一撃男の異世界旅行記   作:鉋なんか

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鉋なんかです、結構長文になってしまいましたが書きました。

今回は前、ということで、サイタマが暴れた後の話です

ちょいちょい矛盾点や誤字脱字があるかもしれませんがもしよければご指摘お願いします。

いくつかネタが混じっているのでわかる人がいてくれたら幸いです



それではどうぞ



もう一発殴る 前

 

 

 

 

 

 

崩壊の足音が聞こえる

 

逃げられない、逃れるすべはない

 

立ち向かえ、立ち向かえ

 

最期の時まで立ち向かえ

 

逃れる事は許されない

 

自分の行い、善行 悪行

黒白

 

 

闇に惑いし哀れな影よ

 

 

欲に溺るる、悪しき者

 

 

人を傷つけ貶めて

 

 

人の痛みも分からない

 

 

罪に溺るる業の魂

 

 

対価を支払う時がきた

 

 

イ ッ ペ ン シ ン デ ミ ル ?

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

宮殿を囲む巨大な壁が壊されてから一夜が明けた。

 

人々は驚愕した、数千年という長き時間に渡り宮殿を守り続けていた強固で絶対の壁が物の見事に破壊されていたのだから

 

 

 

 

皇帝は『壁の修理のために壊した、民たちは気にせずいつものように過ごせ』と触れ回った、しかしそうは思えないのが民衆だ。

 

 

 

帝国内で変わったのは宮殿の壁だけではなかった

 

 

まず帝都警備隊だ

 

 

以前は特に何事もなければ決まった道を各自でパトロールというのが常だった。

 

壁が壊れた翌日から宮殿の近衛兵を含めた10人規模のチームを作ってのパトロールとなった

 

 

警備隊の面々は近衛兵がいる為、賄賂がもらえず、市民への嫌がらせが出来ずにストレスがたまり。市民同士のいざこざへの仲裁や手配書の印刷と配布で仕事量がいつも以上となった。

 

 

 

 

次に町を行く人々の顔だろう

 

以前は不景気と恐怖政治により顔色の悪いものばかりだったが、先ほどもいったビラを見た人の顔を見れば判る通り。

 

 

「さがせぇ、なんとしてでも探し出せ‼︎」

 

「金ぇ金ぇ金ぇ金ぇ金ぇ金ぇ金ぇ金ぇ金ぇ金ぇ金ぇ」

 

「お?そんなやつおれっちが見つけて縛り付けてやるぜな、相棒」

 

「ふふふ、この封印されし右腕が悪しきものを捕らえるのも近いだろう」

 

「(とりあえず、帰るぞバカども)」

 

「貴族の地位かぁ、おらそんなもんさよりも牛の方がいいだっぺかな」

 

「賊を捕まえればヒーロー扱い間違いなし‼︎やっぱ帝都に来てよかった、待ってろ出世街道‼︎」

 

 

不景気なんてどこ吹く風で、むしろ活気だっていた。

 

 

警備隊がばら撒き張っている手配書

 

普段はナイトレイドやシリアルキラーなどのが手配書の常だったが、何処を見てもスキンヘッドだらけだ。

 

右を見れば手配書、左を見ても手配書、下には地面に貼り付けられた手配書、上を見れば空からばら撒かれる手配書、後ろを振り返れば警備隊が背負っている手配書である

 

帝都の人々はいったいどんな事をやったらこれ程までに手配書をばら撒かれるのかと呆れてしまうほどだ

 

 

そしてその褒賞が人々を駆り立てる

 

 

 

上記の咎人を生死問わず捕らえたものは褒美として下記のいずれかを与える

 

 

 

 

黄金十万

 

最上位の貴族の地位

 

一部除く法改正の権限

 

 

 

 

黄金十万に目が絡む傭兵や貴族の地位を望む地方出身者は血眼になって探し

 

この国のことを心から思う将軍や文官は自分が持つ精鋭たちを極秘裏に町へ向かわせ下手人の行方を追わせていた

 

