艦隊これくしょん ‐NextArea‐   作:セルラ

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十三話です。

前回のあらすじ

赤城さん・・・ウッ


第十三話  (Heartbreak)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒煙は消えた。黒煙が消えたあとには何もなかった

 

天龍「嘘・・・だろ?」

 

電「赤城さん!?赤城さん!」

 

天龍と電は慌てて声を掛けるが返事は帰ってこない

 

夕立達はその場で放心していた

 

こんなにあっさり轟沈したのだ・・・しかもよりによって最高練度の赤城が、だ

 

夕立「・・・ハハ、ハ」

 

夕立は笑っていた。自分でもなぜ笑っているのか理解できていない

 

最もお世話になっていた赤城がいなくなってしまった

 

夕立「あか・・・ぎ・・・さん?」

 

彼女は兵器だ。だが精神は少女そのものだ。それが艦娘というものだろう

 

自分の大事な仲間が目の前で沈んだのだ・・・心が壊れてしまってもおかしくはない

 

雷「夕立!しっかりしなさい!」

 

夕立は雷の一言で何とか正気を保てた

 

金剛「・・・許さない!許さなあああああああああいいいいいい!」

 

金剛は完全に理性がなくなっていた

 

金剛「沈め!沈め!沈めぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

金剛は狂ったように砲撃をしている

 

だがその砲撃は確かに相手にダメージを与えている

 

既に相手は何隻か撃沈している

 

天龍「おい!俺達も援護するぞ!」

 

電「なのです!」

 

慌てて4人が金剛の支援を開始した

 

だが天龍は少し嫌な予感がしていた

 

天龍(金剛の奴・・・体が持つのか!?)

 

恐ろしいまでの連続砲撃をしている金剛、その体への負担は尋常ではないだろう

 

雷「天龍さん!危ない!」

 

天龍「!?」

 

夕立「それっ!」

 

 

艦載機の攻撃が天龍に当たりそうになった。だがギリギリのところで夕立が艦載機を撃ち落とした

 

夕立「油断したら死ぬっぽい!」

 

天龍「すまねぇ夕立!助かった!」

 

電「金剛さんは大丈夫なのですか!?」

 

電は金剛の方を見た。そこには疲労しながらも砲撃をやめない金剛がいた

 

 

金剛「沈め・・・シズメェ!」

 

天龍「おい!金剛!もうやめろ!」

 

そう言って天龍は金剛を止めようとした。だが

 

金剛「放せ!私は・・・赤城の仇を!」

 

理性のなくなっている金剛はやめようとしない

 

天龍の嫌な予感が的中した。これ以上砲撃したらきっと彼女の体はもたないだろう

 

雷「!!二人とも!危ない!逃げて!」

 

雷がそう叫んだ。だがもう間に合わない

 

それくらい相手の砲撃が近かったのだ

 

二人は死を覚悟した

 

そして・・・砲撃が直撃した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、痛みはなかった

 

不思議に思い、目を開けるとそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カチャカチャと金属の音を立てている『艦娘のような何か』がいた

 

??「ふー・・・全く無茶ばっかりして・・・さっきのお姉さんもそうだったけど」

 

天龍「だ、誰だお前は!?」

 

??「自己紹介は後でいいかな?今はこの深海棲艦?だっけ?を片付けるのが先だよ。

  しっかし痛いなぁ・・・まさか装甲を削るとは思ってなかったよ」

 

金属の何かは笑いながらそう言った

 

??「ああ、死にたくなかったら私の後ろにいるべきだよ?」

 

天龍「な、なにを言って・・・」

 

??「いいから早く・・・ね?」

 

言われるがままに天龍たちは金属の何かの後ろに移動した

 

その直後・・・相手の連続砲撃が始まった

 

あと一歩でも遅かったら確実に被弾していたと思う

 

雷「砲撃・・・大丈夫なの!?」

 

??「うん、問題はないね。それよりも早く相手を攻撃して」

 

金剛も少しは冷静になったのか

 

金剛「私は一体・・・痛っ・・・腕が」

 

天龍「ようやく落ち着いたか、砲撃はしなくていいから安静にしてろ」

 

金剛「天龍・・・」

 

天龍たちが砲撃をしていると相手の数が減っていき、ついには全ての深海棲艦の撃退に成功していた

 

最後の一隻を夕立が沈め、辺りを警戒しながら何かの後ろから出てきた

 

全員大破していたがそれ以上のダメージはなかった

 

金剛「・・・赤城・・・」

 

金剛がそう呟いた。その時

 

??「赤城ってこの人の事かな?」

 

と言って、金属の何かは艤装らしきものを取り外してその中身を展開した

 

そこには・・・砲撃を受けたはずの赤城が無傷となって眠っていた

 

一同「赤城(さん)!?」

 

赤城「・・・んぁ?皆さん?どうしました?」

 

一斉に全員は赤城に飛びついた

 

金剛「赤城ぃ!良かった!良かったネ!」

 

赤城「んん??」

 

赤城は困惑していた。いきなり金剛に抱き着かれたのだ

 

??「どうやら無事に成功したみたいだね。良かったぁ!」

 

天龍「・・・お前、何者だ?」

 

??「私?私は・・・わた・・・わ・・・タ・・・シハ」

 

天龍「お、おい!いきなりどうしたんだ!?」

 

??「マ・・・ス・・・タァ・・・オフライン・・・にした・・・ね」

 

そう言って金属の何かは倒れた。さらに倒れたのが原因か金属が剝がれていった

 

雷「ちょっと!大丈夫!?」

 

さらに傷口が広がり、そこから出血していた

 

 

金剛「この人を鎮守府に!急いで帰りましょう!」

 

そこから急いで金剛達は鎮守府に撤退した

 

帰り着くまではそこまで時間はかからなかった

 

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金剛達が戦闘を終えて鎮守府に帰還中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大本営

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彩電「・・・ほう、プロトタイプにしてはいいじゃないか」

 

研究員A「お褒め頂き光栄でございます。ですがこの燃料の消費がネックです」

 

彩電「この再生能力があって戦艦程度の消費量なら問題はないだろう。流石は『アレ』だな」

 

研究員A「・・・どうやら消費量を見る限り戦闘は終了したみたいです。

   どうしましょうか?研究データは十分に確保できましたが」

 

彩電「ふむ、スイッチを切っておけ、それだけでプロトタイプはすぐに沈む」

 

研究員A「了解しました。『アレ』は?」

 

彩電「放っておけ、今回の研究データは十分だろう?」

 

研究員B「了解しました。おい、ソイツを開放しておけ」

 

研究員一同「了解」

 

彼らの足元は怪物の鮮血で染まっていた

 

                               ~続く~




何と赤城さんが復活しました()

あの艦娘のような何かは何なのでしょうか

そして研究・・・一体どうなるのか

次回もお楽しみに!

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