あるところのある日、静かに伝説が始まろうとしていた。
「ここはどこだ?」
そこは、森、と言うか山であった。
ところで、この男の名は早川 聡年齢は不明だ。
で、ここはどこかと言うと、読者には言おう。
ここは、「幻想郷」人から妖、神までも、あらゆる者達の居場所であり、存在意義でもある。
で、そんな所にこの男がなぜいるのかというと、それは遡ること半日前。
早川は地元では有名な悪ガキで、毎日のように喧嘩をしていた。
今日は喧嘩帰りに帰路についていた。
「よう、オバサン、そこどいてくんない?」
と、オバサン呼ばわりしたのは────
「あら、それは私のことかしら」
鬼と言うか妖怪というか、まぁそんな顔をした、妖怪の賢者様であった。
まぁ、なんだ?賢者様の逆鱗に触れた早川は予想通り、神隠しにあい、連れてこられたわけである。
「アノ・・・クソババアがーーっ!!」
と、叫んでみるも、帰ってくるのはやまびこだけであり、人もいなければ動物もいない。
「なんだよもー、どうすれば良いんだyo!」
「くそ、こんな時に誰かいればな」
と、ただ、誰かに助けを求めた次の瞬間。
「どうしましたか?」
「!?」
綺麗な新緑の色をした髪の毛に深緑色の双眸、コスプレのような服、そして整った美しい顔、
どれをとっても、早川のいた所にはいない美少女だった。
「良かった、助けてくれ、変な胡散臭い女に飛ばされたんだ、と思う」
「え?変な胡散臭い女?あぁ、紫さんですね」
「ゆかり?そんなことよりここはどこ?!」
「ここは幻想郷の妖怪の山ですよ」
「へ?妖怪?」
この娘は何を言っているんだろうか、と思いながらも。
「てか、幻想郷?」
「はい、幻想郷です、あなたがいた外の世界から隔離された世界です」
「つまり?何?」
「あなたは帰れないと思います」
「ヘェア?!」
「私も外の世界の住人でしたし、慣れますよ」
「慣れますよ、じゃなくて家族とかは?!」
「こちらの世界の1秒は向こうよりだいぶ遅いので、もうあなたの知ってる家族は全員墓の中だと思いますよ?」
「嘘だろ?」
知ってる家族は全員墓の中、つまり逆に戻っても面倒なことになると早川は考えた。
「じゃあ、村とかまで案内してください」
「えぇ、分かりました」
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「着きましたよ」
「oh......」
そこは、何とも言えない、完全木製の民家があり、柵や、堀で、囲まれていた。
「本当にここに住むんですか?」
「いや、ちょっとこれは、もっと気楽に住める場所はないんですか?」
「あるには、あるんですけど、そこの大家さんは怖いですよ?」
「?とりあえず連れていってください」
「じゃあこちらへ」
集落を逸れて、再び森のようなところへ、しかしさっきと違い、人気が全く無いわけではない、石畳があるからだろうか。
「ここがその気楽に住める場所、博麗神社です」
「え?神社?」
「そ、それでは私は怖いので逃げます」
「え、ちょ!」
「またいつか会いましょう!」
と、そそくさと逃げ去って行った少女であった。
「さて、どうしたものか」
「何時までも鳥居の下にいる訳にはいかないし」
「とりあえず人がいるか確かめてみるか」
と、歩き出した早川の足元に────
グサッ!
「へ?」
足元には何やら怪しげな御札が刺さっていた。
「アンタ、誰?」
前を見るとそこにはやる気のなさそうなまたもや美少女がいた。
「え、早川 聡です」
「ふーん嘘じゃないみたいね、で何のよう?」
「しばらく泊めてもらえないで「無理」えぇ?」
「無理よ、面倒臭いし」
「え、でもどこにも行く宛がないんです」
「無理」
「家事とか手伝います」
「・・・無理」
「働きます」
「よし、採用、上がりなさい部屋へ案内するわ」
なんだ?面接でもしてたのか?
「ここがあなたの部屋よ」
畳が9枚だから9畳か?とりあえず広かった。
「あと、隣は私の部屋だから来ないこと」
「覗いたら?」
「殺す」
やる気のなかった少女に殺気が現れたので冗談では無いらしい。
「風呂はあっちで厠はあっちetc」
「で、アンタの仕事は食料調達ね」
「うわ、ハードだな」
「うるさいわね、文句があるなら出ていきなさい」
「文句ありません!」
「よろしい!じゃあ行ってこい!」
全く、人使いの荒い娘だ。
やっと、完成しました物語考えるのに1時間もかかりましたよ。