 

 

 

 

そして一番大きく変わったのは町の治安だ

 

 

大臣の顔が普段の4、5倍に膨れ上がりそれでいて寝込んでいる為ここぞとばかりに良識派の文官たちが一斉に皇帝へ警備隊によるパトロール強化を要請したのである。

 

もちろん名目上手配書の男の早急な逮捕だが、匿っているものがあるかもしれないという1人の文官の発言により全家屋の強制家宅捜索が皇帝の名の下強制決行された。

 

 

民間人の家から商店、貸本屋とは名ばかりのナイトレイドの隠れ家や腐った貴族たちの屋敷、娼館、ヤクザの事務所、財政官の私室、某マッサージ師の店、革命軍の工作員の隠れ家、and more…

 

 

 

 

 

何という事でしょう

 

大臣の恐怖政治により、常に表情の暗い人々───…

 

警備隊の汚職や冤罪、裏取引きなどの犯罪のはびこる町並み────…

 

地方出身の者や貧民街の弱者を狙い道具として扱う腐った貴族の邸宅───…

 

そんな末期癌を抱えた80過ぎの高血圧のお爺ちゃんのような帝国が────…

 

 

 

 

今 匠達の手によって、生まれ変わる…‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このため警備隊の仕事が増えたのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝具帝具帝具帝具帝具

 

 

 

 

 

 

side三獣士

 

 

 

北方の異民族の地

 

酷い吹雪の夜の中、我々のもとに帝都からの急使が来た。

 

吹雪の中、長時間無理矢理飛んで来たのか全身が雪だらけで手足は酷い凍傷状態で酷く衰弱していた。

 

私は急使の持っていた手紙を受け取りすぐさま将軍に差し出した

 

手紙を受け取った将軍は訝しげな顔で手紙を読み始めた。

 

それもそうだろう、普段は数十枚はあるはずの手紙がたった一枚しかなく、それも急使が死にかけてまでして持ってきたものだ。

 

将軍は最初、片手に手紙を持ち目を通す程度の読み方だったか、ある一文からその態度を一変させ、食いつくように手紙を読んでいた。その時の将軍の顔は私が今まで見た事がないほど驚愕していた

 

 

 

 

 

 

 

そして帝都

 

 

 

「しかし、信じられんな。実戦から疎遠となったとはいえ、ブドー大将軍が負けるとは」

 

「あ?それってブドー大将軍も歳には勝てなかったってことだろ」(魚、か?、この臭い?)

 

「いや、ブドー大将軍が宮殿の中だったから本気を出せなかったのかもしれないよ?」(なんかこの辺、生臭くない?)

 

「普通に考えればそれが妥当だろう」(少し生臭いな)

 

辺りに漂う生臭さを感じながらも三人は後ろにある筈の壁を見る

 

 

 

そこには断崖絶壁を思わせるような宮殿を囲む巨大な壁はなく、壊れた壁をはじの方によせる女装筋肉集団と外を警戒する近衛兵しかいなかった

 

 

 

「だが、この破壊された壁を見て考えると」(やはり、生臭い)

 

「それこそ、誰がやったんだって話だろ⁉︎」(魚、?魚、?)

 

「流石にこれを一人でやったとは考えにくいよね」(あぁ早くここから離れたいなぁ、2人はこの臭い気づいてるよね?)

 

「しかし侵入した賊は1人、しかも近衛兵を壁にめり込ませ動けなくし、ブドー大将軍含める帝具使い三人をまとめて相手どり倒し生きて宮殿から脱出する...」

 

普通に考えて無理だ、ブドー大将軍率いる帝国近衛兵はエスデス将軍の軍と同レベルだ。それが敗れるというのはにわかに信じられない。

 

「まず1人でこの壁を破壊するのは無理だ、必ず協力者がいる筈、とりあえずその事は置いておくとしよう。宮殿に侵入したならば、まず近衛兵を倒すとする。ダイダラ、ニャウお前らならどうするの?」

 

