異世界に転生したはいいけど原作キャラの兄とか聞いてないです   作:シャイニングピッグEX

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改めてというか初めてこの小説においての主人公である志葵くんの行動理念を書きますが、「魔の関わる、非日常的なモノ(型月的な意味)をアリア世界で解決する暗殺者」です。故にカナはパートナー枠で結構出てくるかも。 型月用語で分からないものはwikiで調べるか作者に聞いてくださいな。


第五話-3「すぐさま事態の事後処理を」

「・・・さて、帰って参ったものの」

一応僕達というべきなのか志葵は東京に一軒家を持っている。え、金とか諸々の問題?俺は命懸けた仕事しまくってるからリターンの金余りまくってるし、 駄目なところは師匠が■■■。

多分、言わない方がいいと思う。あの人、黒々真っ黒だから。悪い人というより拗れた人というか、なんというか。

(眠い・・・アドレナリン切れたからだろうな)

とりあえず鍵を開けるとすぐさまリビングへ向かいソファの上で寝そうになったところでレン(前回サラッと紹介した使い魔)が上に乗っかってきた。

この目は・・・・要求してるな!そう、こいつは猫の使い魔で一応人型にもなれる。かなーり高位の夢魔なので契約には面倒なところがあるものの気にしてはいけない。(知らない人は気になるならwiki参照)そして、甘いものが大好きなのだ。いつものパターンなら多分これだな!

仕方ないので軽く冷やしていたミ○ドを投げ渡す。

 

 

不満そうな顔をしているが気にするだけの余裕もなし!寝る・・・前に先生に普通科の休学の継続を連絡して寝る!(おい)

学生の本分が学習?知ったこっちゃないね!

目を覚ましたら朝の三時でした。

うん、これまでの時系列を整理しよう

ジャンヌさんと決闘(pm6時~7時)→武偵高到着(7時半頃)→顔合わせの会議(8時頃)→帰って寝た(9時頃)→起きた(pm3時)

・・・寝すぎじゃね? いや、もういいか

さて、どうしたもんか・・・俺一人で王の所に向かうとか

「良さそうだな、無益に被害を増やすより---」

と思ったら目の前にいきなり紙が飛んできた。ここ室内だよね?魔術?魔術なの?(型月的思考です)

『警告 無益に被害を増やすのもまずいのは確かだが無益な特攻も意味はなし』

このタイミング・・・貴様見ているなッ!てしてるわけにもいかないけど。

繊細かつ豪快な字、俺は誰だか分かっちゃうな、これ。監視兼護衛の人だろう。七夜には見せない方がいいかも、って・・・

 

(レンは寝てるか。きっちりミスド完食してるあたりはさすがだな。さて、どうしたもんか・・・)

 

ああそうだ、京都から帰って以降、師匠から納得出来る理由以外での外出を禁じられているのだった。

地下には鍛練場もあるし身体は鈍らないだろうが、だからといって人間関係をおろそかにするわけにもいかない。

イ・ウーについては、最終抗争に呼ばれればそれでいいんだがな。大体上の奴等は俺がどういうやつか知ってるだろうし。

リビングの近くにあるPCを立ち上げると、キッチンのすみにある湯沸し器を使った後インスタントコーヒーを淹れる。 え、一軒家なら内部教えろって?作者は文才がないんだ・・・

さて、メールでも見るか。

一番上は・・・フラガ家。フラガ・マクレミッツ。魔術師の家系だな。型月という作品においては、人間は(吸血鬼等もだが)魔術を行使出来る存在がいる。その魔術を使うやつらにも微妙に括りがあるのだけれど今回は特に関わりもないので割愛する。

おおよそ、家系とその土地やら諸々の関係で生まれ持った魔力の多さが決められる。環境が良かったから、という理由で一般人でも魔術の素養を持つものはいる。無論、その逆も。

(万一の場合を考えるならアリア達にも教える必要はあるんだろうが・・・・なんだかなぁ)

『必要ないだろう。大体、あの二人が使えそうか?』

使えないことはないだろう。特にアリア。けどあいつの体の構造的には、なあ?嫌な予感しかしない。レキは何て言うか真っ直ぐそうだ。多分ない。

キンジはまあその、なんだ、ノーコメント。

隊長としての評価は・・・、後ついでにこれまで見たことあるやつも含めてやるか。

金一もといカナ=5+、 レキ=5、 アリア=4+、 歩夢(志葵のアミコ)=4-、 ジャンヌ=3(相性は抜きにして)

