異世界に転生したはいいけど原作キャラの兄とか聞いてないです   作:シャイニングピッグEX

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転生者要素は意図的に薄めにしています。設定が崩壊しかねないので。
型月要素、アリア要素、上手く共存させなくては。

って、書く前は思ってたけど。無茶苦茶型月度高く、急展開になっちゃったよ。そして切る場所的に短いです。


第二話 不穏な『世界』

金一と共に昼食を食べようと、店を探しに公園を離れようとした途端、制服の内ポケットの中の携帯が鳴り出す。

「・・・師匠だ、失礼するよ」

同じく弟子である金一に声をかける。

『あいつが連絡とってくるということは、ロクでもない話なんだろうな』

七夜が毒づいた。基本的に人を貶すのは好きではないのだが、こればっかりは同意せざるを得ない。

〔━━ああ、接触は上手くいったようで何よりだよ〕

いつものように感情を感じ取れない、社交辞令である。自分は、この電話先の「師匠」が苦手ではないが嫌いだった。

〔武偵高に縛られていたのでは出来ないことは多い。━━さて、少々危険な任務を与えよう〕

「師匠、これまであんたの持ってきた依頼でただの一つでも温いといえるものがあったか?」

少なくとも知り合いの電話にボイスチェンジャー使うやつはまともではないと思う。身分を隠す姿勢のみは尊重するけどな。

〔師匠とはそう易々と呼んでほしくはないのだがね。上で重大な変化があった、報告しよう〕

 

「その変化というのは?」

〔Oスコア1000級の任務が下された。武偵やその線でのトップにしか知らされてはいないがな。そして僕の予想が正しければ、恐らく、過去最大と言える危険性だ〕

そこに口を挟んだのは金一だった。

「そんな馬鹿な━━師匠、スコアはトップでも900が精々ではないのか?」

〔個人もしくはグループで解決できる範疇のものがUスコア1000級任務、世界規模で解決すべき極秘のものがOスコア1000級任務だ〕

この師匠はそもそも事を大きくも小さくもするタイプではない。にも関わらず、その師匠自身がこう言ったということは━━

「本当に世界の危機、ってことか。でもそんなことをなんで俺たちに?」

〔それは君の父親の嫌な贈り物とでも思っていてくれ。それに、七夜くんは適役なのさ〕

質問の答えになっていない、と七夜は無理矢理交代して声を上げたくなった。それは何故か、というのは言うまでもない。

『何も知らないやつが俺の父親を、遠野志貴と七夜志貴を侮辱するとは・・・!』

神崎志葵だけ、この中で七夜は感情を拗らせてこそいるが、七夜は誰より真っ直ぐなのだと分かっていた。

恐らくは、師匠にも何か思うところがあるのだろうが━━生き急ぐ七夜にそこまで察する余裕は無いのだろう。

『・・・・最後の七夜は俺だ。相棒以外に、この七夜の名を呼ばれたくはない』

この後で少々発散させてやろうと思ったが、そういうことを考えている場合でもない。第一、何より大切な任務内容を聞いていないのだ。

〔ああ、そうだ━━━どうやら、ここ最近死徒27祖にリーダーが出現したらしい〕

「━━あの我の強い奴等に、リーダーが!?」

志葵二人は話の重大さを理解していたが、金一はついていけないようだったので説明することにした。

死徒27祖とは、月姫において登場した我の強い奴等だ。吸血鬼の「最高ランク」そして、それぞれがそれぞれの方法で「不老不死」を実現している。あくまで想像ではあるが━━それぞれの強さがこの世界でいうSランク武偵が、最低でも3人は必要だろうか。

 

「・・・吸血鬼。そうか、七夜は『退魔』の一族だから、他よりも戦えるのか」

〔ああ。それに、彼には眼がある。不老不死だろうと打倒できるはずさ〕

「期待してくれるのは、ありがたいんだけれども」

『・・・・・フン』

七夜も、そう落ち込まないで欲しいんだが、嫌な思いではあるが、単独撃破は不可能な訳ではない。事実として、俺達は破ったことがあるわけだしな。

〔その通り。既に第二十一位は討たれている。流石だな〕

いやまあ、助っ人いなきゃ負けてたし、そもそもあいつ地上だと弱いんだがな。

というか27祖とは名ばかりだ。

〔空席は六つ、生きてるかどうかすら曖昧なモノが五つ、そもそも死徒の味方とは思えないようなモノが三つ〕

「実質半分もないじゃないか」

と、呆れ声の金一。割りとマジであいつら何がしたいのかわからんやついるからな。引きこもりとか通り魔野郎とか。

「・・・と、いうのもつい25年くらい前までの話なんだけどな」

『・・・・・・・・・ああ、確かに、その通りだよ』

━━七夜はこのままで大丈夫なのだろうかと思ってしまった。自分の手にはナイフすら戻っていない、その上「神崎」が足を引っ張ってしまっている。

〔だが、七夜。君は、純粋な「魔」とは相性が悪い。その為、他の退魔の一族とも一人や二人は合流したいのだが、異論は?〕

 

「そもそもあいつらが協力してくれるとはとてもじゃあないが・・・」

〔七夜くん、君の望んでいる情報についてはその都度送らせてもらう。そして、君には、この任務を果たすための武偵高代表の臨時チームに入ってもらう。リーダーは君、メンバーは〕

一人目、『双剣双銃(カドラ)のアリア』

おいちょっと待て、既に知ってる名前だぞ。

二人目、『レキ』

いやまあ、こういう任務にはピッタリなタイプの仕事人だろうけどさ。

三人目、副リーダー『遠山キンジ』

おい、となりにいる金一が卒倒しそうになったぞ。

「しかし急な任務だよな・・・いつまでだ?」

〔期限は存在しないというよりも、まだあちらも目立った動きを見せていない以上、どうにも出来ない。今は他の任務を果たしつつ戦力増強に務めるように〕

「俺もバックアップはしよう」

そこまで急務でもないのか。金一も気を使ってくれる。いや、そうでもしないと困る程度にはヤバイくらいピンチなんだけどな。

━━上手くいくといいんだが。後、やっぱり学校(笑)だったよ。次あったときは風穴開けてきそうだな、アリア。




やっぱり説明苦手れす・・・
質問、意見、感想等ありましたらよろしくお願いします。

次回からアリア達との絡みも多くなると思います。

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