「とりあえず帝具使ってぶっ壊す、っても近衛兵だからよくて数人殺せればいい、銃とか使われると厄介だしスタミナとか考えて無理だ」

 

「多分無理、長時間笛を吹いたらある程度効くかもしれないけど近衛兵がそんな暇をくれるわけないし、奥の手を最初に使ったとしても多分囲まれて潰されちゃうと思う」

 

「そうか、私の帝具だったとしても水があればある程度は倒せるかもしれないが…水のない状況ではどうにもならないだろう、となると相手は肉体強化系の帝具使いとなる訳か」

 

「エスデス様ならできるんじゃないの?」

 

ニャウの発言にダイダラは確かにと思う、しかしリヴァの顔は暗いままだ

 

「確かにエスデス様が楽しまずに近衛兵を倒しに行けば、一瞬で方がつくだろう、しかしブドー大将軍率いる帝具使いを三人相手にするとなると、臣下としては失礼にあたるが敗色が強いだろう」

 

「え?でもエスデス様ならぼくたち三人相手でも倒せるでしょ?」

 

「なんで負けちまうんだ?」

 

「我々ごときが三人束になってもエスデス様に勝てないのは言うまでもないが、ブドー大将軍を含める2人の帝具使いを相手に勝利するのは不可能だろう」

 

2人は確かにそうだと頷く

帝具といってもそれぞれ、強い弱いはあるし、それに相性だってあるのだ。

リヴァはそれに、と続ける

「尚且つ、近衛兵含め誰一人として死んでいない。なら侵入者の手加減していた、だとすると目的は偵察」

 

「もしくは力の誇示」

 

「それか帝国に真っ向から喧嘩をふっかけに来たバカ」

 

将軍エスデス直轄の帝具使い三獣士

彼らは例え相手がどんなであろうと命令があれば行動を起こす、例えそれがどんなにこの国の不利益になる事でも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ2人共、とりあえずここから離れない?」

生臭くて仕方がないよ、とニャウは言った。

 

 

2人の男もそれに賛成した

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

sideスタイリッシュ

 

 

 

 

まったく失礼しちゃう、こんな夜遅くに私を叩き起こすなんて、いったいどこのどィイ⁉︎こっ、近衛兵⁉︎

 

あ、あらそうわっ分かったは、直ぐに支度するから待っていて頂戴、え?私兵を全員連れて来い?まぁ、いいけどちょっと時間かかるわよ?

 

 

 

 

 

なぁにこれは?宮殿のか、なまぐさっ!!、壁が‼︎

 

え?この瓦礫を片付けさせるために私の強化兵を連れて来たの⁉︎誰の命令よ‼︎大臣⁉︎うっそ、マジで⁉︎…んっん

本当なの?

 

これからしばらくは宮殿で過ごせですって‼︎

 

はぁ、もういいは、どうせ大臣の命令でしょ。

なに?この資料を見ておけ?

 

 

ちょっ、何よこれ⁉︎

 

 

耳、鼻、目ちょっと来なさい。

 

いい?あんた達は情報収集担当よ。私が大臣にもっと詳しい資料を請求する手紙を書くからあんた達はそれを大臣の所まで持って行きなさい、その間にあんた達は近衛兵の会話や宮殿の内部の様子をとにかく調べなさい。もちろん不審な動きをしたら殺されちゃうから貴方達の特技を生かして調べるのよ、分かった?

ならこの手紙を大臣の所へもって行きなさい‼︎

 

さてと、私は続きでも読むとするかしらァ⁉︎

 

え?何これ、本当なの?なんてスタイリッシュなのかしら♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だれか、アロマ持ってきなさい‼︎生臭いったらありゃしないわ

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

sideウェイブ

 

 

 

拝啓

 

母ちゃん元気ですか?俺は都会の荒波にのみ込まれそうになりながらも元気にやっています。

 

三日前、帝都から急使が来た時には驚いたけど、これからくる帝国の危機のために俺は戦います。

 

