艦隊これくしょん ‐NextArea‐   作:セルラ

22 / 28
二十二話です!


更新遅くてすみません!

これからも更新遅くなりそうですが頑張っていきたいと思います!


第二十二話  (潜水艦ってことはカンケイナイ)

 

 

 

 

 

 

 

双子棲姫‐壊「やっぱり潜水艦ハ嫌いダ…!」

 

 

双子棲姫は現在潜水棲姫三体と対峙していた。もともと彼女には対潜装備などないのだ。昼間の最初の雷撃戦以来、潜水棲姫は姿を消している。双子棲姫に探知することは出来ないので一方的に攻撃を受けているような状況だった。

 

 

双子棲姫「夜にナル前に終わらせたいけど…難しいかなぁ?」

 

 

実際、双子棲姫は潜水棲姫の魚雷を受けたがほぼ無傷だ。たがそれは昼だからこそだ。夜戦となると話はかなり変わってしまう。夜は潜水艦のメインフィールドのようなものだ。魚雷の威力は昼とは全く違うだろう。

 

 

双子棲姫「夕暮れだし…もうじき夜だね…一隻でもシズメヨウカ。」

 

 

ふう…と双子棲姫は息を整えた。僅かな波の音を聞いているのだ。潜水艦といえど僅かに音は聞こえるのだ。その音を彼女は聞いている。普通の艦娘にも聞こえないような小さな音。深海棲艦…それも姫級クラスだから聞こえたのだろうか。どうやら彼女は潜水棲姫の位置を特定できたようだった。

 

 

双子棲姫「見つけた!ヨシ、行きましょうカ!潜水艦ってことはカンケイナイッテことを教えてやるわ!」

 

 

彼女は予想だにしない行動をとった。彼女自身が目星をつけた場所に潜ったのだ。いくら深海棲艦とはいえこのような行動をとるのは自殺行為に過ぎない。可能な限り素早く浮上しなければそのまま沈んでしまうだろう。さらに潜水艦以外の艦種は基本的には浮いてしまう…だからこそ『深く潜れない』のだ。

 

 

 

潜水棲姫A「バカメ!ミズカラシズメニクルトハ!」

 

 

潜水棲姫はこの時慢心していた。それも当然だ。ありえない行動に出てきたのだ。魚雷を当てれば相手は確実に沈む。こんなまたとないチャンスを双子棲姫自身が作ったのだ。そんな事を思いながら潜水棲姫が魚雷を装填していた時だった。

 

 

双子棲姫「捕まえた。マズハ一隻目ネ」

 

 

いつの間にか双子棲姫は潜水棲姫の目の前にいたのだ。何故だ!?何故ここまで深く潜れてる!?潜水棲姫は双子棲姫の艤装がないことに気付いた。普通深海棲艦は常に艤装を装備、展開している。艦娘も艤装は装備しているが任意のタイミングで展開することができる。艤装があることによって深海棲艦も艦娘も深く潜る事が出来ないと考えられて、そのせいで深海棲艦は潜る事が出来ず、ただただ沈むことしかできない。

 

 

 

潜水棲姫A「キ、キサマァ!ハナセ!ハナセエエエエエエエ!!!」

 

 

他の二隻も潜水棲姫の異変に気付いたが未だに魚雷の装填が完了していない。潜水艦は魚雷こそが全て。一発撃ってしまえば次の魚雷を発射できるまでに時間がかかってしまう。双子棲姫はそんな装填中の二人の姿を確認した。

 

 

 

双子棲姫「サテ、シズンデモラウ。」

 

 

潜水棲姫が何か言っているがもう関係ない。昔の仲間…特にこんな奴らの話を聞く価値などない。だが彼女は今、艤装を展開することは出来ない。展開してしまうと大変なことになってしまうだろう。じゃあどうするのか…答えは一つだ。『物理で殴る。』

 

 

双子棲姫「出来る限りクルシンデ沈メ」

 

 

双子棲姫は潜水棲姫を殴り始めた。ただ殴るだけじゃない、艤装を中心的に狙って殴っている。恐ろしいまでの速度で彼女は殴っている。すぐに魚雷発射管が壊れてしまった。それだけではない。装甲がどんどん削られている。だが潜水棲姫は肩を掴まれてしまっているので逃げることなど出来ないまま一方的な攻撃の前で耐えていた。装甲が無力化された時、双子棲姫は浮上し始めた。きっと限界が来たのだろう。だが潜水棲姫も大破している。

 

 

 

潜水棲姫「イマノウチニ・・・キズヲイヤサナイト・・・」

 

