あるとりあくせられーた日記   作:疾走する人

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書き忘れていましたが、一方通行は、すでに黒い翼も白い翼も使いこなせる状態です。

AIM力場は、魔術師たちが無意識のうちに出している魔力の集合体で代用、ということで。


べくとるへんかん

☓月◯日

 

晴れ

 

アクセラレータがわたしの家に来て、わたしの家族になってから一日がたちました。

 

兄さんにアクセラレータが家に来ることを納得してもらったあと、食事の席でケイ兄さんがアクセラレータにいろんな事を質問していました。。

 

どこから来たのか、とか、何歳なのか、とか、何で見た目が真っ白なのか、とか。

 

でも、あまりにもケイ兄さんがうるさく何度も質問したからか、アクセラレータがついにキレて、早速ケイ兄さんと喧嘩を起こしちゃいました。

 

まあ、普通の殴り合いとかの喧嘩じゃなくて言葉で殴り合ってたような感じだったから殴り合いよりはまだマシだったけど、ケイ兄さんは相当な毒舌家だし、アクセラレータもなかなかに口が悪かったため、なんというか、口喧嘩というよりかは暴言の言い合いになってたと思います。

 

そんなこんなでなかなか口喧嘩が終わらなかったため、わたしが仲裁に入ってなんとか止めさせました。

 

口喧嘩が終わったあと、ケイ兄さんが

「口が悪い毒舌家っていう俺のキャラが取られる…」

とか言ってました。

 

 

 

 

 

 

…………キャラ作りのために毒舌家になったわけじゃないよね?

 

まあ、そんな感じで夜がふけて、朝になりました。

 

あのモヤシみたいな体だったらできないかもしれないけど、と思いながらアクセラレータに農作業をやらせることになりました。

 

ケイ兄さんいわく、生きるのならば働かなければならないらしくて、嫌がるアクセラレータに無理やり農作業をやらせました。

 

でも、意外なことに、アクセラレータは手際よく畑を耕していました。

 

しかも、わたしよりも手際よく耕していくものだから、アクセラレータにそのモヤシみたいな体でどうやってそんなに畑を耕せるの、と聞いたら、

 

「あァ?そりゃァ俺の能力のベクトル変換をうまく使えば力なんてうまい具合に入って行くからなァ…あと、学園都市…いや、俺の故郷では農作業の効率的な進め方っつー論文を出してたヤツもいたからなァ…おイ!モヤシって何だ、モヤシってェ?」

 

だそうです。

 

でも、ベクトル変換って何だろ?って思って聞いてみたら、

 

「ベクトル変換ッつーのは、簡単に言うと、様々な物の方向を無理やり操る能力だァ。まァ、お前らで言うところの魔法ッてとこだろうなァ」

 

って言ってました。

 

物の向きを変える魔法っていうのは具体的には想像できませんでしたが、とりあえずすごい魔法だっていうのはなんとなく分かりました。

 

まあ、なんとなくしか分からない、って言ったら、「やっぱりガキだなァ」とか言って馬鹿にされそうだったから言いませんでしたけど。

 

あと、農作業が終わった昼頃、お昼ごはんを食べているときにアクセラレータが

「ここの飯はマズいなァ、しかも農作業もメッチャ効率が悪ィことばっかやってるし、ここには馬鹿しかいねェのかァ?」

って言ってたので、ムッとなって

 

「どこらへんが悪いことなのよ?」

 

って聞いたら、

 

「まず、農作業に使う肥料が無いとかマジでどういう事だァ?牛の糞だの馬の糞だの枯れた木の葉だのを肥料に使えば簡単にできるだろォ。それによォ。流石に昼飯がマズい野菜をかじるだけッてのはどうなんだァ?塩と水さえあればなんとかなるだろォ。たぶん俺の方がうまく作れるぞォ?」

 

そう言われたので、勢いに乗って、じゃあ今日の夕飯はアクセラレータが作ってよ、なんて言っちゃいました。

 

本人はOKしてくれましたが、わたしにはアクセラレータが料理をできるようには思えなかったので少しだけ後悔していました。

 

 

 

 

 

夜になって、ケイ兄さんに事情を説明してアクセラレータが料理をすることをOKしてもらいましたが、ケイ兄さんも半信半疑な顔をしていました。

 

その気持ち、よくわかりますよ、ケイ兄さん。

アクセラレータが農作業をすることさえできない様に見えるんだから、到底料理をできるようには見えませんよね。

 

アクセラレータがキッチンから出てきたときに、たぶんわたしとケイ兄さんは、呆けたような顔をしていたと思います。

 

だって、アクセラレータが出してきた料理が、今まで食べてきた食べ物の中で一番美味しそうな匂いを出していたんですから。

 

アクセラレータは

「まさか黄泉川に無理やり料理を叩き込まれたことがこんなところで役に立つとはなァ…」

 

なんて言っていた気がしましたが、そんなもの関係ありません。今まで食べてきたものと比べると格段においしかったスープとパンを食べきって、何度もおかわりをすることこそがわたしの使命だったのですから。

 

横を見てみると、ケイ兄さんもガツガツと貪るように食べていましたから、ケイ兄さんも相当満足したのでしょう。

 

アクセラレータは「これでもまだまだ他の奴らに比べると料理は半人前だと思うンだがなァ…」なんて言っていましたが、到底信じられません。王宮に料理人として召し抱えられてもおかしくないレベルじゃないですか。

 

この一件でケイ兄さんがアクセラレータへの信頼度を大きく上げたみたいで、アクセラレータに

「よし!これからは農業もアクセラレータの言うようにやってみよう!」

なんて言っていましたが、大丈夫でしょうか。

 

いえ、大丈夫でしょう。アクセラレータは、色んな知識を持っているらしいですから。成功するに決まっています。

 

 

 

今日の日記は、ここまでにしておきます。

ああ、今日も一日疲れました。

明日は、アクセラレータはどんなことをわたし達にしてくれるのでしょうか。とっても楽しみです。




料理ができる一方通行ェ…。

まあ、後々のストーリーでなんか戦闘能力以外に一方通行の個性が必要になる可能性がありましたので、一方通行は料理ができることにしました。

学園都市最高の頭脳なんだから、料理くらい簡単にできるよネ!

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