なんでも帝国に仕えている帝具…俺の持ってる鎧のやつ、みたいのを持っている人全員で帝国の危機に立ち向かうそうです。

 

国の機密保護のためこれ以上は書けないけど、これから生きるか死ぬかの戦いになるそうです。

 

国の存亡をかけた戦いで命を落とすかもしれないというので手紙を書きましたが、俺は絶対に生きて帰ります。

 

その時はまた母ちゃんの飯を腹一杯食べたいです。

 

敬具 ウェイブより

 

 

 

 

 

「ふぅー、こんなんでいいのかな?」

 

少年はそう言って筆を置き慣れない手紙を書き終えた。

 

少年がなぜ慣れない手紙を書いたかというと、数日のうちに帝国存亡の危機が起きるためせめて家族のいるものたちには手紙を書かせてやれ、という皇帝の考えだ。

 

「出来上がりましたか?」

 

「あっ、はいできました」

 

「では私はみなさんの手紙を係の人に渡して来ますね」

 

そう言って金髪の好青年──ラン──はウェイブの手紙を持って部屋を後にした

 

「あっ、そういえばボルスさんは家族に手紙を書かなくってよかったんですか?」

 

「うん、いいのいつもの事だから。それにここに来る時もちゃんとあいさつしてきたし」

 

 

──ボルス──さん、同じ理由でここに集められた帝具使いの1人、そして数少ない少年が気軽に話しかけられる人である。

 

この前、今回の件で共に戦う帝具使い全員と皇帝に面会に行ったが、そろいもそろって個性的であった。

 

金髪イケメンのランと覆面と拘束具のボルスさんに引け劣らない面々ばかりだ。

 

皇帝の謁見最中も諸事情によりお菓子を食べ続けていたクロメ、帝都警備隊から来た茶髪で長いポニーテールのセリュー(この子は常に子犬を引きずり回している)、オーバーアクションをしょっちゅう繰り出すオカマスタイリッシュ、両目が潰れて使えないのにも関わらず周囲の状況を完璧に捉えているトラフジさん。

 

この人達とは同じ部屋での待ち合わせだったため少しは話をした中なのだが

 

 

他にもいる

 

 

足まで伸びるほど長い青髪をした帝国最強と呼ばれているエスデス将軍

その周囲に常にいる三人、背が低めの少年ニャウ。常に白目で周りが見えているのか気になる巨漢の男ダイダラ。ナイスミドルなリヴァ。

 

エスデス将軍と話をした時少し会話をしたがアレばダメだ常軌を逸している。

 

 

後数人のいたけどさっきの人よりもやばそうな人ばかりだった

 

 

 

 

 

まともなのは俺だけか。

 

 

そう呟きながら深いため息を吐く

 

 

 

 

 

かくいう、ウェイブも

彼の放つ体にこべりついた生臭さにより名前を覚えられていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

宮殿内

大臣の私室

 

そこには顔にガーゼを当て今までに無いほどの量の書類仕事に明け暮れている大臣がいた

 

 

「まったくもって不愉快です‼︎何ですか一体⁉︎あのハゲは⁉︎え?あろうかとか宮殿に真正面から突っ込んで来て⁉︎死ねばいいものの。近衛兵は何をしていた、えぇ、全員死ぬ気で戦った。じゃあ何でだれも死んでないんですか⁉︎ブドー大将軍は⁉︎ええ、真っ正面から戦ってましたよ⁉︎他の帝具使いと一緒に、死ぬ気で戦っていましたよ。お陰で唯せさえボロボロの地下道が崩れて使えなくなり、秘密の抜け道も作動しなくなってしまった。それで⁉︎指名手配して、帝都の警備体制を強化したと思ったら、まさかの陛下が、近衛兵も警備にまわせ、とおっしゃった。そして⁉︎捕まるのはバカな貴族や荒くれ者、唯一の救いは革命軍の密偵を数人捕まえた事だけ。バカ達と私へ繋がる証拠を隠滅していなければ私も危うかった‼︎それに手配書に今までにないほどの懸賞金をかけて、まったく嘆かわしい‼︎しかも未だあのハゲは捕まらない」

