やはり俺とこのダンジョンは間違っている 作:ばーたるゃん
「───せぇーのッ!!」
凄まじい横槍が入った、ベルが槍のごとく片方のシルバーバックへ飛び蹴りをかましたのだ
「ヴェルフさん!」
...そこからは早かった、こいつらはあっという間に二匹のシルバーバックを倒してしまった
...今はリリルカが魔石を集めているのを手伝っている、ベルとヴェルフには休めって言ってたのになんで俺だけ...
「おい、リリルカ、これはお前の仕事じゃないのか?」
「何言ってるんですか?ハチマン様はあまり働いてないじゃないですか」
「いや、俺も結構倒してたぞ、10匹ぐらいな」
「はいはい、分かりました、早く集めてください」
こいつ...全然わかってねぇな、くっそ...しかしほかの連中も増えてきたな、取られる前にさっさと集めるか
『──────オオオオオオオオオオオッ!!』
なんだっ!?咆哮!?
「『インファイト・ドラゴン』...?」
近くの誰かの声がたまたま聞こえてきた、咆哮が聞こえた方に目を向けてみると近くにいたエルフが壁へ叩きつけられていた、えぇ...こっわ
「リリスケ!逃げろっ!!」
次の瞬間には竜はリリルカに標準を定め突撃していた
「──ッ!」
俺はリリルカをつきとばし、突進してくる竜を見据えた
『―――ッグ、オオオオオオオォッ!』
「...っ!」
「【ファイア・ボルト】!」
次の瞬間、閃光が竜を撃ち抜き、壁をも粉砕した
「......」
ルームの中の視線は一人の冒険者に注目していた
~ホーム~
「...ふぅ」
「ベル君、疲れているならボクとハチマン君で夕飯の支度をするよ?」
「それじゃあお言葉に甘えて...お願いします」
「ハチマン君、最近、ベル君に変な様子は無かったかい?」
「...ひとつ、気になることがあるんですが」
これは気のせいかもしれないが、一応話しておこう
「ベルには悪いんですけどうまく行き過ぎていると思うんです」
「うまく行き過ぎてる...どんなふうにだい?」
「この間のミノタウロスや酒場に置いてあったという魔導書、一ヶ月半でレベルアップ...そんなところですかね」
「...そ、そうか!ミノタウロスや魔導書は運が良かったんだと思うぜ!うん!」
「...レベルアップはどうなんですかね」
「...っ」
レベルアップについては何かを知っている感じだな
「まぁ良いですよ、話せないなら話せないで、無理には聞きません」
だって、ねぇ?
「あ、あぁ、ありがとう、ハチマン君」
「へぇ、その鍛冶師君はいい子そうじゃないか」
「はい!これで武具の心配は無くなりました!」
「まぁ、そんなに人が良くて男だったら何も問題は無い!ボクも大歓迎だ!ベル君、ハチマン君、その子を逃すんじゃないぜ?」
「あー、はいそうですね、ところでヘスティア様、ひとついいですか?」
「ん?なんだい?」
「今話したヴェルフの『クロッゾ』という家名について、何かわかることは無いですかね」
「『クロッゾの魔剣』か、そのくらいの話なら分かるけど君たちと同じくらいの知識しかないと思うぜ?」
「そうですか、ならいいんです」
「いや、ヴェルフ君個人の情報なら少しは分かるよ」
そうか、確かヘスティアさんはヘファイストス・ファミリアで働いているんだったか
話はこうだ、ヴェルフは魔剣が打てるが頑なに打たないという事だった、やっぱり訳ありかよ...あいつ
次回、ハチマンと鍛冶師の事情