艦隊これくしょん ‐NextArea‐   作:セルラ

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十二話目です!

どうなるのでしょうか?


第十二話  (無慈悲)

 

 

 

 

金剛達は鉄底海峡を進んでいた

 

だが、通信機の異変に気付いたのは進み始めてから後の事だった

 

 

金剛「・・・連絡が取れなくなったネ」

 

赤城「そんな!?何故!?」

 

金剛「鉄底海峡に踏み込んでからデスネ。連絡も取れなくなってしまった・・・」

 

電「羅針盤があるのでまだ大丈夫なのです!その気になれば鎮守府には戻れるのです!」

 

雷「・・・えっ?羅針盤ってそんな効果あったっけ?」

 

電「道を教えてくれる妖精さんが言ってるので間違いないのです!」

 

シッカリトチンジュフマデカエレマスヨ!

 

電「・・・と、いうことなのです!」

 

どうやら一応鎮守府までは帰れるみたいだ

 

赤城「連絡が取れないので不安ですが・・・どうしましょうか?」

 

金剛「とりあえず帰りましょう!これ以上進んでも危険なだけデス!」

 

赤城「分かりました。母港に帰還します」

 

と、その時だった。正面から爆音が聞こえたのだ

 

一同「「「「「「!!」」」」」」

 

そして音のあとに深海棲艦がこっちにやってくるのが見えた

 

6隻編成で戦艦が2隻と空母が2隻、重巡が2隻だった

 

赤城「そんな!?何故この海域にル級やヲ級が!?奪還したのではなかったの!?」

 

金剛「全員戦闘準備!相手から目を離さないで!」

 

金剛達はいつでも攻撃できる陣形をとった

 

だが相手は何も仕掛けてこない。『何も』だ

 

しかもこちらには背を向けている。一体どういうことだ?

 

電「攻撃・・・してこないのです」

 

雷「一体どういうことかしら?」

 

天龍「それよりも見ろ!アレを!」

 

電「どうしたのです?天龍・・・さん?」

 

電が再び深海棲艦を見ると・・・その数が約3倍になっていた。

 

援軍だ。しかもそれらが全てelite級だ

 

金剛「shit!どうしましょうか!?」

 

天龍「チッ・・・囲まれた!」

 

赤城「どうして私達にこんな数の深海棲艦が!?」

 

夕立「ピンチっぽい!」

 

その時だった・・・いきなり砲撃音が聞こえたのは

 

赤城「相手の砲撃!?誰か被弾はした!?」

 

雷「私たちは無事よ!そっちはどう!?」

 

赤城「私達も大丈夫です!」

 

金剛「次の攻撃が来るネ!回避に集中して!」

 

一発の砲撃がきっかけとなったのかすぐに敵艦隊の砲撃が始まった

 

まるで豪雨のような敵艦隊の攻撃に対応出来たのは最初だけで徐々に被弾していった

 

逃げようにも囲まれていて逃げる事が出来ない。

 

気休め程度のこちらの砲撃では撃沈どころか傷をつける事すらままならない

 

さらに回避に集中しているのでこちらの砲撃など命中はほとんどしなかった

 

天龍「このままじゃ全員沈むぞ!?どうする!?」

 

赤城「制空権も取られています・・・相手の艦載機の攻撃を食い止めるので精一杯です!」

 

電「はにゃあ!?」

 

雷「電!大丈夫!?」

 

電「ちゅ、中破で済んだのです・・・」

 

連続で相手の砲撃を回避しているのだ、燃料の消費が激しいのは言うまでもない

 

さらに艦娘達は疲労していた・・・それもそのはず、被弾しないためにかなり集中していたからだ

 

だがそんなことはおかまいなしに敵の砲撃は続いている

 

雷「電!危ない!」

 

電「雷ちゃん!?」

 

雷が電を庇ったのだ。戦艦の一撃だったので一撃大破だ

 

夕立「ヤバいっぽい!」

 

金剛「夕立!どうしたの!」

 

夕立「雷が砲撃を受けて大破したっぽい!さらに電が中破、天龍さんも小破してるっぽい!」

 

金剛「どうすれば・・・」

 

金剛は混乱していた・・・増えていく被害に減らない敵艦

 

どうすれば被害を減らせるか・・・どうすれば撤退できる隙が出来るのか

 

それらが一気に頭の中を回っている・・・冷静な判断も少しずつ出来なくなっていった

 

赤城「金剛さん!しっかりしてください!グッ!?」

 

赤城が金剛に叫んだ。だがその声が金剛に届くことはなく、かわりに砲撃音が金剛には届いていた

 

金剛「赤城!?」

 

赤城「私は大丈夫!まだ中破よ!」

 

しかし赤城のような空母などは中破するだけで艦載機を飛ばすことが出来なくなってしまう

 

つまり赤城が中破した時点で敵の艦載機の攻撃を受けてしまうことが確定してしまった

 

相手の攻撃の回避に専念しているため、対空攻撃は出来ない

 

天龍「マズイ!夕立達が全員大破した!俺も中破している!どうしたらいい!?」

 

依然として敵艦隊の数は変わっていない

 

こちらはどんどん消耗していっている

 

赤城「敵の艦載機の攻撃が・・・キャア!?」

 

金剛「赤城!?どうしたのですか!?」

 

赤城は艦載機の攻撃によって大破した

 

もはやこちらは満身創痍だった・・・それでも轟沈してないのは運がいいだけだろう

 

金剛も大破・・全員が大破してしまった

 

金剛(ああ・・・これで終わりなのですね・・・最後に・・・テートクに会いたかった・・・)

 

敵艦の砲塔が金剛に向いた・・・完全に轟沈させる気だろう

 

金剛(goodbye・・・皆)

 

そして・・・敵艦が砲撃した。

 

その時だ・・・横から赤城が来て金剛を突き飛ばしたのは

 

金剛「赤城!?」

 

赤城「貴女はここで沈んではいけませんよ・・・皆を引っ張っていってくださいね」

 

赤城は笑っていた

 

その瞬間赤城の体は轟音とともに黒煙に包まれた

 

金剛「赤城!あかぎ!あかぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

金剛の悲痛な叫びだけが辺りに木霊した

 

                      ~続く~


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