 

一息ついて肉にかぶりつく、勿論マンガ肉だ

 

「それに宮殿内は穴だらけ、雨が降った日には雨漏りです。壁には穴が空き、天井には穴が空き、内部の罠はほぼ全て使い切ってしまった⁉︎まったくもって嘆かわしい、それであのハゲはまた来る、とぬかしやがった。ふざけるなもう来るな。しかもハゲのせいで皇帝からの信頼が少し落ちてしまった、この前なんか、本当にそれだけでいいのか?もっと厳しくした方がいいな、それ以上厳しくしたらわたしに繋がる証拠が見つかってしまう、そう思い何とか説得したはものの次回に持ち越し、きっと明日には決定に移行されるでしょう‼︎それにしても、遅い、まったく何をやっているのですか‼︎」

 

「オネスト様、キョロクから5人の使者がやって参りましたが、いかがいたしましょう?」

 

「連れて来なさい」

 

「オネスト様、シュラ様がお帰りになりましたが、いかがいたしましょう?」

 

「連れて来なさい」

 

「オネスト様、スタイリッシュ様がもっと詳しい資料が欲しいとのことですが、いかがいたしましょう?」

 

「ここにあるこれを持って渡しなさい」

 

「オネスト様、首切りザンクを捕縛しましたが、いかがいたしましょう?」

 

「帝国に仕えるのであれば、死刑は免除すると伝えなさい」

 

「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」「オネスト様」

 

「はぁ、こんなに忙しいのは陛下を皇帝にさせた時以来ですかね。忙しすぎて拒食症になってしまいそうですよ、久しぶりに本気を出しますか」

 

 

 

まずはこの山のような書類を片付けますか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言って手元にあった食べかけの肉にかぶりつく

 

オネスト大臣はそんな男である

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

side???

 

 

 

 

死んだ、みんな死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アシュリー

 

彼女は俺が始めて好きになった女だ

よく一緒に訓練をし、よく一緒にパトロールをした

元気ハツラツでボーイッシュで凄くいいやつだった

 

 

 

今は首から上が無い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンジェリカ

 

始めて俺に突っかかって来た奴だ

男勝りで強くて、それでいて可憐だった

俺が本気を出して倒してからは俺にゾッコンだったけど

 

 

 

お腹に大きな風穴が開いている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンナ

 

当時のリーダーの娘

控えめでおしとやかで、やや小柄で守ってやりたくなるような存在

父の仇である俺に惚れ献身的に俺に尽くしてくれた

 

 

 

 

ズタズタのひき肉になっている

 

 

 

 

 

 

 

 

アマンサ

 

色白で俺を除くみんなの中で一番早くて、スタイルの良かった女

少し力という面では劣るけれど気前のいい奴だった

 

 

 

 

 

潰された蠅のように壁に張り付いていた

 

 

 

 

 

 

 

 

アウラ

 

はっきり言って彼女のことは今でもよくわからない

群のリーダーになる前は俺に興味を示してはいなかったけど俺が群のリーダーになってから、俺に襲いかかるようになった、倒してからはよく俺と戦い(本気に近い)をやったものだ

 

 

 

 

涎を垂らし排泄物を漏らす、障害を負ってしまった

 

 

他にも多くの命が失われた

 

 

アイリス、アナ、アキコ、アマナヒ、アマリリスにアタナカ、アンシーにアカリ、アリーナ、アリアナ

 

 

 

みんな死んだ、一撃だ

 

 

俺より弱いとはいえ、危険種だ

捕獲レベル5は軽くある

 

 

 

だが相手は前世の漫画に登場するサイタマだ、勝てるわけがない

 

 

倒すにはグルメ界で通用するレベルの力がないとダメだろう

 

 

俺はどうすればいい

 

 

やつはまた来る

だが絶対に俺じゃあ勝てない

 

ならどうすればいい?

