やはり俺とこのダンジョンは間違っている   作:ばーたるゃん

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 13階層再びです、今回は話が飛びますので、ご注意を。といっても中層域から出ませんが


ハチマンと13階層 再び

 

 

 

~1階層~

 

 

 ...ここにほっときゃ良いだろ、あ、魔石はもらっとこう、ポーション一本だけ飲ませといてやったんだしいいよね

 まぁ、ポーション一本に釣り合わないほど魔石を持ってたんだけど命が買えたと思えば安い安い

「さて、換金だ換金」

 

 

 

 7万...やべぇな、罪悪感が...少し、ほんの少し芽生えてきた

 いやでもな、前、襲ってきたやつだから

 その後、俺は一階層へ戻り、あの男にポーションをもう一本飲ませて帰った

 

 

~ホーム~

 

 

 ホームまで歩いていくと中からベルとヘスティアさんの声が聞こえてくる、その声はどこか慌てているようで...

 扉を開けようとドアノブへ手を伸ばすと中からベルが飛び出してきて、ぶつかった

 

―――――

 

「そう...か。なんて納得できるわけ無いだろう!?」

 

 ベルはダンジョンへと向かい、ヘスティアさんと一対一で話をしている

「いや、できるわけ無いって言われましてもねぇ...」

 俺は腕を話したわけだが、なかなか納得してもらえない

 

「...まぁいい、この話は今度だ。ボクももう行くよ」

 

「うす、行ってらっしゃい」

 よし、シャワーでも浴びるか

 

 

―――――

 

 

「...じゃが丸君...小豆クリームで」

 今、俺は空腹感を感じ、買い物に来ていた。

 じゃが丸くんは意外と何味でも美味しいらしいので、今日は挑戦だ

 小豆クリーム味、どんな味なのか...

 今日の夜はじゃが丸パラダイスだ(毎週3日はそう)

 

―――――

 

 その日は特に何も起こらず、平穏な日常を過ごせた

 まぁ、武器買ったりしたぐらいだ、5万使って

 

 

~明後日~

 

 

 さてさて、今日は中層進出の日。俺も完璧に回復したし準備万全だ

 昨日、ベルに中層進出のことを伝えるよう言っておき、今日を迎えた

 今は中央広場からヘスティアさんに見送られてダンジョンへもぐるところだ

 装備している剣は昨日買ったものだ、なかなか丈夫で、使い勝手もいい

 さて、ダンジョン、再びだ、昨日の男は回収されたかどうかしてもう居なくなっていた

 

 

~12階層~

 

 

 俺たち4人は難なくここへたどり着き、作戦会議をしていた

 

「ヘルハウンドがでたら、真っ先にたたけばいいんだな?」

 

「はい、サラマンダーウールがあったとしてもあの炎は十分脅威です」

 

 前衛は俺とヴェルフ、中衛はベル、後衛はリリルカ、後衛に魔法使い的な人がほしいがな...

「俺が知ってる情報はあらかじめいっといたし、もう伝えとくことはないか?リリルカ」

 

「そうですね...あぁ、殺されないでくださいね」

 

「たぶんだが、ここのモンスターならギリギリ―――」

 

「いえ、他の冒険者にです」

 

「俺はモンスターか何かか?」

 ...その気持ちは分かるけどね...分かっちゃうんだ

「...っおい、他には」

 

「特に無いです、では、ベル様、行きましょう!」

 

 

―――――

 

 

 

 13階層再びだ、そういえばこの間ミノタウロスをつきおとしたが...まぁ、誰かが倒しただろ

 ここについてしばらくたち、モンスターを見てリリルカが言葉を発した

 

「...あれは、最初に言ってたアレってもしかして...」

 

「あぁ、あいつだろうな、ベルが相手とはきついな」

 

「ヴェルフッ!?」

 

「ほんとにな、始めて見たときは驚いた、まさかのベルだ」

 

「ハチマンもやめてよっ!?」

 