で、キンジ=0。

『・・・相棒、お前なぁ』

露骨な贔屓ランキング?キコエナーイキコエナーイ

って、メール返さないとな。

ええっと、

〈フラガ・マクレミッツ氏へ・・・今回、貴方の娘さんとの共同任務兼お手合わせということでありましたが、こちらの事情により契約は不可能ということになりました。

残念な結果にはなりましたが、機会がありましたらこちらもまたお受けしたいと思います。それではまた〉

というようなメールを返信した。(結構割愛しているが)魔術師の割に現代的なのはいいことだ。この辺りは型月作品の「魔術師」を参考にしてほしいが。それに、案外人道的だ。フラガ家は名家だけに疑ってかかっていたけれど、固定観念だったようだ。修正せねば。

『あーあ、世界を旅しつつ、仕事を契約して、金を貰ってまた旅へ、って生活、嫌いじゃあなかったんだけどなー、また師匠から連絡来てくれるなら嬉しいんだが---』

と、思うと直ぐに携帯が鳴り出す。制服のポケットに突っ込んだままだったのですぐに取り出して返事をしようとして、画面を見るとすぐに誰からか理解する。

(・・・・また非通知の番号かよ。しかも前と違うし。どれだけ手が込んでるんだかねえ、師匠は)

『俺には情報関連は良くはわからんが、おそらくは任務なんだろうな?まあ、息抜き程度にはなるんじゃあないか』

(あの人が一度でも息抜きと言えるような楽なやり方したことがあったかよ)

そうは思ったが、七夜には伝えなかった。どうせすぐに分かることだ。

 

〔これから君にはその家から最低限(・ ・ ・)しか出ないようにしてもらう。しかし日中は暑くて堪らないものだね・・・〕

 

「身体は大丈夫ですか、師匠?しかしまた・・・」

 

『なあ相棒、なんて聞こえた?』

(危ない夜中に任務開始ってさ)

夜は吸血鬼どもが活発だというのに。しかし昼には動けない。学生の弊害とでも言うべきだろうか。

「---しかしまた、わざわざ有利なフィールドから降りろなんて、随分と面白い要求だな」

〔君は奇術師らしく、掻き回してくれよ?今回の君の隣も後ろも任せるがね〕

なるほど、違いない。それならこちらも楽に暴れられるというものだ。

そう短く呟くと、満足したのか通話を一方的に切られる。しかし息をつく間もなく別の番号から連絡がくる。

『この番号は・・・チッ、あいつかよ』

古風な暗殺者である七夜でも電話番号なんかを覚えることがあるのかと意外に思いながらも電話に出る。

「おい金一。お前今、何処にいる」

〈いやー、誰のことだか本当にさっぱりねー〉

普段なら、というよりおよそ9割方遠山金一が応対するのだが・・・何と1割を引いてしまった。まず間違いなくカナだ。そして、相手がカナと分かった途端に七夜が表に出る。

「なんだクソ女の方か。問題は無いが。とはいえ何かの間違いで後ろから刺されちまうかもしれないし、背中には用心しとけよ」

『いつになく饒舌だな、本当。なんだかんだ仲良く---〈「ない」〉七夜は兎も角聞こえてないはずのカナはなぜ返事が出来るんだよ・・・』

〈いやーバカ男の考えてることくらい今更!で、パートナーは私?私?それとも私?〉

「一番悪い選択肢で頼む。で、今どこにいる?」

〈貴方の家の前〉

「明日に出直してこい、要はかえれ」

〈はいはい了解、冷たいなぁ本当。で、任務の内容についてだけど・・・一言で言えばとある研究所の調査ってところね〉

電話越しではあるものの、歩く足音が聞こえてくる(意識的か無意識的か小さくされてるのは武偵の性か。七夜の耳からは逃れられないが)

「殺しは?」

〈それはまあ、私達の命には変えられないからね〉

本人は少々辟易しているようだが、暗にOKサインを出されたな。カナにしてみれば少々盲目的とは言え義を重んじるあたりはさすが遠山、やはり黒い手段は好まない・・・逆に言うならば、嫌々でも必要に応じてやってしまう。なんというか兄弟〈は?〉じゃなかった、姉弟揃って人間的だよな。日本人の意味でも。

「それで、情報は?」

 

〈何もないわ〉

「・・・機密保持でもされてるのか、その研究所は?」

カナはヒュウ、と短く口笛を吹いて称賛の意を示す。だが、こういうのは経験してれば分かることだ。

〈確かに、政府から直接、機密研究だって判を押されてたみたい。最大にして唯一の問題は、判を押した政府の人間がその研究所について何も覚えてないってことね〉

『相棒、俺にはお手上げだ。交代頼む』

 

