うずまきモエギ、NARUTO世界に生きる   作:ココスケ

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第22話

「皆、よく頑張ったわね。」

 

水影様に報告を済ませた後、私が褒めると3人は顔を綻ばせた。

何だかんだで気を張っていたらしい。

 

「先生…怖かった…!」

「はいはい、良く頑張りました。」

 

タスクはふえぇ…と泣きついてきた。

抱き着かれたので、ポンポンと頭を撫でる。

 

だが、私は知っている。

 

ニヤァ…と笑みを浮かべながらチャクラ解剖刀(メス)で盗賊達を倒していき、盗賊の殆どをタスクが倒してしまっている事を。

 

臆病な性格で繊細なチャクラコントロールに長けていたタスクは、医療忍術に向いていた。

 

私が基礎から教えていけば、みるみるうちに吸収し、霧隠れでも上から数えた方が早いレベルの医療忍術の使い手になった。

 

そして、私は白毫の術の溜め方を教え、タスクは時間を掛けてチャクラを溜める事になった。

必然的に使えるチャクラは減り、全力は出せないはずなのだが…他の2人よりも強い。

 

恐らく、アカデミーでは臆病な性格故に全力を出せずにいたのだろう。

私との修行や任務では全力を出さねば死ぬかも知れない状況で、無意識に全力を出している。

それに加え、医療忍術の応用である桜花衝やチャクラ解剖刀(メス)を武器としている。

 

間違いなく、下忍になってから1番成長しているのはタスクだ。

 

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「む~…。」

「やぐらさん…可愛い…。」

「可愛い言うなし。モエギの方が可愛いし。」

 

夕方、やぐらさんが飛雷神でやってきた。

だが、お昼間に抱き着いてきたタスクを撫でていた事に嫉妬して拗ねているらしい。

 

「やぐらさん、好き。」

「な…な…す、好きで誤魔化そうとしてもダメだからなっ…。

ぷぅ…!」

 

頬を膨らませ、怒ってるんだぞとアピールするやぐらさんだが、私が可愛さに蕩けた顔をするだけであった。

 

「だって…やぐらさんの事…好きなんだもん…。」

「…無防備に男に抱き着かれてちゃダメだぞ。

モエギは可愛いんだから…勘違いした男がモエギに迫ったらどうするんだ。

モエギに抱き着くのも、抱き着かれるのも、俺だけでいいの。」

 

なにこの可愛い生き物…!

思わずやぐらさんの胸板に飛び込み、頬ずりしてしまう。

 

「分かった~やぐらさん、好き。」

「俺も、モエギが好きだ。」

「やぐらさんも…私以外の女の子に抱き着かれちゃダメだよ?

…やぐらさんの事、好きな子はいっぱいいるんだから。」

 

唇を尖らせながら言うと、可愛い…嫉妬可愛い…独占欲可愛い…と蕩けた顔で言い始めた。

 

「もう…可愛い!」

 

我慢ならないとばかりに抱き締められる。

ギュッと抱き締められているはずなのに、壊れ物を扱うかのように優しく抱き締めてくれる。

 

甘えん坊な私を、とことん甘やかしてくれるやぐらさん。

 

可愛くて、カッコよくて、優しくて、甘やかしてくれて、強くて、可愛い水影様であるやぐらさんは、かなりモテる。

 

熱い視線を向ける女の子はいっぱいいる。

 

やぐらさんが相手にしないのは分かっているが、やぐらさんの良いところは私だけが知っていればいいと考えてしまう。

 

嫉妬の感情を初めて知った私は、自己嫌悪に陥ったが…可愛いやぐらさんが、私に嫉妬と独占欲を発揮してくれたお陰で自己嫌悪から抜け出せた。

 

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「だぁっ!先生、手加減しろよっ!上忍だろ?」

『弱そうなどと口にしながら手加減してもらわなければ勝てねぇのか?』

「最初の事をネチネチ言ってんじゃねぇ!」

「ミロク、敵が貴方の実力に合わせて手加減してくれるとでも?

先生に手加減してもらわなければならないようじゃ生き残れないわよ。」

「ユキの言う通りよ。

10分の休憩を与えます。その間に体を休め、3人で戦略を立てなさい。」

 

 

初めてのCランク任務から、半年弱の時間が流れていた。

もうすぐ中忍試験だ。

 

今回は木の葉で行われる予定だ。

 

霧隠れから出るのはモエギ班、長十郎班、白班だ。

私達が手を挙げると、他の上忍は辞退してしまったので、出場する全班がルーキーとなった。

 

木遁飛雷神で全員を送る予定なので、ギリギリまで修行を行う。

 

中忍試験まで、後3日。

 


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