一撃男の異世界旅行記   作:鉋なんか

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サイタマのある日の出来事





絶対におかしいと思われるところがいくつかあります。


コードギアス
その男正義の味方


 

 

 

 

 

 

 

とある公園

 

 

 

 

草だらけの入口

ガラスの破片が散らばっている砂場

鎖が外れて使えなくなったブランコ

ペンキが剥がれて茶色くなっているシーソー 鳥の糞だらけの滑り台

 

もはや誰1人として使っていないであろうその公園には2人の男がいた

 

半袖短パンの毛の濃い男

上下ともに青ジャージ姿の髪のない男

 

いや正確には1人と1体

 

「ゲヒヒヒヒ、こんな誰もいない公園でも暴れていれば人が来るんだなぁ」

猪のような顔、黒く濃い毛の生えた腕、全身が体毛で覆われている。

 

そう、この世界に偶に出現する人に害をなす異形の存在

怪人と呼ばれている存在。

 

怪人と呼ばれる生物の大きな発生理由としては

人間以外の生物が環境汚染などを引き金に身体が変化し怪人となったり

科学の力で人間からかけ離れた存在となったり

逆に人間に近い存在となったりである。

 

また

 

元来人間とは異なった姿形で進化をしてきた生物が、何かしらの理由で人間と敵対した時に怪人と呼ばれる時もある

 

 

これらの怪人による被害は甚大で、一度出現すると死者は数百、数千人規模に及び下手をすれば都市がいくつも消滅する

 

 

しかし、それらの怪人が出現するのは稀である

 

 

 

最も多い怪人は人間の悪癖の偏重(へんちょう)による発生である。

 

この怪人の特長としてはどこにでも出現する確率があるということと、尚且つ初期の段階ではあまり被害が出ないという事である。

 

 

被害があまり出ないというのは近年増えている強い怪人の災害により弱い怪人が後回しにされているという事である。

 

弱いといっても怪人は怪人である

 

大の男10人がかりでも手に負えない

人に化けたまま移動が可能

体も小さく目立たない

 

しかしこの怪人の1番の特長は

放置すればするほど強くなるということである

 

 

 

 

「ゲヒ、ゲヒヒヒヒ 冥土の土産に教えてやるよ、俺様はなアダルトビデオの見過ぎで豚の怪人となった変態紳士様だ」

 

元人間であるこのタイプの怪人は知能が高い個体が多く。

また自分の偏重を重ねることで強くなる。

 

「だがなぁ怪人として外に出歩いたら直ぐにヒーローに殺されちまうからなぁ、怪人になってからもアダルトビデオを見続けたんだよ」

 

また強くなると姿形が変わり明らか凶悪な姿になる。例えば、筋肉が膨張し、牙がのび、体毛が濃くなり、血管が浮き出るなどがその例だ。

 

「そしたら全身の毛という毛が濃くなったないつのまにか猪になっちまったんだよ」

 

現にこの猪型の怪人は体が10メートルほどにまで膨れ上がり着ていた服はビリビリに破れ、口に生えていた短い牙はもはや象の5倍ほどの長さと太さで、鼻は某国民的映画の白毛の猪ほどの大きさだ

 

 

猪の怪人も元は人間だった

 

高校を虐めのせいで中退した

家でする事もなく独り寂しく過ごしていた

何度もあいつらに復讐してやろうと思った

 

力があればそう思い泣きながらアダルトビデオを見続けた

 

いつのまにか体が変化していた、だが今の自分じゃ復讐は成し遂げられない

 

ネットで調べた、どうやったら怪人は強くなれるのか

『自分が怪人になった行動を続けるそうする事で怪人は強くなる』

 

それを信じアダルトビデオを見続けた、そして強くなった

 

自分でもわかる自らが強いことを

 

さようなら人間の自分

 

さぁ、共に行こう怪人の俺

 

これからもっと、もっと強くなる

 

まず俺を虐めたあいつらを殺す前にこのジャージのハゲで予行練習をしておこう。

 

 

 

 

「そう、進化した俺様の名前は、ゴボロラァ…

 

 

「はなしが長い」

 

 

その言葉と同時に彼の視界は黒く染まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく、『ちょっとそこのカッコイイお兄さん僕の話を聞いてくれませんか』て、言われたと思ったら、怪人だったのかよ、しかも襲いかかってくるし」

 

『ぐちゃ べちゃ どちゃ』といういやな音と共に辺りに怪人の肉が散らばる

 

「ったく、ほんと最近変なのに絡まれるよな」

 

そう思いながら男は手に持っていたビニール袋の中身を確認する

 

 

 

夕暮れの時の寂れた公園

 

推定レベル鬼はあったであろう猪の怪人を一撃で屠るこの男

 