 

〈・・・ん、この雰囲気は奇術師の方の志葵?これってそんな難問?〉

相変わらず良く分かるもんだとこちらも称賛してやりたいが、まあ長く付き合うとなんだかんだこうなるか。

「残念なことにな---だが、俺が政府の役人だとしてもおそらく覚えちゃいないね」

それを堂々と言うことではないだろう、と七夜とカナは落胆するが、本人は至って真面目に続ける。

「日本も然り、この世界には『機密』って指定される研究所やら何やらがバカみたいに多いんだよ。そして、それらの内実っつーのは大概、祖国のためだ、なんていって---実際、役にたちはするんだが、設立者の私利私欲のために政府とかのスポンサーの資金を注ぎ込むという結果に落ち着いちまってる」

〈それが政府の目に止まらないのは、多いからって理由?〉

「少なからず、手が回っていないのが現状だな。そりゃあ人間誰だって活躍の場を求めるものだし・・・」

〈そんなことの尻拭いに私たちが回されるようじゃあ救いようもないものね〉

明らかに呆れるような声色でカナが言う。安心しろ、俺達同じ気持ちだ。

ああ、そうだ。先程から一つ違和感があった。まずはそれを解決せねば。

「片方ならわかる。が、高々一研究所の調査だぞ?いくら機密とはいえど、俺達二人のコンビってのは戦力過剰じゃないか?」

これは志葵二人にとって純粋な疑問で、かつ事実を客観的に述べただけだった。が、それは核心をついたようで、カナはドスを効かせた声で通話を続ける。

〈・・・・『色金』よ〉

「・・・あー、その、何だ。それは研究のきっかけとか、それとも偶然漏らしたからそれだけで、俺達が出るようになったとかそういう考え方は----出来ない、か。やっぱり」

〈こうやって私達が組んだ時点でお察しの通りよ〉

色金そのものを研究対象にし、かつそれでミスをしたというのは愚行と言わざるを得ない。いったい何をやっているのかとその場に倒れこみたい気分になるも、そうはいかないのが現実である以上、最後に一つ確認をしなければならない。

「・・・で、俺たちの任務内容は?」

〈機密保持とかいう馬鹿げたシステムのせいか、はたまた実験の失敗かで偶然爆発(・ ・ ・ ・)した研究所の色金を保持するため、偶然閉ざされて(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)いる門のカードキーを探し当てて、偶然崩壊した(・ ・ ・ ・ ・ ・)研究所の中を正確に案内できる何者かを見つけて、全ての謎を解き明かせばいいのよ。ね、簡単でしょ?〉

「なるほど、死徒二十七祖の討伐任務と同じくらい簡単だな?」

〈それ言っていいことなの?〉

お前はどうせ知ってるだろうが、と呟くとそうね、と軽く返事が返ってくる。茶化すようで真面目なのは、どっちもいつもの話だ。

「で、この二つの事件に関わりとかないよな?」

〈それが無いとも言い切れないのよねー〉

冗談じゃねえよ。素でそう思った。一つ一つの難易度がインフレしまくってるのに。もうダメかもしれない。

 

〈正確には、研究所で働いていたと思われる人達では、どうあがいても、つまりは判明こそしていないけれど何の色金であれ研究しきれないのよ。だって魔術のまの字も知らないようなやつらよ?〉

「そこに吸血鬼であれ何であれ魔の者が潜んでいる可能性が高いと。だからカバーできる俺がコンビ、か」

〈そういうことよ。で、二つとも平行して頑張ってもらうからよろしくね☆〉

 

お前にそんな星出されても痛いだけだよ。って思ったらあっちから殺気が流れ込んできたが無視する。

『なあ、相棒。事件が解決する前に事件が増えちまったぞ』

そんなもん分かってる。今どうするか考えてる---ってことを十年後に考えてなければいいなとふと思いながら事態の事後処理にとりかかるのだった。




これも今更ですが「」は普通の会話、()は思考、志葵の場合は表に出ている方の思考。『』は「」内部での強調、「」外の場合は表に出ていない方の志葵の会話と思考の両方、もしくは特別な用語を示す場合(これも強調に近い?)〈〉は電話などの連絡を通じた会話、〔〕は〈〉に加えて道具等を使用し更に間接的な場合などで分けています。これも少し分かりにくいものになっていましたので、疑問がありましたら順次補完していきます。
質問、誤字報告、感想等ありましたらよろしくおねがいします。

追記・爆発した色金は見つけられませんね(笑)爆発した研究所の色金に訂正しました。

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