 ...さて...と、ほんとにやる気にならねぇとな、相手は4体か

 

「はぁ...倒すのをためらうのは初めてです...あんなに可愛いのに」

 

『キャウッ!』『キィ、キュイ!』

 

 もうアレ、強化種のせいで俺に躊躇いは一切ない。あ、やっぱ嘘、少しはある、ベルみたいだから

 

 

~数十分後~

 

 

「おいおい!この数は嘘だろ!?」

 

「無駄口たたかないでくださいッ!」

 

 今は四方八方から襲い掛かってくる一角獣たちを相手に戦っている、人が多いとこに集まるのか、この前一人で降りたときよりも多い

 ...ん?なんだ?冒険者達が近づいてきているような...うん、来てるねあれ。

 その冒険者たちは俺たちの戦域をかすめて過ぎていった

 ...なんだ、いや、まさか...

 

「――!?いけません、押し付けられました!」

「退却しますッ!」

 

 だよねっ、押し付けられたよね。

 

「先行って!」

「【ファイアボルト】!」

 

 ...通路が炎で埋め尽くされるってはじめて見た

 っとそんなこと言ってる場合じゃねぇ

 

『オオオオオオォォォォ!』

 

 炎の中から飛び出してきた狼二匹を倒し、すぐまた戦闘体勢をとる

 

「皆!大丈夫!?」

 

「心配してる暇はねぇぞ」

 ...流石に多いな、階段に向かって一直線に...

 

――ビキリ。

 

 何だこの音...

 

「次は何処だッ!?」

 

「分かるかよッ...!いや、上だ!」

 

『キィァァァァァァ!!』

 

  モンスターの発生とともに天井は崩落した

 

「「「「―――ッ!」」」」

 

  落石がハチマンたちを埋め尽くしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにが...起こった...」

 かすかにしか出せない声でつぶやいた

「ぐっ...」

 頭が痛い、体も、どうやら落石でダメージをおったようだ

 だがこれならポーションで...は?

 ポーチに入れてあった試験管は全て割れていた、じゃあ仕方ない...

「【インガーンノ】...」

 回復に意識をまわし魔法を発動させた、すると10秒ほどで体の痛みは消え、うけた傷もふさがっていった

 後20秒、ベル達は...居た、重症だな...

 俺は岩の瓦礫の下から3人を引きずりだした、そして、剣で壁に大きな傷をつけた、ダンジョンは回復を優先するのでこうするとモンスターが一定時間生まれないのだ

  その三人を床に寝かせて自分と仲間の状況を確認した

 ベルは落ちてきたばっかりの俺と同じ状態、ヴェルフは片足負傷、リリルカは目立った外傷はなし、ポーションが4、解毒薬2...か

 

―――――

 

「...起きたか、ベル、リリルカ」

  二人が起き、何が起こったか確認しようとしている

 ここにモンスターが沸くまでまだ時間はある、今後どうするか考える暇ぐらいはある、まぁ多少は来るんだけど、全部撃退してやりましたよ

 しかも、来たモンスターで15階層だということが分かった、俺有能すぎない?

「ヴェルフも起きたようだな」

「...さて、何があったのか理解できたか?」

「今、俺らは15階層にいるんだが、このままここにいれば全員終わりだろう、ということで1階層へ戻る必要がある」

「...それか18階層だ」

 

「18階層...おい、なんでだ、ハチマン」

 

「もう一個の道だ。どうだ、リリルカ」

 

「...えぇ、そう、かも知れません」

 

「おい、俺にはお前らが何を言ってるか分からん、下に下りる?正気か?」

 

「お前知らねぇの?18階層は安全地帯で...」

 

「いや、それは知ってる、下に下りる、ってことだ、これ以上下の階層になんて...」

 

「縦穴を利用すりゃ良い、正攻法で降りる必要なんざ無いんだ」

 

「じ、じゃあ階層主は?」

 

 ヴェルフの問いにリリルカが答えた

 

