☓月□日
晴れ
アクセラレータがわたし達の家にきてから、三日目です。
昨日、わたし達に美味しい料理を作って農業の計画を任されたアクセラレータは、あり得ない暴挙に出ました。
話は、今日の朝まで遡ります。
朝、寝床から出てきたアクセラレータは、大きな壺を持って、わたしを村の中心まで連れて行って、わたしに人がたくさん住んでいる家はどこにあるか聞いてきました。
わたしが村の中で人が一番多く住んでいる家を教えると、
「おい、チョットそこまで案内しろォ、クソガキィ」
と言って、わたしが「だから、クソガキじゃないってぇ!」と抗議するのも無視して、わたしを無理やり案内係にさせました。
わたしがその家まで案内すると、アクセラレータは家のドアを叩いてその家の人を呼んで、とてつもないことを言いました。
「お前らの家の家族とお前らの家の家畜が出した糞尿を貰えねェか?」
アクセラレータの発言にドン引きしてしまってアクセラレータから十歩くらい後ずさってしまったわたしは悪くないと思います。
その家の人も唖然としていましたが、アクセラレータが本気で言っているのを感じ取ると、理由は聞かずにアクセラレータが持っていた大きな壺にソレを入れてくれました。
帰り道、とっても臭う壺を抱えて歩いているアクセラレータから距離をとって歩いていたわたしは、アクセラレータに聞いてみました。
「アクセラレータ、その壺の中の糞尿を何に使うの?ま…まさか、食べるんじゃないよね?」
「あァ?俺が食うだァ?こんな汚ェモンを?オイオイ、どうかしちまったのかァ?まさかてめェ、マズイモンでも食いすぎて、脳細胞が死んじまったのかァ?」
「そ、そんなわけないじゃない!そうなると、もしかして…わたし達に食べさせるつもり?」
「ハア?お前、もしかして糞尿は食うモンだとでも思ってんのかァ?ンなわけねェだろォ、コイツは畑に撒くンだよォ」
「は、畑に撒くの?そんなことしたら、野菜が腐っちゃうじゃない!」
「ハア、全くこれだから古代人のバカ共は…いいか、クソガキィ。人間だの、家畜だのの糞尿にはなァ、栄養があるんだよォ。だから、コレを畑に撒くことで、畑の土に栄養をつけるんだァ。」
なるほど、聞いてみると確かに納得できるかもしれませんが、それでもわざわざ他の家の人のところまで行って糞尿をもらうっていうのは納得できません。やっぱりコレは暴挙です、暴挙。
そして畑に到着したら、アクセラレータは本当に畑に糞尿を撒いていました。
冗談だったら良かったんですが…。
道を歩いている村の人達の視線が痛かったです。
糞尿を撒いて、臭う畑を鼻をつまみながら耕してからお昼ごはんを食べた後、アクセラレータは今度は森の方に歩き出しました。
今度は何をしにいくのか、と聞くと、肥料になる落ち葉を探しに行くそうです。
もう理由は聞きません。たぶん、落ち葉には栄養があるのでしょう。
でも、森の中には魔獣が出てくるから危険だ、と言うと、
「オイオイ、忘れたのかァ?お前と初めてあったとき、俺は素手で魔獣をブッ飛ばしたンだぜェ?」
と言っていたので、わたしも納得してアクセラレータについていきました。
アクセラレータが、「オイテメエ、何でさりげ無くついて来てやがるゥ?」と聞いてきましたが、満面の笑顔で「何かあったら、守ってくれるよね!」と言ったら、少しだけ顔を赤くして、「ヘイヘイ、分かりましたァ」って言ってくれました。
ちょっとだけ、嬉しかったです。
森の中で、アクセラレータは、時々現れる魔獣を殴り飛ばしながら、落ち葉を壺の中にいれていきました。
壺が落ち葉で満たされたあと、わたし達はまた畑に戻りました。
そしてまた畑に落ち葉を撒いて、畑を耕して土と落ち葉を耕しました。
夕ご飯は、森の中でアクセラレータが殴り飛ばした魔獣たちの焼肉でした。
魔獣なんてモノが本当に食べれるか心配でしたが、アクセラレータいわく、「肉は焼いて塩降れば大体食えるだろォ」だそうなので恐る恐る食べてみたら、すごく美味しかったです。
ケイ兄さんも、「魔獣を食うだなんて…」とブツクサ言いながらも、がっついていました。
料理屋でも開けるのではないでしょうか。
今日は、人や家畜の糞尿を畑に撒いたり、魔獣を焼いて食べたりと、アクセラレータに本当に常識があるのか心配になってきました。
明日は、彼はどんなことをわたし達にしてくれるのでしょうか。
明日が楽しみです。
何だか一方通行がドラえもんみたいになってきてる気がする…
あと、気づいたら、アルトリアが一方通行には敬語を使っていないということになってしまっていた…
まあ、アルトリアが大人になったら敬語を使わせますので。
幼少期は、純粋無垢だから、親しいものには敬語を使っていないということで。