異世界に転生したはいいけど原作キャラの兄とか聞いてないです   作:シャイニングピッグEX

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今回の情報は真偽入り交じったものになっています。鵜呑みしないように。


第五話-2「事態は止まらないのさ」

act2「キンジさんは極めて不幸な事実を知ってしまったようです」

 

「・・・はあ」

(・・・俺は世界一不幸な男だ)

結局あのあとなあなあになって会議は流されてしまった。

その後俺遠山キンジは授業に戻る気にもならずに情報科の個室へと忍び込みパソコンを借りていた。

予備の、それも旧型の誰も使わないような「穴場」の個室だ。誰かが抜け出していようと言い訳でもすれば特に咎められるようなこともないだろう。

(やっぱり納得出来ねえよ兄さんが---あんなやつとコンビを組んでたなんて、しかも兄弟弟子だなんて)

「何をやっているんですか、キンジさん」

「ひゃあっ!?」

怒りに身を任せてパソコンを操作しようとしたところで唐突にレキに囁かれたため、つい間抜けな声を漏らし飛び上がってしまう。ヤバイ、ヒスりそうだった(小並感)

「何をやっているんですか、て・・・・調べものだよ」

「私が言ったのは、何をしているのか、という意ではなく何を調べているのかということですが。この画面は・・・隊長のことが気になっているのですか?」

分かりにくかったが、アイツは俺を煽っていた。焚き付けていた。何の理由も無しにそんなことをすることもないだろうし、考えざるをえない。なんか宿題でも出されているようでムカつくが。

「別に・・・というか、コレが一刻も早くみたかったんだよ」

俺が制服から取り出した黒い機械は、武偵でなくても現代人ならばみな何か人目で分かる代物だ。

 

 

「USBメモリですか。確かにこれなら足もつきにくいし便利ですね」

情報科のパソコンはただでさえデータ消去やらの隠蔽にも有用だから、これならばあの隊長にバレるハズもないだろう。というかこれでバレたらレキがスパイだ。

「しかしお前は授業にいく必要はないのか?」

「キンジさん、時には決められた行動よりも大切なことがあるとは思いませんか」

「・・・お前にもやることがあった、とか?」

優等生のレキさん(受動的ではあるが)だから何かありそうだ。俺のことだし勘違いだろうけどな、とそう思いパソコンに意識を戻す。

「----いえ、特には。それで、隊長の情報は?」

俺はメモリを差し込むと読み込まれた、纏められている情報にざっと目を通す。読みやすいな、普段はちゃらんぽらんだけどこういうときは理子様様か。いや、アイツは自分のこと理子様とか言ってもおかしくないし理子様様様か。

「・・・わ、これは酷いな」

幼少期の情報は殆ど抜き取ることは出来なかった。強いて言うならば日本で拠り所を無くした後、ヨーロッパで小学生時代を過ごしたらしい。教会で働いていたとか。日本には馴染みのないことだ、羨ましいとは少々違う感情が浮かんだが。

しかし神崎家の養子に入ったタイミングについてはよくわからない。旧性についても、だ。

肝心なところが引っ掛からないのが気になるな・・・、偽装工作が入ってても疑わないぞ。

最近は婚約相手を探しているらしい。・・・なんでこんな情報をわざわざいれたんだ、理子は?まさかとは思うがこのネクラ男に対する意趣返しか?

レキが妙に痛い視線を向けてきたが特に気にしない。こいつの考えることなんて詮索するだけ無茶なことだ。

あっちでも、(義理ではあるが)アリアの兄とはっきり言える程度の活躍はしているようだ。

目立つ二つ名は、「二手の奇術師」と「退魔」だった。

特に後者、主に吸血鬼などの魔に対しての戦果が素晴らしい。 勝率は4割だ。・・・これを聞いて、あれ?と思った人も多いだろう。だが、人間の身でこれなど驚異的だ。しかも、逆に言うならば。

(そうだ、逆に言うならばだ---アイツは文字通り六割を事実上敗北しながらも五体満足で生き延びてることになる。そして、異常と言わざるをえないのが)

「混血」の魔に対してはほぼ確実に勝利をしているということだ。何かタネでもあるのだろうか。だがわからないのでこれは置いておく。

二つ目にあるのは、目立たない奇術師という称号。

・・・が、キンジはこれこそが彼の真髄であり、もっとも厄介なモノではないかと睨んでいた。(当たらずとも遠からず、である)

このデータによると、彼は手先が器用だ。一流には及ばないが、大概のことはなんでもそつなくこなす程度のハイスペック。そこまで高くはないがキレる知能。

特にその豪胆さは見た目からは図れない最大の驚異、だそうだ。

余談だが模試の偏差値は65程度らしい。・・・理子はあれか?情報屋か?どっから仕入れてるんだ?

