古鷹「数は6隻…戦闘は無理です!撤退しま…」

 

古鷹は最後まで発言できなかった。相手からの砲撃だ。狙われたのは瑞鶴。

 

翔鶴「瑞鶴!?危ない!」

 

翔鶴は中破でありながら瑞鶴を庇う為に瑞鶴を突き飛ばした。

だが…それはあまりにも無謀だった。その砲撃に翔鶴は直撃した。

激しい黒煙が晴れたその時…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこに翔鶴はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍驤「えっ…あっ…」

 

龍驤が翔鶴のいた場所を見つめながら唖然としている。他の仲間もそうだ。

特に瑞鶴は何が起こったのかをまだ理解していないようで、口が開いたまま一点を見つめていた。

 

 

だが、現実というのはあまりにも無情で

 

足柄「!?龍驤!避けて!」

 

いち早くショックから立ち直ったのは足柄だった。彼女は敵の攻撃に気付き、龍驤に伝えた。

だが、まだ立ち直っていない彼女は聞いていないようだった。

 

足柄(聞いてない…!?なら彼女を…」

 

足柄は今出す事が出来る全速力で龍驤の元へと向かった。

 

足柄「龍驤!危ない!」

 

そう言って足柄は手を伸ばし彼女の手を取る事が出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

足柄「えっ…?」

 

足柄は確かに彼女の手を取った。いや、取る事が出来た。

 

だが彼女の手を取れただけで『その場からは動かせていない』。

 

つまり龍驤は…跡形もなく1発の砲撃によって沈められた。

 

足柄が握っているのは必然的に亡き彼女の手だった。

 

足柄「ぇ…ぃゃ…いやああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

足柄の悲痛な叫びが聞こえる。

 

この時古鷹は思った。

 

 

 

      『現実というのは残酷だ。』と…

 

 

                                   ~続く~

 























現実はあまりに突然で非常だ。

沈んだ仲間を見て彼女達はどうするのか。

次回もお楽しみに

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。