やはり俺とこのダンジョンは間違っている 作:ばーたるゃん
~地上~
あの後まさか疲労で倒れるとは思ってなかったな...
「重い...もうだめだ、ベル」
「や、やっぱり持つよ、ハチマン」
「駄目です、ベル様、それではハチマン様のためになりませんよ?」
ぐっ...く...っそ!
「行くぞぉぉ!」
今、俺は試練を課せられている、リリルカから。こんな疲れているのに
「さぁさぁハチマン様、明日は休みですよ!がんばってください!」
ドロップアイテムを換金してほしくなかったらこのバックパックを持って行けというものだった。元は俺のだよね?
「はい、換金所到着です、お疲れ様でした」
やっとか...このドロップアイテムはヴェルフに加工してもらう手はずになっているのでヴェルフに渡しておく
「結構上質だぞ、しかも竜のだからな、炎は結構防いでくれるだろうな」
「マジかよ...まぁいいや、頼んだ、じゃあな」
「あぁ、あと忘れてないと思うが明日は休みだぞ、分かったな」
明日はリリルカの用事で休みになったのだ、俺も一応
「じゃあ帰ろうか、ハチマン」
その後一度倒れた俺はベルに背負われて帰った
~ホーム~
「お帰りー!ってハチマン君!?大丈夫かい!?」
「おろしてくれ、ベル、もう大丈夫だ」
「うん、ちょっと横になってなよ」
「あ、あぁ...」
「ハチマン君、大丈夫かい?」
「まぁ、こんなの寝れば治りますよ...ただの疲れですし」
「確かに大きな傷はないからな...」
「シャワー浴びて飯食ってすぐ寝ますよ」
「うん、そうするといい、キミは休んでてくれ、僕らが夕飯を用意するよ」
「えぇ、すいません」
~夕飯後~
「ちょっと外いってきますね」
「あれ?寝ないのかい?」
「ちょっと食ってすぐはあれなんで...」
「そうか、それじゃすぐ帰ってくるんだぜ?」
あぁーあ、外は涼しいねぇ...っと
「明日は休み...魔法を試してみたい...が、あ、いい相手がいたじゃないか」
ベル、あいつなら分かりやすい
~次の日、昼~
「なぁ、ベル、このあとどうせ暇だろ?」
「え?う、うん、一応何もないけど...」
「俺と組み手しようぜ、模擬戦用のナイフ買ってきたから」
準備周到な俺!そこにしびれるあこがれるぅ!
「でも、どこで?」
「そりゃあ、決まってんだろ?ダンジョンだよ」
そう、ダンジョンだ、まぁ、3層目くらいで広い部屋を探せばいいだろ
...しかし...いつもどおりのはずなのに違和感がすげぇな、なんでだ?
~ダンジョン~
というわけでダンジョン、3層目だ
「ベル、準備はいいか?」
「あぁ!いつでもいいよ」
あくまで魔法による差を調べるためだ、だが、油断禁物だ
「3、2、1...ハァッ!」
ガッ、と音をたてて模擬ナイフが重なる
「はやいね、かなり、でもまだまだだよっ!」
蹴りが来た、早ッ―――――あたってない...?寸止めしたか
「おい、ベル、別に寸止めはしなくてもいい」
「え、でも...」
「大丈夫だ、ほんじゃいくぞ」
俺が動いた瞬間にベルも動きはじめ俺たちの間合いは一瞬でなくなった
またもガッ、という音を立てて模擬ナイフがぶつかる
...ぎりぎり...っだな!
「おい、ベル、これから30秒間、注意しろよ」
「えっ?」
『インガーンノ』
次の瞬間俺はベルの後ろに回り...込んだと思ったが、この動きにギリギリついてきてるな、なら、もっと早く!
「ベル、残念だがここで終わりだ」
約20秒間ベルを翻弄する形で動き回ってベルの脚をはらいナイフを突きつけた
「チェックメイトだ、ベル」
「...え、えぇっ!?今、一体なにが...」
「だから言ったろ、注意しろって」
「僕スピードには自身あったんだけどな...まったく見えなかった」
ということはベルを超えてるという認識でいいんだな、なるほど
「あのさ...今のは?」
「さぁな、なんだろうな」
いまのステイタスは...っと、昨日寝てる間にだが更新してくれていたらしく今日の朝、紙を渡されたのだ
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Lv:1
力 E 460→SS 1064
耐久 B 798→SSS 1700
器用 C 680→S 970
俊敏 B 780→SSS 1204
魔力 I 60 →F 300
MAGIC:[インガーンノ]
・速攻魔法
・一日一度使用可能
・30秒間、自身の能力を大幅に上昇
SKILL:
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...なんで朝気づかなかったんだ俺、SSSってなんだよ...
「よし、ベル、模擬戦の続きしようぜ」
「うん」
~一時間後~
「よし、次俺が気絶したら終わろう」
俺は4度目の気絶から復活し、ベルと向かい合っていた
「まるで僕を見てるみたいで悲しくなるんだけどな...」
「最後の一回だ、本気で行くぞ?」
なんちゃって、ずっと本気でした
その後、俺は本日5度目の気絶を迎えた
「ハチマン、あの...大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ...あ、ちょっと目眩が...」
「え、あ、どうしよう!」
「なんてな、冗談だ」
その後はホームへ戻り、シャワー浴びて、飯食って、寝た、我ながらなんて完璧なんだ
~深夜~
ふと目がさめた俺は誰かに見られているような気がして外へ出た
「視線は...バベルの方角からか?」
周りからの視線に慣れていることとステイタスによる知覚上昇で大体どこから見られているかすぐ分かるようにまでになっていた、
~バベル前~
これはバベルの中からだな...だが、推測するに最上階からなぞの視線を感じる
ん?感じなくなった...?いったいなんだったんだ...
「ん?ハチマンか?」
「...ヴェルフか?なにしてんだこんな時間に」
「俺はようやく暇ができたからな、寝る前にもういちど風呂でも、と思ってきたんだ、どうだ?一緒に行くか?」
「いや、いい、それより今日一日なにしてたんだ?」
「お前はもう忘れたのか?」
「...?あ、あぁ!あれかぁ!」
忘れてたな...ま、こんど受け取る手はずになってるから俺が覚えてようがいまいが関係なかったんだけどな
「それなりのものにはなったぞ、次もぐるとき、もって来てやる」
「おぉ、頼むわ、じゃあな」
次回『悪辣なる怠惰』
嘘です
次回は『ハチマンと13階層』