異世界に転生したはいいけど原作キャラの兄とか聞いてないです   作:シャイニングピッグEX

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なんか七夜のキャラがイマイチ定まってないので、過去に抵触しない範囲で書いていきたいと思いました。別にスルーしても構いません。

独自設定がありますので、これが嫌なかたもスルー安定。

今回は情報を並べてるだけなので、曖昧になってるところについてはまた本編でやると思っていただければ。

ついでにステータス的なものも貼っています


番外編 『その男は』

その男は、良くも悪くも「異端」だった。

各地に存在する武偵育成教室。

言わば、武偵を幼い頃から(中学生以下から)教育する「塾」である。ここにきて武偵を目指すのは主に家系が由緒正しい武偵一族である者達、もしくはそうでなくともなんらかの事情で高ランク武偵に弟子入りした者達である。

そしてその男は少数派にあたる「後者」だった。

言うまでもなく、その男は「神崎・H・志葵」である。

武偵育成教室にて、(養子とはいえ)かのホームズ家出身として推薦され、かつ師匠の口添えもあり、参加することになった志葵だったが、そう上手くいくはずもない。

 

はじめての塾生との戦いで、殺害未遂。

戦闘自体は至って普通だった。(ただし、一方的な試合ではあったが)

相手のAくんは徒手空拳を得意としていた故、真っ先に近接戦をするため突っ込んだが、結果からいうならば、惨敗した。神崎の暗殺術「七夜の体術」に対応出来なかったのは勿論、それ以上に気持ちの持ちようが違ったのだ。

単に、勝ちたいのとそうではない、といった気持ちではなく━━

 

神崎志葵は殺す気で戦っていたのである。そして、それを他の人に咎められても困惑するばかりであったが、当時付き添いとして同行していた神崎かなえから優しく諭され、初めて自らの価値観が、「殺すことで勝ち」と考えることが普通の人間にとっては非常識であり間違いであると理解したのである。

「神崎くんってさ、物凄い猛獣みたいだよねー」

「ルールを守らず、理性に欠けているところとかな」

そう、最初こそ思われていたが、少しずつ評価は変わっていった。

彼は教えられる度にその「ルール」を守るようになったからである。 しかし、彼を見る目がよく変わったかと言われたならば、そんなことはないと断ずるほか無いだろう。

彼の思考は結局、「自らは殺すために生まれた『七夜』であり、人の前で人を殺すのはいけない」としかかんがえていなかった、つまり自分一人なら躊躇いはないし相手が人間でないならば言わずもがなだ。

さらに生徒では常勝無敗を誇り、元々孤独だったのがさらに加速していた。

結局、周りからの評価はこうだ。

「野性的で人間的な生物」

「冷酷かつ温厚な人物」

「常識的な非常識」

「思いはあるが思いやりはない」

要は矛盾が服を着て歩いたような人間だ、と。

そしてそんな彼は寡黙な人物であり、とっつきにくかったのは間違いない。

親しくない人物には探りをかけ、親しい人物には言葉では愛情を示さない。(ただし親しい人物には軽口を叩き、口数は多くなるが)人の思惑と言葉が必ずしも等しいわけではないということを学んだ故に身に付いた態度だ。

そして、そんな彼は遠山金一、もといカナと戦ったことがあった。

いきなり露出してのHSSモード、生徒間で年齢抜きにして尚トップクラスの実力を誇るカナに対してはさすがにあの神崎も不利だろう、と思われていたのだが、意外にも?近接戦は互角(ただし七夜は殺し合いで無いため全力を出しきれてはいなかったが)であった。銃撃戦ならばカナに軍配が上がったのだろうが、当時から達観していて殺人鬼らしい有効な戦いかたをする七夜とは違い、天才らしくムキになって不利よりの近接格闘で戦うカナは七夜に判定負けしてしまう。

その後、大した策のない相手に初めて遅れをとったカナ(遠山金一)は七夜の師匠に弟子入りした。

これはあくまで余談であるが、七夜がやけに金一につっかかるのはカナを初恋の人物としてしまったからであり、(この頃神崎の人格が目覚めていなかったため止められなかったということもあり)親しい人物には直接的ではないが愛情や友情を伝えてしまうのでそうしたことが黒歴史となり今でもまだ恥ずかしいのだ。

七夜としては勇気を出した大衆の前での告白で女装カミングアウトされたので、七夜は一週間まともに眠れなかった。

その後、二人は親友となり、数々の任務を共にすることとなる(片方は永遠に消えない傷を受けてしまった)

