異世界に転生したはいいけど原作キャラの兄とか聞いてないです 作:シャイニングピッグEX
そして二人の志葵の性格ブレががが・・・
七夜のほう→言い回し面倒臭く。ポエマーぽくなった・・・?
神崎のほう→奇術師っぽく性格軽く。芸人臭してきた
追記・やっべ題名ミスです 一瞬なので大丈夫だと思いますけど
「・・・こんなことして何をしたかったんだか」
あの後、屋上に連れ込まれ授業をサボるはめになったキンジ。これまで大概な経験をしてきたので何を今更、といった感じだが、平常な人間ならば慣れてはいけない。
「何、と言われても。そりゃテストよテスト」
「テスト?・・・わざわざ抜き打ちで?」
「そのとーり!味方を味方と思わないのも大切だぜキンジくんよぉぉぉ!」
それでここぞというときに味方を味方と信じれなくなったらどうしてくれるのだろうかこの駄先輩は。そして言い方がムカつく。
「というか、あんた女装もできるのな。・・・なんでよりによって理子の姿に?」
「そりゃ一番性格が似てるから」
意外と真面目な理由だったが、そんなもんで人の友人の姿使うセンパイはどうかと思う。だからこそ理子に似てる人だと聞くとなんとなく合点がいった。そしてこの先輩への好感度は下がった。
「変装の技術は、どこで習ったんだよ」
「昔、特殊部隊に・・・」
昔?この人の経歴にそんなものはなかったはずなんだが。しかし人となりがもう少し深く掴めるのではと追求する。
「特殊部隊?あんたそんなところに所属していたのか?」
「正確には違う。特殊部隊にいた人に色々教えてもらったんでね。生き残る術ってやつ?オレもあのころは尖ってたなー」
「尖ってたて・・・今もだろ」
「違いないな━━━あ、なんか食う?」
どこから取り出したのか、そこにはコンビニの袋が。それも男子高校生二人が昼を過ごすには十分な量だった。
ここで空気を読まないのもまずいかと、仕方無く袋を漁る。
そしてキンジはカレーパンを、志葵はミックスサンドを食べながら話す。
「しかしどうやったら銃弾を素手で跳ね返せるんだよ、それにあの防御といい・・・」
「それはまあ実戦でのお楽しみに、かな?ま、あのテストもお前を隊員にするかどうかの合否くらいは図れたんだしそれでご勘弁いただければ?」
気がついたら自らの力量を見られていたとなると、当然いい気はしない。というか情報の代わりがテストって許すわけない。
「しかし、こんな授業をサボってていいのかよ」
「前も抜けたんじゃ・・・いやいっか。まともじゃないのはお互い様ってことで。・・・そうだね、怪しまれる前に言っておこう。ただ、こっちになると無愛想だから気を付けろよ ?」
「何を━━━━」
次に口を開く前に、『彼』の雰囲気が変わったのが分かった。以前とは違う冷たい感覚が伝わることによって。
「・・・この通り、俺は多重人格者だ」
(いいのか相棒、ばらして。こいつ中々やるぞ?)
『いいんだよそんなこと。見せ札はちらつかせるもの。味方だからこそそれは曲げないでいい。二周くらい疑わせるくらいでね』
「お互い様、ってのは勿論・・・」
やはり俺のヒステリアモードについても、熟知しているのだろう。
かつて俺の兄と二人で活動していたのだから・・・それくらい知っていて然るべきか。
「理解できたようで何より。お前はアリアのパートナーに見初められてるのだったか?」
「アイツ見初められてるなんて表現が合うような人間じゃないだろ。・・・いやだから(避けたいから)あんな簡単に抜き打ちテストに引っ掛かったのか俺は」
「義兄の前で言うか。共にする可能性のあるやつのこと程度よく知っておけ」
余計なお世話だ。部屋を乗っ取られてたら嫌でもよくわかるよあんなやつのことは!
「だれが共にするか、あんな地雷物件を!」
この兄を思い出す厳格な物言いはすごく無愛想だ。お近づきになりにくいタイプだ。・・・・だからこそ俺が言うようなことでもないのだが。
「可能性としか言ってないはずだが?」
鋭い視線と指摘でキンジも少し緊張してしまう。
「・・・本気にしてないから反発したんだよ。駄先輩の義理の妹のことなんてな」
自分のことがよくわからなくなってきたぞ。言った通りのはずなんだが。
「・・・まあいい。だがああいう手合いは中々目にはかかれん。それに将来を見据えるにも早くはないだろう?」
そのために扱う人の方が扱われるようではどうしようもないのではないか・・・?今更か。
「しかしよく妙なプライドのある理子が変装なんか許可したな・・・いやもしかして知らない間にやったとか?」
「それは博打がすぎる。ゲーム三本で手がついた。存外の負担ですんだのは僥倖か」
とんでもなく理子らしい理由だった。色々と疑問が解決していく。存外の負担ってそれ、高いのか、それとも安いのか・・・?