しかし彼がもっとも目をかけられているのはその体術も奇術も然りだが「暗殺」だ。

おそらく自分が彼におそらく一番怒りを覚えているであろうことが、その暗殺と関わっている。

キンジは先程会って思い出したのだが、毛利歩夢と同じ中学を卒業したのである。

そして自分とは直接関わりはないが先輩二人も。

その先輩二人が去年、殺されたのである。

それも、この武偵高で。

他でもない、「志葵」に。

・・・・

 

・・・・いや、分かっているのだ。自らが私情を挟み込んでることなど、誰よりも。

しかし、あの先輩は・・・普通に憧れる自分だからこそ分かる。本当に「普通」だったのだ。

その普通が犯されたということは、きっと---

----それはいいか。その上、おかしいのがこれからだ。---毛利歩夢は殺人未遂を受けた生き残り。にも関わらずあんな殺人鬼にご執心ときた。

 

(認めたくはないが、催眠術、洗脳といった類いのことも身に付けているのだろう)

 

そうだ。あれは、自分の知っている毛利歩夢とは少し・・・ほんの少しではあるが、確かに違ったのだ。

その何かが分かれば、もっと確実だったのだが。

ここにいるレキも、志葵にたいして、気を許している訳ではなかった。が、どこか楽そうであった。

アリアは---そう深く言うまでもないか。アイツは親しいやつとは親しい。その一人なのだろう。

何か、周りの人を惹き付ける一種の「カリスマ」のようなものがあるのだろう。だが---

(俺には、効いていない。なら勝ち目はあるさ)

その上、彼は性格に問題がある。そのせいで、武偵として降格が多いらしい。なまじ実力はあるだけに昇格も多いようではあるが。実に30を越える回数、変動しているようだ(※本人は至って真面目です)

広げていたデータを閉じようとしたとき、また唐突にレキに囁かれる。

「---キンジさん」

「・・・なんだ、今度は驚かないぞ」

「このデータ、続きがあるようです」

・・・ふむ?確かに横のバーはまだギリギリ一番下ではない。そう思ってマウスを使い下へドラッグすると何と

〔☆理子理子の気分によるおまけ☆〕

毛利歩夢・・・運動神経抜群、品行方正、頭脳明晰と三拍子揃ったカワイイ系男子♪ ちなみに前から後ろにいくほど信用性高い三要素だよb

----キンジにとってみれば(作者も書いておいて)もうついていけないテンションであるので翻訳して書く。

高校に入ってから、つまりここに在籍して一年滅多に運動をしなくなったらしい。

探偵科で安楽椅子探偵してるらしい。純粋な頭脳では奇術師志葵より上だとか。とはいえ色々要因を含むと勝負は5・5に落ち着くとか。

しかし天才であることに変わりはなく模試の偏差値は80~90だそう。特に数学はトップ3争いに常に入るとか。だからいるのかその情報。後そんな数字可能なの?(全国模試トップ10クラスを想定by作者)

疲れたから理子の情報はここで終わり♪以上!

・・・雑だが、理子だ。オマケに本気出すはずもなかったな。

だが、分かったことは二つある。それだけでも収穫ととらえよう。

一つは、毛利歩夢は被害者であり、神崎志葵が犯人であるということは紛れもない事実であろうということ。それに自らの兄の言葉もある。

(お前を追い詰めるやつは他にはいない。だったら嫌だが・・・ああ、本当に本気に嫌だがその仮面は俺が剥がしてやるよ)

そう思ったはいいがレキは近くで拳銃の整備を終え、(ただのイメージトレーニングであってほしいが)こちらに向けていた。

最後に、分かったこと二つ目は、至極当然のことを再認識した。こんな面子に囲まれて、遠山キンジは・・・一つの確信に至ってしまった。

(やっぱり俺は世界一不幸な男だ)




キンジが一番書きやすいけど書きにくいという

いっそヒロイン募集とかもいいかもしれない、そして一番の心配・天才キャラ書けるかな?

ではいつもの通り(今回は二話分ですが)誤字報告・意見・感想等ありましたらよろしくお願いします。

追記・題名にミスがありました。申し訳ありません。

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