そう彼の名はサイタマ

 

現在B級23位の男である

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

その日サイタマはすごく上機嫌だった

 

天気も良く気持ちのいい朝を迎えられる事もできた、普段はピッタリと後をついてくるジェノスも今日は協会に呼び出されており気が楽でいい。C市のスーパー コヨミンで行われた、閉店全品70%オフセールでも欲しいものを殆ど手に入れることができた。

 

途中怪人に出くわしたが買った商品は珍しく無傷のままでビニール袋すら破れていない、尚且つ服には返り血一滴すら浴びることはなかった。

 

「さてと、早く帰って今日は寝るか」

 

そう言ってサイタマは公園を後にしようとする

しかしあるものが目に付いた

 

「ん?」

 

 

公園の入口、先ほどまで何も無かったはずのその場所には自動販売機があった

 

 

点灯するネオン、見た事もない不思議な色の自販機

どんな飲み物があるのか非常に気になってしまう。ただ早くしないと買ったものが全てダメになってしまう。

 

急いで帰ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思いつつもサイタマはついつい自動販売機の前に立ってしまう。

 

自販機の誘惑には勝てないサイタマであった。

 

 

 

 

 

自販機のラインナップはどれもサイタマの見たことのないものだった、ほとんどが一本120円という自販機定番の値段、しかもどれもデザインが面白い。

 

「ヤシの実サイダーは美味そうだな、イチゴおでん流石にこれはないか。メロウコーラ、これも美味そうって、9万円はぼったくりだろ。それにストライカーユニット、ノイズ、チャクラ、ISはデザインはいいけど中身が想像がつかないぞ、KAHに至っては真っ赤だし」

 

 

やっぱりやめよう、そう思い後ろに一歩下がった時、サイタマは自分の喉の渇きに気がつく。

 

 

思えば朝から何も飲んでない、この雲ひとつない晴天の中、C市まで走って行った。C市に着いてすぐバーゲンセールでおばちゃん達との死闘となった、どっかで休もうと思ったら目の前のバス停にZ市行きのバスが丁度着いて2時間くらい乗っていた

 

あれ?俺一滴も水飲んでなくね?

 

そう思うと乾ききったこの喉をどうにかして潤したいという気持ちが強くなる。

 

よし、買おうと決める

 

 

そしてサイタマは財布の中身を確して驚愕することとなる

 

 

 

 

そう、財布の中には0が4つあるお札しか無かった。

 

そう普段なら決して起こらない嫌な奇跡

 

 

 

たまたま財布の中に入っていた小銭をちょうど使い切ってしまったのだ

 

 

 

 

仕方ないそう思い、断腸の想いでお札を自販機に入れ1番美味しそうなヤシの実サイダーのボタンを押す

 

 

ガシャ コンという音と共にジュースの落ちる音が聞こえる

 

そして本日2度目の嫌な奇跡が起こった

 

 

『テッテレレー テーレーレ テレーーレッレレ』

 

明るい陽気な音楽が自販機から流れる

 

 

そう当たりを引いたしまったのだ

 

 

ただの当たりではない大当たりである

 

ガシャコン ガシャコン ガシャコン ガシャコン ガシャコン ガシャコン ガシャコン ガシャコン ガシャコン ガシャコン

 

普段では絶対に引くことはないであろう、大当たりを引いたことに驚きを隠せないサイタマ、しかしいったいどうやってこれだけのジュースを持ち帰ろうか。

 

 

「とりあえずジャージのポケットに4本入ったど…後2本はよし、入るな」

 

ズボンのポケットが少し深いのに気づきもう2本入れる

 

「ビニール袋にこれ以上入れると破けそうだしな」

そこでサイタマは名案(迷案)を思い浮かぶ

 

 

 

そう待ちきれないのなら飲んでしまえばいい

 

 

ポケットに6本目の前に4本

 

 

 

そしてサイタマは1本目のジュースに手を取り、そのプルタブを開ける

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

一台のトラクターが地下鉄内を走っている。

 

電気の着いていない薄暗いこの空間を決してうまい運転とは言えないが狭い線路の壁にぶつかる事無く走っている。

 

 

しかし、そのトラクターの窓ガラスは割れており帽子を深くかぶった運転手の男は肩から大量の血を流して自らの長い髪を赤く染めている。

 

男の傷は銃で撃たれたもので運転席は男の血がたまっている。男はいつ気絶してもおかしく無い状況だ、にも関わらず片腕でずっと運転を続けている。

 

男の運んでいるものは男にとっていや、男の仲間にとってとても重要なものであるから。

 

 

しかし大量出血のせいかそれとも帽子を深く被りすぎたせいか、目の前の大穴に気がつかず、トラクターは前のタイヤが大穴にハマり動けなくなってしまう。

 

