木の葉の気高き碧き猛獣ことマイト・ガイさん。
「青春してるかー!」が口癖の暑苦修造ゲジ眉毛の彼が川神で青春を始める物語。
里を500周逆立ちで走ることを苦にしない修行バカ。
八門遁甲使わずにカカシとためはれる。イタチから警戒されるレベル。鬼鮫に簡単に一撃を見舞う体術。
足だけみて戦う人外戦闘術マイトガイ。写輪眼が怖いなら、目を見なければいいじゃない? をガチで行う変態起動緑タイツマイトガイ。
1つの開門でスーパーサイヤ人化できるチートを8つ開けることができるチーター。
あのマダラをもって
「お前より体術の優れた奴はいない」と評される程の化け物ぶり。
マダラが極めつけには「最強」と評したバグキャラ。真の意外性No.1はこの人で決まり。
そんな人をマジ恋の世界に入れてみました。
「この強き体は母からもらった。青春の姿は父からもらった。敗北の悔しさは友からもらった。そして……己の忍道を守ることの大切さはお前からもらった!」
「満足だ。後は……“それ”を最後まで守り通す! リーよ、オレの背を見ておけ。それがお前に課す最後の―――修業だ!!」
心よ燃えよ! 魂よ吼えよ! 今こそ、自分の大事なものを―――死んでも守り抜く時ッ!!
「第八"死門”―――開!! 八門遁甲の陣ッ!!」
"未来”を守る……そのためだけに! 燃えよ青春!! 最後の炎が燃え尽きるまで!!
後に第4次忍界大戦と呼ばれるこの一戦。マイト・ガイはその爪痕を大きく残すことになる。代償として戦後は右足不随忍者なりながらも、怪我の前と変わらず情に厚く、何事にも努力し壁を越える姿は、大戦で多くのものを失った人たちに少なくない希望を与えた。
「ガイ先生っ! ボクはっ、ボクはッ」
目の前でオレの為に涙を流してくれる愛弟子を見る。
––––––立派になったな。
かつての自分に迷っていた頃の姿はそこにはもうない。自らの忍道を定め、大切なものを守ることを誓い、そしてそれを守り抜いてきた自信。それが目の前の青年からは感じられた。
「泣くなリー。二度と泣かないと決めんだろう?」
だからオレから言えることはそれくらいしかない。もしも目の前の人が悲しい顔をしているならば、それを笑顔でお覆い隠そう。そうやってオレは生きてきたじゃないか。なら最後まで、最後までそれを貫いていこう。
幸せだ、本当に幸せだ。愛する弟子達に囲まれ、次代の里をーーーー玉が生きるこの世界を見ることができて。
「先生! ボクはッ、カッコいい男になれたでしょうか!!」
まったく、バカな奴だな。
「決まってる。オレの1番弟子だぞ。最高に……カッコいい漢だ…」
齢47。忍びとして数々の伝説を打ち立てた男は、ゆっくりとその意識を沈ませていく。
先に逝くぞ、カカシ。
病院のベッドの上。横たわる彼の周りには大勢の見舞い客が揃っていた。錚々たる顔ぶれがその最後を見届ける中で。その顔は、なんとも幸せそうで。その顔を見たものは最後までガイ先生らしいと語り合ったという。
自らが育てた元第8小隊の日向ネジ、テンテン、そしてロック・リー。彼らが成人し大人になり、この国を。いや、世界を担う次代の忍びになったことを誇りに思いーーーその生涯を閉じた。
そして産まれるは新たな青き獣。
紡がれるは武の伝説。
世界は変わり、次代は進む。舞台は武の都ーー川神。ここに新たなる青春が幕を開ける。
プロローグはかなり短い