 

潜水棲姫がその場から去ろうとして動いた時だった。自身の艤装からカチッと音がしたのだ。何かと疑問に思って自身の艤装に触れた瞬間、その艤装が爆発を起こした。大破していて装甲の無くなった潜水棲姫はその衝撃に耐えられるわけもなく、そのまま沈んでいった。

 

 

浮上した双子棲姫は艤装を展開した。もう少しで夜だ。それほど長く潜っていたのだろうか?夜の潜水艦の攻撃を回避するために再び波の音を聞き始めた…

 

 

 

潜水棲姫B「シズメ!」

 

 

潜水棲姫の声が聞こえた。方向は分かった、あとはどう処理するかだが…夜だ。また潜ったところで今度はこちらが狙い撃ちされて沈むのがオチだろう。仕方ないが…回避に専念しよう。そう彼女が思ったその時だった。

 

 

??「フヒヒ…エモノ八ケッーン!ヒャハハハ!」

 

 

彼女のいた位置から斜め後ろから声のようなものが聞こえた。その声のような音はどんどん近づいてくる。彼女が後ろを振り向いた瞬間だった。彼女の目の前から潜水棲姫がいきなり水面に飛び出してきたのだ。その姿はあまりに痛ましく、艤装は刀のようなもので丸ごと切断された跡があり、両腕からは大量の血液のようなものが流れていた。苦痛に満ちたような表情で潜水棲姫は水面に浮かびそのまま動かなくなった。

 

 

双子棲姫‐壊「な…何が…!?」

 

 

驚いている間にも今度は水中から恐ろしい速度の銃撃が聞こえる。機関銃か何かの音だろうか?だが水中で使えるわけがない。そんなことを考えてるうちに水中から潜水棲姫の断末魔が聞こえた。

 

 

双子棲姫‐壊「何が起コッテルノヨ!?」

 

 

状況が読めない双子棲姫はただただ困惑しているだけだった。何故いきなり潜水棲姫が襲われた?あの声は一体なんだ?そんなことを考えている間にそのあたり一帯が真っ赤に染まった。

 

 

??「ナァ・・・オマエハドッチダ?」

 

 

双子棲姫‐壊「ヒッ!?」

 

 

いきなり後ろに現れたその声に驚くしかなかった。先ほども聞こえていた怪物の声だ。だが彼女の喉元には真っ黒い刀が突き付けられていた。何故艤装を展開していない?何故浮いている?

 

 

??「コタエロ・・・サモナクバ・・・・・・ン?コノ・・・モンショウハ・・・ナルホドナ」

 

 

怪物は彼女の紋章を見てすぐに拘束を解いた。双子棲姫は解放されると同時に距離を取り、その姿を見た。深海棲艦のようで全く違う。あのようなタイプは見たことが無い。かと言ってあんな艦娘も見たことはない。

 

 

 

??「ヨロコベ…ケイヤクノカンケイデオマエタチハコロサナイ。」

 

 

そう言って化物は刀のようなものを下した。

 

 

双子棲姫‐壊「契約…?イッタイ…ドウイウ…?」

 

 

双子棲姫が聞こうとした時、怪物はもうその場にはいなかった。海はまるで何もなかったかのように穏やかだ。つい先ほどまで戦闘が行われていたとは思えないくらいだ。

 

 

双子棲姫‐壊「・・・ソウダ…連絡…シナ…きゃ…」

 

 

双子棲姫は自身の展開している艤装にもたれ掛かり、そのまま座り込んだ。

 

 

双子棲姫‐壊「…久しぶりスギテツカレタ…しばらくは動けないわね…」

 

 

双子棲姫はそう呟いたまま、再び各隊への伝達準備を少しずづ始めていった…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は戻り、17:00 執務室

 

 

 

吹雪「司令官は何処に行ったの…?これだけ探してもいないなんて…どうして!?」

 

 

提督代理の吹雪は慌てていた。行方不明の話を聞いてもう4時間は経過している。それなのに手掛かり一つない。完全に鎮守府内は混乱している。もし今深海棲艦が攻めてきたら確実に落とされてしまうだろう。

 

 

夕立「吹雪、とりあえず落ち着くっぽい!提督代理が慌てたら皆が慌てるっぽい!」

 

 

彼女と一緒にいる夕立がそう告げる。夕立は何度も吹雪を落ち着かせようとしているがそのほとんどが無意味に終わっていた。そんな二人がいる執務室に一人の戦艦が駆け込んできた。€

 

 

金剛「吹雪!ココにいたのデスネ!」

 