しかし、彼に弱点が無いわけではなく、事実としてそれもまた噂されていた。

━━七夜志葵には少なからず協調性が欠けている。

合わせようとすることはあっても合うことはない。

戦場での指揮には向いていても、裏方の司令官のような素質は全くといっていいほどにない。

面倒なのでメタ的に言うと、能力はこんな感じである。

 

七夜志葵 (ただし、二つ名は『退魔』の神崎となっている)

筋力E+(C-) 耐久E(C) 魔力D(C+)敏捷C+(A)幸運E(E)

 

()内は人間基準、 ()外は人外基準。

スキル・『退魔』の一族A+ 『魔』の性質を持つモノ(要は人ならざる化け物)を相手にした際にステータス補正。相手が『混血』の場合さらに判定。

七夜の体術 A 七夜一族としては上位。本人曰く、「これだけは譲れない」とのこと

気配遮断B+ 将来的に見るならば、父親は上回るだろう。ただし、祖父を上回ることは決してない。

■■・■■ Ex 祖父から、父から受け継いだ奥義。本人の出生に問題があったため未だ不完全である。『七夜を知るものに教えを受けない限り正しい意味で完成させることは不可能だろう』

■■の魔眼 A+++ 言わずと知れた、魔眼No.1。驚異的な耐久力と攻撃性を誇るが、ちょっとした問題児でもある。

武偵ステータス

近接格闘S+-Sランク武偵の平均を上回るが、殺し合いという条件下でないと平均より下となる

銃撃戦闘B++ Sランク武偵としての技術は最底辺だが、事故が起こりうるスタイルをしているため油断は禁物。

精密狙撃E+++ これまたSランク武偵としてはありえない低さだが、時おりとんでもない爆発力を見せる。

 

 

 

 

 

 

 

そして、その時何処かでは全く別の物語が続いていた。

「ねえアルクェイド・・・貴女はいつまでそうしているの?」

深い闇の中、這いつくばっている金髪の女性に嘲るような、どことなく甘い声で黒髪の女性が語りかける。

「・・・・・・・」

対する『アルクェイド』と呼ばれた者は焦点の合わない目で空を見上げていた。

「相変わらず、つまらない妹よねぇ。そうは思わない?■■■。私達の家族」

語りかけられた金髪の男は目を向けていた本を閉じると溜め息をつきながら顔をあげる。

「・・・ええ、その通りですね母上━━いや、アルトルージュさん。つまらない、このままでは、実に、つまらない」

「そうよねぇ?じゃ・・・・いつも通りやってくださいな」

『アルトルージュと呼ばれた女性が指を鳴らすと、数々の---それも、星の数ほどではないかと錯覚する程の写真が宙に浮き現れる。

「さて、適当に餌と成りうる人間を選んだけれど。期待してるわよ?」

「フン━━━どれ、今日はこれだァ!」

■■■は写真に向けて一本のナイフを投げる。そして『アルトルージュ』が指を再び鳴らすと、貫かれた写真以外が宙から消え去る。

「あら、思ったより、早かったわねぇ?アルクェイド?」

その嘲るような態度は増していく一方だった。

撃ち抜かれたのは、武偵高の制服を着た一人の殺人鬼。

答えは、言うまでもないだろう。

その答えが出た刹那、この場にいた誰かが叫んだような気がした。それも、悲鳴を。

(思ったより、早かったのは本当だ。が━━━)

ナイフで一度宙を切る。想像していたよりも手に馴染む。

自らに流れる血液の波紋を感じる。

「━━━七夜志葵。次は、貴様を殺す」

「ええ、そうよ。■■■。私達、悪の救世主。貴方はそれでいいのよ?私達の希望、 二人目の転生者(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)。七夜志葵を殺し、この『世界』を貴方と私達が支配するの━━」

その言葉を最後に、一人の男が目を覚ます。とても悪い夢を、見たような気がした。




割と文脈とか単語とかの言い回しでヒント出てるので、最後の版権キャラの名前分かってる人いるんじゃないだろうか。

この辺の話しは金一(もしくはカナ)視点で再構成するかもしれない。

しかし金一って普段は、つまり金一っぽい時はどう戦ってるんでしょうね。そして死徒二十七祖の出番がそれぞれ少な過ぎて口調が分からない。

感想、意見、質問、誤字報告等ありましたらよろしくお願いします。ただ前回キンジを間違えて金二って書いたこと誰か気づいてたんだろうか。

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