「くっ、頼む、扇見つけてくれ」

 

男は最後、リーダーに一縷の希望を残し、ボタンで荷台を開け、気を失った。

 

荷台に無関係の1人の少年がいるとも気がつかずに

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

サイタマは走る

 

 

力のかぎり走る

 

 

左手にはビニール袋、ジャージポケットには6本の飲み物、胃のなかには4本分の飲み物

目の前には今もなお、現在進行形で自ら遠ざかる自販機のお釣り500円

 

 

そう目の前を転がる500円

普段なら絶対に落とさないその大金

サイタマは珍しく落としてしまったのである

 

 

500円位仕方がない普通の人だったらそう思うだろう

しかしよく考えて欲しい500円である

 

先ほどの自販機ではジュース4本、週刊誌が最低でも1冊、某ハンバーガーショップでドリンクとポテト付きの昼食、半額弁当3つ、牛丼並盛り、たこ焼き一皿

 

 

 

たかが500円

 

 

サイタマはそうは思えなかった

 

 

今まで何度も経験したことがある

 

 

あと500円あれば、あと100円あれば、あと50円あれば20円、10円5円1円....

 

 

 

あの日、ジェノスから大金を貰ってもこの貧乏根性だけはどうしても治らなかった。

 

 

 

だから走る

 

 

例えビニール袋が破れていて買った商品がなくなっているのに気がつき足が止まりそうになっても

胃袋がたぷんたぷんで気持ち悪く今にも吐きそうでも

途中ぶつかった壁のせいでポケットに入っているジュースの缶が破裂していてジャージを濡らし嫌な感じになっていても

 

 

目の前の500円を決して逃してはいけない

 

 

 

 

 

そう、視界の端で緑色の髪の少女に銃口が向いていても

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、俺は夢でも見ているのか?」

 

「いや、これは夢ではないだろう。現に私はほっぺたをつねっているが痛みを感じるぞ」

 

「…俺のほっぺもつねってくれ」

 

緑の髪の少女C.Cは自分のほっぺをつねっていた手をはなし隣の黒髪の少年、ルルーシュに向け、その頬をつねる。

 

あぁ痛い

「やはりこれは夢ではないのか」

 

「あぁ」

 

「まったく、どんな悪夢だ」

 

 

 

夢であって欲しい

どれだけ思っても現実は変わらない

そう、痛いほど知っている

 

 

 

しかし目の前で起こっている光景はまさに悪夢だった

 

 

 

 

 

 

 

ブリタニアの飛行機が我先にと墜落し

 

気絶した兵士達が縛られ一箇所に集まり

 

瓦礫に埋もれていた人々が助けられ

 

ブリタニアの新型ナイトメア、サザーランドがサザーランドにぶつかり

 

脱出用のポットが空中で消え

 

数tはあるナイトメアが一箇所に運ばれて集められ山となり

 

 

 

人間がナイトメアより速く走り

 

…人間がナイトメアの攻撃を受け平気な顔をして

 

人間が?逃げようとするナイトメアを引っ張って…

 

 

 

「なぁ、あの捕まったやつ、ブリタニア皇族の近衛兵じゃぁ」

 

「あぁ、多分な」

 

「あっちでナイトメアが飛んだと思ったら今度はこっちでナイトメアが飛んだぞ、それにそっちではナイトメア同士がぶつかったぞ」

 

「これがほんとのナイトメア(悪夢)だな」

 

「「ハハハハハ」」

 

2人分の乾いた笑いが辺りに響く

 

 

 

少年は信じられない現実の中、一息つくと勇気を振り絞って少女に尋ねる

 

「なぁ、ブリタニアは今いったい、何と戦っているんだ?」

 

「そうだなぁ、私たちの命を救ってくれた、正義のヒーローじゃないか?」

 

 

 

正義のヒーロー

 

誰しも一度は憧れる完全無欠のヒーロー

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

エリア11の総督クロヴィス殿下の命により

戦いは終結した

 

 

最も、戦いに参加したナイトメア、新型旧型含めすべて破壊し尽くされ、銃は弾丸1発に至るまで破壊尽くされ、戦える兵士既にゼロ。最後の最後に逃げようとしたクロヴィス殿下は乗り物ごと持ち上げられ、湖に沈められ、出てきたところをサイタマによってとっちめられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、緊張のあまりサイタマの頭を笑ったクロヴィス殿下(笑)は死ぬことはなかったが、頬が漫画のように腫れ上がったという。

 

 

 

 

 

 




絶対誤字脱字があると思うので、もし気がついたら気軽に報告お願いします。



続くかどうかは分からない。



※執筆中の作品があまりにも筆が進まないので書いてみた。






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