 

 

 

 

 

 

 

 

ならこれを使え、どこかでそんな声がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日前、サイタマはとある酒場で久しぶりにお酒を飲んでいた

店の雰囲気も悪くなかった。全体的に木でできていて落ち着いた雰囲気でいて、照明もいい感じの明かりだった。

 

この後どうするかなぁ、そう思いながら、この店で一番安い(なぜか少しお酢の味がする)酒をちびちび飲んでいた。

 

 

 

 

「食い逃げだぁーー‼︎だれか捕まえてくれぇ‼︎」

 

酒?を飲みいい気分になっていると店の店主が大声で叫んでいた、後ろ振り返ると金髪のスタイルのいい女がダッシュで店を出て行く姿が見えた

 

「食い逃げか、ヒーローらしく捕まえてやるか」

 

 

そう言って、サイタマは店を後にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10時間後

 

 

サイタマは町中をくまなく探した。探しに探して探しまくった、端から端まで隅々に至るまで探した、しかしあの金髪のスタイルのいい食い逃げ犯が見つかることは無かった。

 

 

 

サイタマはトボトボと歩く

 

「ったく、あの女どこ行きやがった?まったく俺が食い逃げを捕まえ損なうなんて初めt…あ」

 

 

 

サイタマは思い出す、そういえばあの時、自分は金払っていないという事に、ヤバイどうしよう。少し残っていた酔いが一気に冷める

 

 

 

 

そうだ、今からでも間に合う。

 

そう思いズボンのポケットの中にあるものを掴もうとするがその手は空を掴んだ。

 

 

財布財布?あれ?無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い、ヤバイ落とした?

 

 

ポケットにあるはずの財布がないのだ

いつからないのかは分からないがあの店に入った時にはあった、今からあの店に財布はあるかもしれないが、戻ったら食い逃げ扱いを受けてしまう

 

 

 

 

 

なら

 

 

 

 

 

 

 

サイタマは深いため息を吐く

「来た道をまたたどるか」

 

 

 

 

土地勘の無いサイタマにそんな事できるわけもなく、また数時間もの間、(迷子になりつつ)町中を隅々まで探すこととなった

 

 

 

深夜から翌日の深夜まで探したが彼の財布が見つかることは無かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空はこんなに青いのに、お先はこんなに真っ暗よ〜」

 

そんな歌を口ずさんでしまうほどサイタマの心境は沈んでいた。買ったばかりのキャンプ道具は盗まれるし、醤油は全部こぼしてしまった、しかも財布もどこかに落としてしまったようだ。

 

 

時刻は深夜を回っているので空は真っ暗であるがそう歌うしか無かった。

 

 

 

町中を駆け回っているとしょっちゅう不良に絡まれたイジメをしているやつや馬で子供を引こうとする、果てには変な因縁をつけて来るやつそのせいで探すのに時間がかかった、結局見つからなかったけれど

 

 

 

 

 

「おぉ、今夜は満月か」

 

 

 

一時の現実逃避のために満天の夜空を見上げる

一日中走り続けて疲れがたまっていたが、その光景に目を奪われ疲れを忘れてしまう

 

 

 

雲ひとつない空に満月

 

満天に輝く星々

 

そして屋根を飛ぶ金髪のスタイルのいい女

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう昨日の食い逃げの女である

 

なんか知らんが少年を抱きかかえている、しかもポケットに俺の財布を入れている

 

 

 

え?なに、俺が苦労して町中を駆け回って探していたのは?全て意味が無かったの、

 

 

そう思うとフツフツと何処からともなく怒りが湧いて出た

 

 

 

 

ブチッ

 

サイタマの中の何かが切れた






今回はエスデス将軍は出ませんでしたが次回は出せたらいいな、私個人としてはアカメが斬るは女性キャラならチェルシー、男性キャラでは兄貴ことブラートが好きです。2人ともしんでしまいましたが、後日談あたりで2人の活躍をかけたらいいなと思ってます。

次回は長めの戦闘描写になるのかな?

次回、もう一発殴る 後

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