 

 

吹雪「ど、どうしたんですか?もしかして…司令官が!?」

 

 

 

金剛が入ってきた。ここまで動揺している彼女を見るのも初めてだ。

 

 

 

金剛「違うのデス!重巡達が敵と交戦中みたいデス!早急に援護が必要みたいデス」

 

 

金剛は息を整えながらそう言った。

 

 

吹雪「な、なんで金剛さんが知ってるんですか!?わたしにもそんな情報は届いてないんですけど…」

 

 

金剛「そ、ソレハ…」

 

 

夕立「そんな事はどうでもいいっぽい!今すぐに助けに行くべきっぽい!」

 

 

夕立は二人の口論が始まってしまう前にそう言った。確かに夕立は正しい。もしそれが本当ならば助けに行かなければならない。だが…もうじき日が暮れる。間違いなく助けるときには夜になっているだろう。

 

 

吹雪「・・・そうですね…助けに行きましょう。とりあえず今この鎮守府内にいる人たちにでも放送を…」

 

 

吹雪は執務室のマイクを使おうとした…その時、再び金剛から声を掛けられた

 

 

金剛「アノ…深海棲艦が…助けてくれてるって…」

 

 

吹雪は金剛のその言葉に耳を疑った。

 

 

吹雪「・・・どういう意味ですか?」

 

 

金剛「そのままの意味デス。そいつらは助けてくれてるって…」

 

 

吹雪「金剛さん…何を言ってるんですか?深海棲艦が助けるって…そんな事…ある訳ない!」

 

 

夕立「だから一度落ち着くっぽい!」

 

 

夕立の苛立った声を聴いて二人ははっとした。今は言い争っている場合ではない。仲間の命がかかっている一大事だ。前の鉄底海峡のようにはなってたまるものか。

 

 

吹雪「分かりました。今は金剛さんの言葉を信じます。」

 

 

吹雪『皆さん!手の空いている方は出撃してください!海上を捜索していた重巡の皆さんから

  応援要請が出ました!現在は深海棲艦と協力して新型の深海棲艦と戦闘中みたいです!』

 

 

金剛「新型の深海棲艦…?そんな事は一言も言っては…」

 

 

吹雪「新型といった方が皆さんもより警戒すると思いますので、そう言っただけです。それよりも金剛さんも出撃をお願いします。この状況を知っているのはどうやら金剛さんだけですから。」

 

 

金剛「わ、分かったヨ!」

 

 

そう言って金剛は慌てて執務室を後にした。その数分後くらいだろうか。暁と雷が飛び込んできたのだ。

 

 

雷「吹雪さん!」

 

 

雷は息を落ち着かせながら吹雪の名を呼んだ。吹雪は何か起こったのだろうか?といった様子で彼女達を見た。

 

 

暁「入渠ドッグのすぐそばの海からカ級が発見されたの!で、でもその手には白旗が握られてて…」

 

 

吹雪は少し考えていた。さっきの金剛の発言を100%信じていたわけではないが…少なくとも深海棲艦が白旗を握っているなんて言うのは初耳だ。

 

 

吹雪「そのカ級は今何処に?」

 

 

暁「今は入渠ドッグに入渠してもらってるわ。で、でも潜水艦だからすぐに終わると思うわよ?」

 

 

吹雪「分かったわ。貴方たちもすぐに救助に向かって。」

 

 

雷「わ、分かったわ!」

 

 

そう言って必要最低限の会話をして二人は去って行った。夕立は何が何だか分からないといった表情で吹雪を見つめていた。正直、吹雪だって分からないことが多すぎる。何故深海棲艦が味方してくれている?何故司令官は消えた?何故救援要請の事を金剛さんだけが知っていた?分からない、分からないことが多すぎる。

 

 

 

夕立「そ、そうだ!カ級の話を聞くのが早いっぽい!」

 

 

夕立のその意見は確かなものだった。

 

 

吹雪「そうね…まずはカ級から話を聞きましょう!でも、話してくれるのかな…?」

 

 

そんな事を思いながら吹雪と夕立は入渠ドッグに移動していった…

 

 

 

 

 

 

                      ~続く~€€

 

€






その怪物は、何が目的なのか。


何故金剛が知っていたのか。

重巡達はどうなってしまうのか。

次回もお楽しみに!


ps:皆さんはイベントはどうでしたか?自分ですか?自分は丙のE7攻略中です。
連続で加賀さんが大破してしまう…どうしたらいいんですかねぇ()
あ、秋月ドロップしました。嬉しいです。ハイ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。