「しかしまあ、こんな感じのテストを全員にやる気か?」
「お前だけだぞ」
「え?」
一瞬で思考が停止した。向こうはそんなキンジを無視して食事を進めるばかり。気がついたら焼きそばパンも食ってやがる。
「いや何て?」
「だからお前だけだと」
「どうしてだよ・・・」
「義妹のことくらいは把握している。それにレキの安定感は疑うべきものでもない」
「その点俺は不出来だと、そう言うつもりか?」
「言われたいのか?」
そう真顔に返事をしてきたのでつい笑いそうになったが堪える。
「そんなことはないけど・・・俺にだってそれなりのプライドくらいあるさ」
「プライドなど、高く持つ方が馬鹿げたものだと思うが」
柔くキンジにとって痛いところを突かれた。これまで女関係でプライドを持ってろくな結果に終わったことなどどれだけあるか、ということだ。そのくらいの自覚は自分にだってある。だがこの先輩からの悪口にすぎないだろうと無視することにした。
「お前にもこれまでに言った通りだ。可能性は可能性にすぎん」
「可能性、ね。そういや先輩の方は将来考えてるのか?」
「・・・・ふむ」
少し考え込むようだった。それも、気になる程度には長く。
「例えば、武偵のあれこれを活かして就職するとか」
「あてはないこともない」
妙に歯切れが悪いな。確かに今は就職難だがこの先輩に限って居場所に困ることはなさそうなんだけど、そうでもないのか?
「未だ伴侶もおらず、人としても武偵としても極限には達していない。自らの非力さを嘆くばかりだ」
「お、おう。でもそこまで急ぐことはないんじゃないか」
「どちらの話だ?夢を追いかける子供の如き行動を続けるのみならば切らせてもらうぞ」
こっちだと遠回しな言葉のせいかリズムが崩れやすい。
「それってどういう・・・」
ぐっ、肝心なところを全然聞けていないぞ!
「はい、ここまで」
「って、偽理子のほう・・・」
「偽理子いうなし。なんかいい呼び名ないのか・・・?」
いきなり考え付かない。別に同一人物呼んでるんだからいいだろう。
そこからはかなり長い間沈黙が続いた。
「しかし、日本も中々に世紀末だねえ。今や高校生が誰でも銃を持てるときた。それもあんな女の子でもだ」
「男女差別かよ、今どき」
「・・・いいや?別にぃ?」
やけにうざい口調である。なぜにこの話題でそうしたし。女が苦手な俺へのあてつけか?
「しかし先輩も謎ばかりだよな」
「そうしてる方が都合がいいからな。情報収集したんだろ?出てこなかったのか?」
「あー、俺は基本他人から貰う側だし・・・」
「他人任せは危ないぞ、ここぞってときのため複数のルートくらい用意しておけ。お前のヒロインのように」
最後は聞かなかったことにしてやるよクソ先輩。
「ああ。・・・それはそれとしてあれだけじゃ飯足りませんよ、俺」
「その取って付けたような敬語は何か企んでいるのか?・・・あんパン食う?」
キンジは返事も聞かずに奪い取った。先輩に対する敬意がないなこいつ。まああんな抜き打ちテストすれば当然か。
「しかしそろそろ昼放課だぞ、戻ったらどうだ?」
「・・・まあ、そうだな」
「やけに元気がないな。どうした?」
「志葵さん、あんた本当に仲間なんだろうな?」
苦笑しながらもようやく真面目に返事をしてくれた。
「まだ疑うのか。もちろん敵ではないよ。少なくとも君が人間である限りは。それと・・・明日は土曜日だよね?」
「確かにそうだが・・・何か?」
「9時」
・・・?何か約束でも・・・ああ!俺らチームでなんかやるんだったか!(曖昧)
「朝の9時。全員お前の部屋に集合で」
「いやなんでナチュラルに俺の部屋知ってるんだよ」
なんだ、最後までシリアスに耐えられないのか・・・と失笑された。解せぬ。
こうして学生らしく、それも先輩後輩として話をしたわけだが━━━掴めない男だ、神崎志葵。気がつけばペースを握られている。だからこそこちらも負けるわけにはいかない。怪しさが抜けたわけではないのだから。
(・・・どうした、相棒?)
『遠山キンジをここで消すべきか思案していたのさ』
(冗談が過ぎるぞ、相手は『ただの』高校生を目指している男だ)
『ただのも何も、だからこそさ。まあ有用そうだし、今はいいよ』
(・・・・そうか)
そう言って学校を抜け出そうとしたのだが・・・
「おい駄先輩!お前も昼休みに付き合え!」
「いーやーだー!あんな風穴中毒女と一緒にいたくないー!」
「あんたなんか蘭彪にずっと絞られとけ!」
・・・・思ってたよりこのチームは駄目かもしれない。
これからのキャラアレンジっぽくなっちゃったところはもう変えません あんまり原作ぽくしようとして自分の首絞めてることに気づいたので そこまで壊れた性格にはしないつもりですけどね
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