その後江川について行く途中にこんな話をされた
「うちの班には野球選手候補が集められているんだ。仲間が増えたらみんなも喜ぶよ。」
仲間、か、野球をするっていうぐらいだから9人以上は居るんだろう
「あぁ、それからワタシのことは『江川班長』と呼んでくれたまえ。他の者へのしめしもあるからね。」
そういえばこの島には借金をして来るはずだ。江川班長は何をしてここに来たのだろう
「江川班長は何故この島に?」
「ある銀行の部長候補だったんだけど、ワタシの出世を寝たんだやつに嵌められてね…。」
「そうなんですか…」
やはり人間というものは信じられないな。
ぼっちバンザイ!
「でもこの島も慣れればいいものだよ。もうこの島に来て8年になるけど」
「ええ!8年ですか!?」
そんなにこんな所にいるのか…
──────────────────────
宿舎の中
「あぁ、部屋についたよ。おーい新入りの比企谷くんだ。」
そこには先程出会った戸塚が居た。
「あっ、さっきの人!よろしくね!」
本当に戸塚によく似ている…本当に別人なのだろうか
「おう、よろしく」
(しかし、ここは汚いなぁ…)
ここは汚く、日本の自分の家とは程遠い生活区間であった
「最初は畑や工場、鉱山などで働いた方がいいよ!いきなりリフレッシュ小屋や野球の練習場なんかにいくとBB団に目をつけられちゃうからね!」
しかし八幡は10日間は練習せざるを得ないことを伝えると
「そうなんだ…頑張って野球ができるようになろうね!」
「でも、行き過ぎも良くないからね!ほんとに処分されちゃうよ!」
戸塚の口から聞きなれない言葉を聞いた気がした
「しょ、処分!?」
先に不安しかない八幡であった…
──────────────────────
翌日の朝、1日目〜3日目(と冒頭は10日目まで)
野球をした、以上。
で終われるほどの事でもなかったが説明することもないことばかりだった
野球のルールを初日から3日までで覚えさせられ、残りの日数は投げる、取る、打つ、守るの四つを日が暮れるまでやらされた…マジで死ぬかと思った…。
1日目の寝る前に小杉という男、倉刈というおっさんに出会った。どうやらこの2人は元プロ野球選手らしい。何故ここにいるのだろうか…そして小杉は戸塚のことを良く平塚とよく呼ぶ。
そして3日目の朝、布具里という男に出会った。布具里はどうやら流れ着いてこの島で働かせられているらしい。
そこで洗面の順番を待っている間布具里と八幡は話をしていた
「俺は流れ着いた時、『島の秘密を知ってしまったものは…』とか言われて今はこのザマさ…。あーあ、母ちゃんはどうしてるかなぁ。」
「…………ん?島の秘密!?オイ!この島から出て行った奴は本当にいるのか!?」
「あぁ、俺が知っているだけでも何人かいるぜ?あ、洗面の順番が来た」
布具里はそう言って洗面に向かっていった
(じゃあ何故この島のことがマスコミに取り上げられないんだ!?)
(まさか出ていった連中は…)
八幡は不安を残したまま洗面に向かうのであった
──────────────────────
4日目の仕事終わり、俺は渡辺さんに出会った。この人に俺はペラを貸してくれないかと要求されたが生憎持ち合わせが少なく貸せなかった。
八幡が居なくなったあと戸塚が現れた。
「渡辺さん、早くこの前貸した10ペラ返してくれないかな?」
「あぁ、分かったよ」
……。
5日目
今日はなぜ戸塚のことを平塚と呼ぶのか小杉に聞いた。
「平塚は平塚だよ!………。俺の二軍時代の友達だ…。」
「そんなに似ているのか?」
「そりゃあもう、外見も内面も本人としか思えないぐらいだぜ!」
「でも本物の平塚はモグラーズで活躍してるはずだしなぁ…。」
「平塚に会いたいのかい?」
「あってもアイツは俺だと気づかないだろうな。」
「えっ?それって一体…」
「さぁね、どういう意味かは秘密だ。」
小杉の言っていることがよく分からない。
八幡はそこで考えることをやめた。
次回へ続く…。
この世界の平塚は戸塚とそっくりになっています。
ちなみに小杉のことはのちのち出てくるかも…?