「ロキファミリアが遠征でほぼ確実に討伐したはずです、そして今ならギリギリ復活の前につけるはず」

 

「...というわけだ」

「...ベル、どうする、下を目指すか、上を目指すか、全滅の可能性はどちらにもある」

 俺のこの言葉を聴いてベルが発した言葉は一言

 

「進もう」

 

 

――――

 

 

 ...はは、ひっどい状況

 今、俺は最悪の状況に現実逃避をせざるを得なかった

 何が起こったか、そうだな、要約しよう

 まず、マインドダウンでヴェルフ、そして先程リリルカが気絶。ベルもかなり消耗している

 ベルにはもう下がっててもらおう

「おい、ベル、リリルカを担いでついて来い」

 俺は、体力を温存...していたわけではないが、残っている、15階層までのダメージ、疲労が消えたんだからそりゃそうか

 

「でも、ハチマン、僕は...」

 

「お前に倒れられても困るんだよ、俺のためにそうしてくれ」

 

「...あぁ、ごめん、そうさせてもらうよ」

 

 俺はベルがリリルカを担いだことを確認して、先へ足を進めた

 

 

―――――

 

 

「べル、ここ、降りるぞ」

 縦穴発見だ、ここを降りれば17階層、目的地まであと少しだ

 ベルが縦穴に飛び降りるたのを確認して、俺も縦穴に飛び込んだ

 疲労が無い、とはいえない、結構疲れている、言うなら普通にダンジョンもぐったときの帰り。

 そのぐらいには疲れがたまってきているということだ

 さて、17...階層だ

 

 

―――――

 

 

 この階層についてからどれくらい経っただろうか、3時間...いや1時間かも知れない

「...はは...」

 自分がまるでテンプレのような事を考えてることに笑いが出る

 受けた傷からは血が流れ、視界が赤くなっている、もう体力は0に等しい、ベルはもう、ついてくるだけでもつらいだろう、ましてや人を一人背負ってだ

 俺がリリルカを持って行くことも提案したが、却下された、何度も。ヴェルフが起きてくれれば少しは楽になると思うんだがな...それは望めないだろう

 何のヒントもなく、いつ敵が出てくるか分からない道を歩く

 っと。...なんだここ

 俺たちは広いルーム、おそらく本来、階層主がいる場所にでた、奥には下に続く洞窟が見える、それだけなら不審に思わないのだ、だがこんなに静かなもんなのか?

 ...いや、それならそれでいい、18階層への階段はもう見えているんだ、もう少し...

  そのとき

 

  バキリ、と

 

「―――――バキリ...?」

 俺は見た、大壁に亀裂ができたのを、モンスター発生の亀裂だ

 不味い、これは...

 

『オォォォォォオオオオ!!』

 

「ベルッ、走れッ!」

 

「あっ、あぁっ!!」

 

 階層主、ゴライアスが出てきて、標準を俺たちに向け。腕を振り下ろした

 間に合うか、いや、このままでは全員は絶対に間に合わない

 俺は先に見える洞窟にヴェルフを投げ飛ばした

 そして、少し前で驚くベルを前へ全力で突き飛ばした

 これでいい、ぎりぎりセーフだ

 

「ハチマンッ!!」

 

 ベルが洞窟へ吹き飛びながら俺へ手を伸ばした、その手を取ろうにも、ここからでは間に合わない

 ...魔法がもう一度使えれば...いや、まさか

「...【インガーンノ】!」

 駄目か、まぁそうだよな。そう上手くいくわけがない、人生ってのはそういうもんだ、まだ4分の1くらいしか生きてないが

 もともと俺はここの住人ではないしここで生きる目的も無い

 ...終わりだ、ここまでに後悔は...ある、が、どうしようもないものだ

 俺はここまでつなぎとめていた意識を手放した

 

 




 次は3月中盤...ぐらいになると思います。むしろ今の時期に出したことが異常なんですがね...あ、遅かった言い訳とかじゃないです。


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