虹の一生は短い。だけどその輝きは消えるその瞬間まで見るものを魅了した。だが果たして、それは本当に消えるべき輝きだったのだろうか? 真実は歴史の闇に消える―――暴かれる、その瞬間まで。
彼女は望まれていなかった | |
彼女はそうやって愛を抱く腕を失った | |
彼女は穢れて人と初めて誰かと並べた | |
彼女が腕を見つけるその時 | |
その腕は命を壊す為に生まれた | |
彼女は解き放たれ死地へと迷い込んだ | |
幕間、或いは男たちの余談 | |
彼女の青春はそうして決意を抱かせた | |
彼女の道は善意によって死へと導かれた | |
そして彼女は死の道を選んだ | |
故に彼女へと送る言葉は――― | |
―――黙って救われろ | |
そして物語は美しく閉ざされた | |
めでたしめでたし | |
・あとがき | |
愛しいと、そう思った |